JPH0235789B2 - - Google Patents

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JPH0235789B2
JPH0235789B2 JP56026256A JP2625681A JPH0235789B2 JP H0235789 B2 JPH0235789 B2 JP H0235789B2 JP 56026256 A JP56026256 A JP 56026256A JP 2625681 A JP2625681 A JP 2625681A JP H0235789 B2 JPH0235789 B2 JP H0235789B2
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JP
Japan
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water
weight
decene
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vinyl copolymer
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JP56026256A
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JPS57139151A (en
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Kunio Yanagisawa
Takashi Nakagawa
Yasuhiro Kawasaki
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication of JPH0235789B2 publication Critical patent/JPH0235789B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は常温空気硬化性を有する水分散樹脂の
製造方法に関する。 水分散樹脂は、環境保全や作業環境、省資源等
の点で溶剤型樹脂に比べて好ましいために、近
年、塗料、コーテイング等に広く用いられるに至
つているが、性能の点についてはなお種々の点で
溶剤型樹脂に比肩し得るとはいい難いのが現状で
ある。特に、乳化剤の存在下に単量体を重合させ
て得られる水分散樹脂においては、一般に重合体
の分子量が著しく大きいために、ピンホール等の
被膜欠陥を生じたりすることが多く、従つて、耐
触性が十分でないほか、低分子量の乳化剤を用い
た場合には、水分散樹脂が形成する被膜中にその
乳化剤がそのまま残存するため、耐水性、耐候性
等に問題がある。 又、親水性化合物としてカルボン酸等を構成単
位として含有する重合体の存在下に、ラジカル重
合性単量体を有機溶剤中で重合し、得られた重合
体を塩基により中和し水を加える水分散樹脂の製
造方法が知られているが、この方法においては、
最終の水を加える工程で大量の水を加えるとそれ
迄有機溶剤中に重合体が安定に分散されていた分
散系が、一般に粘度の上昇が著しく餅状の粘稠状
体になり、この様な反応系を均一に水に分散させ
る為には更にデゾルバー等により高剪断力を与え
る必要があつた。 重合体の前記粘度の上昇を防止する為に、加え
る水の量を少量にしたり或いは重合体の分子量を
下げることも知られているが、前者の場合は本来
の水分散樹脂としての利点を生かすことが出来
ず、後者の場合も得られる樹脂により形成された
皮膜の耐水性や耐候性等の性能を損うという欠点
があつた。 本発明は上記水分散樹脂の現状に鑑みてなされ
たものであり、貯蔵安定性、顔料混和性に優れ、
乾燥速度が大きく、乾燥皮膜が耐水性、耐候性等
に優れる水分散樹脂を工業的に有利な条件で提供
することを目的とする。 即ち本発明の要旨は、一般式
【式】 (式中R1はH又はCH3、R2
【式】
【式】
【式】あるいは
【式】であり、R3はH又はCH3であ る。)で示される。環状不飽和基を有するアクリ
ル酸又はメタクリル酸のエステル0.5〜50重量%
と、α,β−不飽和カルボン酸1〜30重量%と、
重合性不飽和基及び水酸基を含有する化合物0〜
30重量%とを構成単位として有するビニル共重合
体を塩基で中和して得られた中和物の存在下に、
ラジカル重合性単量体を1〜45重量%の水を含む
親水性有機溶剤中で重合し、得られた重合体に水
を添加することを特徴とする水分散樹脂の製造方
法に存する。 本発明において用いる環状不飽和化合物を有す
るアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの具体
例としては、3(4)−アクリロキシ−1−シクロペ
ンテン、(これは3−アクリロキシ−1−シクロ
ペンテンと4−アクリロキシ−1−シクロペンテ
ンの両方を意味する。以下同じ。)3(4)−メタク
リロキシ−1−シクロペンテン、3(4)−アクリロ
キシ−2−メチル−1−シクロペンテン、4−ア
クリロキシ−3−メチル−1−シクロペンテン、
3(4)−メタクリロキシ−2−メチル−1−シクロ
ペンテン、4−メタクリロキシ−3−メチル−1
−シクロペンテン、4(5)−アクリロキシ−1−シ
クロヘキセン、4(5)−メタクリロキシ−1−シク
ロヘキセン、4(5)−アクリロキシ−2−メチル−
1−シクロヘキセン、4(5)−アクリロキシ−3−
メチル−1−シクロヘキセン、4(5)−メタクリロ
キシ−2−メチル−1−シクロヘキセン、4(5)−
メタクリロキシ−3−メチル−1−シクロヘキセ
ン、5(6)−アクリロキシビシクロ〔2,2,1〕
−2−ヘプテン、5(6)−メタクリロキシビシクロ
〔2,2,1〕−2−ヘプテン、5(6)アクリロキシ
ビシクロ〔2,2,1〕−3−メチル−2−ヘプ
テン、5(6)アクリロキシビシクロ〔2,2,1〕
−4−メチル−2−ヘプテン、5(6)メタクリロキ
シビシクロ〔2,2,1〕−3−メチル−2−ヘ
プテン、5(6)メタクリロキシビシクロ〔2,2,
1〕−4−メチル−2−ヘプテン、8(9)アクリロ
キシトリシクロ〔5,2,1,02,6〕−4−デセ
ン、8(9)−メタクリロキシトリシクロ〔5,2,
1,02,6〕−4−デセン、8(9)−アクリロキシトリ
シクロ〔5,2,1,02,6〕−2−メチル−4−デ
セン、8(9)−アクリロキシトリシクロ〔5,2,
1,02,6〕−3−メチル−4−デセン、8(9)−メタ
クリロキシトリシクロ〔5,2,1,02,6〕−2−
メチル−デセン、8(9)−メタクリロキシトリシク
ロ〔5,2,1,02,6〕−3−メチル−4−デセン
等が挙げられ、特に、エステルの有する二重結合
に基づく空気硬化性に優れ、従つて耐水性に優れ
た皮膜を形成し得る点で8(9)−アクリロキシトリ
シクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセン、8(9)−メタク
リロキシトリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセンが
好適である。 本発明において用いるビニル共重合体は前記エ
ステルを0,5〜50重量%の範囲で含有する。
0,5%より少いと、得られる水分散樹脂が空気
硬化性に乏しく、従つて、耐水性に乏しい皮膜し
か形成し得ず、又水分散樹脂の貯蔵安定性が発現
しない。一方、50重量%より多いと、水分散樹脂
が形成する皮膜が着色しやすく、耐候性に劣るこ
ととなる。 更に、ビニル共重合体は親水性を有するよう
に、構成単位としてα,β−不飽和カルボン酸を
1〜30重量%の範囲で含有し、一般に10〜200の
酸化を有する。不飽和カルボン酸の量は、後述す
る不飽和基及び水酸基を含有する化合物の量にも
よるが、1重量%より少いときは、このようなビ
ニル共重合体の存在下にラジカル重合性単量体を
重合した後に得られる水分散樹脂の安定性が悪く
なり、50重量%より多いときは、水分散樹脂が形
成する皮膜が耐水性に劣ることとなる。このよう
にα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂
皮酸、マレイン酸、フマル酸等が好ましく用いら
れる。 さらに、ビニル共重合体は、親水性を有し且つ
ノニオン部分を有するように重合性不飽和基及び
水酸基を含有する化合物を構成単位として含有し
てもよい。 この不飽和化合物の具体例としては、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、アリルアル
コール等が挙げられる。ビニル共重合体中におけ
る前記不飽和化合物の使用量は、上記カルボン酸
の量にもよるが、一般に30重量%より多いときは
水分散樹脂が形成する皮膜の耐水性が劣るので30
重量%以下とされる。ビニル共重合体は、重量平
均分子量が500〜150000、好ましくは1000〜
100000の範囲にあるのがよい。重量平均分子量が
500より小さいと、水分散樹脂が形成する皮膜の
耐水性が十分でなく、150000より大きいと、この
共重合体の中和物の存在下にラジカル重合性単量
体を重合させた後に水を加えて、これ迄有機溶剤
中に重合体が安定に分散されていた分散系を、水
中に溶剤と共に重合体が安定に分散された分散系
に反転(以下分散系の状態がこの様に変化するこ
とを相反転という。)させようとしても粘度が著
しく高くなり、更に機械的に高剪断力を与えて強
制分散させる為の余分な工程が必要となる。 本発明においては、ビニル共重合体は上記エス
テルとα,β−不飽和カルボン酸と不飽基及び水
酸基を含有する化合物以外に、構成単位として更
にその他の適宜のビニル単量体を98.5重量%以下
の範囲で含有していてもよい。 このようなビニル単量体の具体例として、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルや、グリシジル(メタ)アクリレ
ートのほかスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等のアルケニルベンゼン、更には酢酸
ビニル、アクリロニトリル等を挙げることができ
る。 上記のような環状不飽和基を有するアクリル酸
又はメタクリル酸のエステルとα,β−不飽和カ
ルボン酸と、水酸基を含有する不飽和化合物及び
必要に応じて他の単量体を構成単位とするビニル
共重合体は、従来より一般に知られている方法に
従つて、各単量体を共重合させることによつて得
ることができる。 本発明方法は、このようなビニル共重合体を塩
基で中和して得られた中和物の存在下に1〜45重
量%の水を含む親水性有機溶剤中でラジカル重合
性単量体を常法により重合させ(即ち所謂溶液重
合法によつてラジカル重合性単量体を重合させ)、
こうして得られた重合体に水を添加するものであ
る。 ビニル共重合体の中和物の存在下に後述するラ
ジカル重合性単量体を重合させる際に用いられる
親水性有機溶剤は1〜45重量%の水を含んで用い
られ、溶剤の具体例としてはプロパノール、メチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブアセテート、エチルカルビトール、アセト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が挙げら
れ、これらは単独で又は適宜混合して用いられ
る。 水を含むこれら親水性溶剤中の水の量が1〜45
重量%とされるのは1重量%より少い場合には単
量体の重合後更に水を加えて相反転させる場合に
分散系の粘度が高くなる傾向になり、45重量%を
越える場合には重合体の分子量を制御することが
困難となるからであり、更に好ましくは3〜30重
量%の範囲で用いられる。水はラジカル重合性単
量体を重合させる前と重合中とに分割添加しても
よい。 ビニル共重合体を塩基で中和するには、通常上
記の溶剤又は水を含む溶剤に共重合体を溶解させ
た後例えばアンモニア、トリメチルアミン、トリ
エチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエ
チルエタノールアミン、トリエタノールアミン等
のアンモニア類、アルキルアミン、アルコールア
ミン、モルフオリン等の塩基を加えて行なわれ
る。しかして塩基の添加量は通常ビニル共重合体
中のカルボキシル基の半分以上が中和される程度
とされる。 ビニル共重合体の中和物の存在下で重合される
ラジカル重合性単量体は特に制限されないが、具
体例を挙げれば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
やグリシジル(メタ)アクリレートのほか、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の
アルケニルベンゼン、さらには酢酸ビニル、ビニ
ルピリジン、ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
が挙げられる。これらは単独で又は二種以上の混
合物として用いられる。必要ならば、これらの単
量体に少量のアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタク
リルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−ブトキ
シメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン
酸等の親水性単量体を併用してもよく、また、少
量のエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、ブチレン
グリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート等のポリアクリレ
ートやジアリルフタレート等の多官能性架橋剤を
併用してもよい。ラジカル重合性単量体としては
更に又本発明のビニル共重合体の構成成分として
用いられる環状不飽和基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルが用いられてもい。この使用量は特
に限定されないが一般に全ラジカル単量体中の50
重量%以下が好適である。 これら単量体の重合に用いられるラジカル重合
開始剤は、ベンゾイルバーオキサイド、t−ブチ
ルバーベンゾエート、ジ−t−ブチルバーオキサ
イド、クメンハイドロバーオキサイド、アゾビス
イソブチロニトリル等、特に制限されることな
く、従来より知られているものが任意に使用され
る。 ビニル共重合体の中和物の使用量は、この中和
物とラジカル重合性単量体との合計量の約5〜95
重量%、好ましくは約5〜80重量%である。中和
物の使用量が少なすぎると、その存在下に単量体
を重合して得られる水分散樹脂が安定性に欠け、
また、十分な空気硬化性を有さず、また、多すぎ
ると、水分散樹脂が形成する皮膜耐水性に欠ける
こととなるからである。 このようにして得られた前記ビニル共重合体の
中和物とからなる重合体は、前記中和物に前記ラ
ジカル重合性単量体の一部分がグラフト重合した
グラフト共重合体を含んでいるものと考えられる
が、かかるグラフト共重合体の重量平均分子量は
5000〜300000の範囲にあるのがよい。重量平均分
子量が5000より小さいと、得られる水分散樹脂の
硬化速度が小さいと共に、最終的に得られる塗膜
が十分な耐水性を有せず、一方、300000より大き
いと、粘度が高すぎて塗装作業性が悪く、樹脂濃
度を不必要に小さくしなければならない等の不都
合があるからである。 このようなビニル共重合体の中和物とからなる
重合体に加えられる水の量は適宜であるが、環境
保全や省資源等の水分散樹脂本来の利点を生かす
為には水の量を多くして有機溶剤量を低減するの
が好ましい。本発明方法では揮発成分中の水/有
機溶剤の比率を1以上としても分散安定性の良い
水分散樹脂を得ることができる。この良好な分散
安定性の発現は、特異な環状不飽和基を有する
(メタ)アクリル酸エステルを構成成分とするビ
ニル共重合体の中和物にラジカル重合性単量体が
グラフト重合されたグラフト共重合体に起因する
ものと考えられる。即ち、本発明方法による水分
散樹脂の分散安定性は上記ビニル共重合体に単量
体が或る程度グラフト重合されて発現するものと
思われるが、上記ビニル共重合体中に存在する特
異な環状不飽基により単量体が容易に、円滑にグ
ラフトされて分散安定性がよくなるものと推定さ
れる。 本発明方法は上述の通りの構成になされてお
り、上記ビニル共重合体の中和物の存在下に単量
体を1〜45重量%の水を含む親水性有機溶剤中で
重合するので、塩基で中和されていないビニル共
重合体を用いた場合に比較して樹脂の分散系に水
を次第に加えて相反転させる際の増粘の程度が著
しく軽減され、又水を全く含まない有機溶剤中で
単量体を重合する場合に比較して、相反転させる
際の増粘の程度がより軽減される。従つて本発明
によればビニル共重合体の中和物の分子量が大き
い場合でも相反転が容易で、場合によつてはデゾ
ルバー等による強制分散工程を省くことが可能と
なる。 本発明により得られる水分散樹脂は、優れた分
散安定性の為に良好な貯蔵安定性、機械安定性、
顔料混和性を有し、更に上記環状飽和基の空気硬
化性の為に高い空気硬化性を有し最終的に形成さ
れる被膜は優れた耐水性、耐候性を有するのであ
る。 なお、本発明の方法による水分散樹脂を常温又
は強制乾燥用の塗料等として用いる場合はナフテ
ン酸コバルト、ナフテン酸鉛やオクチル酸ジルコ
ニウム等の金属乾燥剤を用いてもよく、また、硬
化剤としてアミノ樹脂、エポキシ樹脂等を混和し
て、改質してもよいのは勿論である。この際、顔
料は特に添加されずにクリアーの塗料組成物とし
て用いられる場合もあるが、多くの場合は、一般
に塗料用に使用されているものであつて水中に分
散しうる顔料が添加されて水性塗料組成物として
用いられる。具体的な顔料としてはたとえば酸化
チタン酸化亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸カル
シウム、クレー、ベンカラ、ホワイトカーボン、
カーボンブラツク等の無機顔料、アゾ系顔料、フ
タロシアニン系顔料等の有機顔料などがあげられ
る。 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、以下の実施例において、重合体の酸価や分子
量、塗料の貯蔵安定性、これより得られる塗膜の
各種物性の評価は次のようにして行なつた。 (1) 酸価:試料をトルエン/エタノール(9/
1)混合剤に溶解し、フエノールフタレインを
指示薬として、0.1N水酸化カリウム性エタノ
ール溶液にて中和滴定して求めた。 (2) 重量平均分子量:試料の5%テトラヒドロフ
ラン溶液について、ウオーターズ社製GPC−
200型機にてゲル・バーミエーシヨン・クロマ
トグラフ法により求めた。 (3) 水酸基価:試料固型分1g中の水酸基をエス
テル化させるのに必要な酢酸量を求め、これを
中和させるのに必要な水酸化カリウムのmg数で
表示した。 (4) 塗料の貯蔵安定性:固型分40%の水分散樹脂
100gに酸化チタン40g及び12%オクチル酸ジル
コニウム1.2gを添加し、高速撹拌して塗料Aを
調製した。 この塗料を密閉した容器に入れ、50℃で7日
間放置した後凝固やブツの有無及び粘稠性を観
察し異常のない場合を良好とした。この結果が
良い場合は水分散樹脂そのものの貯蔵安定性も
良いと考えられる。 (5) 塗料の塗膜物性:前記塗料Aを亜鉛処理鋼板
に膜厚40μになるようにエアスプレーにて塗布
し、室温で20分間放置後80℃で20分間、さらに
室温で5日間乾燥して塗膜を得、該塗膜の物性
を測定した。 a 耐水性 JISK5400に準じて行なつた。被覆鋼板を
20℃で10日間浸漬して塗膜面にふくれ、はが
れ、さびの発生しないものを良好とした。 b 耐衝撃性:デユポン式衝撃試験機を用いて
評価した。500gの錘を落下し塗膜の剥離、
破れのない最高の落下高さ(cm)で表示し
た。 c 光沢 鏡面光沢度計により60゜/60゜鏡面光沢度を
測定した。 d 密着性 JISK5400に準じて行なつた。カミソリで
1m/mます目を10×10ケ作成しセロテープ
による剥離テスト結果を残存割合で表示し
た。 e 鉛筆ひつかき硬度 JISK5400に準じて行なつた。 (6) 塗装作業性(A)前記塗料Aを亜鉛処理鋼板にエ
アレススプレーにて塗布し室温で20分間放置後
80℃で20分間乾燥した塗膜のワキ、ピンホール
の状態を観察した。これらの塗膜欠陥の生じな
い限界膜厚(μ)をもつて表示した。 (7) 固型分:水分散樹脂1gを加熱乾燥した時の
残存重量の乾燥前の重量に対する比を百分率で
表示した。 (8) 相反転性:相反転工程を高速撹拌機を用いて
行う際の増粘程度をもつて評価した。著しい増
粘がなく、容易に水分散体を得る場合を良好と
した。 (9) 顔料混和性:固型分40%の水分散樹脂50gに
酸化チタン40gを添加し高速撹拌の後顔料ペー
ストを作成し、顔料の分散混和性をグラインド
ゲージにより評価した。分散性5μ以下を良好
とした。 (10) 塗装作業性(B):前記塗料Aを亜鉛処理鋼板に
エアレスプレーにて塗布し、室温で20分間放置
後80℃で20分間乾燥した塗膜を室温で1時間放
置後、塗膜に水滴を乗せ24時間後の塗膜のフク
レ、ハガレ、密着性を評価した。これは、塗膜
の初期耐水性の評価であり、塗料の乾燥性の良
否の評定に用いられる。 参考例 1 撹拌機、温度計、滴下ろうと、冷却管及び窒素
導入管を備えた1セパラブルフラスコにブチル
セロソルブ100gを仕込み、窒素気流中135℃で、
アゾイソブチロニトリル8gを溶解した8(又は
9)−アクリロキシートリシクロ〔5,2,1,
02,6〕−4−デセン72g、メタアクリル酸31g、ブ
チルメタアクリレート50g、2−エチルヘキシル
アクリレート47g及びラウリルメルカプタン4gを
3時間かけて滴下し、更に2時間撹拌して共重合
反応を行なわしめ、酸価100、重量平均分子量
9200のビニル共重合体のブチルセロソルブ溶液を
得た。該ビニル共重合体の組成比は各重合性単量
体の仕込量比とほぼ同一であつた。 参考例 2〜5 参考例1における各単量体の種類と量、塩基、
重合開始剤、溶剤等の量や反応温度を表1に示す
如く替える以外は、参考例1と同様にして表1に
示す酸価、水酸基価、重量平均分子量を有するビ
ニル共重合体のブチルセロソルブ溶液を得た。該
ビニル共重合体の組成比は各重合性単量体の仕込
量比とほぼ同一であつた。
【表】
【表】 ,
* 8(又は9)−アクリロキシトリシクロ〓5.2.1.0
〓−4−デセンを示す。
実施例 1 参考例1と同様の1セバラブルフラスコに参
考例1で得た共重合体溶液60gにブチルセロソル
ブ80g、ジメチルエタノールアミン4.4g及び水10g
を仕込み窒素置換して100℃に昇温させた後、ア
ゾイソブチロニトリル1gを溶解させたブチルメ
タクリレート120g、ブチルアクリレート20g、8
(又は9)−アクリロキシ−トリシクロ〔5,2,
1,02,6〕−4−デセン20gの混合溶液を3時間要
して前記フラスコ内に滴下し、その後5時間撹拌
して均一系重合を行ない、重合体溶液を得た。次
いでこの重合体に純水190gを加えて撹拌するこ
とにより乳白色の水分散樹脂を得た。この水分散
樹脂のジメチルエタノールアミンによる中和度は
70%であり、重合体の重量平均分子量は71000、
重合体の酸価は20、固型分は39.8%で揮発成分中
の水/有機溶剤の比率は2.0であつた。また、純
水を加えて相反転させる工程は著しい粘度の上昇
がなく容易に行なわれた。この水分散樹脂から得
られた塗膜等の物性を表3に示す。 実施例 2〜4 実施例1における各単量体の種類と量、ビニル
共重合体溶液、触媒、ブチルセロソルブ、水等の
量や反応温度を表2の如く替える以外は、実施例
1と同様にして表2に示す諸物性を有する水分散
樹脂を得た。この水分散樹脂から得られた塗膜等
の諸物性を表3に示す。
【表】
【表】
,
** 8(又は9)−アクリロキシトリシクロ〓5.2.1.
0 〓−4−デセンを示す。
【表】 * 評価法(A)の結果/評価法(B)の結果を示す。
比較例 1 表2に示す如く、参考例5で得たビニル共重合
体60gにブチルセロソルブ80gを加え窒素置換し
て120℃に昇温させた後アゾイソブチロニトリル
1.0gを溶解させたブチルメタクリレート120g、ブ
チルアクリレート20g、スチレン20gの混合溶液
を3時間要して滴下し、その後5時間撹拌して均
一重合を行ない重合体溶液を得た。次にこの重合
体にジメチルエタノールアミン4.4gと純水200gと
を加えたところ、分散系の粘度が著しく上昇し全
体が餅状の粘稠状体になつたので、分散系を取り
出して他の容器に入れてデゾルバーにより極めて
強い剪断力を長時間かけて強制分散させた。 この水分散樹脂の中和度は70%、重合体の重量
平均分子量は72000、酸価は20、固型分は39.80%
で揮発成分中の水/有機溶剤比は2.0であつた。
これに所定の顔料を加えて得られた塗料等の物性
を表3に示す。顔料混和性は不充分で、塗料の貯
蔵安定性が悪く塗料の耐水性の悪いものであつ
た。 比較例 2 参考例6のビニル共重合体溶液を用いて表2に
示すモノマー組成により比較例1と同様の方法で
水分散樹脂を得た。この性状及び塗料等の物性を
表2、表3に示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式【式】(式中R1はH又は CH3R2は【式】【式】 【式】あるいは【式】であり、 R3はH又はCH3である。)で示される環状不飽和
    基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステ
    ル0.5〜50重量%と、α,β−不飽和カルボン酸
    1〜30重量%と、重合性不飽和基及び水酸基を含
    有する化合物0.5〜20重量%とを構成単位として
    有するビニル共重合体を塩基で中和して得られた
    中和物の存在下に、ラジカル重合性単量体を1〜
    45重量%の水を含む親水性有機溶剤中で重合し、
    得られた重合体に水を添加することを特徴とする
    水分散樹脂の製造方法。 2 アクリル酸のエステルが8−アクリロキシト
    リシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセン又は9−アク
    リロキシトリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセンで
    ある特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 3 メタクリル酸のエステルが8−メタクリロキ
    シトリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセン又は9−
    メタクリロキシトリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デ
    センである特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。 4 ビニル共重合体が更にα,β−不飽和カルボ
    ン酸アルキルエステル又はアルケニルベンゼンを
    構成単位として有する特許請求の範囲第1項乃至
    第3項何れかに記載の製造方法。 5 ラジカル重合性単量体全量に対し、8−アク
    リロキシトリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセン又
    は9−アクリロキシトリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4
    −デセンが50重量%以下の範囲で含有される特許
    請求の範囲第1項乃至第4項何れかに記載の製造
    方法。
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