JPH0231670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はたとえば土中に埋められて暗渠排水用
として使用される螺旋パイプの継手装置に関する
ものである。

従来の技術 従来から暗渠排水用の合成樹脂からなる螺旋パ
イプ同志をつなぎ合わせる継手装置としては第４
図および第５図に示すものが知られている。この
従来の継手装置は同図からも明らかなように、互
いにつながれる一方の螺旋パイプ１の一端と他方
の螺旋パイプ２の一端とを互いに近接させた状態
で両方の螺旋パイプ１，２の端部同志を抱着する
正面形状半円形の２枚の継手板３，３を備え、こ
れら２枚の継手板３，３の周方向両端のフランジ
部４，４同志を互いにボルト５とナツト６により
結合させている。前記各継手板３は合成樹脂製で
あつて、前記螺旋パイプ１，２の螺旋状溝部７，
８に外側から螺合するように横から見た断面が波
状で両端のフランジ部４，４間に螺旋状の凸部９
が形成され、２枚の継手板３，３の両端のフラン
ジ部４，４同志を互いに結合させたとき前記螺旋
状溝部７，８に沿うように螺旋状となる。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の継手装置において、各継手板
３は正面形状半円形であり、しかも材料が合成樹
脂であるため、成形後における自然冷却の過程で
収縮しようとする。特に両端のフランジ部４，４
間の直径が小さくなるように変形が生じ、この継
手板３，３を用いて螺旋パイプ１，２の端部同志
を抱着したとき、第５図に示すように両端のフラ
ンジ部４，４間の中央部において継手板３，３の
内面と螺旋パイプ１，２の外面との間に大きな隙
間が発生し、継手板３，３の内面と螺旋パイプ
１，２の外面との間にゴムパツキン１０を介在さ
せてあつても、両端のフランジ部４，４間の中央
部でシール効果が得られず、螺旋パイプ１，２の
端部間の隙間から水漏れが生じるという問題があ
つた。ところで前記継手板３の変形を矯正、すな
わち前記両端フランジ部４，４間の直径が正規の
大きさとなるように矯正することも考えられる
が、継手板３には前述のように螺旋パイプ１，２
の螺旋状溝部７，８に外側から螺合するように螺
旋状の凸部９が両端のフランジ部４，４間に形成
されているので、両端のフランジ部４，４間を拡
げることは困難であつた。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
継手板の矯正を容易に行なえるようにし、継手板
を螺旋パイプの端部に全体に亘つて均一に抱着で
きるようにすることを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本考案は、螺旋パ
イプ同志をつなぐ継手装置であつて、一方の螺旋
パイプの端部に他方の螺旋パイプの端部を近接さ
せた状態で、前記両方の端部の全周をゴムパツキ
ンを介して包むために合成樹脂からなる複数枚の
正面形状円弧状の継手板を備え、各継手板の周方
向両端には隣り合う継手板にボルト、ナツトによ
り結合されるフランジ部を有し、各継手板の両端
のフランジ部間において前記螺旋パイプの螺旋状
溝部に螺入する凸部を設けるとともに、両端のフ
ランジ部間の中央部において前記凸部を分断した
欠如部を設けたものである。

作 用 この構成により、継手板の両端のフランジ部間
の中央部において螺旋パイプの螺旋状溝部に螺入
する凸部を分断する欠如部を設けてあるので、継
手板を用いて螺旋パイプをつなぐとき、両端のフ
ランジ部間の間隔が収縮していても両端のフラン
ジ部間の間隔を拡げて容易に矯正することがで
き、継手板を螺旋パイプの端部外周面に全体に亘
つて均一に抱着させることができ、螺旋パイプの
端部間の隙間からの水漏れを防止することができ
る。

実施例 以下、本考案の一実施例について、図面（第１
図〜第３図）に基づいて説明する。なお、前記従
来例と同一部材については同一符号を用いて説明
する。

図において、一方の螺旋パイプ１の一端と他方
の螺旋パイプ２の一端とを互いに近接させた状態
で両方の螺旋パイプ１，２の端部同志を抱着する
ために合成樹脂により正面形状半円形に作られた
２枚の継手板３，３にはそれぞれ前記従来例のよ
うに螺旋パイプ１，２の螺旋状溝部７，８に外側
から螺合するように周方向両側のフランジ部４，
４間に螺旋状の凸部９が形成されているが、各継
手板３の両端のフランジ部４，４間の中央部にお
いて前記凸部９を分断した欠如部１１を有してい
る。そしてこの欠如部１１において、一端のフラ
ンジ部４側の半分と他端のフランジ部４側の半分
とは前記凸部９，９間の溝の底部に連続する板部
１２によつてつながれている。

このような継手板３を２枚用いて継手板３，３
の両端のフランジ部４，４同志を互いにボルト５
とナツト６により結合して前記螺旋パイプ１，２
の端部同志を抱着してつなぎ合わせるとき、螺旋
パイプ１，２の端部外面と継手板３，３の内面と
の間にゴムパツキン１０を介在させる。そのと
き、前記各継手板３が両端のフランジ部４，４間
の直径が小さくなるように収縮していても、前記
欠如部１１において凸部９が分断されているので
両端のフランジ部４，４間を容易に拡げることが
でき、継手板３，３を螺旋パイプ１，２の外周面
に全体に亘つて均一に抱着させ得る。ところで前
記欠如部１１におけるゴムパツキン１０によるシ
ール効果については、欠如部１１の両側に位置す
る凸部９でゴムパツキン１０が螺旋パイプ１，２
の螺旋状溝部７，８側に押し付けられ、しかも欠
如部１１においてゴムパツキン１０が螺旋状溝部
７，８の外面から浮き上がらない程度に欠如部１
１の幅が定められていることから、水漏れの問題
はない。

なお、以上述べた実施例では継手板３を正面形
状半円形に形成して２枚の継手板３，３により螺
旋パイプ１，２の端部を包んでつなぐように構成
したが、継手板３をたとえば螺旋パイプ１，２の
１／３外周の大きさに形成して３枚の継手板３によ
り螺旋パイプ１，２をつなぐようにすることも可
能であり、その継手板３にも同様に前記した欠如
部１１を設けることができる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、継手板の両端の
フランジ部間の中央部において螺旋パイプの螺旋
状溝部に螺入する凸部を分断する欠如部を設けて
あるので、継手板を用いて螺旋パイプをつなぐと
き、両端のフランジ部間の間隔が収縮していても
両端のフランジ部間の間隔を拡げて容易に矯正す
ることができ、継手板を螺旋パイプの端部外周面
の全体に亘つて均一に抱着させることができ、螺
旋パイプの端部間の隙間からの水漏れを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもの
で、第１図は継手板の正面図、第２図は螺旋パイ
プをつないだ状態を示す側面図、第３図は同正面
断面図、第４図および第５図は従来例を示し、第
４図は螺旋パイプをつないだ状態を示す側面図、
第５図は同正面断面図である。 １，２……螺旋パイプ、３……継手板、４……
フランジ部、５……ボルト、６……ナツト、７，
８……螺旋状溝部、９……凸部、１０……ゴムパ
ツキン、１１……欠如部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 螺旋パイプ同志をつなぐ継手装置であつて、一
   方の螺旋パイプの端部に他方の螺旋パイプの端部
   を近接させた状態で、前記両方の端部の全周をゴ
   ムパツキンを介して包むために合成樹脂からなる
   複数枚の正面形状円弧状の継手板を備え、各継手
   板の周方向両端には隣り合う継手板にボルト、ナ
   ツトにより結合されるフランジ部を有し、各継手
   板の両端のフランジ部間において前記螺旋パイプ
   の螺旋状溝部に螺入する凸部を設けるとともに、
   両端のフランジ部間の中央部において前記凸部を
   分断した欠如部を設けた螺旋パイプの継手装置。