JPH0236241A - 金属とゴムとの複合物 - Google Patents

金属とゴムとの複合物

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JPH0236241A
JPH0236241A JP1058204A JP5820489A JPH0236241A JP H0236241 A JPH0236241 A JP H0236241A JP 1058204 A JP1058204 A JP 1058204A JP 5820489 A JP5820489 A JP 5820489A JP H0236241 A JPH0236241 A JP H0236241A
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rubber
tin
plating
zinc
copper
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JP1058204A
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Yoshifumi Nishimura
西村 良文
Susumu Yamamoto
進 山本
Shuichi Nakada
秀一 中田
Kiyoshige Muraoka
清繁 村岡
Mamoru Uchida
守 内田
Takafumi Taguchi
隆文 田口
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、タイヤ、ホース、コンヘアヘルI・などに
用いられるゴムとの接着性が改善された金属とその金属
とゴムから成る金属、ゴムの相互接着性に優れた複合物
に関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
ゴムの中に各種の補強材を埋め込んでゴム製品の強度お
よび耐久性を向上させる技術は、広〈実施されている。
なかでも、ゴムと金属の複合物は、自動車タイヤ、高圧
ゴムホース、コンへアベルトなどに応用され、その要求
品質性能も多岐にわたっているが、ゴムと金属との接着
性を改良して耐久性を向上させることは普遍的な要求で
ある。
特に、補強金属として銅−亜鉛二元合金(プラス)めっ
きしたスチールコードを使用するスチールラジアルタイ
ヤにおいては、高速道路の発達に伴ってタイヤの高速耐
久性および高速安定性を高めることが強く要望されてお
り、この要望の達成のためにスチールコードとゴムとの
接着性を改良することが極めて重要な問題となっている
。各種スチールラジアルタイヤの中でも、トラック・バ
ス用の大型夕・イヤでは第一次寿命後、タイヤトレッド
部の補修により第二次、ときには第三次まで使用するこ
とがあり、接着性を長時間にわたって維持することが重
要となっている。
通常、スチールコードとゴムとは、加硫時にスチールコ
ードのめっき中の銅とゴム中に配合された硫黄が反応し
、スチールコードとゴムとの界面に硫化物を生成するこ
とにより接着される。この接着性に関しては、従来から
金属表面に被覆されためっき層並びにゴムの改良研究が
行なわれ、ゴム製品製造時における接着性、いわゆる初
期接着性は改善されつつあるが、実際に厳しい条件下で
使用されると良好な初期接着性が徐々に低下するという
問題があり、充分満足すべき状態になっていないのが現
状である。
例えば、タイヤが走行中、ゴムのヒステリシスロスによ
る発熱のため、この接着が破壊されたとき、該スチール
コードとその被覆ゴム層間がはく離し、いわゆるセパレ
ーションを発生させ、タイヤの走行が不能となる。
また、タイヤのトレッドもしくはサイドウオールが走行
中外傷を受けることがある。この外傷が前記スチールコ
ードにまで達した場合、外傷部から侵入した水分が走行
中の発熱により気化し、スチールコードのフィラメント
間に侵入し、スチールコードとその被覆ゴムとの接着を
破壊し前記セパレーションを誘発する。
さらに、タイヤに充填した空気内に水分が含まれている
場合、ゴム厚の薄いタイヤ内部から水分が侵入してスチ
ールコードに至り、前述と同様にセパレーションを誘発
することもある。
従来、このような現象を防止するため、ゴムとスチール
コードの接着性を改善する様々な技術が公開されている
その1つは、スチールコードを被覆するゴムの配合の技
術である。ゴム中に有機酸コバルト塩を添加すると前記
接着性が向上することは、1950年代より見出され、
その種類・量について多くの技術が開示されている。例
えば、特開昭60−42440号公報には、硫黄と有機
酸コバルト塩の各々の量の最適化による接着性の向上が
開示されている。さらにシリカ、レゾルシン、ヘキサメ
チレンテトラミンを配合するHRH系組成物が提唱され
ている。
しかしながら、有機酸コバルト塩を多量に添加すると未
加硫ゴムの劣化や高温加硫、長時間加硫あるいは走行後
の熱老化による接着力の低下を弓きおこし、HRH系ゴ
ム組成物は、環境汚染、ゴム焼は等の生産時の問題を存
する。
他の1つは、スチールコードのめっきの改良技術である
。特願昭47−4845号、特願昭48−27925号
には、プラスにスズを添加した三元合金めっきが開示さ
れている。しかしながら、三元合金めっきは、加工性が
低下する為に伸線加工中にめっき層が用傷を受けたりす
る問題、また、スズ添加により初期接着性が低下する問
題があり、実用化に至ってない。特にゴムの品質性能向
上やタイヤ生産時の問題を解決する為に、有機酸コバル
ト塩やシリカ、レゾルシン、ヘキサメチレンテトラミン
の添加量を低減したりあるいは全く添加しないゴムを使
用する場合にスズ添加による初期接着性の低下が著しい
前者の伸線加工に関する問題については、伸線ダイス形
状や潤滑剤等の伸線条件の改善により解決し得るが、後
者のスズ添加による初期接着性の低下の問題については
、めっき組成及びゴム配合の両面からの新たな改良が必
要である。
本発明は、温熱老化後の接着性及び熱老化後の接着性(
以下「耐湿熱性」及び「耐熱性」という)を、初期接着
性を損なうことなく、また、ゴムの品質性能低下やタイ
ヤ生産時の問題を引き起こすことな〈従来のものよりさ
らに向上させた金属とゴムからなる複合物を提供するこ
とを目的とし、改良されためっき層を有する金属と、該
金属に適切な配合内容を有するゴムとの組み合わせによ
り、この目的を達成するものである。
(課題を解決するための手段〕 本発明が提供する課題解決のための手段は、めっき平均
組成が銅60〜75%、スズ4〜14%、残りを亜鉛と
し、かつスズ含有率がめつき最表面で4重量%未満と小
さく最表面から50人の深さまでは徐々に増加し、それ
より深い所ではおよそ4〜14重世%の範囲に入るよう
にした銅−亜鉛−スズ三元合金めっきを施した金属と、
天然ゴムまたは合成イソプレンゴム100重量部に対し
て有機酸コバルト塩を0.5重量部以下に制限し、硫黄
3〜6重量部と加硫促進剤としてN−tert−ブチル
−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドまたはN−オ
キシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミ
ドを0.5〜2重量部含有するゴムとを加硫接着して成
る金属とゴムとの複合物である。
ここで、金属のめっきについて説明すると、本発明によ
る銅−亜鉛−スズ三元合金めっきは接着促進剤である有
機酸コバルト塩の添加量を低減、あるいは全く添加しな
いゴムとの接着性において、スズ添加による初期接着性
の低下を抑制し、かつ耐湿熱性や耐熱性を向上させるた
めに、めっきの表面層を改良したものである。すなわち
、めっき層全体の平均組成が銅60〜70重量%、スズ
4〜14重量%、残りを亜鉛とする銅−亜鉛−スズ三元
合金めっき層を被覆した金属において、銅、亜鉛、スズ
のめっき条件、並びにその後の拡散条件を適切にし、さ
らに伸線加工を施すことによってめっき表面層でのスズ
含有率が最表面では小さく、かつ内部深さ方向に徐々に
増加する傾向を有することである。詳しくは、めっき最
表面のスズ含有率が4重量%未満と小さく、かつ最表面
から50人の深さまでは増加傾向にあり、それより深い
所ではおよそ4〜14重量%の範囲に入るようにしたこ
とである。
このことについてもっと詳しく説明すると、ESCA 
(Electron 5pectroscopy fo
r Chemical Analysis:光電子分光
分析)によりめっき層をArイオンでスパッタリングし
てめっき表面から内部深さ方向に分析すると、深さ方向
での銅、亜鉛、スズの濃度分布が得られるが、本発明に
よるめっき表面層でのスズ含有率を第1図に示す範囲に
限定するものである。すなわち、スズ含有率がめつき表
面層で徐々に増加するような濃度勾配を有することに本
発明の特徴がある。尚、表面からの深さ50人より深い
所では、スズ含有率はおよそ4〜14重量%の範囲に入
っていればよく、はぼ均一な濃度分布、または徐々に増
加あるいは減少する傾向等いずれでもよい。ここで示す
スズ含有率は、銅、亜鉛、スズの各元素の分析強度より
求めたスズの原子占有率を重量比率に変換したものであ
る。
従来使用されているプラスめっきにスズを添加するとゴ
ムとの接着反応が低下するため、特に接着促進剤である
有機酸コバルト塩の添加量を低減、あるいは全く添加し
ないゴムとの接着性においては、初期接着性が著しく低
下するという問題がある。一方、耐温熱性や耐熱性は向
上するという利点がある。このようなことから、初期接
着性を改善し、かつ耐湿熱性や耐熱性を向上させるには
、初期接着反応に関与するめっき表面層はスズを全く含
有しないプラスだけとし、内部層はスズを含有する銅−
亜鉛−スズ三元合金にすることが考えられる。しかしな
がら、このような二種類のめっき層を存する金属を容易
に製造することは困難であ従って、後述の製造方法によ
って得られる銅亜鉛−スズ三元合金めっきでは、めっき
表面層のスズ含有率が本発明の如く濃度勾配を有するこ
とにより、またさらには本発明のゴムとを組み合わせる
ことにより、金属とゴムとの加硫接着時初期接着反応に
関与するめっき表面層のスズ含有量が少ないので良好な
初期接着性を得ることができる。
また、金属とゴムとの加硫接着により得られた複合物で
あるタイヤの使用中における温熱老化後の接着性すなわ
ち耐湿熱性、並びに熱老化後の接着性すなわち耐熱性で
は、めっき層の腐食反応、あるいは接着反応の進行が問
題になるが、めっき層内部にスズをより多(含有してい
るので腐食反応を抑制、さらには接着反応の進行を抑制
でき、耐湿熱性や耐熱性を向上させることができる。
以上の如く、本発明の特徴は、銅−亜鉛−スズ三元合金
めっきの表面層を改良することにより、初期接着性を改
善し、かつ耐湿熱性や耐熱性を向上させたことにあるが
、従来の銅−亜鉛−スズ三元合金めっき技術ではこのよ
うなゴムとの初期接着性改善に関してのめっき表面層の
組成については全く述べられていない。
ここで、めっき組成の限定理由について説明する。
めっき最表面のスズ含有率を4重量%未満に限定したの
は4重量%以上では初期接着性が低下するからである。
また、スズ含有率が表面より内部深さ方向に徐々に増加
する範囲を表面からの深さ50人に限定したのは50人
より小さいと初期接着性に悪影響が生じるからである。
さらに、めっき平均組成を銅60〜75重量%に限定し
たのは、60重量%未満ではめっき中の銅とゴム中の硫
黄との接着反応が不足して初期接着性が低下するからで
ある。
一方、75重世%を超えると、特にタイヤの使用中、銅
と硫黄の反応が過剰に進行して耐湿熱性や耐熱性が著し
く低下するからである。またスズを4〜14重量%に限
定したのは、4重量%未満では初期接着性は良好である
が、耐熱性や耐l兄熱性向上にあまり効果がなく、一方
、14重量%を越すとめっき表面層のスズ含有量が多(
なり、最表面でのスズ含有率を4重量%未満に抑制でき
なくなるため初期接着性に悪影響があるからである。
次に、本発明による銅−亜鉛−スズ三元合金めっきを施
した金属の製造方法について述べる。銅亜鉛−スズ三元
合金めっき屑を得るには、銅めっき→スズめっき→亜鉛
めっき、銅めっき→亜鉛めっき→スズめっき、亜鉛めっ
き→スズめっき→銅めっき等による多層めっきを行なっ
たのち熱拡散する方法が考えられる。この方法では、各
めっき層間で容易に拡散し三元合金化できるめっき構造
にすることが重要であるが、母材としての鋼線の上に最
初に亜鉛めっきあるいはスズめっきを施こすと、熱拡散
時鋼線と亜鉛めっき層あるいはスズめっき層との界面に
硬くて脆い鉄と亜鉛の合金相あるいは鉄とスズの合金相
が生成する為、めっき及び熱拡散後の伸線工程において
めっきの剥離を引き起こす原因になる。
従って、銅−亜鉛−スズ三元合金めっき層を得るには、
銅めっき→スズめっき→亜鉛めっき、銅めっき→亜鉛め
っき→スズめっき、銅/亜鉛二元合金めっき→スズめっ
きによる多層めっき後熱拡散を行なう方法が好ましい。
これらのめっき方法の中で銅/亜鉛二元合金めっきを組
み合わせためっきではめっき浴管理が難しかったり、シ
アン浴を使うため公害問題があったりするので、銅めっ
き→スズめっき一亜鉛めっき、銅めっき→亜鉛めっき→
スズめっきとする方法がより好ましい。
ここで、本発明の特徴である銅−亜鉛−スズ:元合金め
っきの表面層におけるスズ含有率が最表面から内部深さ
方向に徐々に増加するような濃度勾配をもたせる製造方
法について説明する。
めっき後の熱拡散により三元合金層が形成されると同時
に最表面層では表面側にある亜鉛及びスズが酸化され酸
化膜層が形成される。ところが、この表面酸化膜層は加
工性が悪いので熱拡散後件線加工を施すことにより、大
部分の酸化膜は剥離する。従って、伸線加工後のめっき
表面層のスズ含有率は、熱拡散条件のコントロールによ
る表面酸化膜層形成″と、その後の伸線条件のコントロ
ールによる酸化膜層の剥離によってめっき内部より減少
し、かつ濃度勾配を有することができる。このようなこ
とから、熱拡散及び伸線加工を適正条件にすることによ
って本発明のめっき層を得ることができる。
以上のように、熱拡散条件や伸線加工条件の適正化によ
って本発明のめっき層を得ることができるが、これらの
条件はめっき方法、めっき層の厚さ、めっき組成によっ
て変化する。
本発明による銅−亜鉛−スズ三元合金めっきを被覆した
金属においての伸線加工後の線径は0.1〜1.0mm
、めっき層の厚さは0.05〜0.50 μmが実用的
であり、また形態は伸線加工のままのワイヤー、あるい
はこれらのワイヤーを用いて得られるコード、金網、織
物等いずれでもよい。一方、伸線ワイヤーを撚って得ら
れるコードにおいて、中心層と最外層の二層構造をもつ
コード、あるいは中心層、中間層、最外層の三層構造を
もつコードのように、ゴムに接する線状体とゴムに接し
ない線状体から構成される場合、ゴムに接する線状体の
みを本発明法で得られる銅−亜鉛−スズ三元合金めっき
層で被覆し、ゴムに接しない線状体には銅、亜鉛、銅−
亜鉛二元合金めっき等の他の金属めっき層を被覆しても
よい。
次に、本発明に用いるゴムの組成について述べる。金属
とゴムの接着においては、金属だけでなくゴムの組成に
よって大きな影響を受ける。従って良好な接着性を得る
ために適正なゴム組成とすることが重要である。
接着促進剤としての有機酸コバルト塩の添加は、既述の
如くゴムの品質性能やゴム生産製品の諸問題の原因にも
なり、またゴム製品のコスト増にもなるので、この接着
促進剤は添加を低減もしくは全く添加しないことが望ま
しい。しかしながら、近年広く使用されている有機酸コ
バルト塩は従来技術では0.5重量部を越えないと初期
接着性が劣るとされている。そこで、本発明による銅−
亜鉛スズ三元合金めっきを施した金属を用いた場合、良
好な初期接着性を得るためにゴム配合の改良を行なった
。すなわち、天然ゴムまたは合成イソプレンゴム100
重量部に対して有機酸コバルト塩を0.5重量部以下と
し、硫黄3〜6重量部、さらに加硫促進剤として%N−
tert−ブチルー2−へンゾチアゾリルスルフェンア
ミドまたはN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリ
ルスルフェンアミドを0゜5〜2重量部含有するゴムで
ある。
従来技術では有機酸コバルト塩は0.5重量部を越えな
いと初期接着性が劣るとされてきたが、本発明では加硫
促進剤としてN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミドまたはN−オキソジエチレン−2
−ベンゾチアプリルスルフェンアミドを添加したゴムと
本発明による三元合金めっき層を施した金属とを組み合
わせることにより、有機酸コバルト塩を0.5重量部以
下に含有する場合、さらに有機酸コバルト塩を全く含有
しない場合でも充分な接着性を生しさせるものである。
ここで、有機酸コバルト塩としてはナフテン酸コバルト
、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、マレイ
ン酸コバルト等が適用されるが、特にコバルト含有量は
8〜10%のものが好ましい。
硫黄の添加量を3〜6重量部に限定したのは、3重量部
未満ではめっき層との接着反応が少なく初期接着性が低
下し、6重量部を越えると過剰反応となって接着性、特
に耐熱性が低下するためである。また加硫促進剤を0.
5〜2重量部に限定したのは、0.5重量部より少ない
とゴム加硫が遅くなり、特に接着性が悪くなり、2重量
部を越えるとゴムのモジュラスが大きくなりすぎて接着
性及びゴム自体の破壊強度が低下するためである。
(作用〕 銅−亜鉛−スズ三元合金めっき層のスズ含有率がめつき
最表面で小さく、最表面から内部深さ方向に徐々に増加
する傾向をもたせることによって、天然ゴムまたは合成
インプレンゴムを主成分として硫黄、加硫促進剤を添加
し、さらには、接着促進剤として有機酸コバルト塩の添
加量を低減した、もしくは全く添加しないゴムと加硫接
着した場合、初期接着性が阻害されることなく、ゴム製
品使用中における接着性の低下を抑制できる。従って、
かかるめっき層を被覆した金属とゴムとを加硫接着して
なる複合物は良好な初期接着性を維持し、かつ耐湿熱性
や耐熱性に優れる。
〔実施例〕
第1表に示す基本ゴム配合、並びに第2表に示す平均め
っき組成を有する1x5X0.25 φスチールコード
を用いて接着性を調べた。第2図に本発明例4と比較例
5についてESCAで調査しためっき表面層のコバルト
含有率の変化を示す。
テスト−1から4までに示すゴム配合とスチルコードの
組み合わせで、一定条件で加硫して接着試験片を作成し
、第3表に示す条件下で老化させた後、剥離試験を行な
った。剥1iIl!試験では、ゴムをスチールコードか
ら機械的に剥離させたときの剥離力を測定し、さらにそ
のときのスチールコード表面のゴム付き状態を目視によ
る10点満点法で評価した。ゴム付き状態は数値の大き
い方が良好な状態を示す。
テスト−1での加硫条件の検討結果を第4表に示す。本
発明によるゴムとスチールコードを組み合わせると、ゴ
ム中に有機酸コバルト塩を添加しなくでもいずれの加硫
条件においても初期接着性、耐湿熱性、耐熱性が良好で
ある。
テスト−2でのゴム中加硫促進剤の検討結果を第5表に
示す。本発明による加硫促進剤を用いると良好な接着性
を示す。
テスト−3でのゴム中ステアリン酸コバルト量および硫
黄量の検討結果を第6表に示す。本発明による有機酸コ
バルト塩0.5重量部以下、および硫黄3〜6重量部に
おいては、初期接着性を良好状態に維持し、かつ耐湿熱
性、耐熱性に優れていることがわかる。
テスト−4でのめっき中スズ含有率とゴム中加硫促進剤
量の検討結果を第7表の1〜3に示す。
本発明によるスズ含有率4〜14重量部%および加硫促
進剤量0.5〜2重量部においては、初期接着性、耐湿
熱性、耐熱性いずれとも良好な結果を示す。
(発明の効果) 本発明による銅−亜鉛−スズ三元合金めっき層を被覆し
た金属とゴムとからなる複合物は、良好な初期接着性を
保持し、 かつ耐湿熱性、 大幅に向上できる。
第1表 コバルト含有率 耐熱性を 第2表 第3表 (テスト−1)加硫条件の検討 ゴム配合 重量部 天然ゴム         100 カーボンブラツク(HAF)   50亜鉛華    
       8 老化防止剤        2 ステアリン酸コバルト    0 ステアリン酸        1.2 硫黄           5 加硫促進剤NS  注3)1 スチールコード 加硫条件 本発明例 4170℃−10分 比較例  5150°C−30分 注3)NS: N−terむ−ブチル 2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド第4表 (テスト−2)ゴム中加硫促進剤の検討ゴム配合   
      スチールコード重量部 天然ゴム        100    本発明例 4
カーボンブランク(HAF)   50亜鉛華    
      8 老化防止剤        2 ステアリン酸コバルト    0 ステアリン酸        1.2 硫黄           5 加硫促進剤(種類変更)   1 表5表 加硫条件 150°C 30分 注4)MO+?:N−オキシジエチレン−2−ベンゾチ
アゾリルスルフェンアミド化5)CZ:N−シクロへキ
シル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド亜鉛華 老化防止剤 ステアリン酸コバルト (ステアリン酸 変量 変量) ゴム配合の組み合わせ 0.5  1.0  1.5  2.0ステアリン酸コ
バルト (重量部) (テスト−4)めっき中スズ含有率とゴム中加硫促進剤
量の検討ゴム配合         スチールコード 
  加硫条件重量部 天然ゴム        100   本発明例3.4
.6.9 150℃−30分カーボンブランク(HAF
)   50   比較例 1.2.10.13亜鉛華
          8 老化防止剤        2 ステアリン酸コバルト    0 ステアリン酸        1.2 硫黄           5 加硫促進剤 NSまたはMOR変量 スズ含有率と加硫促進剤量の組合わせ スズ含有率(重量%) 第7表の3
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法による銅−亜鉛−スズ三元合金めっき
表面のスズ含有率の範囲を示す。 第2図は銅−亜鉛−スズ三元合金めっき表面のESCA
によるスズ含有率の具体例を示すグラフである。 A・・・・・・本発明例(試料4)、 B・・・・・・比較例(試料5)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)銅−亜鉛−スズ三元合金めっきを施した金属と、
    ゴムとを加硫接着して成る金属とゴムとの複合物におい
    て、上記金属のめっき平均組成を、銅60〜75%、ス
    ズ4〜14%、残りを亜鉛とし、そのスズ含有率を、少
    なくともめっき最表面から50Åの深さまでの範囲にお
    いて徐々に増加せしめると共に、めっき最表面において
    4重量%未満に規制し、かつ50Åよりも深い範囲にお
    いて4〜14重量%に設定し、上記ゴムが、天然ゴムま
    たは合成イソプレンゴム100重量部に対して有機酸コ
    バルト塩を0.5重量部以上に制限し、硫黄3〜6重量
    部と加硫促進剤としてN−tert−ブチル−2−ベン
    ゾチアゾリルスルフェンアミドまたはN−オキシジエチ
    レン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを0.5
    〜2重量部を含有するものであることを特徴とする金属
    とゴムとの複合物。
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