JPS6258374B2 - - Google Patents

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JPS6258374B2
JPS6258374B2 JP10654581A JP10654581A JPS6258374B2 JP S6258374 B2 JPS6258374 B2 JP S6258374B2 JP 10654581 A JP10654581 A JP 10654581A JP 10654581 A JP10654581 A JP 10654581A JP S6258374 B2 JPS6258374 B2 JP S6258374B2
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water
acid
formula
ester
higher fatty
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JP10654581A
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JPS588715A (ja
Inventor
Kunio Yanagisawa
Takashi Nakagawa
Yasuhiro Kawasaki
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6258374B2 publication Critical patent/JPS6258374B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、水又は溶剤を蒸発させて空中に放置
した際に空中に酸素による酸化等の原因で次第に
硬化していく性質(以下、空気硬化性という)を
有する水分散樹脂の製造方法に関する。水分散樹
脂は、環境保全や作業環境、省資源等の点で溶剤
型樹脂に比べて好ましいために、近年、塗料、接
着剤等に広く用いられるに至つているが、性能の
点についてはなお種々の点で溶剤型樹脂に比肩し
得るとはいい難いのが現状である。特に、乳化剤
の存在下に単量体を重合させて得られる水分散樹
脂においては、一般に重合体の分子量が著しく大
きいために、ピンホール等の被膜欠陥を生じたり
することが多く、従つて、耐水性、耐候性等に問
題がある。 又、親水性化合物としてカルボン酸等を構成単
位として含有する重合体の存在下に、ラジカル重
合性単量体を有機溶剤中で重合し、得られた重合
体を塩基により中和し水を加える水分散樹脂の製
造方法が知られているが、この方法においては、
最終の水を加える工程で大量の水を分散系に加え
ると、それ迄有機溶剤中に重合体が安定に分散さ
れていた分散系の粘度が一般に著しく上昇して粘
稠状体になり、この様な分散系を均一に水に分散
させる為には更に特殊な機器等により高剪断力を
与える必要があつた。 重合体の前記粘度の上昇を防止する為に、加え
る水の量を少量にしたり或いは重合体の分子量を
下げることも知られているが、前者の場合は本来
の水分散樹脂としての利点を生かすことが出来
ず、後者の場合も得られる樹脂により形成された
皮膜の耐水性や耐候性等の性能を損うという欠点
があつた。 一方、空気硬化性を有する水分散樹脂を得る方
法として、例えばアルキツド樹脂やフエノール樹
脂を半乾性油や乾性油等の油脂で変性する方法が
知られているが、得られる油変性樹脂は耐候性や
乾燥速度の点で更に改善が望まれるものであつ
た。 本発明は上記水分散樹脂の現状に鑑みてなされ
たものであり、貯蔵安定性に優れ、乾燥速度が大
きく、乾燥皮膜が耐水性、耐候性等に優れた水分
散樹脂を工業的に有利な条件で提供することを目
的とする。 即ち本発明の要旨は、炭素−炭素不飽和結合を
2以上有する高級脂肪酸又は炭素−炭素不飽和結
合を2以上有する高級脂肪酸エステルの存在下
に、 一般式 (式中、R1はH又はCH3、R2
【式】 【式】
【式】又 は
【式】R3はH又はCH3、mは0〜6の 整数、nは次の関係を満足する整数である。m=
1のときはn=2〜5、m=2〜6のときはn=
2。)で示される環状不飽和基を有するアクリル
酸又はメタクリル酸のエステル1〜50重量%と、
α・β−不飽和カルボン酸1〜30重量%とを重合
して得られたビニル共重合体を塩基で中和して中
和物となし、かくして得られた中和物の存在下に
ラジカル重合性単量体を有機溶剤中で重合し、得
られた重合体に水を加えることを特徴とする水分
散樹脂の製造方法に存する。 本発明において用いられる炭素−炭素不飽和結
合を2以上有する高級脂肪酸としてはリノール酸
等のアルカジエン酸、ヒラゴン酸、リノレン酸、
ガンマ・リノレン酸、エレオステアリン酸等のア
ルカトリエン酸、ステアリドン酸、バリナリン酸
等のアルカポリエン酸、リカン酸等のケト酸等が
挙げられリノール酸やリノレン酸が好適に用いら
れる。これらは単独で或いは混合物として用いら
れるが、一般に乾性油や半乾性油中にグリセリド
として存在しているので、例えば半乾性油である
大豆油を加水分解して得られた大豆油脂肪酸や乾
性油である脱ヒマシ油を加水分解して得られた脱
水ヒマシ油脂肪酸等、種々の高級脂肪酸の混合物
として市販されているものを使用し得る。 本発明において炭素−炭素不飽和結合を2以上
有する高級脂肪酸エステルとは、炭素−炭素不飽
和結合を2以上有し、かつモノカルボン酸残基の
炭素数又はアルコール残基の炭素数が好ましくは
9以上のエステルをいうが、一般にはグリセリン
と不飽和結合を2以上有する高級脂肪酸とのエス
テルやエポキシ基を有するアルコールと不飽和結
合を2以上有する高級脂肪酸とのエステルが好適
に用いられる。 グリセリドの如き多価アルコールのエステル化
物は完全エステル化物の他、部分エステル化物も
使用可能であり、又、トリグリセリドやジグリセ
リドの場合は分子内に2以上の炭素−炭素不飽和
結合を有していれば、或るエステル結合部分に炭
素−炭素不飽和結合が2未満の脂肪酸の残基が存
していてもよい。上記不飽和結合が2未満の高級
脂肪酸の例としてはオレイン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。 上記グリセリドの内トリグリセリドは油脂中に
存在するが、不飽和結合を2以上有するエステル
を含有している油脂としては、桐油、オイチシカ
油、アマニ油等の乾性油、脱水ヒマシ油等の合成
乾性油、サフラワー油、大豆油、トール油、綿実
油、ヌカ油等の半乾性油が挙げられる。 又、エポキシ基を有するアルコールとしてはグ
リシジルアルコールが好適に用いられ、不飽結合
を2以上有する高級脂肪酸とのエステルが含有さ
れているものとしては例えば大豆油脂肪酸グリシ
ジルエステル、ヤシ油脂肪酸グリシジルエステル
等が挙げられる。 本発明においては、上記不飽和結合を2以上有
する高級脂肪酸又はエステルの存在下に後述する
他の単量体を重合してビニル共重合体とする。ビ
ニル共重合体中の他の単量体/脂肪酸又はエステ
ル、の重量比は99/1〜30/70、好ましくは95/
5〜50/50とされる。脂肪酸又はエステルの割合
が1重量%以下の場合はこれらによるビニル共重
合体の空気硬化性及び分散安定能の発現が困難で
あり、又エステルの場合にはビニル共重合体への
柔軟性付与効果が乏しくなる。 本発明において用いる環状不飽和基を有するア
クリル酸又はメタクリル酸のエステルの内、環状
不飽和基がジシクロペンテニル基
【式】であるエステルの具体例と して、前記一般式におけるmが0の場合は、8(9)
−アクリロキシトリシクロ〔5・2・1・02,
6〕−4−デセン(これは8−アクリロキシトリシ
クロ〔5・2・1・02,6〕−4−デセンと9−
アクリロキシトリシクロ〔5・2・1・02,6
−4−デセンの両方を意味する。以下同じ。)、8
(9)−メタクリロキシトリシクロ〔5・2・1・0
2,6〕−4−デセン(貫用名、ジシクロペンテニ
ルメタクリレート)、8(9)−アクリロキシトリシ
クロ〔5・2・1・02,6〕−2−メチル−4−
デセン、8(9)−アクリロキシトリシクロ〔5・
2・1・02,6〕−3−メチル−4−デセン、8
(9)−メタクリロキシトリシクロ〔5・2・1・0
2,6〕−2−メチル−デセン、8(9)−メタクリロ
キシトリシクロ〔5・2・1・02,6〕−3−メ
チル−4−デセン等が挙げられる。 又、前記一般式におけるmが1の場合は、2−
ジシクロペンテノキシエチルアクリレート 2−ジシクロペンテノキシエチルメタクリレー
ト、2−ジシクロペンテノキシプロピル(メタ)
アクリレート(これは2−ジシクロペンテノキシ
プロピルアクリレートと2−ジシクロペンテノキ
シプロピルメタクリレートを意味する。以下同
じ。)、3−ジシクロペンテノキシイソブチル(メ
タ)アクリレート、3−ジシクロペンテノキシネ
オペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、
mが2〜6の場合は、ジエチレングリコール=モ
ノ=ジシクロペンテニルエーテルアクリレート ジエチレングリコール=モノ=ジシクロペンテニ
ルエーテルメタクリレート、トリエチレングリコ
ール=モノ=ジシクロペンテニルエーテル(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコール=
モノ=ジシクロペンテニルエーテル(メタ)アク
リレート、ペンタエチレングリコール=モノ=ジ
シクロペンテニル(メタ)アクリレート、ヘキサ
エチレングリコール=モノ=ジシクロペンテニル
エーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。 更に前記一般式で表わされるエステルが有する
環状不飽和基としては、ジシクロペンテニル基の
他に例えば
【式】
【式】
【式】等が挙げられ、m=0の場合の具体 例としては、3(4)−アクリロキシ−1−シクロペ
ンテン、3(4)−メタクリロキシ−1−シクロペン
テン、4(5)−アクリロキシ−1−シクロヘキセ
ン、4(5)−メタクリロキシ−1−シクロヘキセ
ン、5(6)−アクリロキシビシクロ〔2・2・1〕
−2−ヘプテン、5(6)−メタクリロキシビシクロ
〔2・2・1〕−2−ヘプテン等が挙げられる。 しかしてこれらエステルのうち、空気硬化性に
優れた樹脂組成物が得られる点で、8(9)−アクリ
ロキシトリシクロ〔5・2・1・02,6〕−4−
デセン、8(9)−メタクリロキシトリシクロ〔5・
2・02,6〕−4−デセン及び2−ジシクロペン
テノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好適
に用いられる。 前記一般式におけるmが1〜6のエステルは一
般に、トリシクロ〔5・2・1・02,6〕−3−
デセンオール(慣用名、ジシクロペンテニルアル
コール、
【式】)、トリシクロ 〔5・2・1・02,6〕メチル−3−デセン−オ
ール
【式】シクロペンテン− 1−オール、2−メチル−シクロペンテン−1−
オール、シクロヘキセン−1−オール、2−メチ
ルシクロヘキセン−1−オール、ビシクロ〔2・
2・1〕−2−ヘプテンオール、ビシクロ〔2・
2・1〕−3−メチル−2−ヘプテンオール等の
アルコールに、エチレンオキシドやプロピレンオ
キシド等を反応させて得られた生成物に、更に
(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する
方法により製造される。 本発明において用いるビニル共重合体は前記一
般式で表わされるエステルを1〜50重量%(以
下、%は重量%を示すものとする。)の範囲で含
有する。1%より少いと、得られる水分散樹脂が
空気硬化性に乏しく、従つて、耐水性に乏しい被
膜しか形成し得ず、又水分散樹脂の貯蔵安定性が
発現しない。一方、50%より多いと、水分散樹脂
が形成する皮膜が着色しやすく、耐候性に劣るこ
ととなる。 又、本発明における共重合体は親水性を有する
ようにα・β−不飽和カルボン酸を1〜30%の範
囲で含有し、一般に10〜200の酸価を有する。不
飽和カルボン酸の量は、後述する不飽和基及び水
酸基を含有する化合物の量にもよるが、1%より
少いときは、このようにビニル共重合体の存在下
にラジカル重合性単量体を重合した後に得られる
水分散樹脂の安定性が悪く、30%より多いとき
は、水分散樹脂が形成する皮膜が耐水性に劣るこ
ととなる。このようなα・β−不飽和カルボン酸
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、クロトン酸、柱皮酸、マレイン酸、フマル酸
等が好ましく用いられる。 さらに、ビニル共重合体には、親水性を有し且
つノニオン部分を有するように重合性不飽和基及
び水酸基を含有する化合物を含有せしめてもよ
い。この不飽和化合物の具体例としては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリルア
ルコール等が挙げられる。ビニル共重合体中にお
ける前記不飽和化合物の使用量は、一般に50%よ
り多いときは水分散樹脂が形成する皮膜の耐水性
が劣るので50%以下とされる。 本発明においては、上記一般式で表わされるエ
ステルとα・β−不飽和カルボン酸と、不飽和基
及び水酸基を含有する化合物以外に、更に他の適
宜のビニル単量体を93%以下の範囲で含有せしめ
てもよい。 このようなビニル単量体の具体例として、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルや、グリシジル(メタ)アクリレ
ートのほかスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等のアルケニルベンゼン、更には酢酸
ビニル、アクリロニトリル等を挙げることができ
る。 上記不飽和結合を2以上有する高級脂肪酸又は
エステルの存在下に上記一般式で表わされるエス
テルと不飽和カルボン酸及び他の適宜の単量体を
重合するには、従来公知の重合方法を採用し得る
が、特に溶液重合法が好適である。 かくして得られるビニル共重合体は、重量平均
分子量が1000〜100000、好ましくは3000〜50000
の範囲にするのがよい。重量平均分子量が1000よ
り小さいと、水分散樹脂が形成する皮膜の耐水性
が十分でなく、100000より大きいと、この共重合
体に塩基を加えて得られた中和物の存在下にラジ
カル重合性単量体を重合させた後に水を加えて、
これ迄有機溶剤中に重合体が安定に分散されてい
た分散系を、水中に溶剤と共に重合体が安定に分
散された分散系に反転(以下分散系の状態がこの
様に変化することを相反転という。)させようと
しても粘度が著しく高くなり、更に機械的に高剪
断力を与えて強制分散させる為の余分な工程が必
要となる。 本発明方法は、このようなビニル共重合体を塩
基で中和して中和物となし、かくして得られた中
和物の存在下にラジカル重合性単量体を有機溶剤
中で常法により重合し、得られた重合体に水を添
加するものである。 ビニル共重合体の中和物の存在下に後述するラ
ジカル重合性単量体を重合させる際に用いられる
有機溶剤の具体例としてはプロパノール、メチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブアセテート、エチルカルビトール、アセトン、
メチルエチルケトン、酢酸エチル等が挙げられ、
これらは単独で又は適宜混合して用いられ、その
量は特に限定されないが最終的に得られる重合体
100重量部に対し、上記ビニル共重合体の製造に
要した溶剤が残存している場合はその合計で、通
常10重量部以上とされる。 又これら溶剤に45%以下の範囲、好ましくは3
〜30%の範囲で水を加えた系で後述する単量体を
重合すると、上述の相反転工程における粘度上昇
が有機溶剤100%中で単量体を重合した場合に比
較して、より一層緩和される。但し水の量が45%
を越えると重合体の分子量を制御することが困難
となり、好ましくない。 ビニル共重合体を塩基で中和するには、通常上
記の溶剤に共重合体を溶解させた後例えばアンモ
ニア類やトリメチルアミン、トリエチルアミン等
のアルキルアミン、ジメチルエタノールアミン、
ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等のアルコールアミン、モルフオリン類等の塩
基を加えて行なわれる。しかして塩基の添加量は
通常ビニル共重合体中のカルボキシル基の半分以
上が中和される程度とされる。 本発明においてビニル共重合体の中和物の存在
下に重合されるラジカル重合性単量体は、特に制
限されないが、具体例としてはメチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルやグリシジル(メタ)アクリレー
トのほか、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等のアルケニルベンゼン、さらには酢
酸ビニル、ビニルピリジン、ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等が挙げられ、これらは単独で又は
二種以上の混合物として用いられる。更に上記ビ
ニル共重合体の成分として用いられた上記一般式
で示される(メタ)アクリル酸エステルも使用可
能でありこれらは一般に全重合性単量体中の50%
以下の範囲で用いられる。 更に必要ならば、これらの単量体に少量のアク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイ
ン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、N−メチロール
アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルア
ミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、スチレンスルホン酸等の親水性単量体
を併用してもよく、また、少量のエチレングリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ブチレングリコールジメタク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート等のポリアクリレートやジアリルフタ
レート等の多官能性架橋剤を併用してもよい。ま
た、ラジカル重合開始剤も、ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーベンゾエート、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、クメンハイドロバーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリル等、特に制
限されることなく、従来より知られているものが
任意に用いられる。 ビニル共重合体の中和物の使用量は、この中和
物とラジカル重合性単量体との合計量の約5〜95
%、好ましくは約5〜80%である。中和物の使用
量が少なすぎると、その存在下に単量体を重合し
て得られる水分散樹脂が安定性に欠け、また、十
分な空気硬化性を有さず、また、多すぎると、水
分散樹脂が形成する皮膜耐水性に欠けることとな
るからである。 このようにして得られた前記ビニル共重合体の
中和物とからなる重合体は、前記中和物に前記ラ
ジカル重合性単量体の一部分がグラフト重合した
グラフト共重合体を含んでいるものと考えられる
が、かかるグラフト共重合体の重量平均分子量は
5000〜300000の範囲にあるのがよい。重量平均分
子量が5000より小さいと、得られる水分散樹脂の
硬化速度が小さいと共に、最終的に得られる塗膜
が十分な耐水性を有せず、一方、300000より大き
いと、粘度が高すぎて塗装作業性が悪く、樹脂濃
度を不必要に小さくしなければならない等の不都
合があるからである。 このようなビニル共重合体の中和物とからなる
重合体に加えられる水の量は適宜であるが、環境
保全や省資源等の水分散樹脂本来の利点を生かす
為には水の量を多くして有機溶剤量を低減するの
が好ましい。本発明方法では揮発成分中の水/有
機溶剤の比率を1以上としても分散安定性の良い
水分散樹脂を得ることができ、通常は水の重量が
溶剤の1〜20倍になるように水を加えて用いる。
この良好な分散安定性の発現は、主に、特異な環
状不飽和基を有する(メタ)アクリル酸エステル
を構成成分とするビニル共重合体の中和物にラジ
カル重合性単量体がグラフト重合されたグラフト
共重合体に起因するものと考えられる。即ち、本
発明方法による水分散樹脂の分散安定性は上記ビ
ニル共重合体に単量体が或る程度グラフト重合さ
れて発現するものと思われるが、上記ビニル共重
合体中に存在する特異な環状不飽基により単量体
が容易に、円滑にグラフトされて分散安定性がよ
くなるものと推定され、更にビニル共重合体中に
導入された高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステル中
の成分が界面活性作用を発現して上記分散性に寄
与しているものと推定される。 本発明方法は上述の通りの構成になされてお
り、上記ビニル共重合体の中和物の存在下に単量
体を有機溶剤中で重合するので、塩基で中和され
ていないビニル共重合体を用いた場合に比較して
樹脂の分散系に水を次第に加えて相反転させる際
の増粘の程度が著しく軽減される。従つて本発明
によればビニル共重合体の中和物の分子量が大き
い場合でも相反転が容易で、場合によつてはデゾ
ルバー等による強制分散工程を省くことが可能と
なる。 又本発明方法により得られる樹脂は、優れた水
分散安定性の為に良好な貯蔵安定性、顔料混和性
を有し、更に上記一般式で示されるエステルの環
状不飽和基及び上記高級脂肪酸又は高級脂肪酸エ
ステルの鎖状不飽和結合部分の空気硬化性の為
に、空気硬化速度が大でありかつ最終的に形成さ
れる被膜は優れた耐水性、耐候性を有するのであ
る。 なお、本発明方法による水分散樹脂を常温又は
強制乾燥用の塗料等として用いる場合は従来公知
の金属乾燥剤を用いてもよく、アミノ樹脂、エポ
キシ樹脂等を混和して改質してもよい。又この
際、一般に塗料用に使用されているものであつて
水中に分散しうる顔料が添加されてもよい。 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、以下の実施例において各種物性等の評価は次
のようにして行なつた。 (1) 酸価:フエノールフタレインを指示薬とし
て、0.1N水酸化カリウム性エタノール溶液に
て中和滴定して求めた。 (2) 重量平均分子量:試料の5%テトラヒドロフ
ラン溶液について、ゲル・パーミエーシヨン・
クロマトグラフ法により求めた。 (3) 水酸基価:試料固型分1g中の水酸基をエス
テル化させるのに必要な酢酸量を求め、これを
中和させるために必要な水酸化カリウムのmg数
で表示した。 (4) 塗料の貯蔵安定性:固型分40%の水分散性樹
脂100gに酸化チタン40g及び12%オクチル酸
ジルコニウム1.2gを添加し、高速撹拌して塗
料Aを調整した。 この塗料を密閉した容器に入れ、50℃で7日
間放置した後凝固やブツの有無及び粘稠性を観
察し異常のない場合を良好とした。この結果が
良い場合は水分散樹脂そのものの貯蔵安定性も
良いと考えられる。 (5) 塗料の塗膜物性:前記塗料Aを亜鉛処理鋼板
に膜厚40μになるようにエアスプレーにて塗布
し、室温で20分間放置後80℃で20分間、さらに
室温で5日間乾燥して塗膜を得、該塗膜の物性
をJISK5400に準拠して測定した。 (a) 耐水性 被覆鋼板を20℃で10日間浸漬して塗膜面に
ふくれ、はがれ、さびの発生しないものを良
好とした。 (b) 耐衝撃性:デユポン式衝撃試験機にて500
gの錘を用いて行い、錘の落下高さで表示し
た。 (c) 光 沢 60゜/60゜鏡面光沢度を測定した。 (d) 密着性 カミソリで1m/mます目を10×10ケ作成
しセロテープによる剥離テスト結果を残存割
合で表示した。 (6) 塗装作業性(A):前記塗料Aを亜鉛処理鋼板に
エアススプレーにて塗布し室温で20分間放置後
80℃で20分間乾燥した塗膜のワキ、ピンホール
の状態を観察した。塗膜に欠陥の生じない限界
膜厚(μ)をもつて表示した。 塗装作業性(B):上記塗膜を室温で1時間放置
後、水滴を乗せて24時間後の塗膜のフクレ、ハ
ガレ、密着性を評価した。これは、塗膜の初期
耐水性の評価であり、塗料の乾燥性の良否の評
定に用いられる。 (7) 固形分:水分散樹脂1gを加熱乾燥し、残存
重量の乾燥前の重量に対する比を百分率で表示
した。 (8) 相反転性:相反転工程を高速撹拌機を用いて
行う際の増粘程度をもつて評価した。著しい増
粘がなく、容易に水分散体を得る場合を良好と
した。 (9) 顔料混和性:固型分40%の水分散樹脂50gを
酸化チタン40gを添加し高速撹拌の後顔料ペー
ストを作成し、顔料の分散混和性をグラインド
ゲージにより評価した。分散性5μ以下を良好
とした。 参考例 1 大豆油脂肪酸のグリシジルエステル(不飽和結
合を2以上有するエステルの含有量約60%)32
g、ブチルセロソルブ100部中に8(又は9)−ア
クリロキシトリシクロ〔5・2・1・02,6〕−
4−デセン72g、アクリル酸26g、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート28g、スチレン25g、2
−エチルヘキシルアクリレート49g、ラウソルメ
ルカプタン4g、アゾイソブチロニトリル4gを
3時間かけて滴下し更に2時間撹拌して共重合反
応を行わしめビニル共重合体を得た。反応温度は
初期1.5時間を120℃としその後は150℃とした。
得られた共重合体Aの固型分は69.3%、酸価は
82、水酸基価は75、重量平均分子量は15200であ
つた。 参考例 2、3、4 参考例1における脂肪酸又は脂肪酸エステル及
び他の単量体の種類と量等を表1に示す如く替え
る以外は、参考例1と同様にして表1に示す物性
値等を有するビニル共重合体B、C、Dのブチル
セロソルブ溶液を得た。
【表】
【表】 実施例 1 参考例1で得たビニル共重合体Aの溶液33.2g
にブチルセロソルブ20g、ジエチルエタノールア
ミン1.8gを加えて中和し、100℃にて約30分間加
熱し、次いでメチルメタクリレート23.8g、2−
エチルヘキシルアクリレート26.2g、スチレン30
g、アゾイソブチロニトリル0.4gを3時間かけ
て滴下しさらに2時間反応させた後、脱イオン水
120gを約30分間かけて滴下して水分散樹脂を得
た。このときの相反転工程は粘度の上昇が少く容
易に行われた。この水分散樹脂の特性や得られた
塗膜の物性等を夫々表2、表3に示した。 実施例 2 ビニル共重合体Aの溶液33.2gにブチルセロソ
ルブ20g、ジエチルエタノールアミン1.8gを加
えて中和し、100℃にて約30分間加熱し、次いで
脱イオン水20gを加えた後、メチルメタクリレー
ト23.8g、2−エチルヘキシルアクリレート26.2
g、スチレン30g、アゾイソブチロニトリル0.4
gを3時間かけて滴下しさらに2時間反応させ
た。重合体溶液は透明状態から次第に半透明にな
つた。この溶液に脱イオン水120gを約30分間か
けて滴下して水分散樹脂を得た。このときの相反
転工程は分散系の粘度が低く極めて容易に行われ
た。この水分散樹脂の特性や得られた塗膜の物性
等を表2、表3に示した。 実施例 3 参考例2で得た共重合体Bの溶液35.5gを用い
る以外は実施例1と同様にして水分散樹脂を得
た。この水分散樹脂の特性及び得られた塗膜の物
性等を表2、表3に示した。 実施例 4 参考例3で得た共重合体Cの溶液を用い表2で
示される条件を採用する以外は実施例2と同様に
して水分散樹脂を得た。この水分散樹脂の特性及
び得られた塗膜の物性を表2、表3に示した。
【表】
【表】
【表】 比較例 参考例4で得たビニル共重合体Dの溶液60gに
ブチロセロソルブ80gを加え120℃に昇温した後
ブチルメタクリレート140g、ブチルアクリレー
ト20g、t−ブチルパーオクトエイト0.8gを3
時間かけて滴下しさらに2時間反応させて重合体
溶液を得た。 次にこの重合体にジメチルエタノールアミン
4.4gと脱イオン水200gとを加えたところ、分散
系の粘度が著しく上昇し全体が餅状の粘稠状体に
なつたので、分散系を取り出して他の容器に入れ
てデゾルバーにより極めて強い剪断力を長時間か
けて強制分散させた。 この水分散樹脂の中和度は70%、重合体の重量
平均分子量は72500、酸価は20、水酸基価は12、
固型分は39.7%で揮発成分中の水/有機溶剤比は
約2.0であつた。これに所定の顔料を加えて得ら
れた塗料の顔料混和性はやや良好であつたが、凝
集物の沈澱が発生して貯蔵安定性は不良であつ
た。塗装作業性の(A)は40、(B)ではフクレが発生し
た。 又、得られた塗膜の性能は、耐水性テスト結果
ではフクレが発生し、光沢は50、密着性は79/10
0、耐衝撃性は20cm、鉛筆硬度はHBであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素−炭素不飽和結合を2以上有する高級脂
    肪酸又は炭素−炭素不飽和結合を2以上有する高
    級脂肪酸エステルの存在下に、 一般式 (式中、R1はH又はCH3、R2
    【式】【式】【式】又 は【式】R3はH又はCH3、mは0〜6の 整数、nは次の関係を満足する整数である。m=
    1のときはn=2〜5、m=2〜6のときはn=
    2。)で示される環状不飽和基を有するアクリル
    酸又はメタクリル酸のエステル1〜50重量%と、
    α・β−不飽和カルボン酸1〜30重量%とを重合
    して得られたビニル共重合体を塩基で中和して中
    和物となし、かくして得られた中和物の存在下に
    ラジカル重合性単量体を有機溶剤中で重合し、得
    られた重合体に水を加えることを特徴とする水分
    散樹脂の製造方法。 2 アクリル酸のエステルが8−アクリロキシト
    リシクロ〔5・2・1・02,6〕−4デセン又は
    9−アクリロキシトリシクロ〔5・2・1・02
    ,6〕−4デセンである第1項記載の製造方法。 3 高級脂肪酸がリノール酸である第1項又は第
    2項記載の製造方法。 4 高級脂肪酸がリノレン酸である第1項又は第
    2項記載の製造方法。
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