JPH0233579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被緊締体の一方に固着される受金
と、被緊締体の他方に固着される座板と、該座板
に枢軸によつて連結された操作レバーと、別の枢
軸によつて操作レバーに連結された掛金とから成
る締付仮錠装置に関するものである。

一般に締付仮錠装置では、掛金を操作レバーに
連結する枢軸が、操作レバーを座板に連結する枢
軸よりも被緊締体正面に近接配置されることによ
つて、掛金と受金の間に充分な緊張力が働き、掛
金先端部と受金との係合が維持されるようになつ
ている。

しかし、実際の使用状態では被緊締体の震動等
によつて、操作レバーと掛金間の枢軸が被緊締体
正面より遠ざかる方向に働いて、受金と掛金間の
締付けが偶発的に解除されることがある。

従つて本考案の目的は、震動等の影響で簡単に
締付けが解除されることがなく、信頼性に優れた
締付仮錠装置を提供することである。

以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と、本考案の締付仮錠装置は、一方の被緊締体１
に取付けられ、操作レバー３が接近する側の孔縁
部４ａ，４ｂが開口した受孔４を後端部に有する
本体２と、基端部を枢軸５で本体２に連結された
操作レバー３と、基端部を操作レバー３の中程に
枢軸６ａ，６ｂで連結された掛金６と、両端部７
ａ，７ｂを操作レバー側壁３ａ，３ｂの軸孔８
ａ，８ｂに嵌挿され、小径軸部７ｃと大径軸部７
ｄの間にテーパーカム部７ｅを有する錠止軸７
と、該錠止軸７と操作レバー側壁３ａとの間に挿
入され、錠止軸７を軸方向に摺動付勢するバネ部
材９と、他方の被緊締体１０に取付けられ、掛金
６の先端部６ｃが係脱する受金１１とから成り、
操作レバー３を回動させて、受金１１に掛金６を
係合させるとき、錠止軸７のテーパーカム部７ｅ
を前記受孔の開口端縁部４ａ，４ｂに衝接させて
錠止軸７を後退摺動させ、錠止軸の小径軸部７ｃ
が開口縁部４ａ，４ｂ間を通過した後、錠止軸７
の大径軸部７ｄが受孔４に嵌合するものである。

図示の実施例において両被緊締体１，１０を互
いに緊締するには、枢軸５を中心に操作レバー３
を引起し回転させ、また枢軸６ａ，６ｂを中心に
掛金６を回転させて掛金先端部６ｃを受金１１に
係合させる。そして、前記枢軸５にて操作レバー
３を倒伏回転させると、掛金６は先端部６ｃを中
心に回動し、その基端部枢軸６ａ，６ｂが本体２
の基板部２ａに接近する。

この倒伏回転の終端部で、錠止軸７のテーパー
カム部７ｅが受孔４の開口端縁部４ａ，４ｂに衝
接するため、錠止軸７はコイル状のバネ部材９の
付勢に抗して操作レバー側壁３ａ側に摺動する。
かくして、小径軸部７ｃが受孔４に対向する位置
まで摺動したとき、直径が開口縁部４ａ，４ｂ間
の距離より小さい小径軸部７ｃは開口縁部４ａ，
４ｂ間に進入する。

このとき、テーパーカム部７ｄは開口縁部４
ａ，４ｂに当接しながら下降し、大径軸部７ｄよ
り若干直径が大きい受孔４本体部分に到達したと
き錠止軸７はバネ部材９の付勢によつて操作レバ
ー側壁３ｂ側に前進摺動する。かくして、直径が
開口縁部４ａ，４ｂ間の距離より大きい大径軸部
７ｄが、受孔４に嵌挿されるため、操作レバー３
が本体２に係止される。

操作レバー側壁３ｂの外側に突き出た錠止軸端
部７ｂで構成された操作ボタン部を、バネ部材９
の付勢に抗して押し込むと、錠止軸７が後退摺動
し、小径軸部７ｃが開口縁部４ａ，４ｂ間を通過
し得る位置に来るので、前記係止は解除される。
これと並行して操作レバー３を引張り回転させる
と、掛金６と受金１１との締付仮錠を解除するこ
とができる。

以上のように構成された本考案の装置では、掛
金６の先端部６ｃが受金１１と係合したとき、操
作レバー３に装備された錠止軸７の大径軸部７ｄ
が、本体２に設けた受孔４に嵌合し、幅の狭い開
口縁部４ａ，４ｂによつて受孔４からの脱出を阻
止されるため、被緊締体１，１０の震動等に因つ
て操作レバー３を本体２より遠ざけようとする力
が働いても、操作レバー３の同方向への動きは制
止され、操作レバー３は当初の仮錠実施位置に拘
束される。

また、錠止軸７を軸方向に摺動付勢するバネ部
材９によつて、前記受孔４と錠止軸の大径軸部７
ｄとの嵌合状態が堅固に維持されるため、操作レ
バー３の前記拘束は的確である。

かくして、本考案によれば、掛金と受金間の締
付けが偶発的に解かれる恐れのない、信頼性に優
れた締付仮錠装置が容易に得られるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は締付
仮錠装置の分解斜視図、第２図は同装置の締付仮
錠実施状態の底面図、第３図は第２図のＡ−
A′線断面図、第４図は第３図のＢ−B′線要部断
面図である。第５図は操作レバーの倒伏回転途中
における第４図に対応した断面図である。 １……一方の被緊締体、２……本体、３……操
作レバー、４……受孔、５……枢軸、６……掛
金、７……錠止軸、９……バネ部材、１０……他
方の被緊締体、１１……受金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の被緊締体１に取付けられ、操作レバー３
   が接近する側の孔縁部４ａ，４ｂが開口した受孔
   ４を後端部に有する本体２と、基端部を枢軸５で
   本体２に連結された操作レバー３と、基端部を操
   作レバー３の中程に枢軸６ａ，６ｂで連結された
   掛金６と、両端部７ａ，７ｂを操作レバー側壁３
   ａ，３ｂの軸孔８ａ，８ｂに嵌挿され、小径軸部
   ７ｃと大径軸部７ｄの間にテーパーカム部７ｅを
   有する錠止軸７と、該錠止軸７と操作レバー側壁
   ３ａとの間に挿入され、錠止軸７を軸方向に摺動
   付勢するバネ部材９と、他方の被緊締体１０に取
   付けられ、掛金６の先端部６ｃが係脱する受金１
   １とから成り、操作レバー３を回動させて、受金
   １１に掛金６を係合させるとき、錠止軸７のテー
   パーカム部７ｅを前記受孔の開口端縁部４ａ，４
   ｂに衝接させて錠止軸７を後退摺動させ、錠止軸
   の小径軸部７ｃが開口縁部４ａ，４ｂ間を通過し
   た後錠止軸７の大径軸部７ｄが受孔４に嵌合する
   締付仮錠装置。