JPH0231377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、１枚の透明なる塩ビ板を打抜機により
裁断して、上下左右の側縁と、中央部とに容器の
正面と背面とが同形同大となり、左右両側面と下
側面とが同幅となる折目をそれぞれ設け、更に左
右両側面となる折目に連続して細幅の差込片を設
け、又上部折目に連続して側面の２分の１幅上側
面を、吊下げ片と、その左右にのり代と折目と切
目とにより区別して連設し、下部折目に連続して
側面の２分の１幅上側面を、差込片と、その左右
にのり代とを掛止溝により区別して連設し、更に
上部２分の１幅上側面の左右と、下側面の左右
と、正面の左右中央部とに、角形と細幅の差込片
を設けて打抜板を形成し、その打抜板の各折目を
折り曲げ、上下部の２分の１幅上側面を合せた
後、のり代を重合接着して上側面とし、吊下げ片
を垂直に折り曲げ各差込片を器内に差込んで組立
て吊下げ容器としたものである。

本案は装身具、頭飾り品、化粧用具、又は小型
電気製品、事務用品などの各種商品を各店舗の店
頭又は店内に吊下げて展示するようにしたもので
あつて、容器を開くには左右の側面に連続する差
込片を引出せば、その側面が開いて商品の出し入
れができ、容器は透明なる塩ビ板で形成している
から外部より内部商品が透視できて品定めができ
るものである。

（従来の技術） 従来より行われている吊下げ容器は、背面の上
端部を延長してその延長部を吊下げ片とし、又正
面の左右両側を延長して一定間隔に折曲げ、先端
部を背面に密着して左右の側面とし、又正面と背
面、および左右の側面の下端の延長部を差込片と
し、その差込片を交互に内部に差込んで下側面と
し、又正面の上端部を延長し、その延長部を側面
と同間隔に折曲げて先端部を内部に差込し開閉自
在な上側面としたものである。

この吊下げ容器は、吊下げ片が背面の延長部で
あるため、商品を容器内に収容して吊下げた場合
重心が片より容器が傾斜する欠点がある。又容器
の開閉は上側面に限られているため、商品の収容
或は取出しに際し吊下げ片が邪魔になる欠点があ
る。

又他の方法としては、左右の側面および下側面
の構成は前同様であるが、吊下げ片の構成におい
て、正面と背面の上端部を同長に延長し、両者合
せて上側面となるよう左右の側面の1/2幅の個所
におて垂直に折曲げて両者接合し、同形２重の吊
下げ片となし、その吊下げ片の左右両端部に設け
た突起に、左右の側面の延長部に設けた掛孔を取
外し自在にして開閉するようにしたものである。

この吊下げ容器は、吊下げ片が２重となつてい
るから両者同一形状にして一致させなければなら
ない技術上の煩瑣があり、開閉部は上側面だけで
あり、その上側面には吊下げ片が連着しているた
め商品の出し入れに障害となるものである。

又他の方法として、裏面の上端部を延長して幾
重にも折曲げ、上側面と２つ折の吊下げ片とを形
成し、次いで正面の上端部を延長して上側面を形
成し、その上側面の幅中央部に細溝を穿設して２
つ折吊下げ片を挿通し上側面を重合して密着の上
吊下げ片を固定し、商品の出し入れには左右の側
面に設けた差込片を取外して開閉するようにした
ものである。

これとて製作に手数を要し、側面の開閉構成が
不完全であるため、閉めた筈のものが自然に開口
して前者と大同小異である。

（考案が解決しようとする問題点） 本案は１枚の透明ある塩ビ板を打抜機により一
体的に裁断するものであるから、製作および組立
てが極めて簡易迅速にでき、組立てた容器に商品
を収納して店頭又は店内に吊下げて展示しても、
容器が傾斜せないよう吊下げ片を容器上側面の中
央部に設け、又商品の出し入れを円滑にするため
左右の側面を開閉するようにして左右何れの側面
からでも出し入れができるようにし、閉鎖後は容
器の振動などにより開口せないよう側面の差込片
とは別に正面の左右両側に連続して設けた差込片
によつて圧止しているものである。この容器を吊
下げて展示すれば、平面上に載置していると同様
に水平状態を保ち外部より内部商品が正確に透視
できて思いのまま商品を吟味することができるも
のである。

（作用） 本案は容器内に商品を収納して店頭又は店内に
吊下げ展示するようにしたものであるから、吊下
げて容器が傾斜せないようしなければならない。
このためめ上側面の中央部に吊下げ片を設けて重
心が片よらないようにしている。又上側面は正面
と背面の延長を折曲げて形成し、両端部ののり代
を重合接着して分離せないようにしているから、
吊下げ片が移動するようなことがない。従つて展
示容器は下側面を水平にし、正面および背面を垂
直にして停止する。そして商品の出し入れは左右
の側面を開閉して行うものであるから、側面を開
く場合、正面の左右両側中央部を延長して設けた
差込片を離脱すれば、容易に開くことができる。

又本案は１枚の塩ビ板を打抜機により裁断した
一体的打抜板を組立てたものであるから、全面が
連続しており切断、分離などの懸念なく耐久力に
富み強靭にして長く使用できるものである。

（実施例） 本案の実施例を説明すれば、一定の大きさの１
枚の透明なる塩ビ板を打抜機により裁断して、上
下左右の側縁と、中央部とに、折目５，５′、６，
６′、７，７′８，８′、９，９′と切目１０，１０
を設けて、同形同大の正面１と背面２、左右の側
面３，３′および下側面４を形成し、又折目９，
９′と切目１０，１０′とに連続して細幅の差込片
１１，１１′を設けると共に上部折目７に連続し
て側面の２分の１幅上側面１２を、吊下げ片１３
と、その左右にのり代１４，１４′とを折目１５
と、切目１６，１６′とにより区別して連設し、
下端部折目７′に連続して側面の２分の１幅上側
面１２′を、差込片１７と、その左右にのり代１
８，１８′とを掛止溝１９，１９′により区別して
連設し、更に２分の１幅上側面１２の左右と、下
側面４の左右に折目２０，２０′、２１，２１′、
切目２２，２２′、２３，２３′を設けて角形差込
片２４，２４′、２５，２５′を形成すると共に正
面１の折目６，６′に連続して細幅の差込片２６，
２６′を設けて打抜板２７を形成し、その打抜板
２７の各折目と切目とより折曲げて組立て、吊下
げ片１３の左右の下端部に、上側面１２′に連続
する差込片１７の左右両端部の掛止溝１９，１
９′を引掛け、のり代１４，１４′上にのり代１
８，１８′を重合接着し組立ててなるものであつ
て、図中、２８，２８′、２９，２９′は切込、３
０は吊孔である。

本案は叙上のごとき構成によりなるものであつ
て、容器の大きさは収容する商品に応じて折目を
変えることにより自在にできるものである。そし
て組立てて容器にすれば、吊下げ片１３が上側面
１２，１２′の中央部に固定し、どのような場所
に吊下げても傾斜することなく垂直を保ち商品の
展示効果を発揮するものである。

（考案の効果） 本案はこのように一体的な打抜板２７を組立て
ることにより容器となるものであるから、必要に
応じてその場で簡易迅速に容器ができ商品の展示
ができるものである。そして左右の側面３，３′
は、細幅の差込片１１，１１′を内部に差込むこ
とによつて閉ざされるが、更に正面１の左右に連
続する差込片２６，２６を、切目１０，１０′内
に差込み差込片１１，１１′の側部を押圧するこ
とにより一層側面３，３′を緊密に閉すことがで
きるものである。又側面３，３′を開く場合は差
込片２６，２６′を切目１０，１０′より外せば差
込片１１，１１′も容易に外脱できて側面３，
３′が開かれ、勝れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の展開図、第２図は組立て中を示
す左側面図、第３図は組立てた正面図、第４図は
背面図、第５図は平面図、第６図は底面図、第７
図は左側面図、第８図は各差込片を引出して見た
左側面図である。 図中、１……正面、２……背面、３，３′……
側面、４……下側面、５，５′、６，６′、７，
７′、８，８′、９，９′……折目、１０，１０′…
…切目、１１，１１′……差込片、１２，１２′…
…上側面、１３……吊下げ片、１４，１４′……
のり代、１５……折目、１６，１６′……切目、
１７……差効片、１８，１８′……のり代、１９，
１９′……掛止溝、２０，２０′、２１，２１′…
…折目、２２，２２′、２３，２３′……切目、２
４，２４′、２５，２５′……角形差込片、２６，
２６′……差込片、２７……打抜板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明なる塩ビ板を打抜機により裁断して、上下
   左右の側縁と、中央部とに、折目５，５′、６，
   ６′、７，７′８，８′、９，９′と切目１０，１
   ０′とを設けて、同形同大の正面１と背面２、左
   右の側面３，３′および下側面４を形成し、又折
   目９，９′と切目１０，１０′に連続して細幅の差
   込片１１，１１′を設けると共に上部折目７に連
   続して側面の２分の１幅上側面１２を、吊下げ片
   １３と、その左右にのり代１４，１４′とを折目
   １５と、切目１６，１６′とにより区別して連設
   し、下端部折目７′に連続して側面の２分の１幅
   上側面１２′を、差込片１７と、その左右にのり
   代１８，１８′とを掛止溝１９，１９′により区別
   して連設し、更に２分の１幅上側面１２の左右
   と、下側面４の左右に折目２０，２０′、２１，
   ２１′、切目２２，２２′、２３，２３′を設けて
   角形差込片２４，２４′、２５，２５′を形成する
   と共に正面１の左右の折目６，６′に連続して細
   幅の差込片２６，２６′を設けて打抜板２７を形
   成し、その打抜板２７の各折目と切目とより折曲
   げて組立て、吊下げ片１３の左右の下端部に、上
   側面１２′に連続する差込片１７の左右両端部の
   掛止溝１９，１９′を引掛け、のり代１４，１
   ４′上にのり代１８，１８′を重合接着し組立てて
   なる、透明塩ビ板製組立て吊下げ容器。