JP3361137B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JP3361137B2 JP34603892A JP34603892A JP3361137B2 JP 3361137 B2 JP3361137 B2 JP 3361137B2 JP 34603892 A JP34603892 A JP 34603892A JP 34603892 A JP34603892 A JP 34603892A JP 3361137 B2 JP3361137 B2 JP 3361137B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両にスリップが発生
した際に、そのスリップを抑制ないし消滅させるる車両
のスリップ制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両のスリップ制御
装置として、例えば特開平1−266028号公報に開
示されるように、アクセルペダルに機械的に連係されて
連動する機械式スロットル弁とは別途に、電気的に開度
制御される電気式スロットル弁を設け、車両のスリップ
の発生時には、上記電気式スロットル弁を閉じ側に制御
することにより、エンジンの出力を低下させ、車両の駆
動力を低減して、そのスリップを抑制ないし消滅させる
ものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如く
車両の駆動力の低減制御によりスリップを抑制する車両
のスリップ制御装置では、運転者等の操作者により操作
される選択スイッチが設けられ、該選択スイッチのON
操作時には、上記駆動力の低減制御によるスリップの抑
制制御を可能とし、選択スイッチのOFF操作時には、
駆動力の低減制御を禁止して、そのスリップの抑制制御
を停止させるようにしたものがある。
【0004】しかしながら、上記の如き選択スイッチを
備えた場合に、該選択スイッチが運転者の好みによって
自らOFF操作されている状況では、次の不具合があ
る。つまり、車両の運転中にスリップ量が大きくなり、
運転者がスリップ制御が必要と体感した際であっても、
運転者が素早く選択スイッチをON操作しない限り、車
両装備としてスリップ抑制機能を有するにも拘らず、そ
のスリップの抑制制御は動作しないことになる。また、
駆動輪の左右車輪間の差動を許容する差動装置や、4輪
駆動車の前後車軸間の差動を許容する差動装置では、選
択スイッチのOFF操作時に左右車輪や前後車軸間のス
リップ量(回転数差)が拡がると、これ等差動装置の差
動回転数差も拡大して、この状態が連続する場合には差
動装置の異常磨耗や差動部の焼付きを招き易くなる。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記のように選択スイッチの操作に
よりスリップの抑制制御の作動及びその停止を選択し得
る車両のスリップ制御装置において、その選択スイッチ
のOFF操作状態であっても、適宜強制的にスリップ抑
制機能を発揮させて、車両の走行の安全性の向上や、差
動装置の異常磨耗及び焼付きの防止を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の具体的な解決手段は、図1に
示すように、車両のスリップ量を検出するスリップ量検
出手段46と、車両の駆動力を低減させる駆動力制御手
段45と、該駆動力制御手段45の作動及びその停止を
手動で切換え選択するための選択手段40とを備え、該
選択手段40が駆動力制御手段45の作動側に切換られ
ているとき、上記スリップ量検出手段46により検出さ
れた車両のスリップ量が設定スリップ量以上のとき、上
記駆動力制御手段45により車両の駆動力を低減するよ
うにした車両のスリップ制御装置であって、上記選択手
段40が駆動力制御手段45の停止側に切換られている
とき、上記スリップ量検出手段46により検出された車
両のスリップ量が上記設定スリップ量を越える所定の
リップ量以上となった際に、上記駆動力制御手段45を
強制的に動作させる強制制御手段47を設ける構成とし
ている。
【0007】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明のスリップ量検出手段46を特定して、
車両の駆動輪と従動輪との回転数差を検出するもので構
成する。
【0008】更に、請求項3記載の発明では、請求項1
記載の発明を限定して、車両は車輪間の差動を許容する
差動装置を備えていて、スリップ量検出手段46を、該
差動装置の差動回転数差を検出するもので構成すると共
に、強制制御手段47を、上記スリップ量検出手段46
により検出された差動装置の差動回転数差が設定回転数
差以上の際に作動するもので構成する。
【0009】加えて、請求項4記載の発明では、上記請
求項3記載の発明における強制制御手段47の設定回転
数差を特定して、駆動力制御手段45の作動し始める際
の差動装置の差動回転数差よりも高く設定している。
【0010】また、請求項5記載の発明では、上記請求
項3記載の発明において、差動装置を、前輪側車軸と後
輪側車軸との間の差動を許容するものに特定すると共
に、強制制御手段47を、上記差動装置の前後車軸間の
差動回転数差が設定回転数差以上の際に作動するもので
構成する。
【0011】更に、請求項6記載の発明では、上記請求
項3記載の発明において、差動装置を、左側車輪と右側
車輪との間の差動を許容するものに特定すると共に、強
制制御手段47を、上記差動装置の左右車輪間の差動回
転数差が設定回転数差以上の際に作動するもので構成す
る。
【0012】加えて、請求項7記載の発明では、上記請
求項2又は請求項6記載の発明の強制制御手段47を特
定して、設定車速以上の高車速時に限り作動するもので
構成している。
【0013】
【作用】以上の構成により、請求項1記載の発明では、
選択手段40がOFF操作され、駆動力制御手段45の
作動が禁止されて、スリップ抑制制御が停止している状
況であっても、車両のスリップ量が駆動力制御手段45
の作動し始める設定スリップ量を越え、更に大きくなっ
て所定のスリップ量以上の大スリップ量となった際に
は、この段階で強制制御手段47が駆動力制御手段45
を強制的に作動させるので、車両の駆動力が強制的に低
減制御されて、上記大きなスリップが有効に抑制される
ことになる。
【0014】特に、請求項2記載の発明では、車両の駆
動輪と従動輪との回転数差が設定回転数差を越える大回
転数差となった時点で、車両の駆動力が強制的に低減制
御されるので、駆動輪の大きなスリップが有効に抑制さ
れることになる。
【0015】また、請求項3記載の発明では、差動装置
の差動回転数差が設定回転数差以上になれば、この時点
で強制制御手段47が駆動力制御手段45を強制的に作
動させて、車両の駆動力が強制的に低減制御されるの
で、上記差動装置の差動回転数差が減少して小値にな
り、該差動装置の異常磨耗や差動部の焼付きが有効に防
止される。
【0016】その場合、請求項4記載の発明では、選択
手段40のON操作時に駆動力制御手段45の作動し始
める際の差動装置の差動回転数差よりも高い設定回転数
差に達して初めて駆動力制御手段45が強制的に作動さ
せられるので、例えば車両が道路上の穴に嵌ったスタッ
ク状態等の限界状態でのみ車両の駆動力が強制的に低減
制御されて、その他の通常の場合には、選択手段40の
OFF操作通り、駆動力の強制的な低減制御は行われな
い。
【0017】更に、請求項5及び請求項6記載の発明で
は、差動装置の前後車軸間の差動回転数差、又は差動装
置の左右車輪間の差動回転数差が設定回転数差以上にな
った時点で、強制制御手段47が駆動力制御手段45を
強制的に作動させるので、車両の駆動力が強制的に低減
制御されて、上記差動装置の差動回転数差が減少し、該
差動装置の異常磨耗や差動部の焼付きが有効に防止され
る。
【0018】加えて、請求項7記載の発明では、車両の
駆動輪と従動輪の回転数差が設定回転数差を越える大回
転数差となった状態、又は差動装置の左右車輪間の差動
回転数差が設定回転数差以上になった状態であっても、
この状態が高車速時に生じた場合に限り車両の駆動力が
強制的に低減制御されるので、車両の安全性が良好に確
保される。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
3,請求項5及び請求項6記載の発明の車両のスリップ
制御装置によれば、選択手段によりスリップの抑制制御
が停止された状況であっても、車両のスリップ量、例え
ば駆動輪と従動輪との回転数差、差動装置の前後車軸間
の回転数差、又は左右輪の差動回転数差が大値になっ
て、駆動力制御手段が本来作動を開始する設定スリップ
量を超える大スリップ量に至った際には、車両の駆動力
を強制的に低減制御してスリップの抑制機能を適時に発
揮させたので、選択手段を操作する運転者の意志を尊重
しながら、車両の走行の安全性を向上できると共に、差
動装置の異常磨耗及び焼付きを有効に防止することがで
きる。
【0020】また、請求項4記載の発明によれば、選択
手段のOFF操作時には、車両のスタック状態等の限界
状態でのみ駆動力を強制的に低減できるので、通常時で
は運転者の意思に対応して駆動力の低減制御の禁止を保
持できる。
【0021】更に、請求項7記載の発明では、高車速時
に限り車両の駆動力の強制的な低減制御を可能としたの
で、車両の安全性を良好に確保できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
【0023】図2において、1はロータリエンジン、2
は該エンジン1内に形成したトロコイド内周面を摺接し
つつ回転運動するロータ、3,3,3は該ロータ2によ
り3つに区画される作動室、5は吸入工程にある作動室
3に連通する吸気通路、6は排気工程にある作動室3に
連通する排気通路である。
【0024】上記吸気通路5は、低負荷用吸気通路5a
と、高負荷用吸気通路5bとに区画され、低負荷用吸気
通路5aには、図示しないアクセルペダルに機械的に連
係されて該アクセルペダルに連動するプライマリスロッ
トル弁8aが配置されている。また、高負荷用吸気通路
5bには、上記プライマリスロットル弁8aが設定開度
にまで拡開した設定低負荷時以降で該プライマリスロッ
トル弁8aに連動する高負荷用のセカンダリスロットル
弁8bと、該スロットル弁8bの上流側に該スロットル
弁8bの素早い拡開時に徐々に拡開して吸入空気量の変
化を滑かにする補助スロットル弁9とが配置されてい
る。更に、負荷用吸気通路5aのプライマリスロット
ル弁8a下流側で作動室3近傍にはプライマリ燃料噴射
弁10が配置され、高負荷用吸気通路5bのセカンダリ
スロットル弁8b下流側にはセカンダリ燃料噴射弁11
が配置されている。
【0025】さらに、上記低負荷用及び高負荷用の吸気
通路5a,5bは上流端で集合し、集合吸気通路5cと
なる。該集合吸気通路5cには電気式スロットル弁15
が配置され、該電気式スロットル弁15はステッピング
モータ16により開度制御される。また、集合吸気通路
5cの上流側にはエンジン1への吸入空気量を検出する
エアフローセンサ17が配置される。
【0026】また、排気通路6には、触媒装置18及
び、並列配置したサイレンサ19a,19bが配置され
ると共に、上記触媒装置18の上流側の排気通路6は、
一部分が2分岐し、該2分岐部分に各々プライマリター
ボ過給機22、及び高負荷時にのみ作動するセカンダリ
ターボ過給機23のポンプ22a,23aが配置されて
いる。一方、上記集合排気通路5cも途中で一部分が2
分岐され、該2分岐部分に上記ターボ過給機22,23
のタービン22b,23bが配置されている。
【0027】また、28は上記プライマリスロットル弁
8aの開度を検出する開度センサ、29は上記電気スロ
ットル弁15の開度を検出する開度センサ、30はエン
ジン1の冷却水温度を検出する水温センサ、31はエン
ジン1の回転数を検出する回転数センサである。また、
35は上記エンジン1への燃料噴射量等を制御するエン
ジン用コントローラ、36は電気スロットル弁15の開
度を制御する電気スロットル弁コントロールユニット、
37は車両のスリップを抑制するように電気式スロット
ル弁15を開度制御するトラクションコントロールユニ
ットである。該トラクションコントロールユニット37
には、車両の駆動輪、例えば左右の前輪の回転数を各々
個別に検出する駆動輪センサ38と、従動輪としての例
えば左右の後輪の回転数を各々個別に検出する従動輪セ
ンサ39との検出信号、及び車速センサ44の車速信号
が入力されると共に、車輪のスリップ発生時のスリップ
抑制制御を行うか否かを選択する選択手段としての選択
スイッチ40が接続されている。尚、図中、41はイン
タクーラ、42はエンジン冷間時にプライマリスロット
ル弁8aを設定微小開度拡開させるサーモワックス、4
3はプライマリスロットル弁8aをバイパスする吸入空
気量を調整するアイドル回転数調整装置である。
【0028】次に、上記電気式スロットル弁15による
トラクション制御(スリップの抑制制御)を図3の制御
フローに基いて説明する。
【0029】スタートして、ステップS1で上記各セン
サの検出信号及び選択スイッチ40のON,OFF状態
を読み込んだ後、ステップS2で選択スイッチ40の状
態を判別し、そのON操作状態のトラクション制御許容
時では、ステップS3で車両の駆動輪と従動輪との回転
数差により車両のスリップ量を演算し、ステップS4で
該スリップ量をトラクション制御開始時に相当する設定
スリップ率Aと比較する。そして、スリップ量≦Aの小
スリップ時には、トラクション制御の不要時であるの
で、ステップS5で電気式スロットル弁15の閉じ量を
零に設定して、全開状態に保持する。一方、スリップ量
>Aのトラクション制御の必要時には、ステップS6で
そのスリップ量に応じ、スリップ量が大ほど電気式スロ
ットル弁15の閉じ量を大きく演算設定し、ステップS
7で上記設定された閉じ量でもってステッピングモータ
16を制御し、電気式スロットル弁15の開度を上記閉
じ量に応じた開度に制御する。
【0030】これに対し、上記ステップS2で選択スイ
ッチ40がOFF操作されている場合には、ステップS
8で車両のスリップ量を上記設定値Aを越える他の設定
値B(B>A)と比較する。そして、スリップ量≦Bの
場合には、強制的なトラクション制御の不要時と判断し
て、ステップS9で電気式スロットル弁15の閉じ量を
零に設定する。一方、スリップ量>Bの場合には、ステ
ップS10で現在の車速Vを高車速値Voと比較し、V
≧Voの高車速時に限り強制的なトラクション制御の必
要時と判断して、ステップS11でその時のスリップ量
に応じて、スリップ量が大ほど電気式スロットル弁15
の閉じ量を大きく演算設定して、ステップS7で上記設
定された閉じ量でもってステッピングモータ16を制御
し、電気式スロットル弁15の開度を上記閉じ量に応じ
た開度に制御する。
【0031】よって、上記図3の制御フローにおいて、
ステップS3により、車両の駆動輪と従動輪の回転数差
でもって車両のスリップ量を検出するスリップ量検出手
段46を構成している。また、同制御フローのステップ
S6及びS7により、演算したスロットル閉じ量になる
ようにステッピングモータ16により電気式スロットル
弁15の閉じ量を制御し、エンジン1の出力を低下させ
て、車両の駆動力を低減するようにした駆動力制御手段
45を構成している。そして、同制御フローのS2、S
4、S6及びS7により、選択スイッチ40がON側、
つまり上記駆動力制御手段45の作動側に切換られてい
る場合に、上記スリップ量検出手段46が検出した車両
のスリップ量が設定値Aを越えた状況では、上記駆動力
制御手段 45により、電気式スロットル弁15の開度を
上記スリップ量Aに応じた閉じ量に制御して、車両の駆
動力を低減するように構成されている。
【0032】更に、ステップS2、S8及びS11によ
り、選択スイッチ40がOFF側、つまり駆動力制御手
段45の停止側に切換られているときに、上記スリップ
量検出手段46により検出された車両のスリップ量が上
記駆動力制御手段45の作動し始める設定スリップ量A
を越え、更に大きくなって所定のスリップ量B以上とな
った際に、高車速時であれば上記駆動力制御手段45を
強制的に動作させるようにした強制制御手段47を構成
している。
【0033】したがって、上記実施例においては、図4
に示すように、選択スイッチ40がOFF側に操作され
てトラクション制御が不要とされた状況であっても、高
車速時に、車両のスリップが通常制御の設定値Aを越
、更に大きくなって設定値B以上に増大した際には、
この時点でトラクション制御が強制的に開始されるの
で、車両のスリップが即座に抑制ないし消滅して、車両
の走行の安全性が向上することになる。しかも、車両の
スリップ量が通常制御の設定値Aの時点では駆動力制御
手段45は動作しないので、選択スイッチ40をOFF
操作した運転者のトラクション制御不要との意志は尊重
される。
【0034】図5及び図6は請求項1記載の発明の他の
実施例を示し、差動装置の差動回転数差が大きい際に車
両の駆動力を低減するようにしたものである。
【0035】即ち、図5及び図6は4輪駆動車のトラン
スファ構造を示し、57はクランク軸57aが車幅方向
に横置き配置されたエンジンであって、そのクランク軸
57aの図5右端部にはクラッチ58が連結されてい
る。また、上記エンジン57の車体後方には、変速機6
0が配置され、該変速機60はその入力軸60a及び出
力軸60bが上記エンジン57のクランク軸57aと並
行に配置されている。
【0036】上記クラッチ58と変速機60との間に
は、図5に示すように動力伝達機構62が配置される。
該動力伝達機構62は、クラッチ58のクラッチディス
ク58aに連結した駆動スプロケット62aと、変速機
60の入力軸60aに連結した従動スプロケット62b
と、該両スプロケットに巻き掛けたチェーン62cとを
有し、クラッチ58の締結時に、エンジン57の動力を
該クラッチ58を経て変速機60の入力軸60aに伝達
する構成である。
【0037】また、変速機60の下方には、フロント・
ドライブシャフト65が配置され、該シャフト65の左
右両端には各々左右の前輪W,Wが連結される。該フロ
ント・ドライブシャフト65には、車両の旋回時に左右
の前輪間の回転数差を吸収許容する差動装置としての前
輪用デファレンシャル67と、車両の旋回時に前後車軸
間の回転数差を吸収許容する差動装置としてのセンター
デファレンシャル68とが配置されている。
【0038】上記前輪用デファレンシャル67は、2個
のピニオンギヤ67aと、上記フロント・ドライブシャ
フト65の左右のシャフト部65a,65bが連結され
た2個のサイドギヤ67bとを有する。一方、センター
デファレンシャル68は2重式の遊星歯車機構より成
り、変速機60の図5左端部に設けた出力ギヤ60cに
噛合連係するリングギヤ68aと、該リングギヤ68a
の内周に噛合する複数個の第1ピニオンギヤ68bと、
該第1ピニオンギヤ68bに噛合する複数個の第2ピニ
オンギヤ68cと、該第2ピニオンギヤ68cが噛合す
るサンギヤ68dとから成り、該サンギヤ68dは上記
前輪用デファレンシャル67のケース67c上に固定配
置されている。
【0039】そして、センターデファレンシャル68の
複数個の第1及び第2ピニオンギヤ68b,68c…を
接続するキャリア68eは、該センターデファレンシャ
ル68の車幅方向の図6右側部、つまり上記前輪用デフ
ァレンシャル67のケース67cの半径方向外方に配置
され、該キャリア68eには後輪への出力用としてベベ
ルギヤ71が形成されている。
【0040】上記ベベルギヤ71には他のベベルギヤよ
り成るアイドルギヤ72が噛合し、該アイドルギヤ72
は第1支持軸73の先端部に支持され、該第1支持軸7
3のアイドルギヤ72後方には駆動歯車75が連結され
ている。更に、第1支持軸73の図5右方、つまり車体
の車幅方向の中央位置側には上記第1支持軸73と並行
に第2支持軸76が配置され、該第2支持軸76には上
記駆動歯車75と噛合連係する従動歯車77が固定配置
されている。そして、上記第2支持軸76は、その後端
部が車幅方向の中央位置にて車体前後方向に延びるプロ
ペラシャフト80に連結され、該プロペラシャフト80
の後端部には後輪用デファレンシャル81を経て後車輪
W,W用のドライブシャフト82が連結される。
【0041】次に、図7に基いてトラクション制御を説
明する。尚、この制御は上記図2に示すエンジン用コン
トローラ35及びスロットル弁コントロールユニット3
6で行われる。
【0042】即ち、スタートして、ステップS1で各車
輪Wの車輪速、エンジン1のスロットル弁8a,8bの
開度、エンジン回転数、及び選択スイッチ40の各信号
を入力した後、ステップS2で選択スイッチ40がON
操作されたトラクション制御モードか否かを判定し、ト
ラクション制御モード時には、ステップS3に進んで左
右の駆動輪W,W間の回転数差,及び前後輪W,W間の
回転数差に応じ、該各回転数差が設定値ΔNo(例えば
60r.p.m程度)を越える場合には該回転数差が大
ほど電気式スロットル弁15の閉じ量を大きく演算設定
して、この閉じ量でステッピングモータ16を制御し、
電気式スロットル弁15の開度を上記閉じ量に応じた開
度に制御すると共に、車両のブレーキ装置を上記各回転
数差に応じたブレーキ力で作動させる。
【0043】一方、上記ステップS2で選択スイッチ4
0がOFF操作されたトラクション制御モードでない場
合には、ステップS4以降で車両の限界時でのトラクシ
ョン制御を強制的に実行する。即ち、ステップS4で先
ず左右の駆動輪W,W間の回転数差ΔN1を算出すると
共に、ステップS5で前後輪W,W間の回転数差ΔN2
を算出する。そして、ステップS6及びS7で各回転数
差ΔN1,ΔN2を各々設定値ΔN1MAX ,ΔN2MAX
と比較する。ここに、各設定値ΔN1MAX ,ΔN2MAX
は、上記選択スイッチ40のON操作時でのトラクショ
ン制御の実行時の設定回転数差ΔNo(60r.p.m
程度)を越える大値の設定値(例えば600〜700
r.p.m)に予め設定される。
【0044】そして、ΔN1≧ΔN1MAX 、又はΔN2
≧ΔN2MAX の大回転数差の場合には、ステップS8で
現在の車速Vを高車速値Voと比較し、V≧Voの高車
速時に限り、ステップS9で上記回転数差ΔN1,ΔN
2に応じた閉じ量でもって電気式スロットル弁15の開
度を強制的に閉じ制御し、その後、ステップS10でこ
の強制的なトラクション制御の実行時をインジケータ表
示する。そして、ステップS11で回転数差が上記設定
値未満に低下したとき等の所定の終了条件が成立したか
を判別し、終了条件の非成立時には電気式スロットル弁
15の開度の強制的な閉じ制御を続行し、終了条件が成
立すれば電気式スロットル弁15の開度の閉じ制御を終
了し、元に戻る。
【0045】よって、図7の制御フローのステップS4
及びS5により、駆動輪としての左側前輪と右側前輪と
の間の回転数差ΔN1でもって前輪用デファレンシャル
67の差動回転数差を検出すると共に、前後輪間の回転
数差ΔN2でもって前後車軸間の差動回転数差,即ちセ
ンターデファレンシャル68の差動回転数差を検出する
ようにしたスリップ量検出手段90を構成している。ま
た、同制御フローのステップS2及びS3により、選択
スイッチ40がON側に切換操作されたトラクション制
御モード時には、左右の駆動輪W、W間の回転数差、及
び前後輪W、W間の回転数差が設定値Noを越える場合
には、駆動力制御手段45により電気式スロットル弁1
5を閉じ制御して車両の駆動力を低減するように構成さ
れている。
【0046】更に、同制御フローのステップS2、S7
〜S9により、選択スイッチ40がOFF側に切換操作
された非トラクション制御モード時であっても、センタ
ーデファレンシャル68の差動回転数差ΔN2が前記ト
ラクション制御モード時の設定値Noを越えて設定回転
数差ΔN2MAX (ΔN2MAX ≧ΔNo)以上となった
に作動して、電気式スロットル弁15を閉じ制御するよ
う駆動力制御手段45を強制的に動作させるようにした
強制制御手段91を構成していると共に、ステップ
2、S6,S8及びS9により、選択スイッチ40がO
FF側に切換操作された非トラクション制御モード時で
あっても、車速Vが設定値Vo以上の高車速時におい
て、前輪用デファレンシャル67の左右前輪間の差動回
転数差ΔN1が前記トラクション制御モード時の設定値
Noを越えて設定回転数差ΔN1MAX(ΔN1MAX ≧Δ
No)以上となった際に作動して、電気式スロットル弁
15を閉じ制御するよう駆動力制御手段45を強制的に
動作させるようにした強制制御手段92を構成してい
る。
【0047】したがって、上記実施例においては、選択
スイッチ40のOFF操作時であっても、左右前輪間の
差動回転数差ΔN1又は前後車軸間の差動回転数差ΔN
2が各々トラクション制御モード時の設定値Noを越え
設定回転数差ΔN1MAX ,ΔN2MAX 以上になった際
には、電気式スロットル弁15が強制的に閉じ制御され
てエンジン出力が低下し、その分、車両の駆動力が低減
するので、前輪用デファレンシャル67やセンターデフ
ァレンシャル68の差動回転数差が減少して、これ等デ
ファレンシャル67,68の異常磨耗や差動部の焼付き
が有効に防止される。
【0048】その場合、電気式スロットル弁15の強制
的な閉じ制御は、前輪用デファレンシャル67やセンタ
ーデファレンシャル68の差動回転数差がトラクション
制御モード時の設定値Noを越えた設定値ΔN1MAX ,
ΔN2MAX (600〜700r.p.m)以上となった
場合に限り実行され、選択スイッチ40のON操作時で
の設定値ΔNo(60r.p.m程度)近傍では実行さ
れないので、選択スイッチ40のOFF操作時では、高
速走行時や、雪道での発進時,スタック脱出時等の限界
時等に限り強制的なトラクション制御が行われ、その他
の通常の運転状態では実行されず、選択スイッチ40を
OFF操作した運転者の意志に合致した運転性能を発揮
しつつ、車両のほぼ限界状態での走行安全性、特に高速
走行時での走行安全性の向上を図ることができる。
【0049】尚、以上の説明では、駆動力制御手段45
として電気スロットル弁15を閉じ制御するものを採用
したが、その他、車輪のスキッドを防止するABSブレ
ーキ装置で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】全体構成図である。
【図3】トラクション制御を示すフローチャート図であ
る。
【図4】作動説明図である。
【図5】請求項3記載の発明の実施例を示す全体構成の
スケルトン図である。
【図6】同実施例の前輪用デファレンシャル及びセンタ
ーデファレンシャル周りの具体的構成を示す図である。
【図7】同実施例のトラクション制御を示すフローチャ
ート図である。
【符号の説明】
1 エンジン 8a プライマリスロットル弁 8b セカンダリスロットル弁 15 電気式スロットル弁 16 ステッピングモータ W 車輪 40 選択スイッチ(選択手段) 45 駆動力制御手段 46,90 スリップ量検出手段 47,91,92 強制制御手段 67 前輪用デファレンシャル(差動装
置) 68 センターデファレンシャル(差動
装置)
フロントページの続き (72)発明者 原田 靖裕 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 麓 寿男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 昼田 秀司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−114968(JP,A) 特開 平4−59437(JP,A) 特開 平4−292252(JP,A) 特開 昭60−163755(JP,A) 特開 平2−277935(JP,A) 特開 平2−140439(JP,A) 特開 平1−266028(JP,A) 特開 平5−8746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/02 F02D 41/00 - 45/00 B60T 8/58

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のスリップ量を検出するスリップ量
    検出手段と、 車両 の駆動力を低減させる駆動力制御手段と、 該駆動力制御手段の作動及びその停止を手動で切換え選
    択するための選択手段とを備え 該選択手段が駆動力制御手段の作動側に切換られている
    とき、上記スリップ量検出手段により検出された車両の
    スリップ量が設定スリップ量以上のとき、上記駆動力制
    御手段により車両の駆動力を低減するようにした車両の
    スリップ制御装置であって、 上記選択手段が駆動力制御手段の停止側に切換られてい
    るとき、上記スリップ量検出手段により検出された車両
    のスリップ量が上記設定スリップ量を越える所定のスリ
    ップ量以上となった際に、上記駆動力制御手段を強制的
    に動作させる強制制御手段を備えたことを特徴とする車
    両のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】 スリップ量検出手段は、車両の駆動輪と
    従動輪との回転数差を検出するものであることを特徴と
    する請求項1記載の車両のスリップ制御装置。
  3. 【請求項3】 車両は車輪間の差動を許容する差動装置
    を備え、 スリップ量検出手段は、該差動装置の差動回転数差を検
    出するものであり、 強制制御手段は、上記スリップ量検出手段により検出さ
    れた差動装置の差動回転数差が設定回転数差以上の際に
    作動するものであることを特徴とする請求項1記載の車
    両のスリップ制御装置。
  4. 【請求項4】 強制制御手段の設定回転数差は、駆動力
    制御手段の作動し始める際の差動装置の差動回転数差よ
    りも高く設定されることを特徴とする請求項3記載の車
    両のスリップ制御装置。
  5. 【請求項5】 差動装置は、前輪側車軸と後輪側車軸と
    の間の差動を許容するものであり、 強制制御手段は、上記差動装置の前後車軸間の差動回転
    数差が設定回転数差以上の際に作動するものであること
    を特徴とする請求項3記載の車両のスリップ制御装置。
  6. 【請求項6】 差動装置は、左側車輪と右側車輪との間
    の差動を許容するものであり、 強制制御手段は、上記差動装置の左右車輪間の差動回転
    数差が設定回転数差以上の際に作動するものであること
    を特徴とする請求項3記載の車両のスリップ制御装置。
  7. 【請求項7】 強制制御手段は、設定車速以上の高車速
    時に限り作動するものであることを特徴とする請求項2
    又は請求項6記載の車両のスリップ制御装置。
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