JPH0231104B2 - Somenkafuirumu - Google Patents

Somenkafuirumu

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JPH0231104B2
JPH0231104B2 JP12381984A JP12381984A JPH0231104B2 JP H0231104 B2 JPH0231104 B2 JP H0231104B2 JP 12381984 A JP12381984 A JP 12381984A JP 12381984 A JP12381984 A JP 12381984A JP H0231104 B2 JPH0231104 B2 JP H0231104B2
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film
ethylene
polymer
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polymer part
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Masayuki Niizawa
Seiji Murakami
Mamoru Furuko
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 本発明は粗面化フイルムに関する。更に詳しく
は、金属蒸着用途に適した粗面化フイルムに関す
る。 〔従来技術〕 従来粗面化フイルムとしてポリプロピレン樹脂
を主成分としたフイルムが多く開発されている
が、このような粗面を有する粗面化ポリプロピレ
ンフイルムとして、ポリエチレン等の他のポリオ
レフインをポリプロピレンに添加したフイルム、
発泡剤をポリプロピレンに添加したフイルム、キ
ナクリドン誘導体等の特殊な核剤をポリプロピレ
ンに添加し、溶融成形し、β型結晶構造を有する
ポリプロピレンシートを作成し、これを延伸した
フイルム、あるいは無機微粒子を添加したフイル
ム等が提案されている。 〔従来技術の欠点〕 これらの粗面化フイルムは、粗面化の程度が低
いとか、光線透過率が低いとか他の物性とのバラ
ンスが不適であるとか、あるいは、無機微粒子が
チカチカ光つて見えるとか等の問題を有してお
り、かなりの改善が必要とされている。 また金属蒸着層を設けても、蒸着層との接着力
が十分でなく、それが摩擦により容易に傷つきは
がれるなどの欠点があつた。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、上記欠点を解消せしめたも
の、すなわち、つや消し性に優れ、光線透過率が
高く、そのつや消し性は製造条件により変動しに
くく、かつ金属蒸着層に対し高い接着力を有した
粗面化フイルムを提供せんとするものである。 〔発明の構成〕 本発明は上記の目的を達成するため次の構成、
すなわち、ポリマー部Hと、ポリマー部Rとを主
体としたポリマーからなる粗面化フイルムであつ
て、ポリマー部Hは、エチレン成分が80wt%以
上であり、ポリマー部Rは、プロピレン、ブテン
―1の少なくとも一種とエチレンとがランダム共
重合されてなり、かつ、ポリマー部Hの極限粘度
〔η〕Hとポリマー部Rの極限粘度〔η〕Rとの差
(〔η〕H―〔η〕R)が0〜9.8dl/g、〔η〕Hが1.5

10dl/gである粗面化フイルムを特徴とするもの
である。 本発明におけるポリマー部Hとは、エチレンが
単独重合している部分で、エチレン成分が80wt
%以上のものであり、他のα―オレフインが
20wt%未満共重合していてもかまわない。 本発明におけるポリマー部Rとは、プロピレ
ン、ブテン―1のうち少なくとも1種とエチレン
とがランダム共重合したものである。このポリマ
ー部Rは、エチレン成分が0.5〜15wt%、(好まし
くは1〜8wt%)のエチレンとプロピレン、エチ
レンとブテン、あるいは、プロピレン成分70〜
98wt%、エチレン成分0.5〜15wt%(好ましくは
1〜8wt%)のエチレンとプロピレンとブテンが
ランダムに共重合している部分であるのが好まし
い。 ポリマー部Hの極限粘度〔η〕Hは1.5〜10dl/
gで、かつポリマー部Rの極限粘度〔η〕Rとの差
(〔η〕H−〔η〕R)が0〜9.8dl/g、好ましくは0
〜8dl/gでなければならない。〔η〕Hが10dl/
gを越えるとフイツシユアイが発生し、表面欠点
となり、1.5dl/g未満では十分なつや消し性は
得られない。また、〔η〕H−〔η〕Rはフイルム表面
の粗面化状態と密接な相関性を有しており、〔η〕
H−〔η〕Rが大きくなる程粗面粗さは大きくなる。
しかし〔η〕H−〔η〕Rが9.8を越えると、表面粗さ
が大きくなりすぎて、光線透過率が小さくなり、
フイルム表面が白つぽくなる。またその表面に蒸
着しても鉛色となり高級感が失われる。〔η〕H
〔η〕Rがマイナスの値になると表面粗さが小さく
なり十分なつや消し性が得られない。 本発明の粗面化フイルムは、ポリマー部Hとポ
リマー部Rとを主体としたもの、好ましくは、ポ
リマー部Hが5〜35wt%、ポリマー部Rが40〜
95wt%、ポリマー部Hとコポリマー部Rの和が
60wt%以上のもので、その和が100%未満の場
合、オレフイン系の組成物、好ましくは、プロピ
レン、ブテン―1などのα―オレフインホモポリ
マーや、エチレン含有率が15wt%を越え、80wt
%未満のエチレン―プロピレン共重合体が混合も
しくは共重合されていてもよい。 なお、本発明の粗面化フイルムを形成するポリ
マーは、ポリマー部Hとポリマー部Rを有するブ
ロツクコポリマーであるのが好ましい。 また、本発明の粗面化フイルムにポリプロピレ
ンが含まれる場合は、30wt%未満とするのが蒸
着膜を形成した際の膜の付着強度を低下させない
ので好ましい。 本発明の粗面化フイルムを形成するポリマーの
エチレンのブロツク性は、ブロツク指数により表
わせられる。ブロツク指数が大きくなる程、ブロ
ツク性は高くコポリマー中でエチレンがブロツク
結合している部分が多いことを示す。ブロツク指
数は、20℃雰囲気下の赤外線吸収スペクトルから
算出される。 すなわち、エチレンに起因する731cm-1の吸光
度A731と(―CH2)―o、n≧5に起因する720cm-1
吸光度A720を測定した、下式によりブロツク指数
Kを算出する。 A731=log(T0/T)731cm-1 A720=log(T0/T)720cm-1 K=A720/A731 T:透過率(%) T0:ベースラインの731cm-1または720cm-1にお
ける透過率(%) ただし、ベースラインとしては上記赤外線吸収
スペクトルにおいて770cm-1附近と650cm-1付近に
かけて引いた接線を用いる。 本発明における粗面化フイルムのブロツク指数
は、0.9〜1.8が好ましく、1.1〜1.6がより好まし
い。ブロツク指数がこの範囲にあると、光線透過
率が高く、かつつや消し性も良好であり、また、
粗面化側に金属蒸着を施した場合の金属膜の付着
力が高くなり好ましい。 また、本発明の粗面化フイルムは、表面粗さ
Ra(中心線平均粗さ、カツトオフ値0.25mmで測定
した値、JIS B0601)が0.2μ以上、好ましくは0.2
〜1.5μであるのが望ましい。また、霞度(JIS
K6714)が35%以上、さらに光沢度(GS―60゜、
JIS Z8741方法2)が50以下であるのがより望ま
しい。 さらに、本発明の粗面化フイルムを形成するポ
リマーは、126℃以上140℃未満(好ましくは126
℃以上、135℃以下)の低温側と、140℃以上、
160℃以下(好ましくは140℃以上、155℃以下)
の高温側に融解ピークの頂点が1点づつ存在して
いるのが好ましく、また、低温側のピークの融解
熱H1、高温側のピークの融解熱H2としたとき、
下記式Rで計算される値が、0.3〜0.7が好まし
く、0.4〜0.6がより好ましい。 R=H1/(H1+H2) 上記のRの値がこの範囲にあると、艶消し性、
フイルムの粗面の均一さ、光の透過性が良好とな
る。 なお本発明でいう融解ピークの頂点及び融解熱
は次に示す示差走査熱量測定から得られる。すな
わち、Perkin―Elmer社製示差走査熱量計Model
DSC―2型を用い、5mgの試料を20℃/分の昇
温速度で280℃まで昇温し5分保持した後、同速
で冷却し、再度昇温した時の、いわゆるセカンド
ランの融解曲線を取る。この曲線の例を第1図及
び第2図に示す。図において融解ピークのうち、
低温側の融解ピークをP1、高温側の融解ピーク
をP2とする。また、各々の融解ピークの頂点、
すなわち、ピークの極小点をA,Bとし、該頂点
の温度を各々Tm1,Tm2とする。 次に融解熱の求め方を第1図の第1ピークP1
で示す。先ず当該吸収の開始点T1と終了点T2
直線(第1図の破線C)で結び基線とする。ピー
ク前半の直線部分の補外線と基線との交点をT5
ピーク後半の直線部分の補外線と基線との交点を
T6とし、ピーク・補外線・基線で囲まれた部分
(斜線部分)の面積を、融解熱H1とする。同様に
第2ピークP2での融解熱H2を求める。 ただし、第2図に示すように第1ピークP1
終了点T2と第2ピークP2の開始点T3が重なり、
1つの点Dとなり、T1とT4を結ぶ基線Cより外
れる場合は、点Dより垂直に下ろした基線Cとの
交点をT9として、ピーク後半(第2ピークP2
場合はピーク前半)の直線部分とT9を結び、そ
の線を補外線とみなして面積を求める。 また、本発明の粗面化フイルムのエチレン含有
率はポリマー部H、ポリマー部Rおよびその他の
成分の含有率により決まるが、十分なつや消し性
を得るためには8〜60wt%が好ましく、15〜
45wt%がより好ましい。8wt%未満ではつや消し
性の低いものとなり、60wt%を越える場合は光
の透過性が低く、フイルム表面の凸凹ムラなどの
欠点が生じる傾向となる。 また必要により、通常一般に使用されている各
種安定剤、帯電防止剤、滑剤等の各種添加剤を使
用してももちろんかまわない。 本発明における粗面化フイルムは、未延伸フイ
ルムであつても、一軸あるいは二軸延伸フイルム
であつても十分なつや消し性を有するフイルムが
得られるが、延伸フイルムとした時の方が均一
性、緻密性に優れたつや消し性が得られ、より好
ましい。一軸延伸フイルムの場合、縦一軸あるい
は横一軸いずれでもかまわない。 また、フイルム構成も単膜あるいは積層(粗面
化層が片面あるいは両面積層)いずれでもかまわ
ないが、積層延伸フイルムとした場合の方がつや
消し性に、より優れている。この場合、基層ポリ
マーとしてポリプロピレンが好ましい。ポリプロ
ピレンとしてはプロピレンホモ重合体、プロピレ
ンホモ重合体と他種オレフイン重合体との混合物
プロピレンホモ重合体とオレフイン共重合体との
ブレンド物などである。なお、積層は共押出しや
基層フイルムの一軸延伸前、または二軸延伸の前
もしくは後などいずれでも良い。 本発明の粗面化フイルムの厚みは特に限定され
ないが、単膜フイルムでは3〜100μ、積層フイ
ルムでは0.5〜10μが好ましい。 本発明の粗面化フイルムは金属蒸着膜付着力が
強く、蒸着フイルムとして優れたフイルムであ
る。金属蒸着に用いられる金属はアルミニウムが
好ましい。金属蒸着法としては電熱加熱溶融蒸着
法、イオンビーム蒸着法、スパツタリング法、イ
オンプレーテイング法等が用いられる。なお、金
属蒸着される面の表面はコロナ放電処理、火災処
理、酸処理等の表面処理を施し活性化した方が好
ましい。 また、本発明の粗面化フイルムには、片面に、
ポリマーWの層、すなわち、プロピレン、ブテン
―1のうち少なくとも1種とエチレンのランダム
コポリマーであつて、エチレン成分1〜15wt%
表面粗さRaが0.15μ以下のポリマー層を積層させ
ると更に優れた蒸着用フイルムとなる。この場
合、積層フイルムの構成は粗面化フイルムと、上
記ランダムコポリマーWの層の2層構成でもかま
わないが、機械的強度の点から両者の間に二軸延
伸ポリプロピレンフイルム層を介在させた層構成
が特に好ましい。 上記ポリマーWの層の表面は、金属蒸着層だけ
でなく、紙、他のフイルムに対しても高い接着力
を有しており、該平滑面に金属蒸着を施した場合
優れた鏡面状の光沢を有する蒸着フイルムを得る
ことができる。また、ポリマーWの表面は平滑で
あるため、普通耐ブロツキング性、すべり性が悪
いが、片面に粗面化層を有しているので、耐ブロ
ツキング性、すべり性が損われることがない。 なお、ポリマーWの層の表面は、金属蒸着層や
紙及び他フイルムとの接着性において、コロナ放
電処理等の表面処理を施し活性化した方が好まし
い。 該ポリマーWの層とは、エチレン成分が1〜15
重量%、好ましくは2〜10重量%であつて、プロ
ピレン、ブテン―1のうち少なくとも1種とエチ
レンのランダムコポリマーからなるフイルムであ
る。具体的にはエチレン―プロピレンランダムコ
ポリマー、エチレン―ブテンランダムコポリマ
ー、エチレン―プロピレン―ブテン三元ランダム
コポリマー、及びそれらのブレンド物などからな
り、その他ポリエチレン、ポリプロピレン、他の
αオレフインなどのホモポリマーがブレンドされ
ていても良い。ただしα―オレフインのホモポリ
マーをブレンドする場合、金属蒸着層や紙及び他
フイルムとの接着層が悪化するため30wt%未満
とするのが良い。 本発明のポリマーWとはエチレンがランダム共
重合されているポリマーで、ブロツク指数が0〜
0.7、好ましくは0〜0.3のものでありブロツク指
数が小さい程、フイルム表面の平滑性に優れたも
のとなる。 該ポリマーWの層の表面粗さRaは0.15μ以下、
好ましくは0.1μ以下でなければならない。ここで
表面粗さRaとは中心線平均粗さ(カツトオフ値
0.25mm)のことであり、JIS B0601に基づくもの
である。なお、表面粗さRaの下限は、特に限定
されないが、0.01μ程度であるのがフイルムの製
造等から望ましい。 該ポリマーWのエチレン成分が1重量%未満で
あると、接着強度が弱く、紙や、他フイルムとの
接着性も悪い。エチレン成分が15重量%を越える
と上記特定用粗さの保持性が低下する。粗面粗さ
Raが0.15を越える場合には、フイルム面に充分
な平滑性が得られない。 また、必要に応じ該ランダムコポリマーWの中
に結晶化核剤を添加し、生成する結晶を微細化す
ることにより表面を平滑化してもよい。 該ポリマーWとしてブレンド物などを用いた場
合、エチレン成分とは各ブレンド物のエチレン成
分を合せた全エチレン成分をいう。 エチレン成分の定量は普通、績外線吸収スペク
トルを用いて、1170cm-1あるいは160℃での731cm
-1の吸光度比より検量線法で求めることができ
る。 該ポリマーW層の厚さは特に限定されないが
0.5〜10μが好ましい。 本発明の粗面化フイルムは、該フイルムを片面
とし、他の片面をランダムコポリマーWの層とし
た積層フイルムにした場合、片面が粗面、他面が
平滑面であり、かつ金属蒸着層に対し強い接着層
を有しているので、蒸着フイルム貼合紙あるいは
貼合フイルムを作製する場合、蒸着面および貼合
面をいずれにするかにより、様々の外観を得るこ
とができる。 すなわち本発明の積層フイルムを用いれば、艶
消し性を必要とする場合あるいは鏡面状光沢を必
要とする場合とにかかわらず、蒸着面及び紙との
貼合面を適宜選択することにより、その要求を満
足させることができる。 この発明において貼合紙のフイルム面、あるい
は蒸着面に必要に応じて印刷を施してもよい。こ
の場合、積層フイルムまたは蒸着フイルムに予め
印刷を施し、次いでこれを紙に貼り合わせる貼合
紙の製造方法をとると製造能力の向上が計れる。 次に、この発明の粗面化フイルムの製造方法の
一例について説明する。 ポリマー部Hと、ポリマー部Rとを主体とした
ポリマーをシート状に溶融押出したあと、冷却固
化した未延伸シートを得る。積層フイルムとする
場合はポリプロピレンを上記ポリマーと同時押出
し、同様にして未延伸シートを得る。更に延伸フ
イルムとする場合はさらに加熱して、縦あるいは
横、または両方に延伸する。なお縦延伸温度とし
て120〜150℃、横延伸温度として、単層フイルム
の場合は125〜150℃、積層フイルムの場合は150
〜165℃が好ましい二軸延伸法としては逐次、同
時いずれを用いても良い。また積層延伸フイルム
とする場合は、上記共押出法に限定するものでは
なく、一軸延伸前、または二軸延伸の前もしくは
後などいずれでも良い。 延伸フイルムは必要に応じて延伸後、100〜160
℃で熱処理しても良い。 このようにして得られた粗面化積層フイルムは
印刷物へ貼付するプリントラミネート用として好
適となる。また合板離型用、製図描画用、印刷
用、フリーアルバム用、ラベル用、包装用、装飾
用あるいは粘着テープ用途、絶縁油含浸用コンデ
ンサーの誘電体用途にも使われる。 また蒸着用としても、柔らかい光沢を持つたフ
イルムとして好ましく用いられ、特定エチレン・
プロピレン共重合体へ蒸着したフイルムは蒸着膜
の接着強度が極めて強いものであり、さらに蒸着
用途に適している。 (発明の効果) ポリマー部Hと、ポリマー部Rとを主体とした
粗面化フイルムとしたので次の効果が得られる。 ○イ 優れた艶消し性と高い全光線透過率を有して
いるので、貼合せて使用する場合、下地の印刷
が良く見えるものとなつた。 ○ロ また融解ピークの頂点を126℃以上としたの
で、例えば印刷物に貼付けするプリントラミネ
ート加工時の条件によつて、艶消し性が消滅す
るという欠点をなくすことができた。 ○ハ 蒸着膜の接着強度が強靭で、耐摩耗性、耐摩
擦性に優れている。したがつて蒸着面が表面に
出ていても十分使用に耐えうるし、紙あるいは
他フイルムと蒸着面で貼り合せても十分な貼合
強度が得られる。 〔特性の測定方法、評価基準〕 (1) 極限粘度 ポリマー部R及びホモポリマー部Hを下記のカ
ラム分別溶出法により分別し平均極限粘度を測定
する。極限粘度は135℃テトラリン溶液として測
定される。カラム分別は担体としてケイソウ土
(和光純薬(株)製セライトNo.535)展開溶媒としてテ
トラリン/エチルカルビトール混合溶媒を用い
る。 (a) 試料4gと安定剤2,6―ジ―t―ブチル―
p―クレゾール45gをテトラリン800mlと共に
2000mlのフラスコに入れ、窒素気流下で撹拌し
ながら加熱し、150℃で完全に溶解させる。次
いで90gのセライトを添加し、150℃で30分間
撹拌した後、撹拌しながら0.5℃/minで降温
し、110℃とする。次いで同様に0.167℃/min
で降温し90℃とし、更に0.33℃/minで降温
し、50℃とする。 (b) 上記(a)で得た担持された試料を500mlエチル
カルビトールとよく混合した後、カラムに充填
する。カラムとしては、特にその構造について
は限定はないが、内径2〜5cm、高さ1〜2m
のものが用いられ、何らかの方法で、カラム全
体が170℃以上に保持できるようにしたもので
あればよい。カラムに充填した後、エチルカル
ビトールを流すことにより大部分のテトラリン
を除去する。 (c) 上記充填された試料をテトラリン/エチルカ
ルビトール混合溶媒で分別溶出を行なう。この
際カラムの温度は170℃以上、例えば175℃で±
0.2℃の精度で保温し、又混合溶媒も175℃にし
た後装入することによつて分別溶出が行なわれ
る。この際混合溶媒400mlに対し、2,6―ジ
―t―ブチル―p―クレゾールを8g加えてお
く。溶出されたポリマーは、多量のメタノール
で沈澱させ分離する。 テトラリシ/エチルカルビトール混合溶媒の
比率については、分別する試料によつて、その
適当な比率は異なるが混合溶媒400mlで留出さ
れるポリマーが0.2〜0.4gになるように、テト
ラリン/テトラリン+エチルカルビトール容積
比が18%〜100%まで変化させ、約10〜20の部
分に分別しなければならない。 (d) 上記の操作で分別されたn個の部分につい
て、極限粘度及びエチレン含有率を測定する。 エチレン含有率が0.5〜15wt%の分別部分をラ
ンダムコポリマー部とし、エチレン含有率が
80wt%以上の分別部分をホモポリマー部とする。
i番目の分別部分の極限粘度を〔η〕i重量を
Wi、i番目の分別部分のエチレン含有率をELiと
し、ELiが0.5〜15wt%となる分別部分をj番目
からk番目(j≦k)、ELiが80wt%以上となる
分別部分をl番目からn番目(1≦n)とする
と、〔η〕R、〔η〕Hは下式で算出される。 エチレン含有率の測定は赤外線吸収スペクト
ル、NMR等公知の方法によつて測定する。 (2) 全光線透過率 JIS―K6714で測定したものである。 (3) 蒸着膜接着強度 蒸着面に市販のセロフアン粘着テープ(ニチバ
ン株式会社製)貼合せ、180゜剥離したあとの蒸着
金属の付着面積に基き、下記第1表の6段階(指
数)で評価した。
〔実施例〕
次に実施例に基いて、この発明の効果を説明す
る。 実施例 1 エチレン95wt%のポリマー部H24wt%とエチ
レン4.5wt%のエチレン―プロピレンランダムコ
ポリマー部R76wt%からなり、ポリマー部Hの極
限粘度〔η〕Hが6.0dl/g、ポリマー部Rの極限
粘度〔η〕Rが1.8dl/gで、ブロツク指数Kが1.40
全エチレン含有率が26wt%のエチレン―プロピ
レンブロツクコポリマー(230℃のメルトインデ
ツクス3g/10分)を270℃でシート状に押出し、
これを表面温度40℃の冷却ドラムに巻きつけて冷
却固化し100μの未延伸フイルムを得た。このフ
イルムを15W・min/m2の電気エネルギー量でフ
イルムの片面をコロナ放電処理した後、このフイ
ルムを真空蒸着装置の中へセツトし、アルミニウ
ム蒸着膜が600オングストロームになるようコロ
ナ放電処理面に蒸着した。このフイルム及び蒸着
フイルムの特性を第2表に示した。 実施例 2 実施例1と同様にして400μの未延伸フイルム
をつくつた後、このフイルムを115℃に加熱しつ
つ、長手方向に4.5倍延伸し、さらにテンターに
導いて延伸温度135℃で幅方向に9倍延伸し、つ
いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ130℃で熱処
理し、これを徐冷して厚み9μの二軸延伸フイル
ムを得た。このフイルムを実施例1と同様にし
て、コロナ放電処理をした後、蒸着した。このフ
イルム及び蒸着フイルムの特性を第2に示した。 実施例 3 実施例1のプロピレン―エチレンブロツクコポ
リマーを押出機()に、市販のポリプロピレン
(230℃のメルトインデツクス2g/10分、アイソ
タクチツク度97.3%)を押出機()にそれぞれ
供給し、二層口金を用いて、270℃でシート状に
溶融共押出しし、これを表面温度40℃の冷却ドラ
ムに巻きつけて冷却固化させた。このシートを
135℃に加熱しつつ、長手方向に4.5倍延伸した。
さらに、テンターに導いて延伸温度160℃で幅方
向に9倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与
えつつ160℃で熱処理し、これを徐冷して、厚み
10μ(ポリプロピレン基材層8μ、共重合体層2μ)
のフイルムをつくつた。 次いで15W・min/m2の電気エネルギー量でフ
イルムブロツクコポリマー層の表面をコロナ放電
処理した。これらのフイルムを真空蒸着装置の中
へセツトし、アルミニウム蒸着膜が600オングス
トロームになるようにコロナ放電処理面に蒸着し
た。 このフイルム及び蒸着フイルムの特徴を第2表
に示した。 実施例 4 実施例3の押出機()の原料をエチレン
95wt%のポリマー部H17wt%とエチレン3wt%の
エチレン―ブテン―1ランダムコポリマー部
R83wt%からなり、ポリマー部Hの極限粘度
〔η〕Hが4.7dl/g、ポリマー部Rの極限粘度
〔η〕Rが2.5g/gでブロツク指数Kが1.35、全
エチレン含有率が19wt%のエチレン―ブテン―
1ブロツクコポリマー(230℃のメルトインデツ
クス4g/10分)としただけで他は実施例3と同
様にして積層フイルム及び蒸着フイルムを得た。
これらの特性を第2表に示した。 比較例 1 実施例3の押出機()の原料をエチレン
95wt%のポリマー部H8wt%とエチレン2wt%の
エチレン―プロピレンランダムコポリマー部
R92wt%からなり、、ポリマー部Hの極限粘度
〔η〕Hが2.0dl/g、ポリマー部Rの極限粘度
〔η〕Rが2.2dl/gで、ブロツク指数Kが0.5、全エ
チレン含有率が10wt%のエチレン―プロピレン
ブロツクコポリマー(230℃のメルトインデツク
ス4g/10分)としただけで他は実施例3と同様
にして積層フイルム及び蒸着フイルムを得た。こ
れらの特性を第2表に示した。 比較例 2 実施例3の押出機()の原料をエチレン
93wt%のポリマー部H35wt%とエチレン4wt%の
エチレン―プロピレンランダムコポリマー部
R65wt%からなり、ポリマー部Hの極限粘度
〔η〕Hが13dl/g、ポリマー部Rの極限粘度〔η〕
Rが1.5dl/gでブロツク指数Kが1.2、全エチレン
含有率が35wt%のエチレン―プロピレンブロツ
クコポリマー(230℃のメルトインデツクス2
g/10分)としただけで他は実施例3と同様にし
て、積層フイルム及び蒸着フイルムを得た。それ
らの特性を第2表に示した。 第2表から明らかなごとく、実施例で示したエ
チレン―αオレフインブロツクコポリマー層を有
するフイルムは単層でも積層でも、また未延伸で
も延伸フイルムであつても、つや消し性、蒸着膜
接着強度に優れたものであつた。しかしポリマー
部Rとポリマー部Hの極限粘度の差がマイナスに
なるとつや消し性が悪くなり(比較例1)、ポリ
マー部Hの極限粘度が10を越えかつポリマー部R
の極限粘度との差が9.8を越えると表面粗さが大
きくなりすぎ、ムラが生じる。またフイシユアイ
もでき表面欠点の多いフイルムとなつた。(比較
例2)
【表】
【表】 実施例 5 押出機(),()に実施例3と同じ原料を押
出機()にエチレン成分4wt%ブロツク指数0.1
のエチレン―プロピレンランダムコポリマー
(230℃のメルトインデツクス7.5g/10分)を供
給し三層口金を用いてポリプロピレン層の両側に
共重合層が積層されるように、270℃でシート状
に溶融共押出した。その後、実施例3と同様に冷
却固化し、縦・横に延伸し二軸延伸フイルムを得
た。更にフイルム両面をコロナ放電処理し、ラン
ダムコポリマー層表面にアルミニウムを金属蒸着
した。この蒸着フイルムの非蒸着面(プロピレン
―エチレンブロツクコポリマー層表面)に酢ビ系
エマルジヨンタイプの接着剤を塗布しカード紙と
貼り合せた。この蒸着フイルム貼合紙及び積層フ
イルムの特性を下記に示した。 表面粗さ(Ra) ブロツクコポリマー層表面 0.35μ ランダムコポリマー層表面 0.08μ ブロツキング剪断力 10g 光沢度(蒸着面) 800 蒸着膜接着強度 5級 紙との貼合強度 良好 このフイルムは片面が平滑で他面が粗面化され
たフイルムであり、耐ブロツキング性に優れ、鎖
面状の金属光沢を有する蒸着フイルム及び貼合紙
が得られた。また蒸着膜接着強度及び紙との貼合
強度も強いものであつた。 実施例 6 230℃のM.I=2g/10分のPPを1台の押出機
へ、DSCの融解ピークの頂点が、130℃、145℃
のT2点にありH1/(H1+H2)が0.5になるよう
に重合したエチレン・プロピレン・ブロツク共重
合体(〔η〕H=7.0、〔η〕R=1.5を他の1台の押出
機へ供給し、280℃にて溶融共押出し50℃の冷却
ドラムに巻付けて約670μ(基本のPP約570μ)の未
延伸シートを得た。このシートを120℃に加熱し
つつ長手方向に4倍に延伸、さらに170℃のテン
ター内に導き横手方向に9倍に延伸して、7%の
弛緩率を与え、20μ(基本のPP17μ)の積層フイル
ムを得た。フイルム特性は下記の通りである。 全光線透過率 93% 光沢度 11 耐消滅性 0 蒸着膜接着強度 5級 実施例6で示した融解ピークの特性を持つポリ
マー層の積層フイルムは、表面の乱反射からくる
光沢度は低くなり、艶消し性の優れたフイルムと
なり、また全光線透過率が高いので、印刷物に貼
合せるプリントラミネート用フイルムとしては最
適のものとなつた。また融解ピークの頂点が高温
側にあるために、耐消滅性に優れた、つや消し性
を維持しており、加熱加圧を施す貼合せ用途(プ
リントラミネート)等に優れていることがわかつ
た。 蒸着膜の接着強度も優れたものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ示差走査熱量
計により測定された融解スペクトルの概略を示す
説明図である。 P1:第1(低温側)の融解ピーク、P2:第2
(高温側)の融解ピーク、A:第1の融解ピーク
の頂点、B:第2の融解ピークの頂点、C:基
線、D:第1の融解ピークの開始点、Tm1:A
点の温度、Tm2:B点の温度、H1:P1における
融解熱、H2:P2における融解熱。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリマー部Hと、ポリマー部Rとを主体とし
    たポリマーからなる粗面化フイルムであつて、ポ
    リマー部Hは、エチレン成分が80wt%以上であ
    り、ポリマー部Rは、プロピレン、ブテン―1の
    少なくとも一種とエチレンとがランダム共重合さ
    れてなり、かつ、ポリマー部Hの極限粘度〔η〕H
    とポリマー部Rの極限粘度〔η〕Rとの差(〔η〕H
    ―〔η〕R)が0〜9.8dl/g、〔η〕Hが1.5〜10dl/
    gである粗面化フイルム。
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