JPH0237163B2 - Ranbaasahootosochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車シートのランバーサポート装置
（腰椎支持装置）に関するものである。

従来、ランバープレートを複数個有する一般的
なランバーサポート装置は、シートの腰椎支持部
内に横架した操作軸の左右に２ケのランバープレ
ートを配設し操作軸を回動することにより、この
２ケのランバープレートを同時に前後せしめる構
造である。従つてこの構造のものはシートの腰椎
支持部を全体的、一様均等の圧力で支持するもの
あり、例えば、腰椎支持部の上部のみの圧力を強
にし、下部のそれを弱に調節することができない
ため、快適な座心地を得ることができない不具合
があつた。

そこで、本発明は構造簡単にして、従来品の如
き、シートの腰椎支持部を全体的に均一な圧力で
支持できるこは勿論、腰椎支持部の一部分にのみ
の圧力をも調節し得るランバーサポート装置を提
供することを目的とするものである。

以上の目的を達成するための本発明のランバー
サポート装置の要旨とするところは、ハンドル軸
に、上部ランバープレート作動用の上カムと下部
ランバープレート作動用の下カムとを固着して、
ハンドル軸の回動により上、下カムを回動し、そ
の回動変位を伝動部材を介して上、下ランバープ
レートに伝動して該プレートを夫夫独立状に前・
後方向に移動し、また二ケのカムをハンドル軸に
設けて、一方向の回動に対して一方のカムが作用
し、逆方向の回動に対して他方のカムが作動する
ようにして、上、下のランバープレートの操作性
の向上を図つたものである。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中ａはシートバツクＡを構成するパイプ製バ
ツクフレームであり、このバツクフレームａの下
部一側にブラケツト１０を溶接等により固定し
て、操作ノブ２を有するハンドル軸１を回動自在
に挿通する。そしてこのシートバツクＡ内に位置
するハンドル軸１には間隔をあけて、上部ランバ
ープレート作動用の上カム３ａと下部ランバープ
レート作動用の下カム３ｂとを固着する。また、
前記ブラケツト１０との反対側のフレームａに設
けたブラケツト１０′との間に渉つて上下二段状
に支杆７ａ，７ｂを横架して、ランバープレート
５ａ，５ｂを伝動部材４ａ，４a′，４ｂ，６ａ，
６ｂを介して取付ける。

伝動部材４ａ，４a′，６ａ，４ｂ……は、前記
上・下カム３ａ，３ｂの回動変位をランバープレ
ート５ａ，５ｂに伝動する部材であり、図示する
上部ランバープレート５ａの伝動部材４ａ……は
一端を支杆７ｂに回動自在に枢着し上カム３ａに
接合する接合片４ａと、この接合片４ａの他端に
一端を枢着し且つ支杆７ａに回動自在に接合する
リンク４a′と支杆７ａに巻架し上部ランバープレ
ート５ａとリンク４a′とを連結する発条６ａとか
ら構成され、また、下部ランバープレート５ｂの
伝動部材４ｂ……は一面を下カム３ｂに、他面を
支杆７ｂに夫々接合する接合片４ｂと、この接合
片４ｂの端部と下部ランバープレート５ｂとを連
結し支杆７ｂに巻架される発条６ｂとより構成さ
れている（第２図・第３図）。

前記上カム３ａ及び下カム３ｂは、第６図に示
すように前記ハンドル軸１に対して同一径の円弧
状滑動面３１ａ，３１ｂと、ハンドル軸１に対し
て偏心する押圧面３２ａ，３２ｂとからなり、前
記上カム３ａはその押圧面３２ａを上部ランバー
プレート５ａの伝動部材４ａに前記下カム３ｂは
その押圧面３２ｂを前記下部ランバープレート５
ｂの伝動部材４ｂに接合させるように配設する。

従つて、一方のカム（例えば上カム３ａがハン
ドル軸１の回転操作力によつて回動した際、他方
のカム、例えば、下カム３ｂも同一のハンドル軸
１に固着されているため、同時に回動する。しか
し、上カム３ａの押圧面３２ａが上部ランバープ
レート５ａの伝動部材４ａに接合し、下カム３ｂ
はその滑動面３１ｂが下部ランバープレート５ｂ
の伝動部材４ｂに接合しているため、上カム３ａ
のみの回転変位が伝動部材４ａを介して上部ラン
バープレート５ａに伝達されるが、下カム３ｂは
下部ランバープレート５ｂの伝動部材４ｂに対し
て単に滑動するのみで、下部ランバープレート５
ｂは作動しない。

以下、本考案ランバーサポート装置の作動状態
を第４図、第５図に基づいて説明すると、第４図
イ，ロ，ハは上部ランバープレート５ａを調節す
る状態を示し、第４図イにおいて、操作ノブ２を
正方向（Ａ方向）に回転するとハンドル軸１が回
動し上カム３ａによつて接合片４ａリンク４a′を
A₁，A₂方向に移動せしめる。このリンク４a′の
移動に伴つて発条６ａを介して上部ランバープレ
ート５ａを前方（A₃方向）に移動する。従つて
更に操作ノブ２を同一方向（Ａ方向）に回転させ
ると、ランバープレート５ａは第４図ロ，ハに示
す如く前方に移動する。

そして、この上部ランバープレート５ａを第４
図ハの状態から同図ロ，イの順に調節するには操
作ノブ２を逆方向に回転させれば良いこと勿論で
ある。なお、第４図イの状態より更にＡ方向への
操作ノブ２の回転を防止するために、支杆７ｂに
おける接合片４ａ枢着部に接合片回動防止用のス
トツパ付カラー８が設けてある。

第５図イ，ロ，ハは下部ランバープレート５ｂ
を調節する状態を示し、前記操作ノブ２を逆方向
（Ｂ方向）に回転させて、接合片４ｂをB₁方向に
移動させ、発条６ｂを介してランバープレート５
ｂを前方（B₂方向）に移動させたものである。
そして、更に操作ノブ２をＢ方向に回転させるこ
とにより、下カム３ｂが接合片４ｂをB₁方向へ
押動せしめて下部ランバープレート５ｃを前方に
移動する（第５図ロ，ハ）。そして操作ノブ２を
逆方向に回転させると、第５図ハの状態より同図
ロ，イの順に後部ランバープレート５ｂが後方に
移動する。

なお、前記上部ランバープレート５ａ又は下部
ランバープレート５ｂを前後方向に移動調節する
際、その調節用の一方のカム３ａ又は３ｂが回動
することにより他方のカムも回動するが、前述の
如く他方のカムは単に接合片に滑動し、作動せし
めることがないため、一方のランバープレートの
操作によつて他方のランバープレートが同時に誤
操作されることがない。また、上部ランバープレ
ート５ａ又は下部ランバープレートｂの調節の
際、他方のランバープレートに荷重が負荷されて
も常にそのランバープレートを作動するカムの接
線と直角方向に荷重がかかるため、そのランバー
プレートは回転することがない。

本発明に叙上の如く構成したから以下の利点が
ある。

(1) 上・下のランバープレートを夫々独立状に設
けてあるので、夫々のランバープレートを個別
に調節でき、着座者の体格に応じて所望の個々
のランバープレートを所望の支持圧に可変でき
る。

(2) ハンドル軸に、上・下のランバープレートを
個別に作動させる２ケのカムを設けたので、ハ
ンドル軸を正逆回転させることにより、一方の
カムのみが作動しそのカムによつて一方のラン
バープレートが前後方向に移動する。

従つてハンドル軸に設けた操作ノブの回転方
向によつて上・下ランバープレートの一方が前
後方向に移動するため操作性が極めて良い。

(3) 上・下のランバープレートを作動させる各構
成部材を共用できるため、その構成部材の製
造・管理が容易で低原価で提供できる。

依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本発明
装置を備えたシートの斜視図、第２図は斜視図、
第３図は要部の分解斜視図、第４図イ，ロ，ハは
上部ランバープレートの作動状態を示す側面図、
第５図イ，ロ，ハは下部ランバープレートの作動
状態を示す側面図、第６図はカムの平面図であ
る。図中１はハンドル軸、３ａは上カム、３ｂは
下カム４ａ，４a′，６ａ，４ｂ，６ｂは伝動部
材、５ａは上部ランバープレート、５ｂは下部ラ
ンバープレートを夫々示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フレームに回動自在に取付けたハンドル軸、
   このハンドル軸に固着した上部ランバープレート
   作動用の上カムと下部ランバープレート作動用の
   下カム、前記上カムに伝動部材を介して連結する
   上部ランバープレート、前記下カムに伝動部材を
   介して連結する下部ランバープレートとから構成
   し、前記上カム及び下カム夫々は前記ハンドル軸
   に対して同一径の円弧状滑動面と、ハンドル軸に
   対して偏心する押圧面を有し、前記上カム又は下
   カムのいずれか一方のカムはその押圧面を前記上
   部ランバープレート又は下部ランバープレートの
   伝動部材のいずれか一方の伝動部材に接合し、前
   記他方のカムはその滑動面を前記他方の伝動部材
   に接合してなるランバーサポート装置。