JPH0236743Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、ターボチヤージヤを備えたエンジン
を搭載するパートタイム式４輪駆動車において、
２輪駆動を４輪駆動に自動的に切換え、又はそれ
を解除する自動切換装置に関し、特にターボチヤ
ージヤの駆動状態との関係で切換えるものに関す
る。

【考案の背景】

４輪駆動車として、前後輪の伝動系の途中にト
ランスフアクラツチを設け、通常はこのクラツチ
を解放して前後輪の一方による２輪駆動を行い、
必要に応じクラツチを係合して前後輪の両方によ
る４輪駆動を行うパートタイム式のものが、本件
出願人により例えば特開昭56−43035号公報等で
既に多く提案されている。また、この種の４輪駆
動車に付随するものとして、例えば特開昭56−
138019号公報に示すように発進、登板時の大きい
駆動力を必要とする場合、その他の４輪駆動が望
まれる走行条件で自動的に切換えることが行われ
つつある。 一方、近年車両の駆動力を向上すべくターボチ
ヤージヤを備えたエンジンが搭載されたものが出
現しているが、かかるターボエンジン付の車両で
は過給領域で多大な駆動力が前後輪の一方にのみ
加わつた場合は、タイヤグリツプ力が不足してホ
イールスピンを生じたり、加速時の車両挙動が不
安定になることがある。

【考案の目的】

本考案は、このようなターボエンジン付の車両
における特有な問題点に鑑み、過給領域で多大な
駆動力が車輪に加わる場合の安定性を向上し、且
つその駆動力を充分に発揮し得るようにしたター
ボエンジン付４輪駆動車の自動切換装置を提供す
ることを目的とする。

【考案の構成】

この目的のため本考案の構成は、パートタイム
式４輪駆動車では任意に４輪駆動に切換可能であ
り、これによりタイヤグリツプ力が倍増して多大
な駆動力に対抗し得る点に着目し、過給領域で多
大な駆動力を生じている場合は、エンジン側の過
給圧を検出する圧力スイツチ等の信号で４輪駆動
に自動切換えすることを要旨とするものである。

【考案の実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて具体
的に説明すると、図面において符号１はエンジ
ン、２は排気ターボ式のターボチヤージヤ、３は
変速機であり、この変速機３が前輪終減速装置
４、車輪５を介して常に前輪６に伝動構成され
る。また、変速機３はトランスフアクラツチ７、
プロペラ軸８、後輪終減速装置９、車軸１０を介
して後輪１１に伝動構成され、トランスフアクラ
ツチ７の係合又は解放で２，４輪駆動を行うよう
になつている。 トランスフアクラツチ７は例えば油圧クラツチ
であり、油圧回路12の途中にソレノイド弁１３を
有し、このソレノイド弁１３にバツテリー１４か
らイグニシヨンスイツチ１５、セレクトレバー１
６に設けられる手動切換用スイツチ１７が直列接
続し、且つパイロツトランプ１８が並列接続して
ある。 そこで、上記構成において更に、エンジン１の
ターボチヤージヤ２の下流側吸気系に過給圧を検
出する圧力スイツチ１９が設置され、この圧力ス
イツチ１９が上記手動切換用スイツチ１７と並列
接続され、且つ圧力スイツチ１９の回路に過給領
域を表示するパイロツトランプ２０が接続され
る。ここで、過給圧はエンジン回転に応じて上昇
し、所定のエンジン回転以上ではウエイストゲー
ト弁の作用で略一定の設定圧に保持されることか
ら、圧力スイツチ１９は上記設定圧付近又は伝動
系のシヨツク等を考慮してそれより低い過給圧で
オンするようにセツトされている。 このように構成されることから、手動切換用ス
イツチ１７をオフした状態での車両走行時に、エ
ンジン回転の上昇に伴いターボチヤージヤ２が駆
動して過給圧も高くなつて過給領域に入り、所定
の過給圧に達すると圧力スイツチ１９がオンす
る。そこで、この圧力スイツチ１９を介してソレ
ノイド弁１３に通電することで、トランスフアク
ラツチ７が給油により係合して前後輪６，１１は
直結し、４輪駆動に自動的に切換わる。そのた
め、エンジンからのターボチヤージヤ２の駆動に
よる多大な駆動力は前後輪６，１１に伝達され、
タイヤグリツプ力が倍増することで車両の安定性
を保持しつつ車両走行に最大限生かされてパワフ
ルな走行となる。また、過給圧の低下により圧力
スイツチ１９がオフすると、ソレノイド弁１３が
非通電してトランスフアクラツチ７が排油により
解放し、２輪駆動に戻る。 尚、本考案は上記実施例のみに限定されるもの
ではなく、過給領域を検出する手段としてこの外
の種々のものを使用し得る。

【考案の効果】

以上の実施例から明らかなように、本考案によ
れば、ターボエンジン付の４輪駆動車において、
多大な駆動力を生じる過給領域では自動的に４輪
駆動に切換わつてその駆動力が前後輪に加わるの
で、車両の安定性が確保され、且つ４輪駆動車特
有の効果も加味されて走行性能が著しく向上す
る。過給圧を検出する圧力スイツチの場合はそれ
で直接ソレノイド弁を動作することが可能になつ
て、制御系の構造が簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による装置の一実施例を示す構成
図である。 １……エンジン、２……ターボチヤージヤ、６
……前輪、７……トランスフアクラツチ、１１…
…後輪、１２……油圧回路、３……ソレノイド
弁、１９……圧力スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ターボチヤージヤにより吸気が過給されるター
   ボエンジンを備え、このターボエンジンから前後
   輪の一方へは常時動力伝達し、前後輪の他方へは
   トランスフアクラツチを介して動力伝達するター
   ボエンジン付４輪駆動車において、 上記ターボチヤージヤの過給圧が所定値を越え
   て過給領域となるとオンして上記トランスフアク
   ラツチを係合させる圧力スイツチを設けたことを
   特徴とするターボエンジン付４輪駆動車の自動切
   換装置。