JPH02379B2 - - Google Patents

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JPH02379B2
JPH02379B2 JP56068106A JP6810681A JPH02379B2 JP H02379 B2 JPH02379 B2 JP H02379B2 JP 56068106 A JP56068106 A JP 56068106A JP 6810681 A JP6810681 A JP 6810681A JP H02379 B2 JPH02379 B2 JP H02379B2
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polycaprolactone
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Yoshinari Ogawa
Noryuki Akagi
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は樹脂組成物に関し、更に詳しくは成形
性にすぐれかつ寸法安定性にすぐれた成形品を形
成する高結晶性のポリエチレンテレフタレート樹
脂組成物に関する。 ポリエチレンテレフタレート樹脂は機械的性
質、耐薬品性、電気的特性、耐熱性等にすぐれて
おり、電気絶縁部品、自動車部品等に広く用いら
れている。またこれらの特性は各種添加剤例えば
ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化剤や難燃剤
等の機能付与剤を添加することにより、更に改良
され、その応用領域が拡められている。 ところで、ポリエチレンテレフタレート樹脂の
如き結晶性高分子は、その種々の特性が結晶化度
合に大きく依存するという特徴があり、例えば寸
法精度、熱変形温度を向上させるには、結晶化度
を高める必要がある。 それ故、ポリエチレンテレフタレート樹脂の結
晶化を促進させる手段として、従来から種々の方
法が提案されている。 例えば部分的に結晶化した状態で得られた成形
物を、後加熱処理によつて結晶化を進行せしめる
方法や、結晶化を促進する液体に浸漬する方法が
提案されている。しかし、これらの方法は成形後
に後加工を必要とし、かつまたかかる後加工時に
成形物が変形しやすいという欠点があり、必ずし
も望まれる手段ではない。 また、成形加工時に結晶化をより進行せしめる
為通常140℃位に加熱した金型内に溶融樹脂を注
入し、固化する方法が提案されている。しかし、
この方法は金型を高温に保持する必要があり、こ
のため加熱媒体を用いるが、成形作業の安全や省
エネルギー面において好ましくなく、又成形サイ
クルが比較的長くなる欠点がある。 これらの点を改良する方法として、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂の結晶化を促進させる効果
のある各種の結晶核剤の添加による改良がなされ
ている。例えばタルク、カーボンブラツク、グラ
フアイト等の如き無機固体物質或は有機モノカル
ボン酸の金属塩の如き化合物が有効な結晶核剤と
して添加されている。 しかし、この結晶核剤を添加することによつて
成形サイクルの短縮化がかなりの程度可能となつ
ているが、十分であるとは言えない。例えばポリ
エチレンテレフタレート樹脂に結晶核剤を添加せ
しめても成形時の金型温度を85〜110℃に保持し
た場合には、成形時の結晶化速度が速くないこと
に起因して離型性が可成り悪くなり、これを避け
るためには長時間金型内に放置して冷却する必要
がある。更にまた、斯様にして得られた成形品の
結晶化は十分進んでいないために、肉薄の成形物
のときには耐熱性が劣り、例えばかかる成形物を
高温雰囲気のもとで使用したときには更に結晶化
が進行して寸法が変化するという欠点を有してい
る。 本発明者は、かかるポリエチレンテレフタレー
ト樹脂の欠点を改良し、更に従来技術の問題点の
改善について検討した結果、特定範囲にある数平
均分子量の末端封鎖ポリカプロラクトンと核剤と
を組合せて配合することより、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂成形時の金型温度を110℃以下の
低い状態に保つても高い生産性で成形が可能とな
り、かつその成形物は優れた寸法安定性を有する
こと、更に前記末端封鎖ポリカプロラクトンは実
質的に活性基を有しないのでポリエチレンテレフ
タレート樹脂の重合度を低下させることもなく、
従つてこれに起因する組成物の物性低下が防止で
きることを見出し、本発明に到達したものであ
る。 すなわち、本発明は (A) 極限粘度(オルソクロロフエノール溶液中35
℃で測定)0.35〜0.9を有するポリエチレンテ
レフタレート樹脂100重量部当り、 (B) 充てん剤5〜200重量部、 (C) 数平均分子量が5000以下の、全末端基の少く
とも50%が封鎖されているポリカプロラクトン
0.1〜30重量部、及び (D) 核剤としてαオレフインとα,β−不飽和カ
ルボン酸塩とからなるイオン性共重合体0.05〜
10重量部 を配合してなることを特徴とする樹脂組成物であ
る。 本発明はおいて用いられる(A)成分のポリエチレ
ンテレフタレート樹脂とは、酸成分としてテレフ
タル酸またはそのエステル形成性誘導体を用い、
グリコール成分としてエチレングリコールまたは
そのエステル形成性誘導体を用いて得られるポリ
エチレンテレフタレートを主たる対象とするが、
そのテレフタル酸成分及び/又はエチレングリコ
ール成分の一部を共重合成分で置き換えたもので
も良い。かかる共重合成分としては例えば、イソ
フタル酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、メチ
ルイソフタル酸の如きアルキル置換フタル酸類;
2,6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフ
タリンジカルボン酸、1,5−ナフタリンジカル
ボン酸の如きジフエニルカルボン酸類;4,4′−
ジフエノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸類;コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸アゼライン酸、デカジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸などの如き脂肪族または脂環族
ジカルボン酸類;トリメチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の
如き脂肪族または脂環族ジオール類;ハイドロキ
ノン、レゾルシン等のごときジヒドロキシベンゼ
ン類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)スル
ホン等のごときビスフエノール類;ビスフエノー
ル類とエチレングリコールの如きグリコールとか
ら得られるエーテルジオールなどの如き芳香族ジ
オール類;−オキシカプロン類、ヒドロキシ安息
香酸、ヒドロキシエトキシ安息酸等の如きオキシ
カルボン酸類等があげられる。 これらの共重合成分は一種または二種以上用い
ることができ、またその割合は全ジカルボン酸
(オキシカルボン酸はその半分量がカルボン酸と
して計算)当り20モル%以下であることが好まし
い。 更に、上述のポリエチレンテレフタレートに分
岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメリシン
酸、トリメリツト酸のごとき三官能、もしくはピ
ロメリツト酸の如き四官能のエステル形成能を有
する化合物を少割合共重合せしめても良い。これ
らのポリエステルを一種または二種以上組合せて
用いても良い。 本発明で用いられる上述のポリエチレンテレフ
タレート樹脂の極限粘度は、オルソクロロフエノ
ール溶媒を用い35℃にて測定したとき、0.35〜
0.9、更には0.4〜0.9、特に0.45〜0.8の範囲にある
ことが望ましい。0.9を越える極限粘度のポリエ
チレンテレフタレート樹脂を用いる場合には組成
物の流動性が悪く、得られた成形物の外観の光沢
が失われるのみならず、その機械的、熱的性質の
バラツキが大きくなるので好ましくない。 本発明において用いられる(B)成分の充てん剤と
しては、ガラス繊維、アスベスト、炭素繊維芳香
族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、スチ
ール繊維、セラミツクス繊維、ボロンウイスカー
等の如き繊維状物;マイカ、シリカ、タルク、炭
酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク
ス、クレー、ウオラストナイト等の如き粉状、粒
状或いは板状の無機フイラーが例示される。 これらの充てん剤は、通常補強材、表面改質材
として、或いは電気的、熱的その他の特性改質を
目的として配合されるが、これらの充てん剤のう
ち特にガラス繊維を本発明の(B)成分として用いる
ときには単なる補強用充てん剤としての効果発現
のみならず、後述する(C)成分及び(D)成分の結晶化
促進効果の作用と相まつて高度な耐熱変形安定性
を奏する。 かかる目的のために用いられる(B)成分としての
ガラス繊維は、一般に樹脂の強化用に用いるもの
ならば特に限定はない。たとえば長繊維タイプ
(ガラスロービング)や短繊維状のチヨツプドス
トランド、ミルドフアイバーなどから選択して用
いることができる。またガラス繊維は集束剤(例
えばポリ酢酸ビニル、ポリエステル集束剤等)、
カツプリング剤(例えばシラン化合物、ボラン化
合物等)、その他の表面処理剤で処理されていて
も良い。更にまた、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
等の樹脂で被覆されていても良い。通常、長繊維
タイプのガラス繊維は樹脂とのブレンド前又はブ
レンド後に所望の長さに切断されて用いられる
が、この使用態様も本発明においては有用であ
る。 本発明において(B)成分の添加量は、添加による
効果発現の最小量と過剰添加によるポリエチレン
テレフタレート樹脂本来のすぐれた特性の損失や
成形上の問題特に流動性の低下などを考慮した場
合、その好ましい配合量はポリエチレンテレフタ
レート樹脂100重量部当り(B)成分の総量が5〜200
重量部であることが望ましい。この添加量が5重
量部より少いときには成形物の強度や耐熱性が低
く又、(B)成分添加による目的の各種特性向上の効
果が充分発現されず不満足な成形物しか得ること
ができない。逆に200重量部を超える場合には、
組成物の熔融流動性が著しく劣り、外観の良好な
成形品を得ることが出来ず、更に又(B)成分添加に
伴う強度や耐熱性その他の特性に対する向上効果
は飽和に達するために好ましくない。 本発明において用いられる(C)成分のポリカプロ
ラクトンは、数平均分子量が5000以下の、全末端
基の少くとも50%が封鎖されているポリカプロラ
クトン〔以下、末端封鎖ポリカプロラクトンと云
う〕である。この末端封鎖ポリカプロラクトン
は、公知の方法により、ε−カプロラクトンを開
環重合して得られる末端に遊離のカルボキシル基
及び/または水酸基を有するポリカプロラクトン
と、該カルボキシル基または水酸基を封鎖する一
価の化合物とを反応させることによつて製造する
ことができる。 ε−カプロラクトンの開環重合にいる重合開始
剤としては、例えばn−ヘキシルアルコール、n
−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコー
ル、n−ノニルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコールなどの一価アルコー
ル;例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、エチルエチレングリコール、2−メチル
−1,2−プロパンジオール、ピナコール、β−
ブチレングリコール、ジエチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグ
リコール類;例えばグリセリン、1,2,3−ブ
タントリオール、1,2,3−ペンタントリオー
ル等の三価アルコール類;例えばエリトリツト、
ペンタエリスリトール等の四価アルコール類;例
えば安息香酸、P−メチル安息香酸、ラウリン
酸、ミリシン酸等の一価カルボン酸類;例えばイ
ソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸、4,4′−ジフエノキシ
エタンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、デカジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸等の二価カルボン酸
類;例えばトリカルバリル酸、トリメリシン酸、
トリメリツト酸等の三価カルボン酸類;例えばピ
ロメリツト酸等の四価カルボン酸類;例えばε−
オキシカルボン酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸
等のオキシカルボン酸類などを例示することがで
きる。更に又、これらの重合開始剤を用いてε−
カプロラクトンを開環重合する際の反応を促進せ
しめる触媒として、公知の開環触媒であるテトラ
オクチル錫、ジフエニル錫ジラウレート等の錫系
触媒やチタン酸テトラブチルの如きチタン系触媒
を用いることが好ましい。 斯様にして得られるポリカプロラクトンの末端
基の種類は使用する重合開始剤の種類によつて異
り、アルコール類ではヒドロキシル基、カルボン
酸類ではカルボキシル基、オキシカルボン酸類や
水ではヒドロキシル基とカルボキシル基の両方が
末端基となる。これらのうち、重合開始剤として
グリコール類を用いたものが好ましい 本発明においては、ポリカプロラクトンの全末
端基の少くとも50%、好ましくは70%以上を封鎖
する必要がある。ポリカプロラクトンの末端基は
すべて封鎖されているのが理想であり、特に好ま
しい。この封鎖には、カルボキシル基または水酸
基の活性をなくすものであれば任意の一価の化合
物が用いられる。封鎖には、例えばエステル結
合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合等
が用いられるが、エステル結合による封鎖が好ま
しい。エステル結合による封鎖に用いられる化合
物としては、例えば末端基がヒドロキシル基の場
合には、一価のカルボン酸類またはそのエステル
形成性誘導体であり、また末端基がカルボキシル
基の場合には一価のアルコール類またはそのエス
テル形成誘導体を示すことができる。この一価カ
ルボン酸類またはそのエステル形成性誘導体とし
ては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、安息香酸、トルイル酸、
ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、
2,3,4,5−テトラメチル安息香酸等のカル
ボン酸類やこれらの酸無水物、酸ハライドなどが
例示され、更にはこれらのカルボン酸類のエステ
ル誘導体、例えば酢酸フエニル、カプロン酸エチ
ル、安息香酸メチル、トルイル酸エチル等が挙げ
られる。また一価アルコール類又はそのエステル
形成性誘導体としては例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、
n−アミルアルコール、ラウリルアルコール等の
アルコール類や、これらのハロ炭酸エステル類や
カルボン酸エステル類等が挙げられる。 ポリカプロラクトンと一価のアルコール類もし
くはそのエステル形成性誘導体或いは一価のカル
ボン酸類もしくはそのエステル形成性誘導体との
反応によつて末端を封鎖したポリカプロラクトン
を得るには公知のエステル化反応を用いることが
でき、これにより容易に得ることができる。 この末端封鎖ポリカプロラクトンの好ましいも
のとしては、一般式 〔R′CO(−O(−CH2)−5CO)−oO〕−nR〔−CO
(−O(−CH2)−5CO)−o′OR″〕n′ 〔ここで、式中Rは(m+m′)価の有機基、R′,
R″はそれぞれ一価の有機基、n,n′はそれぞれ
2以上の数、m,m′はそれぞれ0〜4の数であ
り、かつ(m+m′)は1以上である。〕 で表わされるポリカプロラクトンである。前記一
般式において、Rがグリコールによる場合、
m′は0となり、mは2となり、R′CO−は封鎖に
用いた一価カルボン酸の残基を表わす。またRが
ジカルボン酸による場合、mは0となり、m′は
2となり、−OR″は封鎖に用いた一価アルコール
の残基を表わす。更にまた、Rがオキシカルボン
酸による場合、m,m′は1となり、R′CO−は封
鎖に用いた一価カルボン酸の残基、−OR″は封鎖
に用いた一価アルコールの残基を表わす。 斯様にして得られる末端封鎖ポリカプロラクト
ンは、後述する核剤との組合わせによつてポリエ
チレンテレフタレート樹脂の結晶化を顕著に促進
させる作用効果を発現するが、該結晶化促進効果
は末端封鎖ポリカプロラクトンの分子量によつて
大きく影響され、数平均分子量が5000より大きい
場合には全く或いは殆んど結晶化促進功果を奏さ
ないのに対し20000以下の小さい数平均分子量の
末端封鎖ポリカプロラクトンを配合すると顕著な
結晶化促進の作用効果を示す。従つて本発明にお
いて用いられる末端封鎖ポリカプロラクトンの数
平均分子量は5000以下である。 これらの末端封鎖ポリカプロラクトンの配合量
はポリエチレンテレフタレート樹脂100重量部当
り0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜15重量部であ
る。この量が0.1重量部より少いと本発明の目的
である結晶化促進には実質上効果がなく、また30
重量部よりも多くなると該効果が増大されないば
かりか逆に強度低下をもたらすなどの不利な点が
でてくるので好ましくない。 本発明において用いられる(D)成分の核剤は、(C)
成分の末端封鎖ポリカプロラクトンとの組合せで
ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化を促進
させる効果の大きいα−オレフインとα,β−不
飽和カルボン酸塩とからなるイオン性共重合体で
ある。 このα−オレフインとα,β−不飽和カルボン
酸塩とからなるイオン性共重合体は公知の方法に
よつて得ることができ、その製造法は例えば特公
昭39−6810号公報に記載されている方法がある。 イオン性共重合体としては下記構造式で示され
る単位を有するポリマーを使用することが好まし
い。 ここで R1:H、CH3〜C12H25、C6H5、 R2:H、CH3、C2H5 Me+:1価の金属のイオン、 Me++:2価の金属のイオン、 Me+++:3価の金属のイオン、 x,y及びnは整数を表わす。 α−オレフインとα,β−不飽和ジカルボン酸
の塩よりなるイオン性共重合体、例えばエチレン
−マレイン酸との、又はエチレン−イタコン酸と
の共重合体で、1〜3価の金属の金属イオンを含
む共重合体を使用することもできる。 またイオン性共重合体としてグラフト共重合体
を使用することも出来る。かかる共重合体は例え
ばα,β−不飽和カルボン酸エステルをポリオレ
フインにグラフト結合させ、これをケン化し、次
いで水酸化アルカリ金属と反応せしめることによ
つて得ることができる。この共重合体のオレフイ
ン含量は少くとも50重量%あることが好ましい。
特に好都合なのはオレフイン含量が80〜99重量%
の共重合体である。 更にまたイオン性共重合体として下記の単位を
含むポリマーを使用することができる。 ここで R1:H、CH3〜C12H25、C6H6 R2:H、CH3、C2H5 R3:H、CH3、C2H5 R4:H、CH3〜C12H25 x,y及びzは整数を表わす。 このイオン性共重合体のオレフイン含量は少く
とも50重量%であることが好ましい。特に好都合
なのはオレフイン含量が80−90重量%の共重合体
である。エステル成分とイオン性成分との総量は
少くとも10重量%で、イオン性成分はイオン性共
重合体の全量の少くとも3%であることが好まし
い。全てのカルボキシル基が金属イオンによつて
中和されている必要は特にないが、カルボキシル
基の少くとも10%が金属イオンによつて中和され
ていることが必要である。 尚、金属イオンとしては上述の特公昭39−6810
号公報に記載されたものは全て使用することがで
きるが、特に好都合なのはアルカリ金属イオン殊
にナトリウムイオンである。特に好都合な共重合
体はエチレンとメタアクリル酸とからなり、アル
カリ金属イオン殊にナトリウムイオンを含むイオ
ン性重合体である。 この核剤の配合量は、通常ポリエチレンテレフ
タレート樹脂(A)100重量部に対して最も少ない場
合には0.05重量部、最も多い場合には10重量部の
範囲から選ばれる。なお核剤の添加量が少なすぎ
る場合には核剤としての効果が発現されず、逆に
添加量を多くし過ぎても核剤としての作用効果が
増大されることがないばかりか、むしろ強度その
他の特性面で悪い結果を与える場合がある。 本発明の樹脂組成物を得るのに任意の配合方法
を用いることができる。通常これらの配合成分は
より均一に分散させることが好ましく、その全部
もしくは一部を同時に或は別々に例えばブレンダ
ー、ニーダー、ロール、押出機等如き混合機で混
合し均質化させる方法や混合成分の一部を同時に
或いは別々に例えばブレンダー、ニーダー、ロー
ル、押出機等で混合し、更に残りの成分を、これ
らの混合機或いは押出機で混合し、均質化させる
方法を用いることができる。更に、本発明の(C)成
分である末端封鎖ポリカプロラクトンはポリエチ
レンテレフタレート樹脂中に練り込んで用いるこ
とが好ましく、両者を予め溶融混合することは好
ましいことである。 最も一般的な方法は予めドライブレンドされた
組成物を更に加熱した押出機中で溶融混練して均
質化したあと、針金状に押出し、次いで所望の長
さに切断して粒状化する方法である。斯様にして
作られた樹脂組成物は通常充分乾燥された状態に
保たれて成形機ホツパーに投入され、成形に供さ
れる。また他の方法としては例えばポリエチレン
テレフタレート樹脂製造時、縮重合前、縮重合後
或いはその途中で他の成分を添加、混合する方法
があげられる。特に充てん材としてガラス繊維を
用いる場合にはその混練時の破砕を極力防止し、
また組成物製造時の作業性を上させる目的で、他
の成分と一緒に押出機中で溶融混練させることな
く、ドライブレンドしても良く、例えば押出機で
作られたガラス繊維未含有のポエチレンテレフタ
レート粒状物と所定量のガラスチヨツプドストラ
ンドもしくはあらかじめ調整されたガラス繊維高
含有の熱可塑性樹脂と共に混合した組成物を成形
機ホツパーに投入し、成形に供することもでき
る。 本発明の樹脂組成物には、更に他の特性向上を
目的として種々の添加剤を配合することができ
る。この様な添加剤としては例えば、難燃性改良
を目的として、デカブロモビフエニルエーテル、
オクタブロモビフエニルエーテル、ヘキサブロモ
ビフエニルエーテル、ハロゲン化ポリカーボネー
トオリゴマー(例えば臭素化ビスフエノールAを
原料として製造されたポリカーボネートオリゴマ
ー)、ハロゲン化エポキシ化合物等の如きハロゲ
ン含有化合物:赤りん、燐化合物、ホスホン酸ア
ミドの如きりん−窒素化合物など:難燃助剤(例
えば三酸化アンチモン、硼酸亜鉛等)等が挙げら
れる。更には耐熱性向上を目的として、ヒンダー
トフエノール化合物、硫黄化合物等の如き酸化防
止剤或いは熱安定剤を添加することもできる。ま
た溶融粘度安定性、耐加水分解性改良等の目的に
は、各種のエポキシ化合物を添加しても良い。エ
ポキシ化合物としては、例えばビスフエノールA
とエピクロルヒドリンを反応させて得られるビス
フエノールA型エポキシ化合物、各種グリコール
やグリセロールとエピクロヒドリンとの反応から
なる脂肪族グリシジルエーテル、ノボラツク樹脂
とエピクロルヒドリンより得られるノボラツク型
エポキシ化合物、芳香族もしくは脂肪族カルボン
酸型エポキシ化合物、脂環族化合物から得られる
脂環族化合物型エポキシ化合物などが好ましく、
特に好ましいエポキシ化合物としてはビスフエノ
ールA型エポキシ化合物及び低分子量ポリエチレ
ングリコールのジグリシジルエーテルが挙げられ
る。その他の添加剤としては紫外線吸収剤、酸化
防止剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、発泡剤等が
例示される。 また少量の割合で他の熱可塑性樹脂、例えばス
テロール樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、フツ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリスルホン等:熱硬化性
樹脂例えばフエノール樹脂、メラミン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等:更には
軟質熱可塑性樹脂、例えばエチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリエステルエラストマー、エチレン
−プロピレン−ターポリマー等を添加しても良
い。 本発明の樹脂組成物は一般の熱可塑性樹脂の成
形機によつて通常の方法で容易に成形することが
可能である。しかも、極めて良好な結晶性を有し
ており従来品に比較して一層広範囲の金型温度で
優れた成形性を有し且つ得られた成形品の寸法安
定性は著しく優れている。 以下実施例により本発明を詳述する。尚、実施
例中の各種特性の測定は以下の方法によつた。ま
た実施例中記載のポリエチレンテレフタレートの
極限粘度はオルソクロロフエノール溶液中35℃に
て測定した値である。更にまた部は重量部を意味
する。 (1) 熱変形温度: ASTM−D648により、荷重264Psiにて測定
した。 (2) 静的強度: 引張試験……ASTM D−638に準拠。 曲げ試験……ASTM D−790に準拠。 (3) 収縮率: 内寸法が縦110mm×横110mm、厚み2mmの平板
金型にて平板を成形し、次の式により成形収縮
率、熱収縮率を計算した。 成形収縮率(%)=110−(成形品寸法(mm)/110×
100 熱収縮率(%)=成形品寸法(mm)−熱処理後寸法(
mm)/成形品寸法(mm)×100 但し成形品寸法とは成形後25℃の室温で48時
間放置後の寸法であり、熱処理後寸法とは上記
成形品を120℃で2時間アニーリングした後25
℃の室温で48時間放置後の寸法である。 実施例 1 130℃にて5時間乾燥した極限粘度0.65のポリ
エチレンテレフタレートのチツプに、長さ3mmの
ガラスチヨツプドストランド、数平均分子量1590
の末端封鎖ポリカプロラクトン及び核剤を表−1
に示す量割合で添加し、V型ブレンダーを用いて
均一混合した。得られた混合物を65mmφの押出機
でバレル温度270℃にて熔融混合し、ダイスから
吐出されるスレツドを冷却切断して成形用ペレツ
トを得た。 次いで、このペレツトを130℃で5時間熱風乾
燥したあと5オンスの射出成形機に物性測定用試
験モールドを取り付けて、シリンダー温度270℃、
金型温度85℃、射出圧力800Kg/cm2、冷却時間20秒
及び全サイクル35秒の成形条件で試験片を成形し
た。 斯様にして得られた成形品の熱変形温度、収縮
率、表面外観及び強度について測定した。 これらの結果を表−1に示す。 尚ここで使用した末端封鎖ポリカプロラクトン
は、ε−カプロラクトン100部に重開開始剤とし
てエチレングリコール4.31部及びオクチル酸錫
0.09部を添加し、180℃に加熱、6時間撹拌重合
させて得たポリカプロラクトンに無水酢酸28.4部
を添加、再び加熱して130℃に温度を保ち、且つ
反応によつて留出する酢酸を系外に除きながら2
時間撹拌反応せしめ、更にその後過剰の無水酢酸
を減圧で除去することによつて得た。この末端封
鎖ポリカプロラクトンの水酸基価をJIS K−1557
に準拠して測定した値は2以下であつた。 またイオン性共重合体は、エチレン90部とメタ
アクリル酸10部とからの共重合体であり、そのカ
ルボキシル基がナトリウムイオンで中和されてい
るものであり、このメルトインデツクスは
ASTM−D−1238−57Tにより5.8g/10分以下、
粒度300〜500μであつた。
【表】 表−1にて明らかなように、本発明の(C)成分、
(D)成分のいずれが欠けても成形組成物はその結晶
化度が低く、従つて低い熱変形温度と大きい熱収
縮率のものであるのに対し、本発明による(C)成分
と(D)成分を組合せて配合することにより成形組成
物は結晶化が促進され熱変形温度が高く且つ熱処
理による収縮率も低く、表面外観の良いものが得
られることが判かる。 実施例2〜4、比較例5〜11 140℃にて4時間乾燥した極限粘度0.70のポリ
エチレンテレフタレート、長さ3mmのガラスチヨ
ツプドストランド、イオン性共重合体又は核剤と
しての作用を奏するタルク、及び種々の分子量か
らなる末端封鎖ポリカプロラクトンを表−2に示
す量割合で添加混合し、実施例1と同一条件にて
押出して成形用ペレツトを得、次いで成形に供し
た。 斯様にして得られた成形組成物について熱変形
温度、核剤の分散性及び樹脂組成物の結晶性を測
定した。この結果を表−2に示した。
【表】
【表】 実施例 5 130℃にて5時間熱風乾燥した極限粘度0.64の
ポリエチレンテレフタレート60部、長さ3mmのガ
ラスチヨツプドストランド30部、ポリカプロラク
トン(変性PCL−A)5部、イオン性共重合体
5部を混合し実施例1と同様な操作により成形用
ペレツトを得た。 尚ここで使用した末端封鎖ポリカプロラクトン
(変性PCL−A)は、末端基がヒドロキシル基で
ある市販のポリカプロラクトン(ダイセル(株)製;
商品名プラクセル#205、数平均分子量550)100
部に安息香酸メチル100部、酢酸マンガン0.14部
を添加し、190〜210℃に加熱且つ反応によつて留
出するメタノールを系外に除きながら10時間撹拌
反応せしめ、更にその後過剰の安息香酸メチルを
減圧で除去することによつて得た(水酸基価2以
下)。 斯様にして得られた成形品は光沢があり、極め
て良好な外観を呈していた。 また熱変形温度、収縮率、強度は次の通りであ
つた。 熱変形温度:205℃ 成形収縮率:1.6% 熱収縮率 :0.12% 引張強度 :1470Kg/mm2 曲げ強度 :2130Kg/mm2 曲げ弾性率:87000 実施例6〜7、比較例12〜13 実施例1の試料(樹脂組成物)と、同試料の末
端封鎖したポリカプロラクトンに代えて末端封鎖
のないポリカプロラクトンからなる樹脂組成物に
ついて末端封鎖効果を比較するために、成形温度
を270℃及び280℃により、実施例1と同様な成形
試験を行い、成形品を得た。結果を表−3に示し
た。
【表】 表−3の結果から、高い成形温度で成形する
と、末端封鎖をしたポリカプロラクトンを用いる
本発明の組成物の機械的強度が優れていることが
判り、末端封鎖処理したポリカプロラクトンは組
成物の熱安定性を改良していることが認められ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 極限粘度(オルソクロロフエノール溶液
    中35℃で測定)0.35〜0.9を有するポリエチレ
    ンテレフタレート樹脂100重量部当り、 (B) 充てん剤5〜200重量部、 (C) 数平均分子量が5000以下の、全末端基の少く
    とも50%が封鎖されているポリカプロラクトン
    0.1〜30重量部、及び (D) α−オレフインとα,β−不飽和カルボン酸
    塩とからなるイオン共重合体0.05〜10重量部 を配合してなることを特徴とする樹脂組成物。 2 前記ポリカプロラクトンが一般式 〔R′CO(−O(−CH2)−5CO)−oO〕−nR〔−CO(
    −O(−CH2)−5CO)−o′OR″〕n′ 〔但し、式中Rは(m+m′)価の有機基、R′,
    R″はそれぞれ一価の有機基、n,n′はそれぞれ
    2以上の数、m,m′はそれぞれ0〜4の数であ
    り、かつ(m+m′)は1以上である。〕 で表わされ、数平均分子量が5000以下のポリカプ
    ロラクトンであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の樹脂組成物。
JP56068106A 1981-01-30 1981-05-08 Resin composition Granted JPS57192450A (en)

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