JPH0237221B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、川底等より採掘した土砂を骨材分級
機で水洗選別したとき生じる、砂が混入した混合
水から、沈殿砂を水や泥と分級して採取するため
等に使用するロータリ分級機に関する。

従来、コンクリート・アスフアルト路盤用の骨
材用砂として重用されている、河川の沈殿砂を採
取するためのロータリ分級機は、その砂採取口側
のドラム内周面に複数枚の掻上羽根が放射状に植
設され、該掻上羽根とドラム胴板により形成され
る、断面が略Ｕ字型の樋状室に沈殿砂を保持搬送
する構造となつているが沈殿砂の脱水性に欠ける
問題があつた。

すなわち、従来のロータリ分級機では、沈殿砂
は水と共に掻上羽根によりすくい上げられドラム
の天井部を経てベルトコンベヤなどの搬出装置上
に落下するまでの間、水層と砂層が層分離するこ
とはあつても、前記樋状室外へ水を排出する作用
に乏しいため、掻上羽根上の沈殿砂が前記天井部
への移送途中において回転ドラム底部に落下し易
いので砂の採取効率が低いばかりでなく採取砂の
同伴水分が多く、取扱いが不便で製品砂としての
品質も良好でなく、上記同伴水を別途に処理しな
ければならないなどの問題点があつた。

本発明は、これらの問題点を的確に排除し、著
しく脱水度の良好な砂を安定して得ることができ
る分級機を提供することを目的とするものであ
る。

すなわち本発明は、回転ドラム内の沈殿砂を水
中から掻き上げて移送するための掻上羽根を前記
回転ドラムの内周面に複数放射状に配設したロー
タリ分級機において、前記掻上羽根を不透水性材
料による板状体で構成すると共に前記回転ドラム
内周面との間に通水間隙を形成するように設け、
前記回転ドラムの前記掻上羽根配設部位を環状の
弾性部材により構成すると共に、該弾性部材の頂
部及び底部に繰返し衝撃を与える衝撃部材を配設
したことを特徴とするロータリ分級機である。

次に本発明の実施例を図面を参照して説明する
と、水平に架設された回転ドラム１１の一端に、
排水側鏡板１２及びこれに連接して第１環状仕切
板１３を設けて原水投入シユート１４の挿入口を
形成し、他端には排出側鏡板としての第３環状仕
切板１５と、これに近接して第２環状仕切板１６
を設け、前記第１環状仕切板１３側から第３環状
仕切板１５に向けて砂を移送するためのらせん羽
根（スクリユーリボン）１７を回転ドラム１１の
内壁に突設し、第２環状仕切板１６と第３環状仕
切板１５との間には、透水性材料から構成された
第１掻上羽根１８をらせん羽根１７の内側に放射
状に配設すると共に、第１掻上羽根１８により天
井部まで移送されたのち落下する沈殿砂を受けて
第２掻上羽根２２上部へ排出するための一次側排
出シユート１９を配設してある。

さらに、前記第３環状仕切板１５と連結して回
転ドラム１１の一部を形成する、弾性材料による
弾性リング２０を設けると共に、該弾性リング２
０に第４環状仕切板２１を連結し、弾性リング２
０の内周面には複数放射状に前記第２掻上羽根２
２を突設してある。この第２掻上羽根２２は、不
透水性材料による長方形の板状体であつて、第４
図に示すように前記内周面に対向する外周縁部の
一部を切り欠いた略コ字状のもの（或いは該外周
縁部にスリツトを形成したもの）であり、該切欠
部により、第２掻上羽根２２上の砂から分離され
た水を回転ドラム底部へ排出する通水間隙２２′
が形成されている。

また、第３環状仕切板１５と第４環状仕切板２
１とにより形成される空間Ａ内には、第２掻上羽
根２２により天井部まで移送されたのち落下する
沈殿砂を受けて回転ドラム１１外に排出するため
の二次側排出シユート２３が、第４環状仕切板２
１の開口部を貫通して配備されていると共に、第
６図に示すように第２掻上羽根２２により掻き上
げられた沈殿砂がその掻上げ途中にドラム底部に
落下するのを防止するためのガードプレート２８
が配設されている。

そして第１環状仕切板１３、第２環状仕切板１
６、第３環状仕切板１５、第４環状仕切板２１の
各開口部内径の大小関係は１６＞１３＞１５＞２
１であり、前記空間Ａ内の水位は第１環状仕切板
１３と第３環状仕切板１６により形成される空間
Ｂの水位より高く維持されるようになつている。

一方、前記弾性リング２０の直上部及び直下部
には弾性リング２０に繰返し衝撃を与えるための
振動装置２４，２４′がそれぞれ配設され、該振
動装置２４，２４′は発振機２４ａからの振動を
ロール２４ｂを介して弾性リング２０に伝える構
造となつており、ロール２４ｂは回転ドラム１１
の回転に従動して回転するようになつている。

また、回転ドラム１１内の第１環状仕切板１３
近辺の底部には傾斜板沈降装置２５が、原水投入
シユート１４の先端開口部近辺の第１環状仕切板
１３側には整流板２６がそれぞれ配設され、前記
一次側排出シユート１９には沈殿砂を洗浄するた
めの洗浄水散水管２７が配設されている。

第１図乃至第６図中２７′は給水管、２９は原
水投入口、３０は架台、３１は排水シユート、３
２は排水口、３３はタイヤ、３４は支持ロール、
３５は軸受、３６はチエン、３７は駆動装置、３
８は梯子、３９は吊架台、４０は鎖車、４１は支
持具、４２は架台、４３は支持片である。

しかして、原水は原水投入口２９に供給され、
原水投入シユート１４を経て回転ドラム１１内に
供給される。沈殿砂はらせん羽根１７により第１
掻上羽根１８まで移送され、次いで第１掻上羽根
１８により天井部に移送されたのち一次側排出シ
ユート１９に落下し、次いで前記空間Ａ内に供給
される。第２掻上羽根２２，２２間に堆積する沈
殿砂（特に回転ドラム１１底部に位置するもの）
は弾性リング２０の底部下方から振動装置２４′
による繰返し衝撃を受けることにより、水分並び
に砂層内に保有されていた浮遊性物質及び砂に付
着している不純物を離脱しながらしまり状態とな
る。

この場合、沈殿砂は一次側排出シユート１９に
おいて洗浄水散水管２７からの洗浄水により洗浄
されたのち、空間Ａには沈殿砂と洗浄砂が一緒に
なつて流入するが、上記のようにして沈殿砂は効
果的に脱水処理されてしまり状態となり、空間Ａ
においては分離水層（上層）と脱水砂層（下層）
への層分離が行われる。空間Ａ内には前記洗浄水
の一部と前記分離水が貯留されるが、水位差によ
り空間Ａ内の水は空間Ｂ内に流入し、該空間Ｂ内
の沈殿砂が洗浄される。

前記しまり状態となつた沈殿砂は第２掻上羽根
２２により天井部まで移送される。この沈殿砂は
第２掻上羽根２２，２２間でしつかり保持されて
いるので通常は天井部へ来ても落下しないが、こ
こで振動装置２４により弾性リング２０を介して
与えられる繰返し衝撃により効果的な落下作用を
受け、二次側排出シユート２３内に落下したのち
回転ドラム１１外に排出される。

このように、前記第２掻上羽根２２による移送
過程（複数の第２掻上羽根２２が回転ドラム１１
の回転と共に徐々に上昇する過程）においては、
前記繰返し衝撃により砂粒子間に保持された水分
は砂層の上部に移動し、水層と砂層への固液分離
（振動脱水）が行われるが、上記水層は、第２掻
上羽根２２が回転ドラム１１の回転に伴つて下方
に傾斜することにより回転ドラム１１底部に向け
て溢流除去され、初めから砂層下部に溜まつてい
た水分は、弾性リング２０と第２掻上羽根２２の
間の通水間隙２２′から効果的に排出されるもの
である。そして、この移送過程において上段の通
水間隙２２′から排出された水分は、ドラム内壁
をつたわつて順次下段の通水間隙２２′に流下し、
上記溢流したものは直接又は一旦下段の第２掻上
羽根上の溢流水上に落下・混合してからドラム底
部に流下する。なお、上記固液分離の際、前記浮
遊性物質あるいは砂表面に付着している不純物は
分離水の上昇流によつて浮上し、第３環状仕切板
１６及び前記空間Ｂを経て第１環状仕切板１３か
ら回転ドラム１１外に排出される。

本発明では、前記傾斜板沈降装置２５よりも第
１環状仕切板１３側に降流板を水中に浸漬配備し
たり、原水投入シユート１４の先端開口部近辺か
ら第３環状仕切板１５までの空間Ｂを２枚以上の
環状仕切板で区画すると共にこれら複数の区画室
内のそれぞれに第１掻上羽根１８、一次側排出シ
ユート１９及び洗浄水散水管２７と類似の部材を
配設したり、前記空間Ａを１枚又は２枚以上の環
状仕切板で区画すると共にこれら複数の区画室内
のそれぞれに第２掻上羽根２２、二次側排出シユ
ート２３及び振動装置２４，２４′と同様の部材
を配設したり、さらには振動装置２４の代わりに
槌打装置又は押圧部材を配設したり、振動装置２
４′の代わりに槌打装置を配設することもできる。

また、二次側排出シユート２３に洗浄水散水管
を配設したり、前記空間Ａ又はＢ内下方に洗浄水
散水管を配設することもできるし、一次側排出シ
ユート１９、二次側排出シユート２３の代わりに
ベルトコンベヤ等の排出コンベヤを使用すること
もできる。

以上述べたように本発明のロータリ分級機で
は、第２掻上羽根２２，２２間の沈殿砂は前記環
状弾性部材の底部に設けた衝撃部材による脱水作
用及び不純物離脱作用を受け、回転ドラム天井部
に移送された脱水砂は環状弾性部材頂部に設けた
衝撃部材による落下作用を受け、脱水分離水は第
２掻上羽根２２の上方から溢流除去されると共
に、砂層下部の貯留水は前記通水間隙を経て排出
されるから、著しく脱水度及び洗浄度の良好な砂
が安定的に得られ、そのまま使用場所への搬送が
可能であるなどの利益が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は正面
図、第２図はその右側面図、第３図はその左側面
図、第４図は正面断面図、第５図は第４図−
線による断面図、第６図は第４図−線による
断面図である。 １１……回転ドラム、１２……排水側鏡板、１
３……第１環状仕切板、１４……原水投入シユー
ト、１５……第３環状仕切板、１６……第２環状
仕切板、１７……らせん羽根、１８……第１掻上
羽根、１９……一次側排出シユート、２０……弾
性リング、２１……第４環状仕切板、２２……第
２掻上羽根、２２′……通水間隙、２３……二次
側排出シユート、２４，２４′……振動装置、２
５……傾斜板沈降装置、２６……整流板、２７…
…洗浄水散水管、２７′……給水管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転ドラム内の沈殿砂を水中から掻き上げて
   移送するための掻上羽根を前記回転ドラムの内周
   面に複数放射状に配設したロータリ分級機におい
   て、前記掻上羽根を不透水性材料による板状体で
   構成すると共に前記回転ドラム内周面との間に通
   水間隙を形成するように設け、前記回転ドラムの
   前記掻上羽根配設部位を環状の弾性部材により構
   成すると共に、該弾性部材の頂部及び底部に繰返
   し衝撃を与える衝撃部材を配設したことを特徴と
   するロータリ分級機。