JPH0233323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は回転磁気シート装置に係り、特に電子
式スチルカメラ等の磁気記録装置若しくは再生装
置として用いられる回転磁気シート装置に関す
る。

〔考案の背景〕 最近、固体撮像素子や撮像管等の撮像装置と、
記録媒体として安価で比較的記憶容量の大きな磁
気シートを用いた記録装置とを組合せて被写体を
純電子的にスチル撮影して回転する磁気シートに
記録し、画像の再生は別段のテレビジヨンシステ
ムやプリンターなどで行なう電子式スチルカメラ
システムが開発され、大きく注目されている。

かかるシステムに用いられる磁気シートは通常
磁気シートパツクの形態で用いられる。磁気シー
トパツクはその内部に静止画像情報等を磁気記録
する磁気シートが回転可能に収納され、この磁気
シートパツクは電子カメラ内に組み込まれた回転
磁気シート装置に装着して使用される。

ところで、この種の回転磁気シート装置ではそ
の記録・再生に於いて信頼性の高いものとする為
には高速回転する磁気シートに安定して磁気ヘツ
ドを接触させなければならない。この為、従来磁
気シートを挾んで磁気ヘツドと対向する側に規整
板を設け、この規整板と磁気シートとの間のエア
流により磁気ヘツドに磁気シートを安定して接触
させるようにしている。しかしながら、この規整
板が傾斜していたり、規整板と磁気ヘツドとの間
の隙間が所定の寸法内になかつたり、若しくは規
整板が磁気ヘツドに対して所定の位置からズレて
いたりすると前記規整板の効果は期待できない。

この為、規整板は装置本体に対して微小移動可
能に取付けられ、位置決め手段を介して最適位置
に設定されるようになつている。ところが、規整
板が微小移動可能になつていると、記録・再生時
に外部から振動等を受けると規整板が振動し良好
な記録再生は困難である。これらの対策として規
整板を保持する規整板ホルダをばねを介して蓋体
に取り付け、そのばね圧で規整板ホルダを装置本
体の所定位置に位置決めし、密着させるような構
成が考えられる。このような構成においては規整
板ホルダと装置本体との位置決め精度を上げるた
めには位置決め手段のガタをなるべく小さくしな
ければならない。しかし、位置決め手段のガタを
小さくした場合規整板ホルダと装置本体との密着
性を保証するためにはばね圧を上げる必要があ
る。ところが、ばね圧を上げると規整板ホルダの
変形が発生し規整板とヘツドとの微妙な位置関係
がくずれるおそれがあるため規整板ホルダの剛性
をきわめて上げなければならず、そのため蓋体の
開閉力が増大する等の問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、装置本体に規整板を一体的に吸引固着し、磁
気ヘツドに対して所定の位置に精度良く位置決め
すると共に振動等を受けても規整板が振動するよ
うなことはない回転磁気シート装置を提案するこ
とを目的としている。

〔考案の概要〕

本考案は前記目的を達成する為に、回転駆動源
並びに磁気ヘツドが配置された装置本体と、装置
本体に開閉自在に支持された蓋体と、蓋体に微小
移動可能に設けられ蓋体の閉時に磁気ヘツドと対
向する位置に位置して磁気シートを磁気ヘツドに
沿わせる規整板と、本体若しくは規整板の少なく
とも一方に設けられ蓋体の閉時に規整板を本体に
吸引固着するマグネツトと、蓋体の閉時に規整板
を磁気ヘツドに対して所定位置に位置決めする位
置決め手段とからなることを特徴としている。

〔実施例〕

以下添付図面に従つて本考案に係る回転磁気シ
ート装置の好ましい実施例を詳説する。

第１図では電子カメラ等の磁気記録若しくは再
生装置に使用される磁気シートパツクの平面図が
示され、第２図は第１図上で−線に沿う断面
図である。第１図に示すように磁気シートパツク
１０は略方形状に構成され、その内部に静止画像
情報等が記録される磁気シート１２が回転自在に
収納されている。磁気シート１２の中央部には補
強部材としてのセンタコア１４が設けられてお
り、このセンタコア１４は磁気シートパツク１０
の円形状の開口部１６から外部に露出している。
磁気シートパツク１０には後述する規整板が位置
する窓部１８が開口し、この規整板用窓部１８は
スライド可能なシヤツター２０により開閉され
る。即ちシヤツター２０は磁気シートパツク１０
が後述するインナバケツトに挿入される前には窓
部１８を閉じて磁気シート１２に塵埃が付着する
のを防止し、磁気シートパツク１０がインナバケ
ツトに挿入されるとシヤツター２０は第１図上で
下方向に移動し規整板用窓部１８を開放させ、磁
気シート１２への記録再生が可能となる。磁気シ
ートパツク１０に於いてシヤツター２０の反対側
側端には係止用の凹部２２が形成され、、この凹
部２２はインナバケツトに挿入する際に磁気シー
トパツク１０の仮止めに用いられる。

第３図では本実施例が示され、、本実施例は回
転磁気シート装置の本体２４、インナバケツト２
６、上蓋２８から構成されている。先ず装置本体
２４の内部構造について説明すると、装置本体２
４内には磁気シート駆動用のモータ３０が配設さ
れ、このモータ３０の駆動軸３２は第１図に示す
磁気シートパツク１０のセンタコア１４の中心孔
１５に嵌入し、磁気シートパツク１０内で磁気シ
ート１２を所定回転数で回転させる。また第３図
に於いて３４は磁気ヘツドの送り用モータ、３６
はこのモータ３４の出力軸に連結されたリードス
クリユウ、３８はこのリードスクリユウ３６に螺
合すると共にガイドシヤフト４０によつて案内さ
れて移動されるヘツドキヤリツジ、４２はヘツド
キヤリツジ３８上に設けられた磁気ヘツドであ
る。従つてモータ３４が所定回転数ごとに回転さ
れると、ヘツドキヤリツジ３８はリードスクリユ
ウ３６の回転によつてガイドシヤフト４０の軸線
方向に所定ピツチごとに移動され、従つて磁気ヘ
ツド４２は磁気シート１２の半径方向（図上Ａ方
向）に移動し、磁気シート１２上に静止画像情報
を１トラツクごとに記録あるいは再生することが
できる。

装置本体２４の端部にはブラケツト４４，４４
が設けられこのブラケツト４４，４４にはピン４
６を介してインナバケツト２６と上蓋２８とが枢
支されている。上蓋２８は図に示すようにインナ
バケツト２６を収納可能な形状に構成されてい
る。本体２４と上蓋２８との間並びに上蓋２８と
インナバケツト２６との間には図示しないスプリ
ングが配設され、従つて上蓋２８を開放した状態
に於いてはインナバケツト２６は装置本体２４並
びに上蓋２８とから離れインナバケツト２６の磁
気シートパツク挿入口を開放する。

上蓋２８の裏面には、規整板ホルダ５０が微小
移動可能に取付けられる。即ち、規整板ホルダ５
０には取付孔５０Ａ，５０Ａ，５０Ａが形成さ
れ、この取付孔５０Ａ，５０Ａ，５０Ａには上蓋
２８の下面に植立された３本のピン５１，５１，
５１が位置して規整板ホルダ５０を微小移動可能
に支持している。即ちピン５１には第４図に示す
ように規整板ホルダ５０を挾んで上下にフランジ
５１Ａ，５１Ａが形成され、規整板ホルダ５０は
このフランジ５１Ａ，５１Ａ間で第４図上で上下
方向に微小移動でき、また、ピン５１と取付孔５
０Ａとの間のクリアランスによりピン５１の半径
方向に微小移動できる。規整板ホルダ５０は第３
図に示すように本体２４の略全幅に相当する長さ
を有し、更に規整板ホルダ５０には上蓋２８の閉
時に磁気ヘツド４２と対向する位置に規整板５２
が設けられている。規整板５２は、磁気ヘツド４
２の移動方向に溝５４が形成されている。また規
整板ホルダ５０には、規整板５２に近接してPG
センサ５６が設けられ、このPGセンサ５６は駆
動軸３２によつて回転させられる磁気シート１２
の回転位相を検出する。一方、本体２４の第３図
上で右側壁５８にはボール６０が植設され、左側
壁６２にはボール６４が植設されている。ボール
６０，６４は規整板５２の位置決め用ボールで、
上蓋２８の閉時に規整板ホルダ５０のテーパ孔６
６、テーパ溝６８に嵌入して規整板５２を磁気ヘ
ツド４２の移動方向に対して所定の位置に位置決
めする。尚、テーパ溝６８は位置決め時規整板ホ
ルダ６０に逃げを与える為に溝状に形成したもの
である。

本体２４の右側壁５８にはボール６０の両側に
マグネツト７０，７０が設けられ、左側壁６２に
はボール６４に近接してマグネツト７２が設けら
れる。一方規整板ホルダ５０には、テーパ孔６６
の両側にマグネツト７０，７０に対応して磁性体
７４，７４が設けられ、、テーパ溝６８に近接し
てマグネツト７２に対応して磁性体７６が設けら
れる。

前記の如く構成された本考案に係る回転磁気シ
ート装置の実施例の作用は次の通りである。先
ず、磁気シートパツクをローデイングするには第
３図に示す上蓋２８の開状態で磁気シートパツク
１０をインナバケツト２６内に挿入すると、磁気
シートパツク１０は図示しない係止爪が凹部２２
に嵌入してインナバケツト２６内で仮止めされ
る。。次に、この状態で上蓋２８を本体２４に向
けて押し下げていくと、センタコア１４が駆動軸
３２に装着され、磁気シート１２は駆動軸３２に
よつて回転可能な状態となる。上蓋２８を閉じる
と、規整板ホルダ５０のテーパ孔６６、テーパ溝
６８にはボール６０，６４が嵌入し、規整板６２
を所定の位置に位置決めする。この場合、規整板
ホルダ６０は上蓋２８に微小移動可能に支持され
ているので、ボール６０，６４に案内されて所定
の位置に移動することができる。また、規整板ホ
ルダ５０は、第５図にその一部を示すように本体
２４側のマグネツト７０，７０，７２により吸着
されているので、外部から振動等が回転磁気シー
ト装置に加わつても、規整板ホルダ５０が振動す
るようなことはなく、規整板５２は磁気ヘツド４
２に対して正確に位置決めすることができる。

前記実施例では装置本体２４にマグネツト７
０，７０，７２を設け、規整板ホルダ５０に磁性
体７４，７４，７６を設けたのであるが、装置本
体２４に磁性体を設け、規整板ホルダにマグネツ
トを設けてもよいし、両者にマグネツトを取付け
て吸引固着するようにしてもよい。また、本体側
のマグネツトと規整板ホルダ側のマグネツトとを
若干位置をずらして配置すれば、側方にも吸引力
が働いて規整板ホルダは片寄せされ、位置決め時
によりガタ等が生じなくなる。

前記実施例では規整板ホルダ５０と規整板６２
とを別体に形成し、しかる後両者を固着したので
あるが、当初から規整板ホルダ６０と規整板６２
とを一体に形成してもよい。

前記実施例では位置決め手段を位置決め用ボー
ルと、テーパ孔並びにテーパ溝とで構成したので
あるが、位置決め用ピンと位置決め用孔とで位置
決め手段を構成してもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る回転磁気シー
ト装置によれば、マグネツトにより規整板を装置
本体側に吸引固着するので外部から回転磁気シー
ト装置に振動等が加わつても規整板は振動するこ
とがなく、磁気シートを安定して磁気ヘツドに摺
接させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例で用いられる磁気シートパツ
クの平面図、第２図は第１図で−線に沿う磁
気シートパツクの断面図、第３図は本実施例の全
体構造を示す斜視図、第４図は規整板ホルダの取
付構造を示す部分断面図、第５図は規整板の位置
決め手段の構造を示す部分断面図である。 １０……磁気シートパツク、１２……磁気シー
ト、１４……センタコア、２４……回転磁気シー
ト装置の本体、２６……インナバケツト、２８…
…上蓋、３２……駆動軸、４２……磁気ヘツド、
５０……規整板ホルダ、５２……規整板、６０，
６４……ボール、６６……テーパ孔、６８……テ
ーパ溝、７０，７２……マグネツト、７４，７６
……磁性体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 回転駆動源並びに磁気ヘツドが配置された装
   置本体と、装置本体に開閉自在に支持された蓋
   体と、蓋体に微小移動可能に支持され蓋体の閉
   時に磁気ヘツドと対向する位置に位置して磁気
   シートを磁気ヘツドに沿わせる規整板と、装置
   本体若しくは規整板の少なくとも一方に設けら
   れ蓋体の閉時に規整板を装置本体に吸引固着す
   るマグネツトと、蓋体の閉時に規整板を磁気ヘ
   ツドに対して所定位置に位置決めする位置決め
   手段とを有してなる回転磁気シート装置。 (2) 前記位置決め手段は、装置本体若しくは規整
   板の一方に設けられた少なくとも２個の位置決
   めボールと、他方にボールが嵌入可能に形成さ
   れたテーパ孔並びにテーパ溝とから構成されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項の回転磁気シート装置。