JP2976785B2 - ターボチャージャの過給圧制御装置 - Google Patents

ターボチャージャの過給圧制御装置

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JP2976785B2
JP2976785B2 JP5316825A JP31682593A JP2976785B2 JP 2976785 B2 JP2976785 B2 JP 2976785B2 JP 5316825 A JP5316825 A JP 5316825A JP 31682593 A JP31682593 A JP 31682593A JP 2976785 B2 JP2976785 B2 JP 2976785B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ターボチャージャの過
給圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンのように負荷条件や使
用条件が大幅に変動する場合、運転状態に応じてターボ
チャージャの過給圧を適確に制御する必要がある。
【0003】従来のターボチャージャの過給圧制御装置
として、特開昭59−82549号公報に開示されたも
のは、車両のトランスミッションのギア位置を検出し
て、例えば低速ギア位置にあるときエンジン回転数に対
する目標過給圧を低めに設定して、車輪を駆動するトル
クが急増してタイヤがスリップを起こすことを防止する
ようになっている。
【0004】また、実公昭2−12273号公報に開示
されたものは、図6に示すように、目標過給圧はトラン
スミッションのギア位置に応じてエンジンの中速回転域
において徐々に上昇し、中速回転域における目標過給圧
が第1速(1thギア)から第5速(5thギア)にか
けて順次高くなるように設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなターボチャージャの過給圧制御装置にあっては、ト
ランスミッションのギア位置とエンジン回転数に応じて
目標過給圧を制御しているため、必ずしも運転者がアク
セルペダルを介して要求する意志をエンジンの発生出力
に反映できない場合がある。
【0006】例えば、高速ギアは車輪を駆動するトルク
がタイヤの摩擦力を越えてスリップを起こす心配がない
ため、アクセルペダルが踏み込まれるのに伴って過給圧
を大きく立ち上げて、エンジンの発生出力が最大に高め
たいという要求がある。
【0007】中速ギアは車両の旋回時にタイヤの摩擦力
を越える力を与えて、後輪を滑らせて車両のフロントを
内側に向けるような、いわゆるパワーオーバステア時に
も用いられる。このようなパワーオーバステア時に絞弁
の開度を減少してエンジンの発生出力を低下させようと
する場合に、前記従来装置のようにトランスミッション
のギア位置とエンジン回転数に応じて目標過給圧を制御
するものにあっては、絞弁の開度を減少させても、エン
ジン回転数が低下するまでは過給圧が上昇したままとな
ってエンジンの発生出力がすぐに低下せず、絞弁の開度
に対するエンジンの発生出力のコントロール性がよくな
いという問題点がある。
【0008】また、低速ギア位置にあるときにエンジン
回転数に対する目標過給圧を低めに設定してタイヤのス
リップを防止しても、車両の発進後に運転者がアクセル
ペダルを大きく踏み込んで低速ギアを用いて車両を急加
速させたい場合に、目標過給圧が低く規制されて十分な
加速性能が得られないという点で改善の余地が残されて
いる。
【0009】本発明は上記の問題点に着目し、絞弁開度
に対するエンジン出力のコントロール性を改善すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ター
ビンを迂回して排気ガスの一部を排出するバイパスバル
ブ1と、バイパスバルブ1を開閉駆動するアクチュエー
タ2とを備えるターボチャージャ10の過給圧制御装置
において、吸気絞弁開度を検出する手段12と、車両の
トランスミッションのギア位置を検出する手段13と、
トランスミッションのギア位置と吸気絞弁開度に応じて
目標過給圧を設定する手段14と、目標過給圧が得られ
るようにバイパスバルブの開度を制御する手段15と、
前記トランスミッション41に第三ギア位置と、第三ギ
ア位置より減速比が大きい第二ギア位置を備え、前記目
標過給圧設定手段14として、第二ギア位置における吸
気絞弁開度に対する目標過給圧の増加率が、略一定とな
り、かつ第三ギア位置より大きくなる中高負荷域を設定
する
【0011】請求項2記載の発明は、タービンを迂回し
て排気ガスの一部を排出するバイパスバルブ1と、バイ
パスバルブ1を開閉駆動するアクチュエータ2とを備え
るターボチャージャ10の過給圧制御装置において、吸
気絞弁開度を検出する手段12と、車両のトランスミッ
ションのギア位置を検出する手段13と、トランスミッ
ションのギア位置と吸気絞弁開度に応じて目標過給圧を
設定する手段14と、目標過給圧が得られるようにバイ
パスバルブの開度を制御する手段15と、前記トランス
ミッション41に第二ギア位置と、第二ギア位置より減
速比が大きい第一ギア位置を備え、前記目標過給圧設定
手段14として、第一ギア位置における吸気絞弁開度に
対する目標過給圧の増加率が、第二ギア位置より低くな
る中負荷域を設定し、かつ第二ギア位置より高くなる高
負荷域を設定する
【0012】請求項3の発明は、タービンを迂回して排
気ガスの一部を排出するバイパスバルブ1と、バイパス
バルブ1を開閉駆動するアクチュエータ2とを備えるタ
ーボチャージャ10の過給圧制御装置において、吸気絞
弁開度を検出する手段12と、車両のトランスミッショ
ンのギア位置を検出する手段13と、トランスミッショ
ンのギア位置と吸気絞弁開度に応じて目標過給圧を設定
する手段14と、目標過給圧が得られるようにバイパス
バルブの開度を制御する手段15とを備え、前記目標過
給圧設定手段14として、第三ギア位置における吸気絞
弁開度に対する目標過給圧の増加率が第二ギア位置より
高くなる低負荷域と、第三ギア位置における目標過給圧
が最大過給圧近傍でほぼ一定となり、第二ギア位置にお
ける目標過給圧が吸気絞弁開度の増加に伴って増加する
中高負荷域とを設定する
【0013】
【0014】
【作用】請求項1記載の発明においては、トランスミッ
ションのギア位置と絞弁開度に応じて目標過給圧が設定
されることにより、絞弁開度に対する車輪に伝えられる
エンジン出力のコントロール性を改善することができ
る。なお、吸気絞弁開度はアクセルペダルの踏み込み量
等から間接的に検出することも考えられる。さらに第二
ギア位置は車輪を駆動するトルクがタイヤの摩擦力を超
えてスリップを起こす減速比を有するものとして、例え
ば車両の旋回時にタイヤの摩擦力を越える力を与えて、
後輪を滑らせて車両のフロントを内側に向けるパワーオ
ーバーステア時に用いられる。絞弁開度が減少するのに
伴ってバイパスバルブが開かれて、タービンへ導かれる
排気ガス量を減らすことにより、中高負荷域では絞弁開
度に応じて略比例的に過給圧が上昇するように設定する
ことが可能となる。この結果、運転者はアクセルペダル
の踏み込み量でエンジンの発生トルクの増大、減少を容
易に制御でき、駆動輪のスリップ量、つまり駆動輪と路
面に対するグリップ量を高い精度で制御することが可能
となり、車両の旋回時のコントロール性を高めることが
できる。
【0015】請求項2記載の発明においては、第一ギア
位置は、車輪を駆動するトルクがタイヤの摩擦力を越え
てスリップを起こす減速比を有するものとして、主とし
て発進時に用いられる。中負荷時で過給圧を低く抑える
ことにより、雨天時に低速ギアを用いて車両が発進する
ような場合に、エンジンの発生トルクを抑えて、車輪を
滑らせないようにすることができる。そして高負荷域
で、目標過給圧を大きく立ち上げることにより、最大発
生トルクを損なうことなく、例えば晴天時に低速ギアを
用いて車両を発進後急加速させるような場合に、十分な
加速性能が得られる
【0016】請求項3記載の発明においては、第三ギア
位置は、車輪を駆動するトルクがタイヤの摩擦力を超え
てスリップを起こす心配がない減速比を有するものとし
て、高速走行時等に用いられる。アクセルペダルが踏み
込まれるのに伴って過給圧を大きく立ち上げた後、過給
圧の増加率は小さくなって過給圧を高く保つことによ
り、エンジンの発生出力が最大に高められる。
【0017】
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0019】図2に示すように、エンジン8の各気筒2
1から排出される排気ガスはマニホールド22に集めら
れて、タービン4に導入された後に、排気管23を通っ
て外部に排出される。
【0020】ターボチャージャ10は排気ガスの圧力エ
ネルギーによりタービン4が高速回転し、シャフト24
を介して連結されたコンプレッサ5を駆動する。
【0021】コンプレッサ5は吸気管25から吸入され
る空気をその回転数に応じて過給し、吸気管26を通し
て各気筒21に供給する。
【0022】タービン4を迂回して排気ガスの一部を排
出するバイパスポート29が形成され、このバイパスポ
ート29を開閉するバイパスバルブ1が設けられる。
【0023】バイパスバルブ1を空気圧により開閉駆動
するアクチュエータ2が設けられる。アクチュエータ2
のダイヤフラム室3は導圧通路9を介してコンプレッサ
5の下流側に連通するとともに、コントロールバルブ6
および絞り19を介してコンプレッサ5の上流側に連通
し、コントロールバルブ6により圧力室3に導かれる空
気圧を調節する。
【0024】コントロールバルブ6はコントロールユニ
ット20から送られるパルス信号(励磁電流)により、
その開弁時間をデューティ制御され、デューティ値が大
きくなるほどコントロールバルブ6の開放度合いが大き
くなり、圧力室3に導かれる空気圧(過給圧)は希釈さ
れるため、アクチュエータ2はバイパスパルブ1が閉じ
る方向に作動し、逆にデューティ値が小さくなるほどア
クチュエータ2はバイパスパルブ1が開く方向に作動す
るようになっている。
【0025】コントロールユニット20は、マイクロコ
ンピュータを主体として構成され、回転数センサ33か
らの回転数信号Ne、吸気絞弁31の開度センサ32か
らの絞弁開度信号TVO、車速センサ34から車速信号
V、吸気管26に設置された過給圧センサ35からの過
給圧信号PBABS等をそれぞれ入力する。コントロー
ルユニット20はこれらの情報に従ってコントロールバ
ルブ6を駆動する信号のデューティ値を制御し、バイパ
スパルブ1を介してタービン4への排気ガス量を可変と
することにより、コンプレッサ5の回転数、すなわち各
気筒21に供給される吸気の過給圧を制御する。
【0026】41はエンジン8の回転を車輪に伝達する
減速比を変えるトランスミッションであり、減速比の大
きい順に1th,2th,3th,4th,5thの変
速ギアを備えている。すなわち、車両の発進時等に用い
られる減速比の大きい低速ギアとして1thギアが設け
られる。車両の高速走行時等に用いられる減速比の小さ
い高速ギアとして4th,5thギアが設けられる。減
速比がこれら低速ギアと高速ギアの間にある中速ギアと
して2th,3thギアが設けられ、この中速ギアは車
両の加速時等に用いられる。
【0027】ところで、高速ギアは車輪を駆動するトル
クがタイヤの摩擦力を越えてスリップを起こす心配がな
いため、アクセルペダルが踏み込まれるのに伴って過給
圧を大きく立ち上げて、エンジンの発生出力が最大に高
めたいという要求がある。
【0028】中速ギアは車両の旋回時にタイヤの摩擦力
を越える力を与えて、後輪を滑らせて車両のフロントを
内側に向けるような、いわゆるパワーオーバステア時に
も用いられる。しかしながら、このようなパワーオーバ
ステア時に絞弁31の開度を減少してエンジン8の発生
出力を低下させようとする場合に、ターボチャージャ1
0を備えるエンジン8にあっては、絞弁31の開度を減
少させても、高速回転するタービン4およびコンプレッ
サ5等の慣性によりターボチャージャ10の回転数がす
ぐには下がらずに、過給圧が上昇したままとなってエン
ジン8の発生出力がすぐに低下せず、コントロール性が
よくないという点で改善の余地がある。
【0029】また、雨天時に低速ギアを用いて車両が発
進するような場合に、摩擦力を越える力を与えて、後輪
を滑らせないように過給圧を抑える制御が行われた場
合、晴天時に低速ギアを用いて車両を急発進させるよう
な場合に、発生出力が十分に得られないというという点
で改善の余地がある。
【0030】これに対処して、本発明は、トランスミッ
ション41がギア位置に応じて絞弁開度TVOとエンジ
ン回転数Neに応じて目標過給圧を予め設定したマップ
を備え、ギア位置に応じた目標過給圧が得られるように
バイパスバルブの1開度を制御する構成とする。
【0031】図3のa図はエンジン回転数Neが400
0rpmである中速域で、絞弁開度TVOに応じたエン
ジン8の発生トルク、コンプレッサ5による目標過給圧
TBSET、コントロールバルブ6に送られるパルス信
号の基本デューティ値を設定したマップである。なお、
エンジンの低速域または高速域でも、絞弁開度TVOに
応じたエンジン8の発生トルク、コンプレッサ5による
目標過給圧TBSETは同図と略同様な特性で設定され
る。
【0032】これについて説明すると、トランスミッシ
ョン41が高速ギア位置にある場合、図中破線で示すよ
うに、コントロールバルブ6に送られるパルス信号の基
本デューティ値を全ての絞弁開度範囲に渡って最大に設
定し、高速ギア位置における絞弁開度に対する目標過給
圧の増加率が中速ギア位置より高くなる低負荷域を設定
し、かつ高速ギア位置における目標過給圧が中速ギア位
置より高い高負荷域を設定する。
【0033】トランスミッション41が中速ギア位置に
ある場合、図中に実線で示すように、絞弁開度が35d
eg以上の範囲で、基本デューティ値を絞弁開度に応じ
て高め、絞弁開度に対する目標過給圧の増加率を、高速
ギア位置における絞弁開度に対する目標過給圧の増加率
より大きくなるように設定する。この実施例では、絞弁
開度が35deg以上の負荷域で、発生トルクが絞弁開
度に略比例して増加するように、かつ絞弁開度が最大と
なるときに目標過給圧が高速ギア位置と等しく最大とな
るように、基本デューティ値を絞弁開度に応じて高める
設定とする。
【0034】トランスミッション41が低速ギア位置に
ある場合、図中1点鎖線で示すように、絞弁開度が60
degより小さい中負荷域で基本デューティ値を最も低
く保ち、目標過給圧を低く抑えるように設定する。そし
て、絞弁開度が60deg以上の高負荷域で、目標過給
圧が絞弁開度に応じて増加し、絞弁開度が最大となると
きに目標過給圧が高速ギア位置および中速ギア位置と等
しく最大となるように、基本デューティ値を絞弁開度に
応じて高める設定とする。これにより、低速ギア位置に
おける絞弁開度に対する目標過給圧の増加率が、中速ギ
ア位置より低くなる中負荷域を設定し、かつ中速ギア位
置より高くなる高負荷域を設定する。
【0035】なお、中速ギア位置の目標過給圧の絞弁開
度に対する増加率(傾き)は、低速ギア位置と高速ギア
位置でそれぞれ設定された目標過給圧の間で最大となる
ように設定されている。これにより、絞弁開度に対する
発生トルクの変化率を最大にすることができる。
【0036】図4のフローチャートはコントロールユニ
ット20において実行される過給圧の制御プログラムを
示しており、これは一定周期毎に実行される。
【0037】これについて説明すると、まずステップ1
で回転数信号Ne、絞弁開度信号TVO、車速信号V等
をそれぞれ読込む。
【0038】ステップ2で車速Vとエンジン回転数Ne
に基づいてトランスミッション41のギア位置を算出
し、続いてステップ3でトランスミッション41の低中
高のギア位置を判定する。
【0039】低速ギア(1th)位置にあると判定され
た場合は、ステップ4,5に進んで予め設定された目標
過給圧TBSETとコントロールバルブ6の基本デュー
ティ値WGBDYの各マップを読込む。
【0040】中速ギア(2th,3th)位置にあると
判定された場合は、ステップ6,7に進んで予め設定さ
れた目標過給圧TBSETとコントロールバルブ6の基
本デューティ値WGBDYの各マップを読込む。
【0041】高速ギア(4th,5th)位置にあると
判定された場合は、ステップ8,9に進んで予め設定さ
れた目標過給圧TBSETとコントロールバルブ6の基
本デューティ値WGBDYの各マップを読込む。
【0042】ステップ10に進んで、このようにしてギ
ア位置に応じて読込まれた目標過給圧TBSETとコン
トロールバルブ6の基本デューティ値WGBDYのマッ
プを設定し、続いてステップ11で各マップに基づいて
エンジン回転数Nと絞弁開度TVOに応じて目標過給圧
TBSETとコントロールバルブ6の基本デューティ値
WGBDYを検索する。
【0043】ステップ12で過給圧信号PBABS等を
読込み、ステップ13で検出された過給圧PBABSと
目標過給圧TBSETの偏差ERRORを算出するとと
もに、偏差ERRORの積分値ERRIWGを算出す
る。
【0044】ステップ14でデューティ値例制御分WG
PDYを比例分ゲインKPWGと偏差ERRORを積算
して求めるとともに、デューティ積分制御分WGLDY
を積分分ゲインKIWGと偏差ERRIWGを積算して
求める。
【0045】ステップ15でコントロールバルブ6に出
力するデューティ値WGONDYをマップから検索され
たエンジン回転数Neと絞弁開度TVOに応じてマップ
から検索された基本デューティ値WGBDYに比例制御
分WGPDYと積分制御分WGLDYを加算して求め、
ステップ16でこの算出値WGONDYをコントロール
バルブ6に出力して、このルーチンを終了する。
【0046】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0047】トランスミッション41が高速ギア位置に
ある場合、図中破線で示すように、コントロールバルブ
6に送られるパルス信号の基本デューティ値を全ての絞
弁開度範囲に渡って最大に設定することにより、アクセ
ルペダルが踏み込まれるのに伴って過給圧を大きく立ち
上げた後、過給圧の増加率は小さくなって過給圧を高く
保つことにより、エンジンの発生出力が最大に高められ
る。高速ギアは減速比が小さいため、このようにエンジ
ン8の発生トルクを高めても、車輪のスリップ等が起き
る心配がない。
【0048】トランスミッション41が中速ギア位置に
ある場合、図中実線で示すように、絞弁開度が35de
g以上の範囲で、基本デューティ値を絞弁開度に応じて
高め、絞弁開度に対する目標過給圧の増加率を、高速ギ
ア位置における絞弁開度に対する目標過給圧の増加率よ
り大きくなるように設定することにより、絞弁開度に対
するエンジン8の発生出力のコントロール性が向上す
る。具体的には、車両の旋回時にタイヤの摩擦力を越え
る力を与えて、後輪を滑らせて車両のフロントを内側に
向けるパワーオーバステア時に、絞弁31の開度を減少
させても、高速回転するタービン4およびコンプレッサ
5等の慣性によりターボチャージャ10の回転数がすぐ
には下がらないが、絞弁31の開度が減少するのに伴っ
てバイパスバルブ1が開かれて、タービン4へ導入され
る排気ガス量を減らすことにより、タービン4およびコ
ンプレッサ5の回転数、すなわち吸気の過給圧が速やか
に低下し、エンジン8の発生出力を応答性良く低下させ
ることが可能となる。運転者はアクセルペダルの踏み込
み量でエンジンの発生トルクの増大、減少を容易に制御
でき、駆動輪のスリップ量、つまり駆動輪と路面に対す
るグリップ量を高い精度で制御することが可能となり、
車両の旋回時のコントロール性を高めることができる。
【0049】トランスミッション41が低速ギア位置に
ある運転条件では、絞弁開度が60degより小さい中
負荷域で過給圧を低く抑えることにより、例えば雨天時
に低速ギアを用いて車両が発進するような場合に、エン
ジン8の発生トルクを抑えて、後輪を滑らせないように
することができる。そして絞弁開度が60deg以上の
高負荷域で、目標過給圧を大きく立ち上げることによ
り、最大発生トルクが損なわれることがなく、例えば晴
天時に低速ギアを用いて車両を急加速させるような場合
に、十分な加速性能が得られる。
【0050】図3のb図は、アクセル開度(≒TVO)
に応じてエンジン8の発生トルクが急増する度合いを表
す唐突性を示した特性図であるが、この唐突性は高速ギ
ア使用時(図中破線)、中速ギア使用時(図中1点鎖
線)、低速ギアにおける特性(図中1点鎖線)の順によ
くなっている。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、タービンを迂回して排気ガスの一部を排出するバイ
パスバルブと、このバイパスバルブを開閉駆動するアク
チュエータとを備えるターボチャージャの過給圧制御装
置において、トランスミッションのギア位置と絞弁開度
に応じて目標過給圧を設定し、目標過給圧が得られるよ
うにバイパスバルブの開度を制御する構成としたため、
絞弁開度に対する車輪に伝えられるエンジン出力のコン
トロール性を改善することができる。さらに前記トラン
スミッションに第三ギア位置と、第三ギア位置より減速
比が大きい第二ギア位置を備え、前記目標過給圧設定手
段として、第二ギア位置における吸気絞弁開度に対する
目標過給圧の増加率が、略一定となり、かつ第三ギア位
置より大きくなる中高負荷域を設定したため、例えば後
輪を滑らせて車両を旋回させるパワーオーバーステア時
に運転者はアクセルペダルの踏み込み量でエンジンの発
生トルクの増大、減少を容易に制御でき、駆動輪のスリ
ップ量を高い精度で制御することが可能となり、パワー
オーバーステアによるコントロール性が向上する。
【0052】請求項2記載の発明は、タービンを迂回し
て排気ガスの一部を排出するバイパスバルブと、バイパ
スバルブを開閉駆動するアクチュエータと、吸気絞弁開
度を検出する手段と、車両のトランスミッションのギア
位置を検出する手段と、トランスミッションのギア位置
と吸気絞弁開度に応じて目標過給圧を設定する手段と、
目標過給圧が得られるようにバイパスバルブの開度を制
御する手段と、前記トランスミッションに第二ギア位置
と、第二ギア位置より減速比が大きい第一ギア位置を備
え、前記目標過給圧設定手段として、第一ギア位置にお
ける吸気絞弁開度に対する目標過給圧の増加率が、第二
ギア位置より低くなる中負荷域を設定し、かつ第二ギア
位置より高くなる高負荷域を設定したため、例えば雨天
時に低速ギアを用いて車両が発進するような場合に、エ
ンジンの発生トルクを抑えて、後輪を滑らせないように
することができる。そして高負荷域で、目標過給圧を大
きく立ち上げることにより、最大発生トルクを損なうこ
となく、例えば晴天時に低速ギアを用いて車両を急加速
させるような場合に、十分な加速性能が得られる
【0053】請求項3記載の発明は、タービンを迂回し
て排気ガスの一部を排出するバイパスバルブと、バイパ
スバルブを開閉駆動するアクチュエータと、吸気絞弁開
度を検出する手段と、車両のトランスミッションのギア
位置を検出する手段と、トランスミッションのギア位置
と吸気絞弁開度に応じて目標過給圧を設定する手段と、
目標過給圧が得られるようにバイパスバルブの開度を制
御する手段とを備え、前記目標過給圧設定手段として、
第三ギア位置における吸気絞弁開度に対する目標過給圧
の増加率が第二ギア位置より高くなる低負荷域を設定
し、かつ第三ギア位置における目標過給圧が第二ギア位
置より高い高負荷域を設定したため、アクセルペダルが
踏み込まれるのに伴って過給圧を大きく立ち上げた後、
過給圧の増加率は小さくなって過給圧を高く保つことに
より、エンジンの発生出力が最大に高められる
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図。
【図2】本発明の実施例を機械的構成図。
【図3】同じく目標過給圧の制御特性等を示す線図。
【図4】同じくコントロールユニットで行われる制御動
作を示すフローチャートの前半部分。
【図5】同じくコントロールユニットで行われる制御動
作を示すフローチャートの後半部分。
【図6】従来例における目標過給圧の制御特性を示す線
図。
【符号の説明】
1 バイパスバルブ 2 アクチュエータ 8 エンジン 10 ターボチャージャ 12 絞弁開度検出手段 13 ギア位置検出手段 14 目標過給圧設定手段 15 過給圧制御手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンを迂回して排気ガスの一部を排出
    するバイパスバルブと、 バイパスバルブを開閉駆動するアクチュエータと、 吸気絞弁開度を検出する手段と、 車両のトランスミッションのギア位置を検出する手段
    と、 トランスミッションのギア位置と吸気絞弁開度に応じて
    目標過給圧を設定する手段と、 目標過給圧が得られるようにバイパスバルブの開度を制
    御する手段と、前記トランスミッションに第三ギア位置と、第三ギア位
    置より減速比が大きい第二ギア位置とを備え、 前記目標過給圧設定手段として、第二ギア位置における
    吸気絞弁開度に対する目標過給圧の増加率が、略一定と
    なり、かつ第三ギア位置より大きくなる中高負荷域を設
    定したこと を特徴とするターボチャージャの過給圧制御
    装置。
  2. 【請求項2】タービンを迂回して排気ガスの一部を排出
    するバイパスバルブと、 バイパスバルブを開閉駆動するアクチュエータと、 吸気絞弁開度を検出する手段と、 車両のトランスミッションのギア位置を検出する手段
    と、 トランスミッションのギア位置と吸気絞弁開度に応じて
    目標過給圧を設定する手段と、 目標過給圧が得られるようにバイパスバルブの開度を制
    御する手段と、 前記トランスミッションに第二ギア位置と、第二ギア位
    置より減速比が大きい第一ギア位置を備え、 前記目標過給圧設定手段として、第一ギア位置における
    吸気絞弁開度に対する目標過給圧の増加率が、第二ギア
    位置より低くなる中負荷域を設定し、かつ第二ギア位置
    より高くなる高負荷域を設定したことを特徴とするター
    ボチャージャの過給圧制御装置
  3. 【請求項3】タービンを迂回して排気ガスの一部を排出
    するバイパスバルブと、 バイパスバルブを開閉駆動するアクチュエータと、 吸気絞弁開度を検出する手段と、 車両のトランスミッションのギア位置を検出する手段
    と、 トランスミッションのギア位置と吸気絞弁開度に応じて
    目標過給圧を設定する手段と、 目標過給圧が得られるようにバイパスバルブの開度を制
    御する手段とを備え、 前記目標過給圧設定手段として、第三ギア位置における
    吸気絞弁開度に対する目標過給圧の増加率が第二ギア位
    置より高くなる低負荷域と、第三ギア位置における目標
    過給圧が最大過給圧近傍でほぼ一定となり、第二ギア位
    置における目標過給圧が吸気絞弁開度の増加に伴って増
    加する中高負荷域とを設定したことを特徴とするターボ
    チャージャの過給圧制御装置
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