JPH0234005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はコンクリート杭の成形型枠内に設けられ
る中間接続金具に関するものである。

従来より一本の杭成形型枠によつて複数のコン
クリート杭を成形する場合には、型枠内に夫々の
杭における端板を連結するための中間接続金具を
設ける。この接続金具は通常夫々外周に係止突縁
を設けた一対のリング部材と、このリング部材の
外周に配置される割形の円弧状セグメントとから
なつており、夫々のリング部材を杭の端板にボル
トにより固定して、該リング部材の外周に配置し
た割形の円弧状セグメントにおける両側フランジ
を両リング部材の係止突縁に係合することにより
二本の杭端板が互いに型枠内で連結される構造と
なつている。

ところで上記のような中間接続金具において
は、夫々のリング部材の間に空間があるため、遠
心力により型枠内でコンクリートを締固める際に
生ずるノロが両リング部材の間からセグメントの
内周面方向に流れ込んでセグメントの内側をノロ
で固めてしまい、脱型の際にセグメントが両リン
グ部材から離脱しにくくなるという問題点を有し
ている。このような問題点をなくすための手段と
して従来においては第１図に示すように、互いに
間隔をおいて配置される一方のリング部材１ａか
ら他方のリング部材１ｂに対し、両部材間の間隔
ｈを遮弊するようなセパレーター２を設けるよう
な連結金具が知られている。しかし乍らこの連結
金具ではセパレーター２の長さをセグメント３の
フランジ４によつて隔離される両リング部材１
ａ，１ｂの間隔ｈに正確に一致する長さとしてお
かなければならず、一方このようにセパレーター
２の長さを両リング部材間の間隔ｈに一致した長
さとしておくと、リング部材間の間隔ｈはセパレ
ーター２によつて最初から規制されてしまうこと
となり、後に両リング部材の外周にセグメント３
を嵌込むことがむずかしくなるという欠点を有し
ている。

本案は従来における上記のような中間接続金具
の問題点を解消し、接続金具の組立が容易に行な
えて、しかも両リング部材間の間隙内へのノロの
流入を確実に防止できる中間接続金具の提供を目
的としたものである。

本案を第２図に示す実施例により説明すれば、
夫々のリング部材１０ａ，１０ｂは、型枠１１内
において成形される夫々の杭１５ａ，１５ｂの内
径とほぼ均しい内径を有し、夫々両杭の端板１６
ａ，１６ｂにボルト１７によつて固定れる。夫々
のリング部材１０ａ，１０ｂは、外周面に係止突
縁１８を有し、この係止突縁１８に両リング部材
の外周に配置されるセグメント１３の両側フラン
ジ１４が係合されることにより両杭の端板１６
ａ，１６ｂが互いに連結される。

前記の両リング部材のうち一方のリング部材１
０ａの内周面には、先端１２ａが他方のリング部
材１０ｂの内周面方向に延びる薄肉の内筒１２の
一端が固定されている。この内筒１２はセグメン
ト１３によつて両リング部材１０ａ，１０ｂが所
定の間隔ｈをもつて隔離された状態において、先
端１２ａが他方のリング部材１０ｂの内周面を完
全に被覆し得るにつき充分な長さを有している。
またこの内筒１２は、該内筒が固定される方のリ
ング部材１０ａの内径を他方のリング部材１０ｂ
の内径よりも僅かに大きくしておくか、もしくは
両リング部材の内径を同じとした場合には内筒１
２の先端１２ａを若干小径としておくことによつ
て、内筒先端１２ａがリング部材１０ｂの内周面
に遊挿されるように設定されている。

本案に係る中間接続金具は、上記のように両リ
ング部材１０ａ，１０ｂの内径を杭の内径と同径
とし、一方のリング部材１０ａの内周面に先端１
２ａが間隔ｈを置いて配置される他方のリング部
材１０ｂの内周に遊挿されて該内周面を被覆し得
る長さの薄肉内筒１２を設けたので、両リング部
材の連結に際しては、該内筒の先端１２ａが他方
のリング部材内周に挿入するようにして両部材１
０ａ，１０ｂを対向配置し、この状態で両部材の
外周にセグメント１３を配置すればよい。勿論の
状態においては、両リング部材間に内筒１２が存
在していても両リング部材は互いに自由に動き得
るのでセグメント１３のセツトを楽に行なうこと
ができる。またこの状態においては内筒１２の先
端１２ａが他方のリング部材１０ｂの内周面を完
全に被覆しているので、両リング部材の間隔ｈは
該内筒１２によつて遮断され、杭の成形時に生ず
るノロが両リング部材間よりセグメント１３の内
周面方向に流入して付着することがない。

従つてこの考案の中間連結金具によれば、両リ
ング部材１０ａ，１０ｂに対するセグメント１３
のセツテイングを容易に行なえると共に、杭成形
時生ずるノロの付着による脱型時の問題点を確実
に防止できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の中間連結金具の構造を示す断面
図、第２図は本案の中間連結金具の構造を示す断
面図、第３図は本案の中間連結金具における一方
のリング部材の断面図である。図において、 １０ａ，１０ｂ：リング、１１：型枠、１２：
薄肉内筒、１２ａ：内筒、１３：セグメント、１
４：フランジ、１５ａ，１５ｂ：杭、１６：端
板、１７：ボルト、１８：係止突縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート杭の成形型枠内において複数の杭
   を連結させて成形するための中間接続金具であつ
   て、夫々の端板にボルトを介して相対向して配置
   される夫々杭の内径と同じ内径をもつた一対のリ
   ング部材と、該リング部材の外周に配置された割
   型の円弧状セグメントとからなり、前記リング部
   材のうち一方のリング部材の内周には先端が他方
   のリング部材の内周面に遊挿し得る長さをもつた
   薄肉内筒の一端が固定され、該内筒の先端が他方
   のリング部材の内周面に挿入された状態で前記セ
   グメントの両側フランジを前記両リング部材外周
   の係止突縁に係合させてなる杭成形型枠の中間接
   続金具。