JPH0438795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は敷設面に対し充分な滑り止め効果を発
揮する植毛マツトに関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種のマツトは表面に植毛したように
立毛させた基布の表面に、ゴム、または塩化ビニ
ールシートを接着剤で接着したり、基布をゴム又
は塩化ビニール等の溶解時の熱接着性により基布
裏面に接着したものがある。

［考案が解決しようとする問題点］ 前記従来のこの種のマツトにおいて、表面全般
に植毛したように立毛させた基布の裏面に、ゴ
ム、又は塩化ビニールシートを貼り付けたもので
は一般的に剥離し易いという問題点は避けられ
ず、また使用、洗濯等によりその傾向が強い。ま
た、後者の裏打ちシート材のゾル状態時での熱接
着性を利用して溶着しただけのものは、その熱硬
化によりシート裏面が平滑面となり、床面との摩
擦力が小さくて、木製の床やプラスチツクタイル
張りの床面に敷いた場合、滑り動き易いという問
題点があつた。

これを防ぐために前記シートの裏面に網目状の
溝を付けたりしているが、プラスチツクタイル張
りの床面にはその滑り止め効果は低く、そこで塩
化ビニールシートの裏面にスパイクを設けること
も考えられているが、接触面積が減少し床面に対
する密着安定性に欠けることと、長尺製品の場
合、巻取り、保管、輸送に嵩高となるばかりでな
く、スパイクでカーペツトの毛を傷めるなどの欠
点がある。従つてマジツクテープや両面接着テー
プで止めたりしているのが現状である。

本考案はこのような問題点を解決するもので、
要求されている確実に滑り動きを防止でき、また
カーペツトの上にも敷くことのできる植毛マツト
を提供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案では、表面に
植毛したように毛繊維３を立毛２させた基布１の
裏面を塩化ビニール、ウレタン等の合成樹脂層で
覆う裏打ちシート４を設けた弾力性と可撓性を有
する植毛マツトにおいて、弾性、反発力の強いナ
イロン、その他の合成繊維で織成された薄布６の
下面にループ状のパイル群７を突出させ、そのパ
イル群７に天然、またはウレタン系のゴム溶液を
吹き付け又は塗布、含浸させてパイル表面にゴム
８を添着し、薄布６を前記裏打ちシート４にその
溶融時の熱接着性により重合溶着して、裏面にゴ
ム８を付した前記パイル群の凸凹によるゴム粗面
９を形成した滑り止め層５を設けてなる構造であ
る。

［作用］ 本考案の植毛マツトは上記の構成で、ホテルや
ビル内の玄関、フロアー、廊下、室内の床面や自
動車内の下に敷設するもので、本植毛マツトに裏
打ちされた塩化ビニール、ウレタン等からなる裏
打シート４の裏面には、薄布６の下面に突出させ
たループ状のパイル群７に天然ゴム、ウレタンゴ
ム等の溶液を吹き付け又は塗布、含浸させて、ゴ
ム８が添着した無数のパイル群による凸凹のヤス
リ面状のゴム粗面９を形成した滑り止め層５が設
けてあるので、床面に敷設したとき、ゴム８を付
したパイル群７のループがあらゆる方向へ倒れへ
たばり、かつ添着したゴム８との相乗作用で、滑
りの方向性が万遍なく阻止されると共に、踏圧に
よつてより強くパイル群７の凸凹によるキノコ状
のゴム粗面９が床面に密着し、ゴム粗面９の断続
的な微細空隙が負圧となつて、よく床面をつか
み、大きな滑り止め効果が発揮され、植毛マツト
の滑り動きを防止でき密着安定する。

また、この植毛マツトは敷設のじゆうたんの上
に敷くと、滑り止め層５裏面に突出したパイル群
７のループに付したゴム８によりキノコ状のゴム
粗面９を構成しているので、じゆうたんの毛先に
引つ掛かり、マジツクフアスナーと同様に両者が
係着して、上に引き外さない限り横への滑りは皆
無で、ホテルの食堂など食べ物を落としたり、土
足で汚され易い場所のじゆうたんの保護、汚損防
止に使用できる。

［実施例］ 以下図面について本考案の実施例を説明する
と、第１〜４図は本考案に係る植毛マツトを示す
もので、１は適宜に織成された基布、２は基布１
にタフテイング機により打ち込まれた毛繊維３を
表面一面に植毛したように起毛した立毛である。
４は前記基布１の裏面に塩化ビニール、ウレタン
等の合成樹脂溶液の熱接着性を利用して接着成層
した裏打シート、５は裏打シート４の裏面にその
裏打シート材の溶融時の熱接着性により一体に重
合接着した滑り止め層で、弾性、反発力の強いナ
イロン、その他の合成繊維により織成された薄布
６の下面に突出させたループ状のパイル群７と、
このループ状のパイル群７に天然ゴム、ウレタン
ゴム等の溶液を吹き付け、又は塗布し、或いは含
浸させて、ゴム８を付したパイル群７のループに
よる凸凹によりゴム粗面９を形成し、薄布６の上
面を、前記裏打シート４の硬化前の溶解時の接着
性を利用して裏打シート４の裏面に重合し薄布６
に浸透させて接着合体させてなるものである。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の植毛マツトの最
下層には、薄布の裏面に突出したループ状のパイ
ル群に天然、またはウレタン系のゴム溶液を吹き
付け、塗布または含浸させて、ゴムを付したルー
プ状のパイル群の無数の凸凹によるキノコ状のゴ
ム粗面を形成し、その薄布を植毛マツト裏面の裏
打シートにその溶解時の熱接着性を利用して重合
一体に接着させた滑り止め層を設けたものである
から、床面に敷設したとき、従来の塩化ビニール
シートに比べ、コムを付したループ形のパイル群
の凸凹によるキノコ状のゴム粗面と、踏圧によつ
てキノコ状の凸凹が床面にへたばる方向がまちま
ちで揃わず方向性が一定しないことと、そのゴム
粗面の微細空隙による吸着、負圧現象により非常
に摩擦抵抗が大で、横方向に力が加わつても滑り
動くことがなく、従来のこの種植毛マツトにない
確実な滑り止め効果を発揮し得て、平滑な床面へ
の落ち着きがよく敷設の密着性、安定性に優れて
いる。従つて所定の場所に敷いた植毛マツトが動
き、ゆがんで人に与える感じの悪さや不体裁を完
全に解消しうる植毛マツトが得られる。また、本
植毛マツトは既に敷いてあるじゆうたん（カーペ
ツト）の上に敷いたとき、ゴムの添着された起毛
パイル群がじゆうたんの毛に係着して全く滑り動
くことがないので、固定の為の一切のマジツクテ
ープや両面接着テープは不要となり、毛を傷める
こともなく、汚損され易い場所のじゆうたんを保
護できると共に、その取り替え、洗濯も簡単にで
き便利である等の実用的効果は極めて大である。

又植毛マツトの裏打ちされた弾力性と可撓性を
備えた塩化ビニールのシートの裏面に滑り止め層
を設けて所定の厚さに形成されるので、強度が増
すと共に高価な塩化ビニールシートの厚さを薄く
でき、減材効果と接着のためのシンナーを含む速
乾性の水性、溶剤等の接着剤を用いないので危険
も解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る植毛マツトの実施例を示
す斜面図で一部を切欠する、第２図は同部分的拡
大断面図、第３図は第１図の一部の裏平面図、第
４図は第２図の部分拡大図。 １は基布、２は立毛、３は毛繊維、４は弾力性
と可撓性を備えた合成樹脂の裏打シート、５は滑
り止め層、６は薄布、７はパイル群、８はゴム、
９はキノコ状のゴム粗面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面に植毛したように毛繊維を立毛させた基布
   の裏面を塩化ビニール、ウレタン等の合成樹脂シ
   ートで裏打ちした弾力性と可撓性を有する植毛マ
   ツトにおいて、弾性、反発力の強いナイロン、そ
   の他の合成繊維で織成された薄布の下面にループ
   状のパイル群を突出させ、そのパイル群に天然、
   またはウレタン系のゴム溶液を吹き付け又は塗
   布、含浸させ、薄布を前記裏打シートにその溶融
   時の熱接着性により重合接着して、裏面にゴムを
   付した前記パイル群の凸凹によるキノコ状のゴム
   粗面を形成した滑り止め層を設けてなる植毛マツ
   ト。