JPH0234189B2 - Kosokudaioodo - Google Patents

Kosokudaioodo

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JPH0234189B2
JPH0234189B2 JP20991081A JP20991081A JPH0234189B2 JP H0234189 B2 JPH0234189 B2 JP H0234189B2 JP 20991081 A JP20991081 A JP 20991081A JP 20991081 A JP20991081 A JP 20991081A JP H0234189 B2 JPH0234189 B2 JP H0234189B2
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layer
diode
reverse recovery
junction
gold
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JP20991081A
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Kimihiro Muraoka
Makoto Iguchi
Sozaburo Hotsuta
Naohiro Shimizu
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
Original Assignee
Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/86Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable only by variation of the electric current supplied, or only the electric potential applied, to one or more of the electrodes carrying the current to be rectified, amplified, oscillated or switched
    • H01L29/861Diodes
    • H01L29/868PIN diodes

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Thyristors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高速ダイオードに係り、本願発明者等
が先に出願した特願昭56−150671号公報、「高速
ダイオード」で示したものより金の拡散量を少な
くすることによつて、一層の良好な特性が得られ
るよう改良したものである。 最近急速な電力用半導体工業の進歩に伴い、タ
ーンオフタイム5μsec以下のサイリスタが出現し
つつある。電圧型インバータに適用する際には、
サイリスタに逆並列にダイオードを接続して使用
することが一般的である。ターンオフタイムの小
さいサイリスタに逆並列接続して使用されるダイ
オードは、サイリスタのターンオフタイム能力に
対応した高速度電流しや断能力を有する素子(逆
回復電荷の小さい素子)が要求される。逆回復電
荷Qr=Tr×irp/2で表現されるので、高速ダイ
オードに要求される特性は次の二点である。なお
Trは逆回復時間、irpは逆回復時のピーク電流で
ある。 (1) 逆回復時間の小さいこと。即ち転流時にサイ
リスタ側に再印加されるピーク電圧はダイオー
ドの逆回復電荷の影響を受け、ダイオードの逆
回復電荷が大きいほど上昇するので、より高い
定格電圧のサイリスタが必要となり、サイリス
タ応用技術上、逆回復電荷の大きいダイオード
は好ましくない。 (2) 逆回復時のピーク電流が小さくそのdi/dt
が、ゆるやか(Soft Recovery)であること。
即ちダイオードの逆回復時のdi/dtが急激な特
性(Snap−off)では転流時にサイリスタに再
印加される電圧は高いdv/dtを持つた電圧が
印加され、サイリスタのdv/dt特性をおびや
かすことになり、サイリスタ応用技術面から
Snap−off特性を有するダイオードは好ましく
ない。 以上の理由によつて、前述の目的に使用される
高速度ダイオードは逆回復時のdi/dtが、Soft
Recovery特性を有し逆回復時間の小さいダイオ
ードが望ましい。 本発明は上記の目的のためになされたものであ
り、以下図面により本発明の一実施例について詳
細に説明する。 第1図はSnap−off特性を有するダイオードの
逆回復時の電流波形の説明図、第2図はSoft
Recovery特性を有するダイオードの逆回復時の
電流波形の説明図である。 ダイオードの逆回復特性において、第1図のよ
うに逆回復時間Trの短かい急峻なdi/dtの変化
を示すSnap−off特性と、第2図のような逆回復
時間Trの長く緩やかなdi/dtの変化を示すSoft
Recovery特性を差は、ダイオード母材層のライ
フタイムに関係する。例えばP−Ni−N+接合の
場合にはNi層のライフタイムが短いほど逆回復
時間の短いSnap−off特性が得られ、Ni層のライ
フタイムが長いほど逆回復時間の長いSoft
Recovery特性が得られる。 本発明は一枚のシリコン円板からなるダイオー
ドウエフアの厚み方向にSnap−off特性を有する
領域とSoft−Recovery特性を有する領域を直列
に組合せ、この直列に組合せた領域へSnap−off
特性を有する領域を並列に組合せることにより、
逆回復時間と逆回復ピーク電流の小さいSoft
Recovery特性を有するダイオードを実現したも
のである。 第3図は本発明の一実施例を示す高速ダイオー
ドの部分縦断面図である。 1はアルミ蒸着法で形成されたアノード電極、
3はP形不純物のガリウムまたはアルミニウムで
拡散形成したP層、4はNi層、5はN形不純物
のリンを選択的に拡散し、複数個に分散配置して
形成したN+層、6はN+層で囲まれたNi層4へP
形不純物のボロンを拡散して形成したP+層、7
は金属ろう材、8は補強用支持電極でカソード電
極となる。2はP層3へP形不純物のボロンを拡
散して形成したP+層である。 なお、カソード面にN+層5およびP+層6を交
互に配置した高速ダイオードについては本発明者
によつて昭和55年8月19日付で出願した特願昭55
−113034に詳細に記載されているので、ここでは
説明を省略する。 第4図は第3図のアノード電極垂直方向におけ
るイ〜イ断面即ちP+層2、P層3、Ni層4、N+
層5の各層のライフタイムキラー(Au)の濃度
分布を示した説明図である。 ライフタイムキラーの濃度はP+−P−Ni接合
近傍(図中A領域)が最も多く、つぎにNi層の
中央部(図中B領域)が多く、最も少い場所は
N+−Ni層近傍(図中Soft Recovery特性をもた
らすためのキヤリアー留めの効果をもたらすため
のC領域)である。第5図は第3図のアノード電
極垂直方向でおけるロ〜ロ断面即ちP+層2、P
層3、Ni層4、P+層6の各層のライフタイムキ
ラーの濃度分布を示した説明図である。ライフタ
イムキラーの濃度はP+−P−Ni層近傍(図中A
領域)とNi−P+層近傍(図中D領域)がほぼ等
しく、かつ、Ni層4の中央部(図中B領域)よ
り多くなつている。本発明の高速ダイオードは第
3図に示す構成で形成することにより第4図と第
5図に示したライフタイムキラーの濃度分布を容
易に得ることが特徴である。 つぎに、第4図と第5図に示すライフタイムキ
ラー濃度分布を有するダイオードの逆回復特性に
ついて説明する。 導通状態にある本ダイオードへ逆電圧が印加さ
れると、導通時のキヤリアはP−Ni接合を中心
として正孔はアノード電極1へ、電子はカソード
電極8へ向つて移動する一方、P−Ni接合近傍
のライフタイムキラー濃度に低存して再結合が行
われてキヤリア濃度が減少して行き、P−Ni接
合近傍は逆電圧の値に応じた厚みをもつて空乏層
化される。 このとき空乏層の厚みはP−Ni接合の接合面
よりNi層の方向に向つて拡がつて行く。一般的
にみてスイツチング時にダイオードへ印加される
逆電圧は定格電圧の1/5〜1/20程度であるから、
逆電圧印加によつて生じる空乏層厚みは概念的に
Ni層の中央部またはそれ以下まで拡がると考え
てよい。 このため空乏層厚み内のライフタイムキラー濃
度が高いほど、空乏層内のキヤリアは急激な変化
を示すため逆回復電流も急激な変化を示す。(A、
B領域) つぎに空乏層の外側(Ni層の中央部からN+
まで)へ移動したキヤリアは、ライフタイムキラ
ー濃度の低い領域へ移るので、この場所ではキヤ
リアは再結合により緩やかに減衰するため逆回復
電流も緩やかな変化を示しながら減衰して時間の
経過と共に逆回復電流は零となり、この経過を経
て逆回復時間が決定されるのである。(B、C領
域) この様子をやや詳しく説明すると第4図のライ
フタイムキラー濃度分布を有するダイオードのス
イツチング時の逆回復電流は、逆回復電流が流れ
始めて逆回復電流のピーク値を過ぎた前期は急激
な電流変化を示すSnap−off特性が現れ、後半期
には緩やかな電流変化を示すSoft Recovery特性
が現れる2段階の電流変化を示す逆回復特性を得
ることができる。 第6図は上述した状態を説明するための逆回復
時の電流波形を示した説明図である。 ダイオードの逆回復特性はSnap−off特性を示
すdt1/dtの大きい領域9とSoft Recovery特性
を示すdi2/dtの小さい領域9′が出現する。高速
ダイオードで時に重要な点は領域9′のdi2/dtを
小さく押さえることである。この思想は本発明者
にようて昭和56年9月25日付で出願した特願昭56
−150671号に記載されている。 第4図のライフタイムキラー濃度分布を有する
ダイオードは、従来の高速ダイオードに比較する
と大幅な特性改善が行われている。しかしながら
2段階の逆回復電流特性を維持しながら逆回復時
間を更に短縮しようとすると、第4図のライフタ
イムキラー濃度分布のみでは不十分であるので、
この改善方法について説明する。 第3図に示すごとくP+層6を設けた場合には、
中性領域内に取り残されたホールと電子はN+
5とP+層6の横方向に形成されたダイオードの
接合電位差間で外部には現われない逆回復(再結
合)電流が流れると推定され、この電流のために
逆回復時のピーク電流irpを小さくする効果を示
す。またP+層6がある場合にはN層内のライフ
タイムが同一であつても、P+層6がない場合に
比較して中性領域内のホールと電子の消滅時間を
短縮することができる。この効果を利用した代表
的な素子としてはアノード短絡構造のサイリスタ
がある。本発明のダイオードは、この様な分類を
するならばカソード短絡構造のダイオードと言え
る。 この効果を利用することによつて、ダイオード
の逆回復時間をより短縮し、逆回復時のピーク電
流irpを小さくすることが可能となる。換言すれ
ば、同一の逆回復時間を得るために、ライフタイ
ムを大きくしても良いことを意味している。逆回
復時間を同じにした同一サイズのダイオードで比
較すると、P層を設けたダイオードではP層のな
いダイオードに比較してライフタイムを大きくす
ることができるので、オン電圧の低い、漏れ電流
の小さい高速ダイオードとなる。 第5図のライフタイムキラー濃度はNi層4の
B領域(第4図B領域に等しい)で少なく、Ni
層4を中心にして左右対称にP+層2および6の
方向に向つて増加してA,D領域(第4図A領域
に等しい)を形成している。 第4図のライフタイムキラー濃度分布を示すダ
イオードエレメント内に第5図のライフタイムキ
ラー濃度分布を示す領域がN+層5の全面積に対
して数10%の比率で複数個分散した形状で局部的
に並列に追加されると、第4図のライフタイムキ
ラー濃度の少ないC領域に存在するキヤリアはラ
イフタイムの短縮とN+層5とP+層6による再結
合電流の相剰効果により早く減衰させられる。 ただし、第5図のライフタイムキラー濃度分布
はN+層5の全面積に対して数10%程度であるか
ら、第4図のライフタイムキラー濃度分布の効果
すなわち第6図のdi2/dtをゆるやかに減衰させ
る効果をさほど損うことはない。この場合の特徴
としては逆回復時のピーク電流を低減させる効果
の方が顕著である。 すなわち、第4図のライフタイムキラー濃度分
布のみの場合よりも金の拡散量を少なくして逆回
復時のピーク電流が小さくなり、これに伴なつて
逆回復時間も短縮される。 これによつて、リーク電流の小さい、オン電圧
の低い高速ダイオードができることになる。この
ため、より高速化をもたらすことができ、この点
が本発明の最大の特徴となつている。 つぎに本発明による高速ダイオードの一実施例
の製造工程を第7図a,b,c,dを用いて説明
する。 なお第3図と同一符号は同一または相当部分を
示す。 第7図aはシリコン基板として、比抵抗70Ωcm
のN形シリコンで厚み0.27mm、直径23mmが使用さ
れる。予めシリコン基板の片面には拡散法でP形
不純物のガリウムまたアルミニウムを用いて、P
層3が表面濃度約5×1017atoms/c.c.、厚み50μ
mで形成されており、他の面にはN形不純物のリ
ンを用いて、表面濃度約1×1021atoms/c.c.、厚
み20μmのN+層5が公知の酸化膜とホトレジスト
技術を利用した選択拡散技術を用いて形成され、
Ni層4は厚み200μmを有し、かつ、N+層5面上
とシリコン基板の外周に公知のホトレジスト技術
を用いて酸化膜10を選択的に有したシリコン円
板が準備される。この時点のシリコン円板に対し
て、Ni層の結晶構造の乱れの度合いをX線2結
晶法によるロツキングカーブで調べてみると、
Ni層には結晶構造の乱れはほとんど観察されな
かつた。この原因としてはNi層の片面にシリコ
ンの原子半径1.17Åに対して、107%の原子半径
1.26Åを有するガリウムまたはアルミニウムが拡
散されたP層を有し、他の面にはシリコンの原子
半径に対して94%の原子半径1.10Åのリンが選択
的に拡散されたN+層を形成しているため、両拡
散層で原子半径の差を吸収し合つて結晶構造に乱
れが生じていないものと推察される。 このように、ほぼ完全結晶に近いシリコン円板
に対して、ライフタイムキラーである金を熱拡散
しても第4図と第5図のような金の濃度分布を1
回の金拡散で得ることは不可能である。 本発明は接合形成時に1回の金の熱拡散で第4
図と第5図のような金の濃度分布を同時に得るた
めに、予めシリコン円板の厚み方向に金の濃度分
布に対応した結晶構造の乱れを誘起させて、金原
子が結晶構造の乱れ部分に多く蓄積する性質を利
用し、前述の金の濃度分布を得ようとするもので
ある。 まず第4図の金濃度分布を得る目的のために原
子半径1.26Åを有するガリウムまたはアルミニウ
ム拡散で、低い表面濃度(5×1017atoms/c.c.)
で形成されたP層面上に、原子半径の小さいボロ
ン(0.88Å)を高い表面濃度(約1020atoms/c.c.
オーダー)で拡散すると、結晶構造的にはボロン
原子の影響力が強まり、ガリウムまたはアルミニ
ウム単体よりもNi層の方向に結晶構造の乱れを
誘起することが容易となる。ただしP+層の厚み
を厚くし過ぎると結晶構造の乱れがNi層全体に
及ぶので、P+層の厚みとP層の厚み関係には調
和をとる必要がある。 前述の理由により第7図aのP層3面上より、
ボロンを表面濃度5×1020atoms/c.c.で、その厚
みは最終的にP層の1/3以下、即ち約15μmの拡
散を行い第7図bのP+層2を形成した。 つぎに第5図の金濃度分布を得る目的のために
第7図aのようにN+層5に囲まれたNi層4′面
へ第7図bのP+層2形成と同時にボロンを表面
濃度5×1020atoms/c.c.で、その厚みはN+層5の
1/2以下、すなわち約15μmの拡散を行い第7図
bのP+層6を形成した。なお、N+層5とP+層6
の厚みが同じであれば、空乏層がN+層5に達し
た時にパンチスールが起き逆耐圧の低下を招く。
これを防止するためにP+層6はN+層5よりも浅
く設計されている。また、N+層5とP+層6の面
積比率はP+/N+=15%に設計されている。この
ボロン拡散によつて最終的な厚み関係は、P+
は15μm、P層は45μm、Ni層は180μm、N+層は
30μmとなる。なお前述のボロン拡散によつてP+
層2とP+層6面上には新たな酸化膜10が形成
される。 第7図bのシリコン円板に対して、P層3と
Ni層4およびP+層6とNi層4の結晶構造の乱れ
の度合いをX線2結晶法によるロツキングカーブ
で調べてみると、P+層2からP層3、Ni層4の
方向に向つてまたP+層6からNi層4の方向に向
つて強い結晶の乱れが生じていることが判明し
た。この結果の乱れは第3図のイ〜イ断面部では
P−Ni接合近くに強く現れ、Ni層4からN+層5
に向つて減少していることが判明した。他方、第
3図のロ〜ロ断面部ではP−Ni接合近くに強く
現れ、Ni層4に向つて減少しており、またP+
Ni接合では同接合近くに強く現れ、P+層6から
Ni層4に向つて減少していることも判明した。 シリコン円板の厚み方向の結晶構造の乱れの傾
向は、第3図イ〜イ断面部では第4図の金濃度分
布のA,B領域に対応し、第3図ロ〜ロ断面部で
は第5図の金濃度分布A,B,C領域に対応して
いた。この点が本発明の最大の特徴である。 つぎに、第7図cのダイオードウエフアの逆回
復時間を小さくするために、酸化膜10を除去し
て、ダイオードウエフアの両面に対して真空蒸着
にて金が蒸着され、820℃の温度で60分間の熱処
理が行われる。この熱処理によつて第3図イ〜イ
断面相当部分の金の濃度分布は、第4図に示す
A,B,C領域を形成する。 1回の金の熱拡散で第4図のA,B,C領域が
現れる理由は、前述の結晶構造の乱れの傾向と対
応して、C領域で減少する理由は、金がN+層5
にゲツターされるためである。金のゲツター効果
はリンを拡散して形成したN+層が特に有効であ
り本発明の一の特徴となつている。また、1回の
金の熱拡散で第5図のA,B,C領域が現れる理
由は、前述の結晶構造の乱れと対応して理解され
よう。 この熱処理後、第7図dのようにN+層5とP+
層6の面に対してダイオードウエフアと同径のタ
ングステンから成る支持電極8をアルミニウムを
主成分とする金属ろう7を介して置き、これの不
活性ガス中で熱処理を行い一体に固着される。こ
れによりN+層5とP+層6はアルミニウムで短絡
された形状となる。その後、P+層2の面に対し
てはアノード電極1となる直径15mm、厚み10μm
を有するアルミ蒸着電極が形成される。 以上説明したような製作工程を経て第4図に示
されるA,B,Cのごとく三つの領域を示す金の
濃度分布と第5図に示されるA,B,Cのごとく
三つの領域を示す金の濃度分布を実現することが
できる。 固着完成後、電圧阻止接合であるP−Ni接合
は球面研磨法等により負ベベルに整形された後
に、ベベル面に対して化学研磨、表面保護膜形成
等がなされてダイオードが完成する。 このようにして製作されたダイオードの定格は
150A、2000Vで逆回復時間は約1μsecであり、そ
の逆回復時の電流波形は第6図に示すように二段
階のdi/dt特性を示す素子を得ることができた。 なお、逆回復電荷測定条件としては、順電流
300A、順電流降下率50A/μSで行つた。
【表】 第1表は本実施例によつて製作された素子と従
来製作されていた同定格の素子を比較したもので
ある。第1表から理解されるように本発明による
素子は、逆回復時間と逆回時のピーク電流が小さ
く、ダイオードと逆並列接続して使用されるサイ
リスタに与えるdv/dt耐量に大きな影響力をも
つdi2/dtが、従来の素子よりも低減された優秀
な高速ダイオードが製作可能となつた。このため
サイリスタ応用技術面に寄与する効果が極めて大
きいものである。 なお、本実施例ではダイオード単体について説
明を行つたが、ダイオードが複合化された他の半
導体装置、例えば逆導通サイリスタや逆導通サイ
リスタウエフアとダイオードウエフアが一体化さ
れてなる複合逆阻止サイリスタなどにも利用でき
ることは、同業者ならば容易に推察できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図はSnap−off特性を有するダイオードの
逆回復時の電流波形の説明図、第2図はSoft−
Recovery特性を有するダイオードの逆回復時の
電流波形の説明図、第3図は本発明の一実施例を
示す高速ダイオードの部分断面図、第4図は第3
図の本発明ダイオードのイ〜イ断面部の金濃度分
布を示した説明図、第5図は第3図の本発明ダイ
オードのロ〜ロ断面部の金濃度分布を示した説明
図、第6図はその逆回復時の電流波形を示した説
明図、第7図は本発明の高速ダイオードの一実施
例の製造工程を示す縦断面図である。 1……アノード電極、2,3……P+層、3…
…P層、4,4′……Ni層、5……N+層、7…
…金属ろう材、8……支持電極、10……酸化
膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 高抵抗N形母材からなるシリコン基板Ni層
    の一方の面にP形不純物のガリウムまたはアルミ
    ニウムを拡散して形成したP層を、他方の面にN
    形不純物のリンを選択的に拡散し、複数個に分散
    配置して形成した主領域となるN+層を有するP
    −Ni−N+接合と、前記分散配置したN+層に囲ま
    れた複数個の小領域を有するP−Ni接合におい
    て、該両接合のP層上と前記複数個の小領域を有
    するNi層の下面にP形不純物のボロンを拡散し
    てそれぞれ形成したP+層を設け、P+−P−Ni−
    N+とP+−P−Ni−P+接合を形成し、逆回復電荷
    を小さくするためにダイオードウエフアの両面よ
    りライフタイムキラーである金を熱拡散し、ダイ
    オードウエフアの厚み方向の金の濃度分布がP+
    −P−Ni−N+接合ではP+層からN+層に向つて
    3段階に減少するような勾配を持ち、P+−P−
    Ni−P+接合ではP+層からP+層に向つてU字形の
    分布を示すようにしたことを特徴とする高速ダイ
    オード。
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