JPH0234636B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、手動スイツチによるバツクタツク縫
いに、針数制御返し縫い機能を加えたミシンの制
御装置に関する。

従来技術 従来、手動返し縫いについては、機械的バツク
レバーの操作をスイツチ操作に置き替えたミシン
しか知られていない。また針数制御の返し縫い
は、縫い始めと縫い終りにペダル操作に関連して
行なわれる自動返し縫いとして実現されている。

発明が解決しようとする問題点 このように構成された従来のミシンでは、縫い
始めと縫い終り以外には針数制御の自動返し縫い
ができないため、例えば第５図に示したようにプ
リーツＡのヒダＢに押え縫いＣを施したいとき、
その縫い途中において、ヒダＢの端部からバツク
タツクC′を入れたい場合に、自動返し縫いが入れ
られなかつた。自動の返し縫いを使用せず、手動
スイツチで返し縫いをする人場合には、この返し
量は操作する人の手動スイツチの操作時間で設定
されるので技量と感によるため、個人差が出た
り、品質が不安定となるという欠点があつた。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解決するために、ミシ
ン主軸に連結し電気的に可変速に駆動可能とした
駆動源９と、中間位置より前踏みまたは後踏み操
作可能とし前踏み初期位置または後踏みにより返
し縫い信号を発生するペダル８と、ミシン主軸に
関連配置し該主軸の一回転を検出してパルスを発
生する検出手段２と、布送り手段に連結し付勢に
より布送り方向を逆方向にする電磁手段１０と、
ペダルの前踏み操作量に関連してミシンの駆動速
度を変化し上記返し縫い信号の発生に関連して所
定数の上記パルスを計数する間電磁手段を付勢す
る制御手段、とを有するミシンにおいて、手動操
作により作用信号を発生する返し縫いスイツチ６
と、作用信号に関連して作用しミシンの駆動状態
を検出し検知信号を発生する状態検知回路と、検
知信号に関連してミシン駆動速度を所定の低速に
設定する速度設定回路と、上記パルスを計数する
計数回路と、計数回路が所定数のパルスを計数す
る間電磁石を付勢する送り制御回路を特徴とす
る。

作 用 本発明によれば、返し縫いスイツチをオンにし
たとき、ミシンが設定速度に落とされ、返し縫い
目数設定器によつて設定された針数だけ自動的に
バツクタツクが縫われるので、人の技量や感に左
右されることなく、奇麗なバツクタツク縫いを得
ることができる。

実施例 第１図は、本発明の１実施例のミシンの制御装
置のブロツク図で、マイクロコンピユータ１に上
軸に取り付けられた針の上位置を検出する上位置
検出器３及び針の下位置を検出する下位置検出器
４を設けたシンクロナイザ２が接続され、また返
し縫いの針数を設定するための返し縫い目数設定
器５、返し縫いの始まりを指示する返し縫いスイ
ツチ６、返し縫いが行なわれた後に自動で糸切り
を行なうか、行なわないかを設定する終り糸切り
指令スイツチ７、踏み量によつてミシンの速度を
変更するペダル８が接続されている。またマイク
ロコンピユータ１の出力側に、ミシンの上軸を回
転するモータ９、ミシンの布送り方向を逆転する
ためのバツク電磁石１０及び公知のミシンの糸切
り機構を動作するための糸切りソレノイド１１が
接続されている。なお、モータ９には、モータ９
の回転速度を回転数を検出するタコジエネレータ
が接続されている。なお、返し縫いスイツチ６は
人の頭部の顎の下に設けられ、この顎で押するこ
とによつて動作される。

次に本実施例の動作を第２図のフローチヤート
及び第３図のタイムチヤートにより説明する。ま
た、第３図ｂに示したように返し縫いスイツチ６
が操作されると、停止中であれば、シンクロナイ
ザ２の上位置検出器３及び下位置検出器４によつ
て針の位置が検出され、この針が下位置になけれ
は無効にし、下位置にあれば、マイクロコンピユ
ータ１はバツク電磁石１０をオンにする。この
時、糸切り指令スイツチ７がオンになつていなけ
れば、マイクロコンピユータ１はモータ９にバツ
クタツク制御速度信号を出力する。これによつて
モータ９は回転し、第３図ａに示したようにミシ
ンの速度が上昇すると、第３図ｃ，ｄに示したよ
うに上位置検出器３と下位置検出器４からの針位
置信号がミシンの回転に合わせて変化するので、
返し縫い目（バツクタツク）の数に達するまで第
３図ｅに示したようにバツク電磁石１０がオンに
なり、返し縫い目数設定器５で設定した針数だけ
マイクロコンピユータ１のカウンタでカウントす
ると、バツク電磁石１０がオフになり、第４図に
示した縫い工程のバツクタツクのＡ工程が終了す
る。そして、さらに返し縫い目設定器５で設定し
たバツクタツクの後の正タツク縫いのＢ工程を行
ない、その正縫い針数を同様にマイクロコンピユ
ータ１のカウンタでカウントし、設定された針数
になつた後でＢ工程を終了した後、マイクロコン
ピユータ１はモータ９の速度を制御して設定位置
で停止させる。この時、糸切り指令スイツチ７が
オンになつている場合は、Ｂ工程が終了後もミシ
ンを停止させず、第３図の点線で示したように糸
切りソレノイド１１がオンになり、糸切り制御を
続行してミシンが停止する。また、第２図のフロ
ーチヤートにおいて、第３図ｆに示したようにペ
ダルが操作されミシンが回転されている途中で第
３図ｇに示したようにペダルが前踏みされて返し
縫いスイツチ６がオンになると、ミシンが低速で
なければ低速指令を出して一旦ミシンの速度を落
してから、第３図ｈに示したようにバツク電磁石
１０がオンになる。この後は上述と同じに制御さ
れる。またこのミシンの減速途中で糸切り指令ス
イツチ７がオンになつて糸切りモードになると、
最終下位置で低速となるように減速カーブを設定
し、以後は糸切りまで減速制御が併用される。な
お、この速度制御については、本出願人が同日付
で提出したミシンのスピード制御方式に詳しく記
載されている。

このように、本実施例では、返し縫いスイツチ
６をオンにするだけで、ペダル８の踏み込み量に
関係なく、返し縫い目数設定器で設定した返し縫
いの針数だけバツクタツクが縫われた後、正タツ
クが縫われわれてバツクタツク縫いが完了する。

本実施例では、返し縫いスイツチ操作によりバ
ツクタツク縫い後に所定針数の正タツク縫いを自
動的に行なうようにしたが、返し縫いスイツチ操
作時にバツクタツク縫いのみを自動的に行なうよ
うにしてもよい。

発明の効果 以上説明したように本発明は、いつでもバツク
タツク縫いを行なうことができるので、作業能率
が向上し、また返し縫いの針目数が作業者の技量
によらないので、品質が向上する。また、今まで
は縫い終りをペダル８の踏み返しによつていたも
のが、ペダルの前踏みのままで返し縫いスイツチ
６にさわるだけで良いので、作業者が疲れず、ま
た作業のリズムを乱さない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例のミシンの制御装置
のブロツク図、第２図は第１図の装置の動作を説
明するフローチヤート、第３図は第１図の装置の
動作を説明するタイミングチヤート、第４図は縫
い工程を示した図、第５図はプリーツの斜視図で
ある。 １…マイクロコンピユータ、２…シンクロナイ
ザ、３…上位置検出器３、４…下位置検出器、５
…返し縫い目数設定器、６…返し縫いスイツチ、
７…糸切り指令スイツチ、８…ペダル、９…モー
タ、１０…バツクソレノイド、１１…糸切りソレ
ノイド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ミシン主軸に連結し電気的に可変速に駆動可
   能とした駆動源９と、 中間位置より前踏みまたは後踏み操作可能とし
   前踏み初期位置または後踏みにより返し縫い信号
   を発生するペダル８と、 ミシン主軸に関連配置し該主軸の一回転を検出
   してパルスを発生する検出手段２と、 布送り手段に連結し付勢により布送り方向を逆
   方向にする電磁手段１０と、 ペダルの前踏み操作量に関連してミシンの駆動
   速度を変化し上記返し縫い信号の発生に関連して
   所定数の上記パルスを計数する間電磁手段を付勢
   する制御手段、 とを有するミシンにおいて、 手動操作により作用信号を発生する返し縫いス
   イツチ６と、 作用信号に関連して作用しミシンの駆動状態を
   検出し検知信号を発生する状態検知回路と、 検知信号に関連してミシン駆動速度を所定の低
   速に設定する速度設定回路と、 上記パルスを計数する計数回路と、 計数回路が所定数のパルスを計数する間電磁石
   を付勢する送り制御回路、 とを備え、 ミシン駆動中における返し縫いスイツチの操作
   により所定数の返し縫いを可能としたことを特徴
   とするミシンの制御装置。