JPH08186277A - 高速ダイオードの製造方法 - Google Patents

高速ダイオードの製造方法

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JPH08186277A
JPH08186277A JP33883294A JP33883294A JPH08186277A JP H08186277 A JPH08186277 A JP H08186277A JP 33883294 A JP33883294 A JP 33883294A JP 33883294 A JP33883294 A JP 33883294A JP H08186277 A JPH08186277 A JP H08186277A
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JP
Japan
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layer
diode
reverse recovery
concentration
gold
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JP33883294A
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English (en)
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Kimihiro Muraoka
公裕 村岡
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】逆回復時のdi/dtがSoft−Recov
ery特性を有し、逆回復時間の小さいダイオードを得
ることにある。 【構成】P+ 層面より逆回復電荷を小さくするためのラ
イフタイムキラーを熱拡散にて導入し、ウエフアの厚み
方向のライフタイムキラーの濃度分布がP+ 層からN+
層に向って段階的に減少するような勾配を持ったダイオ
ードでN+ 層とN層を電気的に短絡したことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速ダイオードの製造法
に係り、本願発明者が先に出願し特公平2−34190 号公
報、「高速ダイオード」(後述する)に開示したものよ
り一層の良好な特性が得られるようにN(バッフア)層
を設け、逆回復時のゆるやか(Soft Recove
ry)化を更に改善したものである。
【0002】
【従来の技術】最近急速な電力用半導体工業の進歩に伴
い、ターンオフタイム5μsec 以下のサイリスタが出現
しつつある。電圧形インバータに適用する際には、サイ
リスタに逆並列にダイオードを接続して使用することが
一般的である。ターンオフタイムの小さいサイリスタに
逆並列接続して使用されるダイオードは、サイリスタの
ターンオフタイム能力に対応した高速度電流しゃ断能力
を持ち、かつ逆回復電荷が小さい、更にS0ft Re
covery特性を有する素子(逆回復電荷の小さい素
子)が要求される。逆回復電荷Qr=Tr×irp/2
で表現されるので、高速ダイオードに要求される特性は
次の二点である。なおTrは逆回復時間、irpは逆回
復時のピーク電流である。
【0003】(1) 逆回復時間の小さいこと。更に転
流時のサイリスタ側に再印加されるピーク電圧はダイオ
ードの逆回復電荷の影響を受け、ダイオードの逆回復電
荷が大きいほど上昇するので、より高い定格電圧のサイ
リスタが必要となり、サイリスタ応用技術上、逆回復電
荷の大きいダイオードは好ましくない。
【0004】(2) 逆回復時のピーク電流が小さくそ
のdi/dtが、Soft Recoveryであるこ
と。即ちダイオードの逆回復時のdi/dtが急峻な特
性(Snap−off)では転流時にサイリスタに再印
加される電圧は高いdv/dtを持った電圧が印加さ
れ、サイリスタのdv/dt特性をおびやかすことにな
り、サイリスタ応用技術面からSnap−off特性を
有するダイオードは好ましくない。
【0005】以上の点を改良したものが前述した特公平
2−34190 号公報に掲載されているものである。図7は
従来の一実施例を示す高速ダイオードの部分縦断面図で
あり、図7において、1はアルミ蒸着法で形成されたア
ノード電極、3はP形不純物のガリウムましたはアルミ
ニウムで拡散形成したP層、4はNi層、5はN形不純
物のリンを選択的に拡散し、複数個に分散配置して形成
したN+ 層、6はN+ 層で囲まれたNi層4へN形不純
物のアンチモンを拡散して形成したN層、7は金属ろう
材、8は補強用支持電極でカソード電極となる。2はP
層3へP形不純物のボロンを拡散して形成したP+ 層で
ある。図5は図7のアノード電極垂直方向におけるイ〜
イ断面、即ちP+ 層2、P層3、Ni層4、N+ 層5の
各層のライフタイムキラー(Au)の濃度分布を示した
説明図である。ライフタイムキラーの濃度はP+ −P−
Ni層近傍(図中A領域)が最も多く、次にNi層の中
央部(図中B領域)が多く、最も少ない場所はN+ −N
i層近傍(図中、Soft Recovery特性をも
たらすためのキャリア留めの効果をもたらすC領域)で
ある。図9は図7のアノード電極垂直方向におけるロー
ロ断面即ちP+ 層2、P層3、Ni層4、N層ま6の各
層のライフタイムキラーの濃度分布を示した説明図であ
る。ライフタイムキラーの濃度P+ −P−Ni層近傍
(図中A領域)とNi−N層近傍(図中D領域)かほぼ
等しく、かつ、Ni層4の中央部(図中B領域)より多
くなっている。高速ダイオードは図7に示す構成で形成
されることにより図8と図9に示したライフタイムキラ
ーの濃度分布となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かよう
な構成においては、逆回復時のdi/dtが、Soft
−Recovery特性を有し逆回復時間の小さいダイ
オードを得るにはまだ十分とは言えない点があった。本
発明に上述した点に鑑みて創案されたもので、その目的
とするところは、これらの欠点を改良した高速ダイオー
ドの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】つまり、その目的を達成
するための手段は、高抵抗シリコン基板Ni層の一方の
面にP形不純物を拡散して形成したP層を、他方の面に
中抵抗のN形バッフア層を設け、このN形バッフア層面
に対してN形不純物を選択的に拡散し、複数個に分散配
置したN+ 層を有するP−Ni−N−N+ 接合と、前記
分散配置したN+ 層に囲まれた複数個の小領域を有する
P−Ni−N接合で、該両接合のP層上にP形不純物を
追加拡散したP+ 層を設けたダイオードウエフアにおい
て、P+ 層面より逆回復電荷を小さくするためのライフ
タイムキラーを熱拡散にて導入し、ウエフアの厚み方向
のライフタイムキラーの濃度分布がP+ 層からN+ 層に
向って段階的に減少するような勾配を持ったダイオード
でN+ 層とN層を電気的に短絡したことにある。
【0008】
【作用】その作用は、次に述べる実施例と併せて説明す
る。
【0009】
【実施例】図1はSnap−off特性を有するダイオ
ードの逆回復時の電流波形の説明図、図2はSoft−
Recovery特性を有するダイオードの逆回復時の
電流波形の説明図である。ダイオードの逆回復特性にお
いて、図1のように逆回復時間Trの短い急峻なdi/
dtの変化を示すSnap−off特性と、図2のよう
な逆回復時間Trの長く緩やかなdi/dtの変化を示
すSoft−Recovery特性の差は、ダイオード
母材層のライフタイムに関係する。例えばNi層厚みが
同じと考えると、P−Ni−N+ 接合の場合にはNi層
のライフタイムが短いほど逆回復時間の短いSnap−
off特性が得られ、Ni層のライフタイムが長いほど
逆回復時間の長いSoft Recovery特性が得
られる。また、ライフタイムが同じと仮定するとNi層
の短い場合には、Snap−off特性を、Ni層の長
い場合はSoft Recovery特性を示す。
【0010】本発明は一枚のシリコンからなるダイオー
ドウエフアの厚み方向内にSnap−off特性を有す
る領域とSoft Recovery特性を有する領域
を直列に組合せ、逆回復時間と逆回復ピーク電流が小さ
く、かつSoft Recovery特性を有するダイ
オードを実現したものである。
【0011】図3は本発明の一実施例を示す高速ダイオ
ードの部分縦断面図である。1はアルミ蒸着法で形成さ
れたアノード電極、3はP形不純物のガリウムまたはア
ルミニウムで拡散形成したP層、4はNi層、5はN形
不純物のリンを選択的に拡散し、複数個に分散配置して
形成したN+ 装置、6は気相成長法で形成したN相、6a
はN+ 相で囲まれN相、7は金属ろう材、8は補強用支
持電極でカソード電極となる。2はP層3へP形不純物
のボロンを拡散して形成したP+ 層である。
【0012】図4は図3のアノード電極垂直方向におけ
るイ〜イ断面即ちP+ 層2,P層3,Ni層4,N層
6,N+ 層5の各層のライフタイムキラー(Au)の濃
度分布を示した説明図である。ライフタイムキラーの濃
度P+ −P−Ni層近傍(図中A領域)が最も多く、次
にNi層の中央部(図中B領域)が多く、最も少ない場
所はNi−N層近傍(図中、Soft Recover
y特性をもたらすためのキャリア留めの効果をもたらす
C領域)である。本発明の高速ダイオードは図3に示す
構成で形成されることにより図4に示したライフタイム
キラーの濃度分布を容易に得ることが特徴である。
【0013】つぎに図4に示すライフタイムキラー濃度
分布を有するダイオードの逆回復特性について説明す
る。導通状態にある本ダイオードへ逆電圧が印加される
と、導通時のキャリアはP−Ni接合を中心として正孔
はアノード電極1へ、電子はカソード電極8へ向っ移動
する一方、P−Ni接合近傍のライフタイムキラー濃度
に依存して再結合が行われてキャリア濃度が減少して行
き、P−Ni接合近傍は逆電圧の値に応じた厚みをもっ
て空乏層化される。
【0014】このとき空乏層の厚みはP−Ni接合の接
合面よりNi層の方向に向って拡がって行く。一般的に
みてスイッチング時にダイオードへ印加される逆電圧
は、平均値的には定格電圧の1/5〜1/2程度である
から、逆電圧印加によって生じる空乏層厚みは概念的に
Ni層の中央部程度まで拡がると考えてよい。このため
空乏層厚みの内のライフタイムキラー濃度が高いほど、
空乏層内のキャリアは急激な減少を示すため逆回復電流
は急激な変化を示す。(A,B領域)
【0015】つぎに空乏層の外側即ち、中性領域(Ni
層の中央部ちからN−N+ 層まで)へ移動したキャリア
は、ライフタイムキラー濃度の低いN層に蓄積され、そ
の後拡散によつてN+ 層へ移るので、この場所ではキャ
リアは緩やかに再結合により減衰するため逆回復電流も
緩やかな変化を示しながら減衰して時間の経過と共に逆
回復電流は零となる。この傾向はN層が厚い程顕著にな
り、Soft Recovery化を寄与する。この仮
定を経て逆回復時間が決定される。(B,C領域)
【0016】この様子をやや詳しく説明すると、図4の
ライフタイムキラー濃度分布を有するダイオードのスイ
ッチング時の逆回復電流は、逆回復電流が流れ始めて逆
回復電流のピーク値を過ぎた前期は急激な電流変化を示
すSnap−off特性が現れ、後半期には緩やかな電
流変化を示すSoft Recovery特性が現れる
2段階の電流変化を示す逆回復特性を得ることができ
る。
【0017】図5は上述した状態を説明するための逆回
復時の電流波形を示した説明図である。ダイオードの逆
回復特性はSnap−off特性を示すdi1/dtの
大きい領域9とSoft Recovery特性を示す
di2/dtの小さい領域9aが出現する。高速ダイオー
ドで特に重要な点は領域9aのdi2/dtを小さく押え
ることである。この思想は本発明者によって昭和56年9
月25日付で出願した特開昭58−52883 号公報に記載され
ている。図4のライフタイムキラー濃度分布を有するダ
イオードは、従来の高速ダイオードに比較すると大幅な
特性改善が行われている。しかしながら、2段階の逆回
転電流特性を維持しながら逆回復時間を更に短縮しよう
とすると、図4のライフタイムキラー濃度分布のみでは
不十分であるので、この改善方法について説明する。
【0018】図3に示すごとくN層6を設けた場合、中
性領域内に取り残された過剰電子はN層内を拡散によっ
て緩かに移動し、N+ 層5とN層6aよりカソード電極8
へと取り出される。この場合、過剰電子の排出はN+
5よりも不純物濃度の低いN層6aの方に流れ易くなる。
この理由はNi−N+ 構造よりもNi−N構造の方が電
位障避が低いためである。即ち、N層6aがない場合に比
較してN層6を含んだ中性領域内の過剰電子の消減時間
を短縮することができる。この効果を利用することによ
って、ダイオードの逆回復時間をより短縮し、逆回復時
のピーク電流inpを小さくすることが可能となる。換
言すれば、同一の逆回復時間を得るためにライフタイム
を大きくしても良いことを意味している。逆回復時間を
同じにした同一サイズのダイオードで比較すると、N層
を設けたダイオードではN層のないダイオードに比較し
てオン電圧の低い、漏れ電流の小さい高速ダイオードと
なる。
【0019】ここで、N層6aはN+ 層5の全面積に対し
て数10%程度であるから、図4のライフタイムキラー濃
度分布の効果すなわち図5のdi2/dtをゆるやかに
減衰させる効果をさほど損うことなく、逆回復時間を短
縮することができる。つぎに本発明による高速ダイオー
ドの一実施例の製造工程を図6(a),(b),
(c),(d)を用いて説明する。なお、図3と同一符
号は同一または相当部分を示す。
【0020】図6(a)はシリコン基板として、不純物
濃度4×1013atoms /cc、比抵抗 120ΩcmのN形シリコ
ンで厚み 0.27mm 、直径23mmが使用つれる。予めシリコ
ン基板の片面には拡散法でP形不純物のガリアムまたは
アルミニウムを用いて、P層3が表面濃度約5×1017at
oms /cc、厚み35μmで形成されており、他の面にはN
形不純物のリンをドーパツトとした気相成長法により、
不純物濃度5×1015atoms /cc、比抵抗1Ωcm、厚さ20
μmのN相6形成した基板ウエフアが準備される。この
気相成長面に対してN形不純物のリンを用いて、表面濃
度1×10 21 atoms /cc、厚み5μmのN+ 層5が公
知の酸化膜とホトレジスト技術を利用した選択拡散技術
を用いて形成される。(図6(b)) なお、N+ 層5とN層6aの面積比率は(N/N+ )=15
%に設計した。
【0021】この時点のシリコン円板に対して、Ni層
の結晶構造の乱れの度合いをX線2結晶法によるロッキ
ングカーブで調べてみると、Ni層には結晶構造の乱れ
はほとんど観察されなかった。この原因としてNi層の
片面にシリコンの原子半径1.17Åに対して、 107%の原
子半径1.26Åを有するガリウム拡散されたP層を有し、
他の面にはシリコンの原子半径に対して94%の原子半径
1.10 Åのリンが選択的に拡散されたN+ 層を形成して
いるため、両拡散層で原子半径の差を吸収し合って結晶
構造に乱れが生じていないものと観察すれる。
【0022】このように、ほぼ完全結晶に近いシリコン
ウェフアに対してライフタイムキラーである金を拡散し
ても図4のような金の濃度分布を1回の金拡散で得るこ
とは不可能である。本発明は接合形成時に1回の金の熱
拡散で第4図のような金の濃度分布を得るために、予め
シリコンウェフアの厚み方向に金の濃度分布に対応した
結晶構造の乱れを誘起させて、金原子が結晶構造の乱れ
部分に多く蓄積する性質を利用し、前述の金の濃度分布
を得るようとするものである。
【0023】まず図4の金濃度分布を得る目的のために
原子半径1.26Åを有するガリウムまたはアルミニウム
拡散で、低い表面濃度(5×1017atoms/cc)で
形成されたP層面上に、原子半径の小さいボロン( 0.
88Å)を高い表面濃度(約1020atoms/ccオーダ
ー)で拡散すると、結晶構造的にはボロン原子の影響力
が強まり、ガリウムまたはアルミニウム単体よりもNi
層の方向に結晶構造の乱れを誘起することが容易とな
る。ただしP+ 層の厚みを厚くし過ぎると結晶構造の乱
れがNi層全体に及ぶので、P+ 層の厚みとP層の厚み
関係には調和をとる必要がある。
【0024】前述の理由により図6(b)のP層3面上
より、ボロンを表面濃度5×1020atoms/ccで、
その厚みは最終的にP層の1/3以下にするために予め
10μmの拡散を行い、図6(c)のP+ 層2を形成し
た。つぎに、図5の金濃度分布を得る目的のために図6
(n)のようにN+ 層5に囲まれたNi層4面へN形不
純物のアンチモン(原子半径1.36Åシリコンに対して
116%)を拡散するために、酸化膜11へ窓12が開けられ
る。つぎにNi層4面へアンチモンを表面濃度6×1017
atoms/ccで、その厚み約5μmの拡散を行い図
8(c)のN層6を形成した。
【0025】ボロン拡散後の最終的な厚み関係は、P+
層はは10μm、P層は40μm、Ni層は 180μm、N層
は30μm、N+ 層は20μmとなる。なお、前述のボロン
拡散によってP+ 層2とN+ 層5及びN層60面上には新
たな酸化膜11が形成される。図6(c)のシリコンウェ
フアに対して、結晶構造の乱れの度合をX線2結晶法に
よるロッキングカーブで超べてみると、P+ 層2からP
層3、Ni層4の方向に向って強い結晶の乱れが生じて
いることが判明した。この原因はシリコン(原子半径
1.17Å)に対し原子半径の小さいボロン(原子半径
0.88Å、シリコンに対して75%)を高い表面濃度で拡
散したことによると考えられる。この結晶の乱れを図3
で説明すると、P+ −Ni接合近くに強く現れ、Ni層
4からN層6に向って減少していることが判明した。
【0026】つぎに、図6(c)のダイオードウェフア
の逆回復時間を小さくするために、酸化膜11を除去して
ダイオードウェフアのP+ 層2に対して真空蒸着にて金
が蒸着され、 820℃の温度で60分間の熱処理が行われ
る。この熱処理によって図3のイ〜イ断面相当部分の金
の濃度分布は、図4に示すA,B,C領域を形成する。
1回の金の熱拡散で図4のA,B領域が現れる理由は、
前述の結晶構造の乱れの傾向と対応しており、C領域で
減少する理由は、金がN+ 層5にゲッターされるためで
ある。金のゲッター効果はリンを拡散して形成したN+
層が特に有効であり本発明の一つの特徴となっている。
【0027】この熱処理後、図6(d)のようにN+
5とN層6aの面に対してダイオードウエフアと同径のタ
ングステンから成る支持電極8を銀を主成分とする低温
金属ろう7を介して置き、これを不活性ガス中で熱処理
を行い一体に固着される。これによりN+ 層5とN層6a
はアルミニウムで短絡され形状となる。その後、P+
2の面に対してはアノード電極1となる直径15mm、厚
み10μmを有するアルミ蒸着電極が形成される。
【0028】以上説明したような製作工程を経て図4に
示されるA,B,Cのごとく三つの領域を示す金の濃度
分布を次元することができる。固着完成後、電圧阻止接
合であるP−Ni接合は給面研磨法等により負ベベルに
整形された後に、ベベル面に対して化学研磨、表面保護
膜形成等がなされてダイオードが完成する。このように
して製作されたダイオードの定格は 150A、2500Vで逆
回復時間は約1μsecであり、その逆回復時の電流波
形は第5図に示されるように二段階のdi/dt特性を
示す素子を得ることができた。なお、逆回復電荷測定条
件としては、順電流 300A、順電流降下率 100A/μs
ecで行った。
【0029】
【表1】
【0030】表1は本実施例によって製作された素子と
従来製作されていた同定格の素子を比較したものであ
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、逆
回復時間と逆回復時のピーク電流が小さく、ダイオード
と逆並列接続して使用されるサイリスタに与えるdv/
dt耐量に大きな影響力をもつdi2 /dtが、従来の
素子よりも低減された優秀な高速ダイオードが製作可能
となった。このためサイリスタ応用技術面に寄与する降
下が極めて大きいものである。なお、本実施例ではダイ
オード単体について説明を行ったが、ダイオードが複合
化された他の半導体装置、例えば逆導通サイリスタウエ
フアとダイオードウエフアが一体化されてなる複合逆阻
止サイリスタなどにも利用できることは、同業者ならば
容易に推察できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はSnap−off特性を有するダイオー
ドの逆回復時の電流波形の説明図である。
【図2】図2はSoft−Recovery特性を有す
るダイオードの逆回復時の電流波形の説明図である。
【図3】図3は本発明の一実施例を示す高速ダイオード
の部分断面図である。
【図4】図4は図3の本発明ダイオードのイ〜イ断面部
の金濃度分布を示した説明図である。
【図5】図5はその逆回復時の電流波形を示した説明図
である。
【図6】図6は本発明の高速ダイオードの一実施例の製
造工程を示す縦断面図である。
【図7】図7は従来の一例を示す部分断面図である。
【図8】図8は図7のイーイ断面部の金濃度分布を示し
た説明図である。
【図9】図9は図7のローロ断面部の金濃度分布を示し
た説明図である。
【符号の説明】
1 アノード電極 2 P+ 層 3 P層 4 Ni層 5 N+ 層 6 N層 7 金属ろう材 8 支持電極 11 酸化膜 12 窓

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高抵抗シリコン基板Ni層の一方の面にP
    形不純物を拡散して形成したP層を、他方の面に中抵抗
    のN形バッフア層を設け、このN形バッフア層面に対し
    てN形不純物を選択的に拡散し、複数個に分散配置した
    + 層を有するP−Ni−N−N+ 接合と、前記分散配
    置したN+ 層に囲まれた複数個の小領域を有するP−N
    i−N接合で、該両接合のP層上にP形不純物を追加拡
    散したP+ 層を設けたダイオードウエフアにおいて、P
    + 層面より逆回復電荷を小さくするためのライフタイム
    キラーを熱拡散にて導入し、ウエフアの厚み方向のライ
    フタイムキラーの濃度分布がP+ 層からN+ 層に向って
    段階的に減少するような勾配を持ったダイオードでN+
    層とN層を電気的に短絡したことを特徴とする高速ダイ
    オードの製造方法。
JP33883294A 1994-12-27 1994-12-27 高速ダイオードの製造方法 Withdrawn JPH08186277A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10249751B2 (en) 2016-05-19 2019-04-02 Rohm Co., Ltd. High-speed diode with crystal defects and method of manufacturing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10249751B2 (en) 2016-05-19 2019-04-02 Rohm Co., Ltd. High-speed diode with crystal defects and method of manufacturing

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