JPH0233254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は現像装置に関し、より詳細には粉体状
の乾式トナーを用いて現像を行なう乾式現像装置
に適用しうる現像装置に関するものである。

（従来技術） 電子写真装置その他の画像形成装置において、
従来、乾式トナーによる現像装置が知られてい
る。そして、上記従来の現像装置の構成として、
例えば、第１図に示す如きものがある。

図において、符号１はケースを示し、このケー
ス内には軸２を中心に回転する板状のトナー送り
部材３が設けられている。トナー送り部材３は、
矢印方向に回転して、図示を省略したトナーホツ
パーから落下供給されるトナーを、磁石４を内装
した非磁性の現像スリーブ５側にケース１の内壁
にそつて送り出すようになつている。

こうして、現像スリーブ５に向けて送り出され
たトナーＴは磁石４の磁気的吸引力により現像ス
リーブ５の周面に吸着され、さらにドクター部材
６によりトナーの量が適宜に規制されて該スリー
ブと共に回動し、所定の現像部にて感光体の潜像
担持面に転移されて顕像形成に供される。すなわ
ち現像スリーブ５の接線方向に配置されるドクタ
ー部材６がトナー送り部材３と現像スリーブ５の
間にあり、このドクター部材６と現像スリーブ５
の当接部がトナー送り部材先端による回転軌跡と
現像スリーブ５の外周及びケース１で囲まれる空
間内に位置していて、現像スリーブ５の周面に吸
着されたトナーを現像スリーブ５の回転に応じて
感光体の被現像部に供与して潜像を可視化する訳
である。

本例においては、現像スリーブ５の回転方向と
同一方向に磁石４も又同一方向に回転される様に
なつている。

かかる構成において、従来、トナー送り部材３
の先端による回転軌跡３ａと、現像スリーブ５の
外周が共に円軌跡となるためどうしてもこれらの
部分と、ケース１の内壁の３者で囲まれた三角状
の空間が残り、この空間にトナーＴが図示の如く
山状に堆積してしまい、ドクター部材６と現像ス
リーブ５との当接部へのトナーＴの送り出しを阻
害する現象がみられる。

主としてトナーの流動性不良に起因する上記現
象は、磁石４の磁力を強力にし、且つトナー中に
も磁性体を多く含ませなければ解消されず、その
他、トナーホツパーに予め多量にトナーを入れて
おき山状に堆積された所謂デツドトナーの分を補
填しなければならない。しかし、トナーを多量に
ホツパーに入れてトナー送り部材３を回転すると
負荷の増大を招き、或いは狭いところへパツキン
グされたりすることによりトナー自体へのストレ
スが増大して凝集トナーが発生しドクター部材６
でのつまり等の副次的弊害を生ずるに至る。

特に、色トナーの場合には黒トナー程、トナー
中の磁性材の比率が高くないのでこのような所
謂、パツキング現象を招来しやすい傾向がある。

このようなパツキング現象が生ずることは、結
局現像に供されないトナーが滞留してトナーの有
効利用が図れない点と、上記した如く現像スリー
ブ５へのトナーの供給が滞るという２つの意味で
の不具合となつてあらわれる。

（目的） 従つて、本考案の目的は上記トナーのパツキン
グ現象を自動的に解消することのできる簡易にし
て有効な手段を提供することにある。

本考案の上記目的に従つて、パツキング現象が
生じ得る部位にて振動する振動板を具備した現像
装置が提供される。

（構成） 本考案の構成を、以下、一実施例に基づいて説
明する。

第２図において、振動板１０は紙面を貫く方向
に長さを有する帯状の薄板であつて、例えば厚さ
0.1mmのポリエステルフイルムが用いられ、一端
側が従来、トナーが堆積される部位に相当するケ
ース１の内壁に両面テープその他適宜の接着剤１
１により取付けられている。振動板１０の自由端
側は現像スリーブ５の中心に向けられている。そ
して、該振動板１０の自由端の下面側には、紙面
を貫く方向に長さを有する厚さ0.1mm程度の磁性
板１２が接着などにより取付けられている。

而して、現像装置の運転に際して交番磁界発生
手段たる磁石４が回転されれば、片持ち支持され
た該振動板１０は磁石の回転により発生する交番
磁界の作用で矢印ａに示す向きに自動的に振動さ
れることになる。

この振動により、堆積されかけたトナーＴは、
ほぐされ、トナーの堆積現象、パツキング現象は
回避される。

ちなみに、従来100gのデツドトナーが生じて
いたのを上記の実施例により30gに減少させるこ
とができた。

なお、現像スリーブ５に磁性板１２が干渉して
該スリーブ周面を傷つけることが懸念される場合
には、第３図に符号ｄで示す寸法分、振動板１０
の自由端より僅かに引込めた位置に磁性板１２を
取付ける。

なお、第２図において、符号１３は支点０を中
心として開閉自在の蓋を示し、該現像装置が画像
形成装置に装着されたときに、矢印方向に開かれ
て、感光体１５と現像スリーブ５とが所定の現像
部にて接触状態を採り得るように配慮されてい
る。又、トナー送り部材３の上方部にはトナーを
収容したトナーホツパーが設けられ、トナーを落
下させて供給する様になつているが本考案の要旨
と直接関係ないので図示を省略してある。

（効果） 本考案では、現像スリーブに内装された交番磁
界発生手段による交番磁界の作用で振動する振動
板を設けて、トナー送り部材と現像スリーブとの
間に堆積されるであろうトナーの山を振動で事前
にほぐす様にしたので、トナーにストレスを与え
ずに現像スリーブへのトナーの補給性を向上させ
得、且つ、デツドトナーが生じないので早期のト
ナー切れによる異常画像の発生も防止することが
でき、好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術を説明した現像装置の概略断
面図、第２図は本考案の一実施例を説明した現像
装置の概略断面図、第３図は振動板の自由端側の
拡大断面図である。 １……ケース、３ａ……トナー送り部材の先端
による回転軌跡、５……現像スリーブ、１０……
振動板、１２……磁性板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース内にて回転するトナー送り部材と、内部
   に交番磁界発生手段を有していて、トナー送り部
   材によりケース内壁にそつて送り出されたトナー
   を周面に吸着する現像スリーブを有するととも
   に、現像スリーブの接線方向に配置されるドクタ
   ー部材がトナー送り部材と現像スリーブの間にあ
   り、ドクター部材と現像スリーブの当接部がトナ
   ー送り部材先端による回転軌跡と現像スリーブの
   外周及びケースで囲まれる空間内に位置してい
   て、現像スリーブの周面に吸着されたトナーを現
   像スリーブの回転に応じて感光体の被現像部に供
   与するようにした現像装置において、 トナー送り部材の先端による回転軌跡と、現像
   スリーブの外周と、ケースの内壁で囲まれる空間
   内にて現像スリーブの軸方向に長さを合わせて設
   けられた帯状の薄板であつて、一端がケース内壁
   に固着され、自由端が現像スリーブ中心に向けら
   れていてその先端近傍に設けられた磁性板が交番
   磁界発生手段により振動させられる振動板を有す
   ることを特徴とする現像装置。