JPH0231031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は両面にループ状パイルを設けたタイル
状両面カーペツトを布設面に布設する際に用いる
固定具に関するものである。

（従来の技術） 本願考案者は先に両面にループ状パイルを有す
るタイル状両面カーペツトを提案した。このタイ
ル状両面カーペツトは表、裏を使い分けることに
より、カーペツトの寿命を長くでき、クリーニン
グの頻度を減らして経費、労力を節約できる等の
利点を有するものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の如きタイル状両面カーペツトを仕上げコ
ンクリート床面、プラスチツクタイル床面、木質
床面等のように表面に引つ掛かりがない布設面又
はフエルト等のように表面に繊維状の柔毛がある
か或いは他の柔らかい引つ掛かり物がある布設面
に直接布設する場合において、前者の表面に引つ
掛かりがない布設面ではもちろんの事、後者の表
面に柔らかい引つ掛かり物がある布設面において
もタイル状両面カーペツトの安定した置敷性が確
保されず、特に清掃時の吸引式掃除機を用いる場
合等カーペツトが浮いたり或いは部分的に剥がれ
てしまう欠点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は、上記の如き欠点に鑑み、両面
にループ状パイルを有するタイル状両面カーペツ
トを表面に引つ掛かりがない布設面及び柔らかい
引つ掛かり物がある布設面のどちらに布設する場
合にも用いることができ、しかもいずれの場合で
も一定の安定した置敷性を与えられるタイル状両
面カーペツトの固定具を提供しようとするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、両面にルー
プ状パイルを設けたタイル状両面カーペツトを布
設面に固定するための固定具において、ゴム、合
成樹脂等よりなるテープ状の可撓性基材の一面
に、上記ループ状パイルと係合する突縁を先端に
形成した係合子を設け、該可撓性基材の他面に両
面接着テープを設けた。

（作用） 本考案は表面に引つ掛かりがない布設面では可
撓性基材の他面を直接に両面接着テープを介して
布設面に接着すればタイル状両面カーペツトの固
定に供することができ、また柔らかい引つ掛かり
物がある布設面においては２枚の可撓性基材の他
面同士を両面接着テープを介して接着し、一方の
面の係合子を用いて該布設面の引つ掛かり物と係
合すればタイル状カーペツトの固定に供すること
ができる。

（実施例） 第１図乃至第４図は本考案の第１図の実施例を
示すもので、本考案を仕上げコンクリート床面、
プラスチツクタイル床面、木質床面等のように表
面に引つ掛かりがない布設面に適用した例を示し
ている。図中１０はタイル状両面カーペツト本体
である。該カーペツト本体１０はジユート等から
なる織物１１を中間層として、上下両方向に織物
１１に固着するゴムラテツクス層１２ａ，１２
ｂ、該ゴムラテツクス層１２ａ，１２ｂに固着す
るジユートやポリプロピレン繊維からなる基布１
３ａ，１３ｂ及び羊毛やアクリル繊維からなるル
ープ状パイル１４ａ，１４ｂが設けられてなる。

３０は床面２０に上記カーペツト本体１０を固
定するための固定具本体で、該固定具本体３０は
第１図及び第２図に示す如くゴム、合成樹脂等よ
りなるテープ状の可撓性基材３１と該基材３１の
一面に設けた先端に突縁を有する多数のオス係合
子３２とからなり、該オス係合子３２はカーペツ
ト本体１０のループ状パイル１４ａ，１４ｂを被
係合子（メス係合子）としてこれに係合するよう
になつている。３３は固定具本体３０の他面に設
けた両面接着テープである。

次に上記の如き固定具本体３０を用いて上記カ
ーペツト本体１０を床面２０上に布設する方法に
ついて説明する。まず、床面２０上にカーペツト
本体１０を敷きつめる位置を決め、４枚のカーペ
ツト本体１０の隣接する隅部が接する位置２１を
中央とするように、四角形状に切断した固定具本
体３０を床面２０上に前記両面接着テープ３３を
介して固着する。また床面２０の縁部にも帯状状
態で前記と同様に両面接着テープ３３を介して固
着する。次に床面２０及び固定具本体３０上にカ
ーペツト本体１０を敷きつめるのであるが、この
際四角形状の固定具本体３０の中央に４枚のカー
ペツト本体１０の隣接する隅部が接する位置２１
に一致するようにする。これにより１枚のカーペ
ツト本体１０に関しては少なくとも４隅が固定具
本体３０に接し、特に床面２０の縁部に位置する
カーペツト本体１０は固定具本体３０と帯状に接
することになる。カーペツト本体１０と固定具本
体３０の接触面の断面図を第４図に示す。

両面接着テープ３３により床面２０上に固定さ
れた固定具本体３０のオス係合子３２の突縁にタ
イル状カーペツト本体１０の一部であるループ状
パイル１４ｂが係合して、カーペツト本体１０は
固定具本体３０上に固定される。従つて、カーペ
ツト本体１０は固定具本体３０を介して床面２０
に固定されるのである。しかも、固定具本体３０
はカーペツト本体１０の１枚当たり少なくとも４
隅を固定することになり、カーペツト本体１０の
一部が浮いたり、剥がれる恐れがない。また、各
カーペツト本体１０のループ状パイル１４ａ，１
４ｂは同じ機能を有し、該ループ状パイル１４
ａ，１４ｂと固定具本体３０のオス係合子３２と
の係合により固定されるものであるから、カーペ
ツト本体１０の脱着が自在であり、かつ、カーペ
ツト本体１０の表面、裏面どちらを用いても全く
同一の操作により固定具本体３０上に固定できる
のである。さらに布設作業も簡単となり、作業能
率も著しく向上する。

第５図は本考案の第２の実施例を示すもので、
本考案をフエルト等のように表面に繊維状の柔毛
があるか或いは他の柔らかい引つ掛かり物がある
布設面に適用した例を示している。本実施例では
２組の固定具本体３０を両面接着テープ３３を介
してそれぞれオス係合子３２が外側を向くように
一体に貼り付けてフエルト等の柔らかい引つ掛か
り物２１がある布設面２２上に固定するものであ
り、その他布設方法などは前記第１の実施例と同
じである。カーペツト本体１０と固定具本体３０
の接触面の断面図を第５図に示す。

ここではカーペツト本体１０の一部であるルー
プ状パイル１４ａ或いは１４ｂのいずれかが１組
の固定具本体３０のオス係合子３２に係合するの
は前記第１の実施例と同じであるが、前記１組の
固定具本体３０のオス係合子３２の面の反対面側
に両面接着テープ３３を介して他の１組の固定具
本体３０の同じ面側に接着されており、床面２２
に直接接触するのは他の１組の固定具本体３０で
ある。この床面２２のフエルト等の引つ掛かり物
２１が他の１組の固定具本体３０のオス係合子３
２の突縁と係合することにより固定具本体３０は
床面２２に固定される。従つて、カーペツト本体
１０は２組の固定具本体３０を両面接着テープ３
３でそれぞれオス係合子３２が外側を向くように
一体に貼り付けた固定具を介して床面２２上に固
定されるのである。なお床面２２上への固定力は
第１の実施例に及ばないがその効果は第１の実施
例とほぼ同様である。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば両面にルー
プ状パイルを設けたタイル状両面カーペツトを布
設するための固定具において、ゴム、合成樹脂等
よりなるテープ状の可撓性基材の一面に、上記ル
ープ状パイルと係合する突縁を先端に形成した係
合子を設け、該可撓性基材の他面に両面接着テー
プを設けたので、仕上げコンクリート床面等のよ
うに表面に引つ掛かりがない布設床面には固定具
を適当な長さに切断し、両面接着テープを介して
固定具の係合子の反対面を床面上に直接に固定し
その上にタイル状両面カーペツトを布設使用する
ことにより、又フエルト等のように表面に柔らか
い引つ掛かり物がある布設床面には２組の固定具
を係合子が外側を向くよう両面接着テープを介し
て一体に貼り付けて固定具の一方の係合子を介し
て床面上に固定し、その上にタイル状両面カーペ
ツトを布設使用することにより固定具の係合子の
突縁にタイル状両面カーペツトのループ状パイル
を係合させることができ、それぞれ性質の異なる
床面への安定した置敷性が確保される。従つて性
質の異なる床面に合わせて異なる構造の固定具を
製造する必要がなく、係るタイル状両面カーペツ
トの布設コストを安価にすることができる。また
カーペツトのループ状パイルと固定具の係合子の
突縁との係合により固定されるものであるから、
カーペツトの脱着が自在である。さらに布設作業
も簡単となり、作業能率の著しく向上する等の利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の第１の実施例を示
すもので、第１図は本考案に係る固定具本体の斜
視図、第２図は床面へ接着した状態の断面図、第
３図はカーペツトの布設方法を説明するための平
面図、第４図は第３図−線矢視方向拡大断面
図、第５図は本考案の第２の実施例を示すもので
第４図と同じ拡大断面図である。 １０……タイル状両面カーペツト本体、１４
ａ，１４ｂ……ループ状パイル、２０……引つ掛
かりのない床面、２１……引つ掛かり物、２２…
…引つ掛かりのある床面、３０……固定具本体、
３１……基材、３２……オス係合子、３３……両
面接着テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両面にループ状パイルを設けたタイル状両面カ
   ーペツトを布設面に固定するための固定具におい
   て、ゴム、合成樹脂等よりなるテープ状の可撓性
   基材の一面に、上記ループ状パイルと係合する突
   縁を先端に形成した係合子を設け、該可撓性基材
   の他面に両面接着テープを設けたことを特徴とす
   るタイル状両面カーペツトの固定具。