JPH0236947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、高圧コードとデイストリビユータ
ーなどの点火用機器との接続装置の改良に関す
る。

従来、この種装置は第１図に示すように、高圧
コード１の端末に端子金具３を結合してこれにゴ
ムキヤツプ２を被せたものを、点火機器の電極取
付部５に装着した電極４に嵌合して接続する構成
を有する。

すなわち、上記装置は高圧コード１、ゴムキヤ
ツプ２，端子金具３を一組としたものと、電極
４，電極取付部５を一組としたものとの二部品を
嵌合させる方式となつており、二部品間の導通は
端子金具３と電極４との嵌合接続により、また絶
縁は高圧コード１及び端子金具３の一部と、電極
４の外側に突出している電極取付部５の一部とを
覆うように被せたゴムキヤツプ２で行つている。

その結果、ゴムキヤツプの圧縮永久歪みや脱着
操作によりゴムが伸びて閃絡及びリークのエネル
ギーロスが発生する、また脱着及び振動による端
子変形等によつて嵌合不良となり、接触抵抗が増
大し、エネルギーロスが発生する等の欠点があつ
た。さらに高圧コード１の端末が高温に加熱され
るときは、高圧コード１の外皮の熱分解により発
生した腐蝕性ガスにより電極が腐蝕され、電極の
寿命を短縮して長期信頼性に欠ける欠点があつ
た。

又、特開昭55−32948号公報には、高圧コード
と点火用機器の電極とを電極取付部のキヤツプと
高圧コードの表皮とを一体成形することにより覆
つたデイストリビユータキヤツプが開示されてい
るが、この一体成形はその成形方法が困難である
のみでなく、絶縁被覆層の厚さが薄くなり十分な
耐電圧が得られない。

又、高圧コードと電極との接続は嵌合による直
接接続であるため、電極の腐蝕により耐久性が劣
るという欠点がある。

この考案は上記欠点を解消するためになされた
もので、電極から外部アースへの閃絡及びリーク
の防止と接続部における接触抵抗の増大を防止
し、以つてエネルギーロスを小さくすると共に、
電極の腐蝕による劣化を防止し長期信頼性のすぐ
れた高圧コードと点火用機器との接続装置を提供
することを目的としている。

以下、この考案を図面と共に説明する。

第２，３図において、高圧コード１は点火用機
器ＡのＬ形電極８と一つの端子金具７により間隙
を介在させた状態で可締め圧着により固定して接
続されており、Ｌ形電極８の脚部８ｃが電極取付
部９に嵌着された状態にある。そして、端子金具
７と高圧コード１，Ｌ形電極８の両接続部間に介
在する間隙、高圧コード１の一部及び電極取付部
９の一部を覆うように絶縁体６が一体的にモール
ドされている。

Ｌ形電極８は、アルミニウム等の火花が飛び易
い材料で製作され、第４図に示すように柱状の圧
着挾持部８ａの一端にテーパー部８ｂを介して脚
部８ｃをＬ字形に連成した形状を有し、脚部８ｃ
の下端部には切欠部８ｄを設け、電極取付部９に
対する位置決めと共に密着して嵌合するようにし
てある。

一方、端子金具７は、ステンレス鋼等の耐蝕性
の優れた材料で製作され、第５図に示すように、
基板部７ａの両側にＵ字状の圧着挾持片７ｂ，７
ｂを連成すると共に、基板部７ａの中央には通孔
７ｃを設け、更に一方の圧着挾持片７ｂの端縁に
は高圧コード１に対する屈曲防止部７ｄを連成し
た構成を有する。

この端子金具７の通孔７ｃにＬ形電極８の脚部
８ｃを挿通し、圧着挾持部８ａ及び高圧コード１
の端末を圧着挾持片７ｂ，７ｂで加締めることに
より、第６図に示すように、両挾持片７ｂ，７ｂ
間に間隙７ｅを介在させた状態で高圧コード１と
Ｌ形電極８とが確実に接続される。

この状態で、Ｌ形電極８の脚部８ｃを第３図の
ように電極取付部９に嵌挿し、その上からフエノ
ール樹脂、ポリエチレン、テレフタレート樹脂等
の絶縁体６で一体的にモールド固定する。その際
絶縁体６は間隙７ｅに進入し、高圧コード１の端
面とＬ形電極８の端面（テーパー部８ｂ）とは絶
縁体よりなる隔壁６ａによつて隔絶される。

第７図はこの考案の他の実施例を示すもので、
上記Ｌ形電極８に代え直線形電極１０を使用した
ものである。この直線形電極１０は第８図に示す
ように、一端をテーパー部とした柱状の圧着挾持
部１０ａの他端に第４図と同様に脚部１０ｃを同
軸に突設したもので、第９図に示すように端子金
具７と同様の端子金具１１によつて高圧コード１
と直線的に接続される。このように点火機器用の
電極はその取付部の形状に合せて適宜設計変更す
ることができる。

本考案は上記した如くに、高圧コードの端末と
電極取付部に挿入される点火用機器の電極とを一
つの耐蝕性材料の端子金具で間隙を介在させた状
態で加締め圧着によりそれぞれ固定接続し、点火
用機器の電極を電極取付部に挿入した状態におい
て、その両接続部及び該両接続部間に介在する上
記間隙と高圧コード及び点火用機器の電極取付部
の一部とをそれぞれ覆うように絶縁体で一体にモ
ールドしたものであるから、高圧コード１の外皮
は多くの場合加硫ゴム製であり、高温時に硫黄酸
化物（ガス）が発生する虞れがあるが、これに対
しては耐蝕性の優れた材料の端子金具７，１１を
使用しており、また上記ガスにより腐蝕し易い材
質の電極８，１０と高圧コード１は絶縁体隔壁６
ａによつて遮断されている。そして、高圧コード
１と電極８，１０は一つの端子金具７，１１で接
続され、両接続部及び両接続部間に介在する間隙
７ｅと高圧コード１及び電極取付部９の一部とを
覆うように絶縁体６でモールド、固定されてい
る。

従つて、この考案によれば、高圧コードと点火
機器の接続部における閃絡及びリークが極めて少
なく、エネルギーロスを効果的に防止することが
できる。また、高圧コードと結合された端子金具
は点火機器の電極と可締め圧着により確実に固定
されているから、接触抵抗の増大によるエネルギ
ーロスを防止することができると共に、長期に亘
つて安定なエネルギー伝達が可能となり、信頼性
の向上と相俟つて保守点検に要する手間も省くこ
とができる。

また本考案においては、高圧コードと電極は１
個の端子で接続することができ、この際において
高圧コードと電極との隙間に絶縁体の隔壁が存在
するので該電極の腐蝕を防止することができる。

さらに高圧コードの接続部と電極の接続部とを
分離させたから、Ｌ型電極及び直線形電極の何れ
にも対応させることができるなどのすぐれた効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明図、第２図はこの考案に
係る接続装置の平面図、第３図は第２図の−
線に沿う要部断面図、第４図はＬ形電極８の斜視
図、第５図は端子金具７の斜視図、第６図は高圧
コード１とＬ形電極８との接続状態を示す斜視
図、第７図はこの考案に係る接続装置の他の実施
例を示す要部断面図、第８図は直線形電極１０の
斜視図、第９図は高圧コード１と直線形電極１０
の接続状態を示す斜視図である。 １……高圧コード、６……絶縁体、７，１１…
…端子金具、８……Ｌ形電極、９……電極取付
部、１０……直線形電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高圧コードの端末と電極取付部に挿入される点
   火用機器の電極とを一つの耐蝕性材料の端子金具
   で間隙を介在させた状態で加締め圧着によりそれ
   ぞれ固定接続し、点火用機器の電極を電極取付部
   に挿入した状態において、その両接続部及び該両
   接続部間に介在する上記間隙と高圧コード及び点
   火用機器の電極取付部の一部とをそれぞれ覆うよ
   うに絶縁体で一体にモールドしたことを特徴とす
   る高圧コードと点火用機器との接続装置。