JPH0236333Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 イ 産業上の利用分野 本考案は苗床にて育苗した苗を本圃に移植する
移植機に関するもので、特に紙筒苗等の苗根部に
土砂の付着した苗を対象とするものである。

ロ 従来の技術とその問題点 ゴムのような一対の弾性円盤の開口部に苗を供
給するに際し、一対の対接したベルトの対接面に
苗を挟持させて供給する方法がとられているが、
紙筒苗の紙筒とか玉葱苗の茎等は圧縮方向には比
較的強いが、引張方向に力を加えると簡単に切断
してしまうものである。上記ベルトからゴム円盤
への受け渡しに際して往々にして苗が斜目になつ
て受け渡される場合があるが、苗の葉身方向を弾
性円盤に受け渡す場合に、根部が下がつていると
弾性円盤への受け渡し前にベルトが苗をはなして
苗を落下させたり、葉身部が下がつていると、弾
性円盤が遠ざかるのにベルトが苗をはなさずに苗
を引つ張つて切断する場合がある。

Ｂ 考案の構成 イ 問題を解決しようとする手段 弾性円盤の苗の受け取り開始と苗供給ベルトの
苗の受け渡しに於いて、両者が苗を挟持する間隔
を設けると共にその部位が弾性円盤の苗供給ベル
トへの近より側とすることで、受け渡される苗が
斜目であつても確実にしかも引張力を加えること
が無く、苗に損傷を与えないことに着目し本考案
に至つた。つまり、弾性円盤へ挟持力を与える最
上位のローラより苗供給ベルトの終端の軸を低く
し、かつ、軸芯を弾性円盤の中心より上方に設け
ることで上記課題を解決するものである。

ロ 実施例 機枠１の前部にはトラクタ（図示略）へ連結す
るためのトツプリンクピン穴及びロアーリンクピ
ン３を設け、機枠１の上方に作業者が乗座する座
席４を設ける。機枠１の下方には前方より鎮圧ロ
ーラ６及びローリングコルタ７、植付部枠８を連
設し、機枠１の後部で植付部枠の上方に移植に供
する苗を載せる苗載台５を設ける。植付部枠８内
に周縁部を対接可能とした一対のゴム円盤１２，
１２′をフランジ２３及び当て板２５，２５′にて
締着し、植付部枠８とフランジ２３を軸２２にて
軸設し、フランジ２３と軸２２は螺２４にて固着
する。鎖車２６，２６′を軸２２の両側に軸着し、
植付部枠８の両側に配設した鎮圧輪１１よりチエ
ンにて連結する。該ゴム円盤１２，１２′の両側
の前方より下方周縁を転動する多数のローラ１
８，１８′を有するゴム円盤押え１４，１４′を設
け、該ゴム円盤押え１４，１４′は押え板１５，
１５′を植付部枠８に螺着し、押えバネ１６，１
６′を押え板１５，１５′に鋲着し、ピン１７，１
７′を押えバネ１６，１６′の先端に鋲着し、ロー
ラ１８，１８′をピン１７，１７′に回転自在に軸
支して成る。植付部枠８の下方でゴム円盤１２，
１２′の前方に底面がゴム円盤１２，１２′の下縁
より下方と成るよう植え溝を開くオープナー１０
を設け、植付部枠８の両側でゴム円盤１２，１
２′のやや後方に一対の鎮圧輪１１を設け、植付
部枠８の前方上方には苗供給部９を設ける。該苗
供給部９の終端を一対の対接した、表面に弾性翼
片２１を紙筒苗Ｐの長手方向に平行に多数植設し
た苗供給ベルト１３，１３′とし、平行に配設し
た軸１９，１９′に嵌設したプーリ２０，２０′に
巻掛ける。軸１９，１９′はゴム円盤１２，１
２′の中心である軸２２より上方に向う如く配設
し、本実施例ではその差を22mmとした。又、該ゴ
ム円盤押え１４，１４′の最上位のローラ１８，
１８′は軸１９，１９′よりも上方に配設し、本実
施例ではその差を18mmとした。尚、ゴム円盤押え
１４，１４′は紙筒苗Ｐを水平にて受け取り、垂
直にして本圃に移植させるのであるから最後位の
ローラ１８，１８′はゴム円盤１２，１２′の最下
縁より前方とするが、本実施例では40mm前方とし
た。図面では甜菜苗における紙筒苗Ｐの例である
が、紙筒の直径は19mm、長さは130mmである。

ハ 作動 作業者が列状の紙筒苗Ｐを苗供給部９に供給す
ると、一本一本に分離され所定間隔毎に苗供給ベ
ルト１３，１３′の対接面に挟持され葉身PA側の
ゴム円盤１２，１２′に挟持させる分だけ突出さ
せて移送されて終端に向うが、軸１９，１９′よ
りローラ１８，１８′の最上位位置を高くしてあ
るので、苗供給ベルト１３，１３′に挟持されな
がら同時にゴム円盤１２，１２′の外周内面にて
挟持される。このとき軸１９，１９′を軸２２よ
り上方に向う如く配設したから両者が同時に挟持
している間は両挟持部位が近づくように動き最接
近前に苗供給ベルト１３，１３′の終端に達して
挟持力を断たれゴム円盤１２，１２′に受け渡さ
れる。ゴム円盤１２，１２′の内面に挟持された
紙筒苗Ｐはゴム円盤１２，１２′の外面に接当し
て転動するローラ１８，１８′に押されて保持さ
れて下方に向い、ゴム円盤押え１４，１４′の終
端で挟持力を断たれて本圃に植え付けられる。こ
のとき、ローラ１８，１８′は押えバネ１６，１
６′の弾力により紙筒苗Ｐの通過をさまたげない
よう外方へ移動し、紙筒苗Ｐをゴム円盤１２，１
２′を通じて保持する。

Ｃ 考案の効果 以上のように苗供給ベルト１３，１３′に紙筒
苗Ｐが水平に受け入れられた場合は紙筒苗Ｐに引
張力を加える事なくゴム円盤１２，１２′に受け
渡すものであるが、本考案の課題である斜目に苗
供給ベルト１３，１３′に紙筒苗Ｐが供給された
場合であるが、根部が下がつて供給されてもロー
ラ１８，１８′により挟持力が加わつた後に、苗
供給ベルト１３，１３′の挟持力が断たれるので
紙筒苗Ｐを落下させることは無い。さらに、葉身
PA部が下がつて供給されてもゴム円盤１２，１
２′の中心つまり軸２２の上方で苗供給ベルト１
３，１３′の挟持力が断たれているので、ゴム円
盤１２，１２′の紙筒苗Ｐの挟持部が苗供給ベル
ト１３，１３′から遠ざかる前に苗の受け渡しが
終了するので紙筒苗Ｐにはわずかに圧縮力は加わ
るが、避けなければならない引張力を加えること
が無いので紙筒苗Ｐには損傷が無いのである。

本考案によれば傷みやすい苗も、直線運動から
円運動への受け渡しも確実に出来ることになる。
尚、ゴム円盤１２，１２′は屈曲可能な弾性円盤
であれば良く、片面のみを堅い円盤とすることも
可能であり、弾性円盤の苗挟持部にスポンジ様物
質を糊着する事も可能であり、また、本実施例で
はゴム円盤１２，１２′に紙筒苗Ｐの紙筒上部を
受け渡す例を示したが玉葱苗のように苗の茎PB
のみを受け渡しても同様の効果を示す。図中、２
７は傘歯車である。

【図面の簡単な説明】

第１図は側面図、第２図は植付部の要部側面
図、第３図は第２図のＡ部分の拡大図、第４図は
第３図における苗が斜目の場合の動作図、第５図
は第２図のＢ部分の斜視図、第６図はＣ−Ｃ線断
面図、第７図は第３図の他の苗を使用した場合の
作動図、第８図は従来例の作動図である。 ８……植付部枠、１２……ゴム円盤、１３……
苗供給ベルト、１４……ゴム円盤押え、１８……
ローラ、１９……軸、２２……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のゴム円盤１２，１２′の開口部に紙筒苗
   Ｐを移送する一対の苗供給ベルト１３，１３′の
   終端を臨ませて成る移植機に於いて、苗供給ベル
   ト１３，１３′の終端部を軸支する軸１９，１
   ９′をゴム円盤１２，１２′を軸支する軸２２の上
   方に位置するよう配設したことを特徴とする移植
   機の苗供給装置。