JPH0231690A - 遺伝子組換えで造成されるプラスミドによるグルタチオンの製造法 - Google Patents

遺伝子組換えで造成されるプラスミドによるグルタチオンの製造法

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JPH0231690A
JPH0231690A JP1032584A JP3258489A JPH0231690A JP H0231690 A JPH0231690 A JP H0231690A JP 1032584 A JP1032584 A JP 1032584A JP 3258489 A JP3258489 A JP 3258489A JP H0231690 A JPH0231690 A JP H0231690A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、グルタチオン生合成酵素の遺伝子をエツシエ
リヒア・コリー(E、 Co11 )系ベクターに組込
んだ組換えプラスミドによるグルタチオンの改良された
製造法に関する。グルタチオンは、グルタミン酸、シス
ティン、グリシンよりなるトリペプチドであり広汎な肝
疾患の治療薬として、また試薬として頻用される重要な
化合物である。
従来、かかるグルタチオンは、有機合成あるいは微生物
(特に酵母)菌体から抽出する方法で製造されているが
、前者は、反応工程の長さとその複雑さにおいて、また
後者は煩雑な操作と菌体内低含量のために必ずしも有利
な方法とは言えず、より効率の優れた生産方法の開発が
望まれている。
かかる現状に鑑み、本発明者らは、生化学的手法と遺伝
子組換え技術を組み合せることにより、大腸菌を形質転
換してグルタチオン合成活性を与え、この大腸菌を培養
することにより、グルタチオンを高い生産性で製造する
ことに成功した。グルタチオン(以下GSHと略称する
)は、アデノシン−5′−三リン酸(以下ATPと略称
する)を反応に要する2種の酵素γ−グルタミル−し一
システィン合成酵素(以下GSH−1と略称する)とグ
ルタチオン合成酵素(以下GSH−■と略称する)によ
って触媒され、グルタミン酸、システィンおよびグリシ
ンより生合成される。すでに、本発明者らは遺伝子組み
換えによって、第一の酵素GSH−1活性か増強された
大腸菌を育種し、この菌株がG S H生産菌株として
優れていることを明らかにした(特願昭56−120’
546)。本発明者らは、更に本菌株の改良について鋭
意研究の結果、GSH生合成に関与する第二の酵素GS
H■の遺伝子(以下gsh−IIと略称する)のクロー
ニングに成功し、GSH−■活性の増強された大腸菌株
を取得した。本発明は、このGSH■活性の増強された
組換えプラスミド又はG S H−I、GSH−IIの
両酵素活性が増強された組換えプラスミドを用いるグル
タチオンの酵素的生産法に関する。
以下、本発明をG S H−n遺伝子のクローニングお
よびGSH−1,■両酵素活性を増強する遺伝子のクロ
ーニング、更にそれ等によるグルタチオンの製造法の順
に説明する。なお本発明で使用するベクターは、E、C
o11系のコピー数が比較的多いベクタープラスミド、
あるいはファージ等であれば特に限定されるものでない
が、pBR322およびpBR325のプラスミドを使
用した場合について説明する。
GSH−IIn遺伝子クローニング 本発明において、GSH−II遺伝転子shIIをクロ
ーニングするために適用される方法は、まず宿主大腸菌
としてエツシエリヒア・コリーB (E。
coli B (ATCC23226) )株を使用し
、これよリアグリカルチュラル アンド バイオロジカ
ル ケミストリー(Agric、  Biol、Che
m、)。
45 (g)2131  (1981)の方法に従い変
異誘導したGH3−1欠損株C912の復帰変異株RC
912を得た後、通常の方法、例えばフェノール法〔バ
イオケミ力 エト バイオフイジクアクタ(Bioch
im、 Biophys、 Acta ) 、72+6
19629(1963) )によって染色体DNAを抽
出し、適当な制限酵素、例えばHindll+で染色体
DNAを断片化する。他方、染色体DNAの断片化に用
いたのと同じ制限酵素で、ベクターpBR322を切断
し、更にサイエンス(S cience) 。
196.1313−1319 (1977)の方法に準
じてアルカリフォスファターゼで処理する。
こうして得られるpBR322処理物を先に調整した染
色体DNA処理物と混合した後、75℃、5分間の処理
でアニーリングし、T4DNAリガーゼで組み換え体D
NAを調製する。この過程において、使用すに制限酵素
の種類に制限はない。
またアルカリフォスファターゼ処理は必須としない。こ
うして調製した組み換え体DNAの中より目的とするG
SH−IIの遺伝子gsh11選択するため、全組み換
え体DNAを、E、  coli Bより変異誘導した
GSH−n活性欠)員株C100Iのカルシウムイオン
処理によって(モレキュラージエネラルジエネテイクス
(Molec、  g en、 Genet、)、12
4.1−10 (1973))コンピテント化した菌体
に導入する。かくして得られるDNA1人株中より、目
的の遺伝子gsh−nを持つ株を選択するため、テトラ
メチルチウラムダイサルファイド(以下T’ M T 
Dと略称する)80/’g/mj!およびアンピシリン
(以下Amと略称する)5μg/mβ又はテトラサイク
リン(以下Tcと略す)5μg/ml!を含む最小寒天
培地CKH2PO40,3%、KzHPO40,7%、
   M g S Oa  ・7H200,01%、(
N Ha)t S O40,1%、グルコース0.5%
、寒天1.5%〕 (以下DM培地と略称する。)に塗
布し、37°Cで10〜40時間培養する。かくして生
じる大きなコロニーを選択することによって、目的の遺
伝子gshrlを持つ株を容易に取得できる。この株の
持つ組み換え体DNAをpBR322−gshllと称
する。この組み換え体DNAを保持する菌株を、L−培
地〔酵母エキス0.5%、グルコース0.1%、NaC
,10,5%、ペプトン1.0%(pH7,2))にて
対数増殖期後期まで生育させた後、150μg / m
 1となるようにクロラムフェニコール(以下Cmと略
称する)を添加して、16時間培養を続は菌体内の組み
換え体DNAの量を増大させる。この菌体を集菌後、常
法通りにュークレイツク アシッド リサーチ(Nuc
leic  Ac1d  Res、)、  7 。
1513−1517 (1979) )密度勾配遠心に
よってpBR322−gshI[を大量に調製する。か
くして得られた、組み喚え体DNA:pBR322−g
shlIの分子量は4.2メガダルトン(Md)であり
、その構造はpBR322のHind■部位に1.6 
M dのPO912株由来の染色体DNA断片が導入さ
れたものである(第1図(イ))。
またpstIでPO912の染色体DNAを処理するこ
とによって、第1図(ロ)のような組み換え体も得られ
る。この組換え体DNA:pBR322−gshIIを
E、colt由来の種々の変異株、例えばPO912、
C600に導入することによって、GSH−U活性が特
異性に増強された菌株を得ることができる。
GSH−1,If両酵素活  強゛伝 のクローニング 次の、GSH−■およびGSH−rの画情性を同時に増
強した菌株の造成は一以下の2通りの方法で行なうこと
ができる。第一の方法は、E。
coli由来の変異株にpBR322−gshUとpB
R322−gshIを共存させる方法である。ここで用
いられるpBR322−g5 h Iは、特願昭56−
120546に記載したとおり、PO912由来の染色
体DNAを制限酵素PstIで処理して取得される組み
換え体DNA :ρBR322−gshl  (分子f
f14.7Mdで2. I M dに相当するPO91
2染色体DNA断片を、pBR322のPstlの部位
に挿入した構造を有する(第2図参照))が用いられる
2種の組み換え体DNAは、先述した方法でコンピテン
ト化したE、coli由来の変異株に導入されるが、そ
の導入の順序は問わず、場合によっては、pBR322
−gshlとpBR322−gshUを混合して同時に
導入してもよい。これらバイブリドプラスミド導入株の
選択は前述したTMTDに対する耐性、あるいはアンピ
シリン(以下Amと略称する)およびテトラサイクリン
(以下Tcと略称する)に対する感受性を指標にして行
なうことができる。例えばE、coliBより変異誘導
された株C912(GSH−1活性欠損株)にpBR3
22−gshlの導入された株の選択は、Tcを20μ
m / m 1含むし一培地に生育する菌として容易に
行なえる。またC912株にpBR322−gsh[[
(第1図(イ)のプラスミド)を導入した株は、Amを
20μgameを含むし一培地に生育する菌として選択
できる。
L−培地の代りに先述した0M培地を用いる場合には、
10〜20 tt g/mA’のTMTDに耐性の菌と
して選択することが可能である。またpBR322gs
hl、pBR322−gsh[Iの両方を導入した株は
、Amを20μg / m 1およびTcを20μg 
/ m I!含むし一培地に生育する菌として容易に選
択できる。
かく七で同一菌体内に2種の組換え体DNA :pBR
322−gshlとpBR322−gshUと合わせ持
ち、GSH−1およびGSH−11活性が同時に増強さ
れた菌株を得ることができる。
GSH−1とGSH−IIの両舌性を高める第2の方法
は、G S H−1ととGSH−4の両道転子を同一の
ベクターに連結して、E、coli由来の株に導入する
方法である。その方法としては、先ずpBR322−g
 s h IをPstlで処理して遊離するRC912
由来のDNA断片を争乱する。この断片の単離には、p
BR322−gshlのPstI処理物をアガロースゲ
ル電気泳動にかけて分離後、ゲルより抽出することによ
って容易に行なえるメソド イン エンティモロジー(
Methods in Enzymology ) 、
  68. 176182  (1979)参照」。単
離されたDNA断片をPstlで処理したpBR322
−gshI[(第1図(イ)のプラスミド)と混合する
。この混合物をT4DNAリガーゼで処理後カルシウム
処理でコンピテント化したE、coliB由来の株、例
えば0912株に導入する。目的とするgshlとgs
hIIの遺伝子を含む組み換え体DNA、(これをpB
R322gshl・IIと称する)を保持する菌株の選
択は、形質転換走査後のC912株をTMTD 10 
p g/m lを含むDM−寒天培地に生育可能な菌体
として容易に行なえる(第3図参照)。かくしてベクタ
ーpBR322上に、GSH−1,GSH−IIの両道
転子gshlとgshllを持つ組み換え体DNA :
pBR322−gshl ・nが得られ、コノ組み換え
体DNAをE、colt由来の株に導入することにより
、GSH−1,GSH−n活性を同時に増強せしめた菌
株を取得できる。GSH−1とGSH−n活性を同時に
増強するもう一つの方法としては、ベクターpBR32
2の代りにpBR325を使うこともできる。pBR3
25上にGSH−1,GSH−nの2つの遺伝子gsh
lとgshUを組み込む方法は、基本低には上述したp
BR322の場合とは同じである。その手j頃は第4図
に示すように、pBR322−gshlよりPstl処
理でgshlを含むDNA断片を取り出す。また同様に
pBR322−g s hIIを)1 i nd[[処
理してgshI[を含むDNA断片をとり出す。この2
種のDNA断片を、pBR325のPst1部位および
HimdI[[部位に挿入し、pI3R325上にgs
hlとgshIlをもつ組み換え体DNA:pBR32
5−gshl・■を調製する。この場合pBR325は
Cm耐性の遺伝子を持っているので、形質転換株の選択
が非常に容易となる。pBR325−g s h I・
■をE。
coli由来の種々の菌株に導入することによってG 
S H−1とGSH−■の活性が同時に増強された、菌
体を得ることができる。
グルタチオンCD ’18 iI かくして得られるGSH−11,GSH−1およびGS
H−■の活性が増強された大腸菌を用いるGSHの生産
は、以下のように行なうことができる。GSH−1ある
いはG S H−1とG S H−IIの両・活性が増
強された菌株を、炭素源、窒素源無機塩などを含む栄養
培地、あるいは最少培地(DM培地など)に接種し振盪
培養する。酸素源としては、クルコース、フラクトース
、グリセロール、シュークロースなど、また窒素源とし
ては、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アン
モニウム、 (尿素)などの無機態窒素の他、酵母エキ
ス、ペプトン、肉エキスなどの有機体窒素を使用できる
。また微量金属元素として、塩化マグネシウム、塩化マ
ンガンなどの添加も効果的である。用いる炭素源の濃度
は0.1〜5%、好適には0.5%、窒素源の濃度は0
.05〜5%、好適には0、5%、また微量金属元素は
、0.005%程度添加するのが好ましい。培養温度は
20〜40℃、好適には37℃、また培養pHは6〜8
、好適には7が好ましい。かくして培養終了液より菌体
を集めて、−度0.85%の生理的食塩水で洗浄液、水
懸濁液として、これを100℃の沸とう水中で1〜10
分、好適には1分処理することにより大腸菌菌体内のG
SHを抽出できる。また、上記培養後の菌体を集菌した
後、該菌体を以下に述べるような処理をし、これをグル
タミン酸、システィン。
グリシン、マグネシウムイオン、ATP、そして好まし
くは適当なATP再生系存在下に反応せしめることによ
り、GSHを製造することができる。
このような菌体処理物としては、菌体の有機溶媒処理物
、界面活性剤処理物、菌体の音波破砕物、音波処理後に
遠心で得られる無細胞抽出液、あるいは適当な担体に固
定した菌体、あるいは酵素が挙げられる。この場合、利
用できる有機溶媒としては、アセトン、トルエン、エー
テルなど、界面活性剤としては、トリトンX100. 
 ドデシル硫酸、セチニトリメチルアンモニウムブロミ
ドなどが利用される。また、菌体あるいは酵素の固定化
にはポリアクリルアミドゲル、カラギーナンゲル、アル
ギン酸ゲル、光硬化樹脂などの他DEAE−セルロース
、DE八へ−セファデックス等も担体として用いること
ができる。またかかる反応に利用されるATP再生系と
しては、大腸菌のもつアセテートキナーゼ反応、カルバ
メートキナーゼ反応あるいは微生物の解糖系が好適であ
る。G S H生成反応は酵素含有物を10〜100m
Mのグルタミン酸(好適には80mM) 、5〜40m
Mのシスティン(好適には20mM)、5〜50mMの
グリシン(好適には20m)、1〜30mMのマグネシ
ウムイオン(好適には10mM)、1〜20mMのAT
P (好適には10mM)を含む反応液で、20℃〜4
0℃(好適には37℃)また反応pHは6〜9(好適に
は7.5)で数時間接触させることによって行える0不
反応系において、アセテートキナーゼ反応をATP再生
系として用いる場合には、アセチルリン酸5〜40mM
(好適には20mM)を添加すればよい。大腸菌は強い
アセテートキナーゼ活性をもっているので、アセテート
キナーゼ源を添加する必要はない。
上記に様にして、抽出あるいは反応液中に生成したGS
Hは、通常のイオン交換樹脂のカラムで容易に単離され
る。まず抽出液あるいは反応液のpHを硫酸で3.0に
合わせた後、これをカチオン交換樹脂、例えばダイアイ
オンPK−228H’に導通し、0.5 Mの水酸化ア
ンモニウムで)容出する、溶出液のI) Hを硫酸で4
.5に合わせた後、アニオン交換樹脂、例えばデオライ
トA2 (CH,IC0O−型)に導通する。吸着した
GSHを0.5M硫酸で溶出後、エタノールを50%に
なるように添加することによって結晶GSHを単離取得
できる。
以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
なお、pBR322−gshll、pBR322−gs
hlおよびp I3 R322−g s h IIの両
方、pBR322gshr、IrおよびpI3R325
−gshl、I[の各々をRC912に移入した株は、
工業技術院微生物工業技術研究所に各々受託番号 微工
研条寄第336号(FERM  BP−336、微工研
菌寄第6731号(FERM  P−6731)より移
管)、微工研菌寄第6732号(FERM  P−67
32)同第6733号(FERM  P−6733)お
よび徽工研条寄第337号(FERM  BP−337
,微工研菌寄第6734号(FERM  P−6734
)より移りとして寄託された。
実施例1  (pBR322−gshnの調製およびそ
れを保持する菌株) エツジエリビア・コリーB(E、coli  B(AT
CC23226))より変異誘導された変異株RC91
2をL−培地で対数増殖期まで生育させた後集菌し、生
理的食塩水(0,85%)で1回洗浄する。かくして得
られる菌体1g(湿重量)よりフェノール法(Bioc
he+、Biophys、  Acta、72゜619
−629 (1963))で染色体DNAを抽出し、約
1.6 m gのDNAを得た。この染色体DNA 1
 /J gをHindI[[で37℃、30分間処理し
て断片化し、別に)iindl[[で2時間処理後、U
llrichらの方法(Sciencel 96. 1
313−1319 (1977)でアルカリフォスファ
ターゼ処理した1、ugのベクタープラスミドpBR3
22と混合し、T4DNAリガーゼで10℃16時間処
理し、組み換え体DNAを3IR製する。
目的の組み換え体DNA:pBR322:gsh■を選
択するため得られた全組み換え体をE。
coli  Bより変異誘導されたGSH−II欠…株
C100Iのコンピテントな菌体に導入し、pBR32
2gshIIをもつ菌株を選択するため、TMTD80
.czg/mlを含むDM培地に塗布する。37℃で4
0時間培養後、生じた大きなコロニーを釣国することに
よってGSH−IIの遺伝子gshIIを持つ組み換え
体DNA:pBR322−GshI[を含む菌株を得た
。該菌体よりpBR322−gShnを密度勾配遠心に
より大量調製した。得られた組み換え体DNAの制限構
造は第1図(イ)の通りであった。
分子量は4.2 M dでヘクターpBR322のHi
ndI[1部位に1.6 M dのRC912由来のD
NA断片が組み込まれている。本実施例においてHi 
n d mの代りにPstlを用いることによって同様
な組み換え体DNAを得ることができる「第1図(ロ)
」。この場合の組み換え体DNAの分子量は8.0 M
 dでpBR322のPst1部位にRC912由来の
5.4 M dに相当するDNA断片が組み込まれてい
る。かくして得られたpBR322−gshII(第1
図(イ))をE、co目 B由来の種々の変異株に導入
した。異変株への導入は、先術のカルシウム処理法(M
olec、gen、Genet、 +124.1−10
 (1973)] によって菌体をコンピテント化して
行ない、形質転換株の選択は20μg / m lのア
ンピシリンを含むし一培地、又は10 /j g/m1
〜80.17 g/mj2のTMT Dを含むDM培地
で、各薬剤の耐性株として行なうことが出来る。かくし
て得られる形質転換株のもつGSH−1およびGSH−
II活性を表1に示した。なお、各酵素活性は、DM培
地で対数増殖期の菌体より調製した菌体抽出液を用いて
行なった。
また酵素活性はジャーナル オブ ジェネラルマイクロ
バイオロジー(J、 G e n、 Microbio
l)128.1047〜1052 (1982)に記載
の測定法に従った。
表1 組み換えDNA : pBR322gShnを保
持する菌株のGSH−1およびGS)!−■酵素活性 菌 株       (μmole/’/mg−蛋白)
GSH−I  GSH−■ c912    0  (−)  0.60 (1,0
)C912/BR322−shII O() 22.0
 (36,7)C100I    ’0.06 (1,
0) 0  (−)C100I/ BR322−5hl
r 0.05 (1,0) 20.2 (−)RC91
20,06(1,0) O,’57 (1,0)中のグ
ルタチオンを抽出する。かくして得られたグルタチオン
量は表2に示す通りであった。
表2&lみ換え体DNA : pBR322−gsh 
nを保持C912/  BR322−5hII 100I C100I/ BR322−gstIll、2 C912 0,7 RC912/  BR322−shI[1,4 実施例2 実施例1の表1記載の菌株を500mlのDM培地に接
種し、37℃で3時間振盪培養する。かくして得られる
対数増殖期の菌体を集め、0.85%の生理的食塩水で
1回洗浄する。この菌体を再度水に懸濁し50mβ/m
lの溶液とする。この懸濁液0.5 m lを100℃
で1分間加熱し、菌体定量法:アナリテイカル バイオ
ケミストリー(AnaIl、 Biochem、) 2
7.502−522(1969)実施例3 (p BR
322−g s h Iおよびp B R322g5h
nを合せ持つ菌株) 実施例1の表1記載の菌株C912/ p B R32
2g5h11.C100I/pBR322−gShnお
よびRC912/pBR322−gShnを各々カルシ
ウムイオン処理でコンピテント化した後、組み換え体D
NA:pBR322−gshlを導入、同−菌株中にp
BR322−gshlとpBR322−gshI[の両
者を保持する形質転換株を造成した。これら形質転換株
のGSH−I、GSH−n活性および菌体内のグルタチ
オン含量は表3に示す通りであった。
実施例4 (pBR322−1,Hの調製およびそれを
保持する菌株) pBR322gshl  50 8gを、P s t 
Iで処理した後、アガロースゲル電気泳動によって生じ
たDNA断片を分離する。小断片を含むゲルを切り出し
、これを透析チューブに入れて再び電気泳動にかけ、ゲ
ル中に存在するDNA断片をゲル外へ出す。かくして約
5μgのgshlを含むDNA断片を得た。
次に、pBR322−gshTI  1ggをPstl
で処理した後、上記調製したgshlを含むDNA断片
1ggを加え、T、DNAリガーゼで処理する。
かくしてpBR322上に、gshlとgshllの両
道転子を合せ持つ組み換え体DNA:pBR322−g
shl ・■が得られる。このpBR322−gshl
・■をE、coliB由来の菌株にカルシウム処理で導
入する。形質転換株は20μg/mj+のTMTDを含
む0M培地上に生育する大コロニーを釣菌することによ
って容易に選択できる。かくして得られる性質転換株の
もつGSH−I、GSH−n活性およびGSH含量は下
表の通りであった。
実施例5  (pBR325−gshl・I[の調製お
よびそれを保持する菌株) pBR322−gshl  508gをPstlで処理
し、実施例4と同様にgshlを含むDNA断片4μg
を取得した。他方ベクターpBR325をPstlで処
理し、この1μgにgshlを含むDNA断片lμgを
加えてT、DNAリガーゼで処理する。目的とする組み
換えDNA:pBR325−gshlを取得するためリ
ガーゼ処理物で0912株を形質転換し、pBR325
−gshlを保持する菌株を20μg / m 1のT
MTI)と5μg / m 1のテトラサイクリンを含
むDM培地上に生育するコロニーとして取得した。次い
でこの菌株より密度勾配遠心でpBR325−g s 
h rを大till製する。この組み換え体DNA:p
nR325−gshlにgshllに組み込ませるため
、まずpBR322−gshll(50μg)をH4n
ddlIIで処理し、実施例4同様に、その断片を電気
泳動で分離し、gshIIを含むDNA断片約7μgを
得た。このDNA断片lμgをHindllrで処理し
たpBR325−gshl 1μgと混合し、T4DN
Aリガーゼで処理する。かくして、pBR325上にg
shIとgshUの両道転子を合せ持つ組み換え体DN
A:pBR325gshl・■をin  vitroで
合成できる。これをE。
coli  B 由来の種々の株にカルシウム処理法で
導入する。形質転換株の選択は、80μg / m 1
のTMTDと2μg / m 1のクロランフェニコー
ルを含むDM培地上で大コロニーを釣菌することによっ
て行なうことができる。かくして造成したpBR325
−g S h I・■を含む菌株のもつGSH−1,G
SH−II活性およびGSH含量は下表の通りであった
実施例6 実施例2表2記載の株RC912/pBR322−gs
hII、実施例3表3記載の株RC912/pBR32
2−1; s h I、−g s h [1,実施例4
表4記載の株RC912/pBR322−g s h 
I・■、および実施例5表5記載の株RC912/pB
R325−gshT・nを実施例2と同様に、0M培地
にて培養する。対数増殖期の菌体を集菌後、0.85%
の生理的食塩水で1回洗浄後、5mMトリス塩酸緩衝液
pH7,5)に懸濁し、90KHzで5分間破砕し、破
砕物を15.000 r、p、個、30分遠心する。か
くして得られる菌体抽出液を20mML−グルタミン酸
、20mML−ンステイン、20mMグリシン、10m
M塩化マグネシウム、10mM  ATP、10mMア
セチルリン酸、50mMトリス−塩酸援極液(pH7,
0)を含む反応液中で37℃ 2時間インキュベートす
る。かくして反応液中に生成したグルタチオンは下表の
通りであった。
表6 各種紐み換え体DNAを保持するRC912株の
グルタチオン生成活性 菌株 グルタチオン生成活性 (LLl/1ljl!72時 ) ′F?cc+x2 RC912/pBR322 RC912/’1llBR322 RC912,/pBp322 RC912/pBR325 0,4 gsh II l:FERM BP−336)    
  0.8gr、h I 、 −gsh II (FB
I?M P−6732)2.1g5h I  ・ II
 (FERM P−6733>   2.3g5h I
  ・II (FERM BP−337)   2.8
実施例  7 実施例5の表5に記載の株RC912/pBR325−
gshl・■をペプトン1.0%、酵母エキス1.0%
、肉エキス0.5 !l(+ 、グリコース1.0%。
硫酸マグネシウム、7水和物0.01%、リン酸1カリ
ウム0.5%、クロラムフェニコール20/Jg/m7
!を含む培地(pH7,0)1000m/に接種し、3
0℃で20時間通気振とう培養する。菌体を集菌後、生
理食塩水で一度洗浄した後、生菌体28g (湿重I)
を30%塩化カリウム溶液15m1!に懸濁し、これに
33.5%アクリルアミドモノマー13mA’、20%
N、N’−メチレンビスアクリルアミド2m/、5.0
%β−ジメチルアミノプロピオニトリル5 m eおよ
び6.5%過硫酸カリウム5mlを加え、20℃でゲル
が生成されるまで放置する。ついでこの固定化した菌を
1辺2mmの立方体に成型し、生理食塩水にて洗浄する
ことにより固定化エツシエリヒア・コリーRC912/
pBR325−g s h I・ll80gを得る。プ
ラスミドを含有しないRC912株についても同様の方
法で固定化菌体を調整した。
調整した固定化菌体2.5gを80mML−グルタミン
酸、20mML−システィン、20mMグリシン、25
mM塩化マグネシウム、20mM  ATP、20mM
アセチルリン酸、25mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7,0)を含む反応液5mρ中で37℃で振とう反応さ
せ、経時的に生成したグルタチオンを定量した結果、下
表の通りであった(転換率はL−システィンからの転換
率を示す)。
表   7 実施例 8 実施例5の表5に記載の株RC912/pBR325−
gshI・II及びRC912株を実施例7と同じ培地
で培養する。菌体を集菌後(湿重量10g)、生理食塩
水で一度洗浄した後、生理食塩水10m1に懸濁し、3
7℃に加温する。これに3.1%のカラギーナン水溶液
(37℃)20mlを加えて混合し、この混合液を2%
塩化カリウム水溶液中にノズルから滴下させ直径約3m
mの球状ゲルを調整する。この固定化菌体2.5gを実
施例7と同じ反応液5mJ中で37℃にて振とう反応さ
せ、経時的に生成したグルタチオンを定量した結果、表
8の如(であった(転換率はLシスティンからの転換率
を示す。)。又4時間反応後固定化菌体を濾別し、同じ
反応液で繰返し反応した場合の反応4時間目のグルタチ
オン生成量を定量した結果を表9に示す。なお反応液中
のATPおよびアセチルリン酸の濃度を種々変化させて
もほぼ同様の結果が得られた。
第3図−組み換え体DNA pBR322− shl ■の調製と環状制限地図 (記号は第1図に同じ) 第4図 組み換え体DNApBR325− ■ ■の調製と環状制限地図 (記号は第1図に同じ) 4、
【図面の簡単な説明】
組み換え体DNA pBR322− s h■の環状制限地図 (図中の数値はメガダルトン) P :Pst I E:EcoRI B:Bam1ll S:Sall M:旧11 H:)fin dI[I Pv:PvuII 第2図−組み換え体DNA BR32 ■の環状制限地図 (記号は第1図に同じ) 第 図 第2図 第3図 p8R322−gsh l−■

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)大腸菌の染色体DNAをHindIIIで処理して
    得られる下記(i)で示される制限酵素地図を有する1
    .6Mdの遺伝子断片に含まれるグルタチオン合成酵素
    の遺伝子(gshII) (i)▲数式、化学式、表等があります▼ 及び大腸菌の染色体DNAをPst I で処理して得ら
    れる下記(ii)で示される制限酵素地図を有する2.
    1Mdの遺伝子断片に含まれるγ−グルタミル−L−シ
    ステイン合成酵素の遺伝子(gst I ) (ii)▲数式、化学式、表等があります▼ の両遺伝子またはgstIIの遺伝子のみを組み込んだ組
    換えプラスミドを有する大腸菌を培養し、培養物からグ
    ルタチオンを採取するか、該大腸菌の菌体処理物をグル
    タミン酸、システイン、グリシン、アデノシン−5′−
    三リン酸およびマグネシウムイオンと接触せしめてグル
    タチオンを生成させることを特徴とするグルタチオンの
    製造法。
  2. (2)反応系にアデノシン−5′−三リン酸の再生系を
    共役させることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項
    記載の製造法。
  3. (3)アデノシン−5′−三リン酸の再生系がアセテー
    トキナーゼ反応、カルバメートキナーゼ反応あるいはバ
    クテリア、酵母の解糖反応系であることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)または第(2)項記載の製造法。
  4. (4)菌体処理物が大腸菌の無細胞抽出液、細胞懸濁液
    又は固定化された菌体、酵素であることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項記載の製造法。
  5. (5)ゲル状体に固定化することを特徴とする特許請求
    の範囲第(4)項記載の製造法。
  6. (6)ゲル状担体がポリアクリルアミドゲルである特許
    請求の範囲第(5)項記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008047792A1 (fr) 2006-10-16 2008-04-24 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Cristal de glutathione et son procédé de fabrication
JP2021151256A (ja) * 2017-09-29 2021-09-30 三菱ケミカル株式会社 ニコチンアミドモノヌクレオチドの製造方法およびその方法に用いる形質転換体

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JP2021151256A (ja) * 2017-09-29 2021-09-30 三菱ケミカル株式会社 ニコチンアミドモノヌクレオチドの製造方法およびその方法に用いる形質転換体

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