JPH0236226B2 - - Google Patents
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- JPH0236226B2 JPH0236226B2 JP60293049A JP29304985A JPH0236226B2 JP H0236226 B2 JPH0236226 B2 JP H0236226B2 JP 60293049 A JP60293049 A JP 60293049A JP 29304985 A JP29304985 A JP 29304985A JP H0236226 B2 JPH0236226 B2 JP H0236226B2
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Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、動植物細胞、微生物、ウイルス等の
研究に有用な培養器を提供するものである。
研究に有用な培養器を提供するものである。
(従来の技術)
従来、動植物細胞をIn Vitroの状態で培養し、
あるいは微生物、ウイルス等を培養するためには
合成樹脂製のシヤーレやガラス製培養器が多く使
用されてきた。しかし、細胞等はシヤーレの底部
に密着して培養されるために、実験に使用する薬
物等の環境物質は細胞等の上部にのみ直接接触す
る状態にあつた。これに反し、シヤーレに密着し
ている細胞の下部には薬物等の環境物質が充分接
触しないので、細胞の状態はIn Vivoの状態とは
大変異なり、薬物反応の研究として十分なものと
は云えなかつた。
あるいは微生物、ウイルス等を培養するためには
合成樹脂製のシヤーレやガラス製培養器が多く使
用されてきた。しかし、細胞等はシヤーレの底部
に密着して培養されるために、実験に使用する薬
物等の環境物質は細胞等の上部にのみ直接接触す
る状態にあつた。これに反し、シヤーレに密着し
ている細胞の下部には薬物等の環境物質が充分接
触しないので、細胞の状態はIn Vivoの状態とは
大変異なり、薬物反応の研究として十分なものと
は云えなかつた。
とくに、上皮細胞のように頂点側と基底部側で
さまざまな機能上の差異(極性)を持つ細胞の研
究においては、従来のシヤーレや培養容器を使用
した培養方法では基底部側に薬品、ウイルス等を
反応させることが困難であつて、基底部側の作用
を知ることが困難であり、このことが研究上の支
障となつていた。
さまざまな機能上の差異(極性)を持つ細胞の研
究においては、従来のシヤーレや培養容器を使用
した培養方法では基底部側に薬品、ウイルス等を
反応させることが困難であつて、基底部側の作用
を知ることが困難であり、このことが研究上の支
障となつていた。
このため、細胞層の上部のみならず下部からも
細胞に薬物を反応させ、代謝物をとり出しうる培
養器の出現が待望されていた。
細胞に薬物を反応させ、代謝物をとり出しうる培
養器の出現が待望されていた。
(発明が解決しようとする問題点)
本発明は、従来の細胞等培養器が細胞上部(頂
点側)の薬物反応や代謝研究ができたにとどま
り、細胞下部(基底部側)における薬物反応や代
謝研究に適していなかつた欠点を解決し、細胞等
を極めてIn Vivoに近い状態で研究しうる細胞等
の培養器を提供するものである。
点側)の薬物反応や代謝研究ができたにとどま
り、細胞下部(基底部側)における薬物反応や代
謝研究に適していなかつた欠点を解決し、細胞等
を極めてIn Vivoに近い状態で研究しうる細胞等
の培養器を提供するものである。
(問題を解決するための手段)
本発明は、合成樹脂製円筒と、その底部に固着
したメンブランフイルターからなることを特徴と
する、新たな培養器の発明である。
したメンブランフイルターからなることを特徴と
する、新たな培養器の発明である。
本発明で使用する円筒は、ポリスチレン、ポリ
カーボネイト等の樹脂によつて製造され、実験、
観察の便宜上無色透明であることを望ましい。円
筒の下部にはフランジ部を有し、また任意の形状
の脚部を有することが望ましい。
カーボネイト等の樹脂によつて製造され、実験、
観察の便宜上無色透明であることを望ましい。円
筒の下部にはフランジ部を有し、また任意の形状
の脚部を有することが望ましい。
合成樹脂製円筒の寸法には特段の限定がない
が、マルチウエルプレート(多孔培養プレート)
を使用する一般の実験用には高さ10〜15mm、内径
10〜30mm適度が適当である。
が、マルチウエルプレート(多孔培養プレート)
を使用する一般の実験用には高さ10〜15mm、内径
10〜30mm適度が適当である。
本発明の培養器では円筒底部にメンブランフイ
ルターを固着する。メンブランフイルターの固着
位置は、培養プレート(例えば後述のマルチウエ
ルプート)中において、培地がフイルターに接触
しうる高さにあることが必要であり、一般には脚
下部より1〜数mm隔てた位置にフイルターが固着
されることが望ましい。
ルターを固着する。メンブランフイルターの固着
位置は、培養プレート(例えば後述のマルチウエ
ルプート)中において、培地がフイルターに接触
しうる高さにあることが必要であり、一般には脚
下部より1〜数mm隔てた位置にフイルターが固着
されることが望ましい。
本発明で使用するメンブランフイルターの例と
しては、純粋で生物学的に不活性な酢酸セルロー
スと硝酸セルロースの混合物からなるセルロース
エステルフイルターがあり、オートクレーブ滅菌
が可能であるとともに希酸、希アルカリ、炭化水
素等にも安定であることが望ましい。メンブラン
フイルターは、細胞は透過しないが培地成分、イ
オン、薬物や分泌代謝物は透過することが必要で
あり、このための最適な例としては0.45μmのメ
ンブランフイルターがある。
しては、純粋で生物学的に不活性な酢酸セルロー
スと硝酸セルロースの混合物からなるセルロース
エステルフイルターがあり、オートクレーブ滅菌
が可能であるとともに希酸、希アルカリ、炭化水
素等にも安定であることが望ましい。メンブラン
フイルターは、細胞は透過しないが培地成分、イ
オン、薬物や分泌代謝物は透過することが必要で
あり、このための最適な例としては0.45μmのメ
ンブランフイルターがある。
メンブランフイルターを円筒に固着する方法と
しては、例えばヒートシール方式(例えば150℃
でシール)、クロロホルム等を用いた溶剤方式な
どがあるが、その他適宜方法によつて固着するこ
ともできる。円筒の材質としてポリカードネイト
を使用した場合はヒートシール方式が、ポリスチ
レンを使用した場合は溶剤方式が適している。厳
密な培養実験に使用する目的上重要なことはメン
ブランフイルターの平面性を確保することであ
る。そのためには、例えば、予めメンブランフイ
ルターをエタノールと水の混合液にひたして湿濡
させたうえで円筒に固着すれば、固着後も高度の
平面性を維持することが可能となる。
しては、例えばヒートシール方式(例えば150℃
でシール)、クロロホルム等を用いた溶剤方式な
どがあるが、その他適宜方法によつて固着するこ
ともできる。円筒の材質としてポリカードネイト
を使用した場合はヒートシール方式が、ポリスチ
レンを使用した場合は溶剤方式が適している。厳
密な培養実験に使用する目的上重要なことはメン
ブランフイルターの平面性を確保することであ
る。そのためには、例えば、予めメンブランフイ
ルターをエタノールと水の混合液にひたして湿濡
させたうえで円筒に固着すれば、固着後も高度の
平面性を維持することが可能となる。
本発明の培養器は滅菌が可能であるから、予め
エチレンオキサイドガス等により滅菌を行つたの
ち完全包装して出荷すれば、実験者は培養に先立
つて滅菌処理を施す必要がなく、また、一回使用
毎に使いすてできるので、能率的な実験を行うこ
とができる。
エチレンオキサイドガス等により滅菌を行つたの
ち完全包装して出荷すれば、実験者は培養に先立
つて滅菌処理を施す必要がなく、また、一回使用
毎に使いすてできるので、能率的な実験を行うこ
とができる。
(実施例)
実施例
無色透明のポリスチレン樹脂を素材として、高
さ13mm、直径30mm、内径27mmの円筒1を成形し
た。円筒下部にはフランジ2と脚3を成形した。
純粋で生物学的に不活性な酢酸セルロースと硝酸
セルロースの混合物からなるセルロースエステル
のメンブランフイルター(0.45μm)を予めエタ
ノール(35%)と水の混合液にひたして湿濡させ
たのち、クロロホルムを溶剤として円筒に固着し
た。固着後のフイルター4は高度に平面性が維持
された。
さ13mm、直径30mm、内径27mmの円筒1を成形し
た。円筒下部にはフランジ2と脚3を成形した。
純粋で生物学的に不活性な酢酸セルロースと硝酸
セルロースの混合物からなるセルロースエステル
のメンブランフイルター(0.45μm)を予めエタ
ノール(35%)と水の混合液にひたして湿濡させ
たのち、クロロホルムを溶剤として円筒に固着し
た。固着後のフイルター4は高度に平面性が維持
された。
実験例
本発明の培養器を用いて、イヌ腎臓上皮細胞を
培養し、その基底部側にウイルスを感染させる実
験を行つた。
培養し、その基底部側にウイルスを感染させる実
験を行つた。
本発明の培養器として高さ13mm、直径30mm、内
径27mmの円筒底部に0.45μmのメンブランフイル
ターを固着したものを使用し、上皮細胞(Madin
―Darby canine Kidney Cells:MDCK)を培
養した。本発明の培養器を6穴培養プレート(マ
ルチウエルプレート)の各孔に挿入した。6穴培
養プレート上の培地成分はメンブランフイルター
を透過し、フイルター上には上皮細胞層が形成さ
れた。
径27mmの円筒底部に0.45μmのメンブランフイル
ターを固着したものを使用し、上皮細胞(Madin
―Darby canine Kidney Cells:MDCK)を培
養した。本発明の培養器を6穴培養プレート(マ
ルチウエルプレート)の各孔に挿入した。6穴培
養プレート上の培地成分はメンブランフイルター
を透過し、フイルター上には上皮細胞層が形成さ
れた。
次に、マルチウエルプレート内にウイルス(水
疱性口内炎ウイルス)を加えると、上皮細胞は基
底部側からウイルスに感染した。
疱性口内炎ウイルス)を加えると、上皮細胞は基
底部側からウイルスに感染した。
これを、本発明の培養器内にウイルスを加えて
頂点側から感染させた場合と比較すると、上皮細
胞に基底部側から感染させた方が前記ウイルスの
感染率が著しく高く、頂点側からはほとんど感染
しない性質(極性)を有することが確認された。
頂点側から感染させた場合と比較すると、上皮細
胞に基底部側から感染させた方が前記ウイルスの
感染率が著しく高く、頂点側からはほとんど感染
しない性質(極性)を有することが確認された。
(本発明の作用効果)
本発明の細胞等培養器は従来のプラスチツクシ
ヤーレやガラス製培養器と異なり、細胞の下部か
ら培地成分、イオン、薬物、ウイルス等を供給で
きるので、In VitroでありながらIn Vivoに極め
て近い環境下で実験を行うことができる。また、
細胞の代謝分泌物も下部から容易に得ることがで
きる。
ヤーレやガラス製培養器と異なり、細胞の下部か
ら培地成分、イオン、薬物、ウイルス等を供給で
きるので、In VitroでありながらIn Vivoに極め
て近い環境下で実験を行うことができる。また、
細胞の代謝分泌物も下部から容易に得ることがで
きる。
とくに、上皮細胞のように頂点側と基底部側と
で著しく性質の異なる細胞については、基底部側
の性質、機能を実験的に調べ、頂点側との差異
(極性)を究明することが極めて容易になる。
で著しく性質の異なる細胞については、基底部側
の性質、機能を実験的に調べ、頂点側との差異
(極性)を究明することが極めて容易になる。
さらに、基底部側からのみ細胞にウイルス感染
を行つたり、細胞相互作用の研究に活用すること
もできる。
を行つたり、細胞相互作用の研究に活用すること
もできる。
これらの実験は多孔培養プレート(マルチウエ
ルプレート)と組合わせることによつて、一層容
易に遂行される。
ルプレート)と組合わせることによつて、一層容
易に遂行される。
本発明の培養器は、平面性の点ですぐれている
ので、厳密な実験に適しており、また予め滅菌、
包装して出荷することができるので、実験者は実
験前に滅菌する必要がなく、即ちに実験に取り掛
かれるので、能率的に実験を遂行することができ
る。また本発明の培養器は、一回使用毎に使いす
てることができる。
ので、厳密な実験に適しており、また予め滅菌、
包装して出荷することができるので、実験者は実
験前に滅菌する必要がなく、即ちに実験に取り掛
かれるので、能率的に実験を遂行することができ
る。また本発明の培養器は、一回使用毎に使いす
てることができる。
第1図は本発明の細胞等培養器の一実施例を示
す斜視図、第2図は本発明の細菌等培養器の一実
施例を示す断面図、第3図ないし第5図は本発明
の培養器を使用して上皮細胞にウイルスを感染さ
せる実験例。各図において、1は円筒部、2はフ
ランジ部、3は脚部、4はメンブランフイルタ
ー、5はマルチウエルプレート(多孔培養プレー
ト)のうちの一孔、6は上皮細胞、7はウイルス
を示す。
す斜視図、第2図は本発明の細菌等培養器の一実
施例を示す断面図、第3図ないし第5図は本発明
の培養器を使用して上皮細胞にウイルスを感染さ
せる実験例。各図において、1は円筒部、2はフ
ランジ部、3は脚部、4はメンブランフイルタ
ー、5はマルチウエルプレート(多孔培養プレー
ト)のうちの一孔、6は上皮細胞、7はウイルス
を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 合成樹脂製円筒と、その底部に固着したメン
ブランフイルターからなることを特徴とする細胞
等の培養器。 2 メンブランフイルターがセルロースエステル
よりなる特許請求の範囲第1項の細胞等の培養
器。 3 メンブランフイルターが0.45mμフイルター
である特許請求の範囲第1項および第2項の細胞
等の培養器。 4 メンブランフイルターを合成樹脂製円筒に溶
剤によつて固着する特許請求の範囲第1項ないし
第3項の細胞等の培養器。 5 メンブランフイルターを合成樹脂製円筒にヒ
ートシールによつて固着する特許請求の範囲第1
項ないし第4項の細胞等の培養器。 6 メンブランフイルターをエタノール、水混合
溶剤で湿濡処理をした後に合成樹脂製円筒に固着
する特許請求の範囲第1項ないし第5項の細胞等
の培養器。 7 底部に脚を有する特許請求の範囲第1項ない
し第6項の細胞等の培養器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29304985A JPS62155078A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 細胞等の培養器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29304985A JPS62155078A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 細胞等の培養器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62155078A JPS62155078A (ja) | 1987-07-10 |
JPH0236226B2 true JPH0236226B2 (ja) | 1990-08-16 |
Family
ID=17789815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29304985A Granted JPS62155078A (ja) | 1985-12-27 | 1985-12-27 | 細胞等の培養器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62155078A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012143220A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 培養装置および培養方法 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH051280Y2 (ja) * | 1987-10-12 | 1993-01-13 | ||
JPH0415350A (ja) * | 1990-05-01 | 1992-01-20 | Shimpo Ind Co Ltd | 摩擦無段変速機 |
JPH0471500U (ja) * | 1990-11-05 | 1992-06-24 | ||
US6706520B2 (en) * | 2001-06-13 | 2004-03-16 | Kehan Han | Assessment of invasive potential of tumor cells |
JP2016093149A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | 真志 池内 | 細胞培養装置および細胞培養方法 |
-
1985
- 1985-12-27 JP JP29304985A patent/JPS62155078A/ja active Granted
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
THE JOURNAL OF CELL BIOLOGY=1984 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012143220A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 培養装置および培養方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62155078A (ja) | 1987-07-10 |
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