JPH0237448B2 - Kyoryokozo - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は橋梁構造にかかり、特に予め所定の断
面形状に折曲げ加工された鋼板（以下これをベン
トプレートという）と鉄筋コンクリートとの合成
桁を有する橋梁構造に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

例えば、橋脚または橋台上に橋軸方向に敷設さ
れる主桁上にコンクリート床版を打設する鋼橋に
おいては、コンクリート床版を打設するための型
枠の設置に要する時間が掛り、鋼橋の架設工期、
延いては工費に占める割合が年々増加しており、
周囲の状況によつては安全対策上の理由から支保
工や型枠等が設置不可能な場合も生じている。

上記のことから、近時鋼板製のデツキプレート
を主桁上に敷設し、このプート上にコンクリート
を打設して埋め殺し型枠として使用することによ
り型枠設置作業上の省力化および安全性が計られ
ている。

しかしながら上記従来のデツキプレートを用い
るものでは、このデツキプレートを単に埋め殺し
型枠として利用するに留まるものであり、橋桁お
よび床版全体の強度部材としての機能まで追及さ
れてはいず、経済性が積極的に考えられてはいな
い現状にある。

〔発明の目的〕

本発明はこれに鑑み、従来の主桁を廃し、ベン
トプレートと鉄筋コンクリートとで床版および合
成桁を形成するようにして、ベントプレートによ
る床版型枠および引張鉄筋としての機能と主桁と
しての機能を与え、床版および主桁としての引張
り力に対してはベントプレートが負担するように
した橋梁構造を提供することを目的としてなされ
たものである。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するために、本発明にかかる橋
梁構造は、鋼板製単位ベントプレートを橋脚（橋
台）上に橋軸方向に並列敷設して隣位の単位ベン
トプレート相互を結合することにより形成された
ベントプレートの側壁間に鉄筋入りまたは無筋の
コンクリートを打設してこのコンクリートとベン
トプレートとで合成桁を構成する主桁部分と、前
記ベントプレートの上面より上に鉄筋入りのコン
クリートを打設して形成した床版部分とで構成し
たことを特徴とするものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を図面に示す実施例を参照して説
明する。

第１図は本発明を適用した橋梁の一実施例の外
観の一部を示し、第２図はその要部の断面を示し
ており、図において１は橋脚または橋台（以下こ
れを橋脚と総称する）を示している。

本発明による橋梁は、第２図に示すように鋼板
製単位ベントプレート２，２…を橋脚１上に橋軸
方向に並列敷設して隣位の単位ベントプレート
２，２…相互を結合することにより一連に形成さ
れたベントプレート２Ａを備え、このベントプレ
ート２Ａの側壁２Ｂ，２Ｂ間に鉄筋入りまたは無
筋のコンクリートを打設してこのコンクリートと
ベントプレート２Ａとで合成桁を構成する主桁部
分３と、前記ベントプレート２Ａの上面２Ｃより
上に鉄筋入りのコンクリートを打設して形成した
床版部分４とからなつており、床版部分４の表面
には必要によりアスフアルト５が敷設されてな
る。

前記単位ベントプレート２は、縦長台形状断面
を有する鋼板製のもので、側壁２Ｂ，２Ｂの下端
は水平方向外方に折曲されたフランジ２Ｄ，２Ｄ
とされ、上面２Ｃ上にはスタツド６，６…が植設
されている。

これら単位ベントプレート２，２…は、橋脚１
上に橋軸方向に並列配置し、隣位の単位ベントプ
レート２，２相互のフランジ２Ｄ，２Ｄを重ね合
せ、橋脚１の上面に埋設されたアンカーボルト７
により締着固定して一連のベントプレート２Ａを
形成する。

上記のように橋脚１上に固定されたベントプレ
ート２Ａの側壁２Ｂ，２Ｂ間に無筋または鉄筋入
りとしてコンクリートが充填され、このコンクリ
ートがベントプレート２Ａと一体化され、このコ
ンクリートとベントプレート２Ａとによる合成桁
として橋軸方向に延びる主桁部分３が構成され
る。

なお、上記のように単位ベントプレート２，２
…の並列敷設によりそのフランジ２Ｄ，２Ｄが重
ね合されて主桁部分３としてのフランジを構成す
るが、それのみではフランジ作用が不十分な場合
には第２図に一部を示すようにカバープレート８
を重ねて補なうようにすることができる。またこ
のカバープレート８は第３図に示しているように
鉄筋９に代えることも可能である。さらに第３図
に示すように単位ベントプレート２，２…の側壁
２Ｂ，２Ｂ間を鋼棒１０またはこの側壁２Ｂ，２
Ｂ間の下側の空間部分の形状に合致する形状の型
枠内にコンクリートを充填した結合材１１、ある
いは逆Ｔ字形鋼板等で結合させることにより、単
位ベントプレート２の剛性を高め、荷重を隣り合
う主桁部分３に分担させるうえで有効となる。

前記単位ベントプレート２は、第２図示のよう
に１枚の鋼板を折曲して一体に形成するほか、第
４図示のように断面台形状をなす同一形状のプレ
ートを側壁２Ｂ，２Ｂの中間部分に相当する部位
で連結１２し、一体化して形成してもよい。さら
に単位ベントプレート２の断面形状は、台形に限
らず、第５図に示す矩形状、第６図に示す雫状、
第７図に示すように第６図の上半部に相当する半
円形状断面としてもよい。なお第４図および第５
図中の符号１１は、第３図における結合材１１と
同じ構造の結合材を示す。

上記いずれの実施例においても、本発明は、鋼
板製単位ベントプレート２，２…を橋脚（橋台）
１上に橋軸方向に並列敷設して隣位の単位ベント
プレート相互を結合することにより一連のベント
プレート２Ａを形成し、このベントプレートの側
壁２Ｂ，２Ｂ間に鉄筋入りまたは無筋のコンクリ
ートを充填してこのコンクリートとベントプレー
トとで主桁部分３としての合成桁を構成し、ベン
トプレート２Ａの上面の上に鉄筋コンクリートを
打設して床版部分４を形成して橋梁としたので、
床版および主桁としての引張り力に対してはベン
トプレートの鋼板で負担することになつて内部鉄
筋がきわめて小量ですみ、施工においても重量の
ある主桁を用いないのでその作業が容易となり、
施工期間の短縮が図れ、安価に施工することがで
きるなどの種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部の斜視
図、第２図は同一部の断面図、第３図乃至第７図
は同他の変形例を示す第２図相当図である。 １……橋脚（橋台）、２……単位ベントプレー
ト、２Ａ……ベントプレート、２Ｂ……側壁、２
Ｃ……上面、２Ｄ……フランジ、３……主桁部
分、４……床版部分、６……スタツド、７……ア
ンカーボルト、８……カバープレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋼板製単位ベントプレートを橋脚（橋台）上
   に橋軸方向に並列敷設して隣位の単位ベントプレ
   ート相互を結合することにより形成されたベント
   プレートの側壁間に鉄筋入りまたは無筋のコンク
   リートを打設してこのコンクリートとベントプレ
   ートとで合成桁を構成する主桁部分と、前記ベン
   トプレートの上面より上に鉄筋入りのコンクリー
   トを打設して形成した床版部分とからなる橋梁構
   造。