JPH0236323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、圃場の傾斜、凹凸にかかわらず、付
設した作業機を常に所定の姿勢に保つ移動農機に
おける作業機の姿勢復帰装置に関する。

近時、機体の傾斜にかかわりなく、付設した作
業機を常に水平に保つ作業機自動水平装置を具備
するトラクタが現出し、このものではトラクタの
回向時あるいは通常の路面走行時に作業機を走行
機体と平行な上昇位置に保持するために、作業機
を上昇、下降操作するポジシヨンレバーの上昇位
置に関連して作動するスイツチ装置が設けられて
いる。しかしながら、該スイツチ装置はポジシヨ
ンレバーの最上点あるいは適宜の位置に固定的に
設けられているため、作業機として特殊なものを
装着した際、その作業機とトラクタのフエンダー
等との干渉を回避すべく平行復帰時期を調整した
い場合、その調整が不可能であつた。また、プラ
ウ等の作業機によつては常に所定の傾斜状態に保
持したままで使用するものもあるが、上記スイツ
チ装置ではそのような場合平行復帰動作を解除す
ることができず、解除するためには別途電気設備
を必要とするという欠点を有していた。

そこで、本考案は、ポジシヨンレバーの昇降操
作に関連して作動する平行復帰スイツチを設け、
該スイツチの作動時期を調整可能とすると共に、
該スイツチの作動を解除状態にロツクし得るよう
に構成し、もつて上述した欠点を解消した移動農
機における作業機の姿勢復帰装置を提供すること
を目的とするものである。

以下、図面に沿つて、本考案による実施例につ
いて説明する。

トラクタ１は、第１図に示すように、車輪２で
支持されている走行機体３を有しており、走行機
体３の後方にはリンク装置５によりロータリ等の
作業機６が装着されている。更に、ロータリ６に
はロータリの水平面に対する傾斜（水平）を検出
する水平センサ７が設置されている。そして、リ
ンク装置５は、第２図に示すように、左右のロワ
リンク１０及びトツプリンク１１よりなり、更に
左右ロワーリンク１０，１０は走行機体３に内蔵
された油圧シリンダで回動作動されるリフトアー
ム１２，１２にそれぞれリフトロツド１３ａ，１
３ｂを介して連結されている。また、左右リフト
ロツドの内の一方、例えば左リフトロツド１３ａ
は油圧シリンダ装置１５により構成されており、
ロータリ６の機体３に対する傾斜角を調節し得る
ようになつている。そして、第１図に示すよう
に、走行機体３の側部にポジシヨンレバー１６の
上昇作動に関連して作動するように本考案に係る
作業機平行復帰スイツチ装置１７が配設されてい
る。該スイツチ装置１７は、第３図および第４図
で拡大して示すように、走行機体３の適宜部分
３′に固着された平板状基体１９を有しており、
該基体１９には後述するシヤフト部材２２の軸線
方向に沿う取付用長穴１９ａが複数個開設されて
いて、機体部分３′に螺合された取付用ボルト２
０，２０を適宜緩めることにより、その取付装置
を調節できるようになつている。そして、上記基
体１９には、たとえば溶接等によつて筒体２１が
固着されていて、該筒体２１には前記したポジシ
ヨンレバー１６側からシヤフト部材２２が摺動自
在に貫入されている。該シヤフト部材２２のポジ
シヨンレバー１６側の端部には、ポジシヨンレバ
ー１６に衝接し得る棒状部材２３が、シヤフト部
材２２の軸線と直交する方向に突設されており、
また、上記棒状部材２３に隣接して配置されたワ
ツシヤ２５と前記筒体２１の端面との間には圧縮
スプリング２６が介装されていて、シヤフト部材
２２を常時ポジシヨンレバー１６側に後退させる
ようになつている。更に、シヤフト部材２２の筒
体２１に貫入する側の周面には、シヤフト部材２
２の軸線方向に沿つて溝２２ａが削設されてい
て、該溝２２ａ中に筒体２１外面から螺入された
ボルト２７の先端が嵌入、摺接されて、スイツチ
装置１７の作動状態時にはシヤフト部材２２が筒
体２１に対して不用意に回転しないようになつて
おり、同時にシヤフト部材２２が筒体２１から抜
止めされるようになつている。そして、上記ボル
ト２７を緩め、前記した溝２２ａからその先端を
外し、シヤフト部材２２をたとえば90度回転し
て、第５図および第６図に示すように、ボルト２
７を螺入してその先端をシヤフト部材２２の係止
孔２２ｂに嵌入することにより、棒状部材２３が
退避姿勢に変位しスイツチ装置１７は解除状態に
ロツクされるようになつている。そして、筒体２
１に設けた開孔２１ａにスイツチローラ２９ａが
臨むようにスイツチ部材２９が溶接あるいはネジ
等を用いて筒体２１あるいは基体１９に対して固
着されるようになつている。

本実施例は以上のような構成よりなるので、作
業機自動水平装置が作動している状態では、作業
機６の水平面に対する傾斜状態が水平センサ７に
より検知され、図示外の制御装置が作動され、走
行機体３がたとえば左下りに傾斜している場合、
油圧シリンダ装置１５が収縮して、機体３の傾斜
にかかわりなく作業機６は水平に維持される。そ
して、作業機６を上昇させるべくポジシヨンレバ
ー１６を上方に回動操作すると、該レバー１６は
その最上昇位置近傍にて棒状部材２３に衝接し
て、スプリング２６に抗してシヤフト部材２２を
筒体２１内に向けて進入させる。すると、シヤフ
ト部材２２は溝２２ａとボルト２７との摺接によ
つて回動することなく移動して、その先端がスイ
ツチローラ２９ａに当接し、スイツチ部材２９の
接点が閉成され、たとえば油圧シリンダ装置１５
が収縮している場合、該シリンダ装置１５がそれ
に関連して設けられた図示外の平行スイツチを作
動するまで伸長し、この状態で左右リフトロツド
１３ａ，１３ｂの長さが等しくなり、作業機６は
機体３に対して平行に支持されるようになる。

そして、付設された作業機６に応じて本作業機
平行復帰スイツチ装置１７の作動時期を調節する
必要が生じた場合には、取付ボルト２０を緩め、
基体１９に設けられた長穴１９ａに沿つてスイツ
チ装置１７全体を所望位置に摺動すればよい。そ
れに伴つて、シヤフト部材２２に設けた棒状部材
２３とポジシヨンレバー１６との衝接位置が変更
され、スイツチ装置１７が作動された場合の作業
機６の水平復帰タイミングが適宜に調節される。

また、付設された作業機６を機体３に対して平
行に復帰させる必要のない場合には、第３図およ
び第４図の状態からボルト２７を緩め、シヤフト
部材２２を90度回動して、ボルト２７の先端をシ
ヤフト２２の係止穴２２ｂにロツクする。これに
よりスイツチ装置１７はポジシヨンレバー１６に
よつて何ら作動されない解除状態に保持される。

以上説明したように、本考案によれば、機体に
装着した作業機の対地姿勢変化をセンサーで検出
し、該センサーの検出結果に基づき対地姿勢を一
定に制御する作業機をポジシヨンレバーの操作で
昇降自在になし、作業機の上昇時、作業機を機体
に対して平行復帰すべく構成した移動農機におい
て、前記ポジシヨンレバーの昇降操作に関連して
作動する平行復帰スイツチを設け、該スイツチの
作動時期を調整可能とすると共に、該スイツチの
作動を解除状態にロツクし得るように構成したの
で、機体に付設される作業機６に対応して作業機
６の上昇作動時機体３に対する作業機６の平行復
帰時期を適宜に調節することが可能となり、ま
た、平行復帰を必要としない作業機６の上昇作動
時には、スイツチ装置１７の作動を解除すること
ができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスイツチ装置を適用し得
るトラクタを示す側面図、第２図は作業機部分の
斜視図、第３図は作動状態にあるスイツチ装置を
一部破断して示す拡大平面図、第４図は第３図を
右方から見た端面図、そして第５図および第６図
は解除状態にあるスイツチ装置の夫々第３図およ
び第４図に対応する図である。 １……トラクタ、３……機体、１６……ポジシ
ヨンレバー、１７……作業機平行復帰スイツチ装
置、１９……基体、２１……筒体、２２……シヤ
フト部材、２９……スイツチ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に装着した作業機の対地姿勢変化をセンサ
   ーで検出し、該センサーの検出結果に基づき対地
   姿勢を一定に制御する作業機をポジシヨンレバー
   の操作で昇降自在になし、作業機の上昇時、作業
   機を機体に対して平行復帰すべく構成した移動農
   機において、前記ポジシヨンレバーの昇降操作に
   関連して作動する平行復帰スイツチを設け、該ス
   イツチの作動時期を調整可能とすると共に、該ス
   イツチの作動を解除状態にロツクし得るように構
   成したことを特徴とする移動農機における作業機
   の姿勢復帰装置。