JPH0212928Y2 - - Google Patents

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JPH0212928Y2
JPH0212928Y2 JP9114586U JP9114586U JPH0212928Y2 JP H0212928 Y2 JPH0212928 Y2 JP H0212928Y2 JP 9114586 U JP9114586 U JP 9114586U JP 9114586 U JP9114586 U JP 9114586U JP H0212928 Y2 JPH0212928 Y2 JP H0212928Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本考案は、カーペツトの製造工程でカーペツト
基布に取付ければ滑動防止効果に優れた滑動防止
カーペツトを得ることができ、又既製のカーペツ
トの下面に敷けば、カーペツトの滑動防止が容易
に実現できる滑動防止シートに関し、更に詳しく
は上記の機能を有するとともに軽量で取り扱いが
容易であり、且つ半永久的な使用にも滑動防止効
果が劣化しない滑動防止シートに関する。 〔従来の技術〕 現在一般家庭では、保温や防震又は床面保護等
の目的からカーペツトを居間や寝室等の床面全体
に敷いたり(以下、このカーペツトを全面敷きカ
ーペツトと称す。)、玄関や洗面所等の要所のみに
部分的に敷く(以下、このカーペツトを部分敷き
カーペツトと称する。)ことがよく行われている
が、通常カーペツトはその上を人が頻繁に往来す
ることから、歩行によりカーペツトに水平方向の
分力が生じ、カーペツトの敷設位置がずれる事態
が発生し、その都度カーペツトの敷設位置を修正
する必要があつた。 特に近年普及がめざましい、いわゆる玄関マツ
トやバスマツト等の部分敷きカーペツトにおいて
は、この問題は一層深刻である。これらはカーペ
ツトの面積が小さく、わずかの力でもカーペツト
がずれるので、カーペツトへの踏み込み時にカー
ペツトが滑動して転倒する危険が常にあつた。 従来、これらの滑動に対処する方法としてはカ
ーペツト自体を滑動防止加工を施したカーペツト
に取り替えたり、または既製カーペツトの裏面
に、単体シートとして販売されているいわゆる滑
動防止シートを取付けたりすることなどが知られ
ている。そしてこれらにおける滑動防止作用はカ
ーペツトもしくはシートの下面、即ち床面と接触
する側に、粘着性を有したゴムシートや、またシ
ート状あるいはテープ状の粘着テープを貼着する
ことによつて実現している。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながらゴムシートを用いたものは重く清
掃時の取り外しや移設等、カーペツトの取り扱い
が困難であり、また製造原価も高くつく等の問題
があつた。 他方、両面粘着テープを用いたものは、一度敷
設すると粘着テープの粘着剤が床面に密着するた
め、敷設後の自由な移設は困難であり、また移設
を繰り返せば、粘着テープのフラツトな粘着面に
塵埃が附着して粘着力が極端に低下し、ひいては
滑り止め効果を失うこととなつていた。更に、粘
着力が強力であるときには粘着剤の粘着力や、粘
着剤に配合された溶剤との化学反応によつてカー
ペツトの移設時に床面の塗料やニスがはがれるこ
とがありカーペツト除去後の床面に傷痕を残すこ
とにもなつていた。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案はかかる現況に鑑みなされたものであ
り、カーペツト基布下面に裏打布として取付けた
り、また独立した単体シートとして適宜、既製の
カーペツトの下面に敷設すればカーペツトの滑動
が半永久的に防止できる滑動防止シートを提供せ
んとするものであり、その要旨とするところは、
毛羽を有するヤーンだけで、あるいは毛羽を有す
るヤーンと毛羽を有しないヤーンとを組み合わせ
てシートを構成し、少なくとも該シートの外面の
毛羽を有するヤーン部分には適度な粘着性を有す
る粘着剤を付着させて滑動防止シートを構成する
ことを特徴とする点にある。 〔作用〕 このような滑動防止シート(以下、単にシート
と称する。)を接着剤層を介してカーペツト基布
に接着し、滑動防止カーペツトを構成すれば、カ
ーペツトは粘着剤で床面に粘着固定されるので頻
繁な人の往来に際してもカーペツトはずれること
はなくなる。特に部分敷きカーペツトを構成した
場合ば、カーペツトに踏み込む足の位置や角度に
かかわりなく、カーペツトは静止状態を維持され
るので、従来のようにカーペツトの滑動による転
倒等の事故を心配する必要がなくなりカーペツト
を安心して使うことができるものである。 また、本シートは単体で独立して使用すること
も可能で、この場合は敷設時にカーペツトの下面
と接触するシートの内面側に外面側と同様、適度
な粘着性を有する粘着剤を塗布してシートを構成
する。このような構成のシートを既製カーペツト
の下面と床や畳表等の敷設面との間に介在させれ
ば、カーペツト本体とシートは接着剤や縫いつけ
手段により固着しなくても、シート内面側に塗布
された粘着剤によつて滑ることなく粘着係止さ
れ、またシートと敷設面との滑動は粘着剤により
防止されているので、カーペツトは敷設面に対し
滑動を防止されることになる。 そしてこの滑動防止作用は主として毛羽立て加
工され、且つ粘着剤が附着せられたヤーン部分で
なされるが、粘着剤は床面塗料と化学的に反応し
ない素材からなり、且つ粘着強度もカーペツトの
床面からの剥離に対して、床面に傷を残さない程
度としているので移設に際しても床面に損傷を与
えることはない。また床面には多数の塵埃が存在
することから、カーペツトの粘着剤にも塵埃は附
着するが、塵埃は毛羽立て加工されたヤーン内奥
にとりこまれるので、床面との接触面であるヤー
ン表面に塵埃が付着して粘着力が低下するという
事態の発生もなく、しかも粘着剤は単にヤーン表
面だけに附着しているのではなく、毛羽の中にも
浸透しているので、常にヤーン内部から表面には
粘着剤が補給されることとなり粘着力は劣化する
ことなく長期間にわたつて維持される。 〔実施例〕 次に本考案の詳細を図示した実施例にもとづい
て説明する。第1図は本考案にかかるシートの織
り方の各種態様を示す説明図である。シート1は
例えばポリプロピレン等の吸水性を有しない合成
樹脂製のヤーン2を織ることで構成され、その織
り方としては任意の方法が採用可能であるが、ヤ
ーン2の一部又は全部に毛羽を有するものを用い
ることが本考案の特徴の一つとなつている。本実
施例では毛羽を有するヤーンとして割繊処理した
スプリツトヤーン3を用い、他の部分にはテープ
状のフラツトヤーン4を用いている。尚、後述す
る粘着剤の塗布量を問題としないならば、ヤーン
2の素材としては羊毛や紡績糸等、吸水性を有す
る繊維を用いることも除外するものではない。第
1図イとして示したものは経糸にスプリツトヤー
ン3を、緯糸にフラツトヤーン4を用いた場合、
第1図ロは経糸の全部と緯糸の一部にスプリツト
ヤーン3を用い、緯糸の残りをフラツトヤーン4
とした場合、ハは経糸、緯糸の全てをスプリツト
ヤーン3とした場合である。以上示したものはシ
ート1を織地で構成したものであるが、図示しな
いが、これを編地で構成することも除外するもの
ではない。 そしてこのようにしてスプリツトヤーン3とフ
ラツトヤーン4を織り込んで形成されるシートの
片面もしくは両面には粘着剤が付着されるのであ
るが、この態様は本シートを製造段階でカーペツ
トに取り付けてカーペツトの裏打布として用いる
場合と、該シートを独立した単体のシートとして
用い、既設のカーペツト等の下面に適宜敷設する
場合とでは異なる。 該シートを裏打布として用いる場合の一実施例
は例えば第2図で示される。図中5はループパイ
ル糸、6は該ループパイル糸が植立されるタフテ
ツド基布(以下、単に基布6と記述する)、1が
カーペツトの裏打布となる本考案にかかる滑動防
止シートであり、7は前記基布6とシート1間に
介在して両者を接着させる接着剤層である。 このように構成されるシート1の内側面には接
着剤層7を介して基布6が面接着されるが、本実
施例ではこの接着剤層7を形成する接着剤として
は炭酸カルシウム等の増量材を適宜含有させたス
チレンブタジエンゴム(以下、SBRと称する。)
を用い、基布6の裏打布としてのシート1への確
実な接着をなすとともに、カーペツトに適度な剛
性をももたせている。本実施例では接着剤として
はコスト面からSBRを用いたが、基布6とシー
ト1との間に一定の剥離強度が得られるならば、
合成樹脂系や他のゴム系接着剤を使用することも
勿論可能であり、また更に剛性をもたせるために
無機粉末等を混合させることも適宜採用され得
る。接着剤層7は基布6とシート1間に介在して
両者を接着固定させるのであるが、シート1には
毛羽を有したスプリツトヤーン3があるため、多
数の毛羽が接着剤層7に埋設されることとなつ
て、いわゆるアンカー効果が生じ接着剤層7とシ
ート1は確実に接着され、基布6とシート1との
剥離強度は極めて強力なものとなすことができ
る。 またシート1の外面側、即ち使用時に床面と接
触する側には、粘着剤8を附着させるのである
が、この粘着剤8としては床面や畳表に損傷を与
えないよう床面の塗料と化学反応しない素材であ
つて且つカーペツトの移設に際じても、床面の塗
料を剥がしたり畳表を傷めない程度の粘着性を有
するものを用いることが前提である。本実施例で
はこの条件を満足する粘着剤8として重量比で
SBRラテツクス44%に対して水、乳化剤、安定
剤等56%を調合して構成したSBRを低価格故に
用いているが、その他一般のアクリル系の粘着剤
を用いることも上記の条件を満足する限りにおい
て任意である。尚SBRは経時変化によつて黄変
する傾向があることから、粘着剤としてSBRを
用いたときにはヤーン2に着色を施して、黄変が
目立たないようにすることも商品価値を低下させ
ないためには有効な手段といえる。 SBRの塗布作業は裏打布3外面全体にわたつ
てなされるが、通常ポリプロピレンはSBRやそ
の他アクリル酸系の粘着剤には付着しにくい性質
を有することから、塗布された粘着剤8はフラツ
トヤーン4には付着せずに、スプリツトヤーン3
の毛羽間にのみに付着することとなり粘着剤の塗
布量は大幅に節約することができる。そしてこの
付着はいわゆる物理接着や化学接着ではなく、毛
羽間にSBRが係止されることによりなされるた
め、SBRは毛羽間を比較的自由に移動し、常に
スプリツトヤーン3表面に向かつて下方移動して
スプリツトヤーン3表面に粘着剤を供給し得る状
態を維持される。そしてこの現象は後述するよう
に滑動防止作用を長期間にわたつて維持すること
に寄与することとなる。 以上のように、本考案にかかる滑動防止シート
1を裏打布に用いて構成した滑動防止をカーペツ
トは全面敷きや部分敷きいづれにおいても使用可
能で、また敷設する床面も化粧合板床、リノリウ
ム、畳表等は勿論のこと、いわゆるセカンドカー
ペツトとして既設のカーペツトに重ねて敷くこと
もできる。 床面上に敷設されたカーペツトはシート1外面
側に塗布された粘着剤により床面に粘着係止さ
れ、例えばカーペツト上の載置物の移動や該カー
ペツト上の人の往来による水平方向の分力にも該
カーペツトは滑動することなく最初の敷設位置を
確実に維持される。 第3図、第4図として示すものは本考案にかか
る滑動防止シートを単体で用い、既設のカーペツ
トと床面との間に適宜介在させて用いる場合であ
る。図中Aは既製のカーペツトであり、その裏打
布はジユートであつてもポリプロピレン等のフラ
ツトヤーンを織つたものでも良い。またカーペツ
トAは滑動防止加工を施していないものでもよい
し、また滑動防止効果の低下した従来の滑動防止
カーペツトでもよい。この使用態様のシート1a
の構成と前述したカーペツトの裏打布として用い
るシート1との相違は、シート1aの内面側に接
着剤層7の代わりに外面側の粘着剤8と同様の粘
着剤9を塗布することにある。そしてこの場合シ
ート1aへの粘着剤9の塗布工程は、シート外面
への粘着剤8の塗布と同時に行うものとし、塗布
後はポリエチレンフイルム等の離型性に優れたフ
イルムを粘着剤8,9の塗布面のいづれかに貼着
するとともにシート1aをロール状に巻取つて保
管するものとする。 このようにして構成される滑動防止シート1a
は、全面敷きカーペツトにも部分敷きカーペツト
にも使用可能であるが、第4図に示す如く玄関マ
ツトや台所マツト等の部分敷きカーペツトに用い
た場合は特に有効である。部分敷きカーペツトに
該シート1aを用いる場合は、既製のカーペツト
Aの下面と床面等の敷設面Bとの間に単に介在さ
せるだけで良く、縫い付けたり接着剤等で接着さ
せる必要はない。またシート1aの大きさや形状
はカーペツトAの大きさや形状に対応して適宜設
定されるもので、図示したものはカーペツトAと
略同一形状とし、その面積をカーペツトAよりや
や小さめとしているが、他の形状とすることや図
示しないが該シート1aを複数枚としてカーペツ
トAの角部のみに位置させるなど適宜な態様が考
えられる。敷設後は、シート1aはカーペツトA
の重量と大気圧によつて敷設面Bに押圧され、シ
ート1aとカーペツトAはカーペツトA下面の毛
羽及び粘着剤9により係止され、またシート1a
と敷設面Bとはシート1a外面の毛羽と粘着剤8
により係止されることとなり、頻繁な人の往来に
際してもカーペツトAはずれることなく安定した
敷設状態を維持することができるものである。出
願人はこの滑り止め効果を検証すべく次のような
従来品との比較実験を行い別表に示すような好結
果を得た。既製のカーペツトAの下面と敷設面B
間にシート1aを介在させて、敷設面Bに対する
カーペツトAの滑動防止効果を測定すれば、実使
用時の滑動防止効果が測定できるが、シート1a
と敷設面B及びシート1aとカーペツトA間の静
止摩擦係数を同時に測定することは困難であるの
で、シート1aと敷設面B、シートとカーペツト
との静止摩擦係数をそれぞれ別に測定することと
した。
【表】 総重量(W)
〔考案の効果〕
本考案にかかる滑動防止シートは、毛羽を有す
るヤーンと毛羽を有しないヤーンとを組み合わせ
てシートを形成し、該シートの少なくとも外側の
毛羽を有する部分に適度な粘着性をもつた粘着剤
を付着させて構成しているので、該シート内面に
接着剤層を介在させてカーペツト基布下面に貼着
し通常の裏打布として使用すれば強力な滑動防止
カーペツトが提供でき、また該シート内面にも外
面と同様の粘着剤を塗布すれば単体のシートとし
て使用することが可能なつて、既製のカーペツト
の裏面と敷設面との中間に介在させれば、カーペ
ツト本体に縫い付けたり、接着しなくともカーペ
ツトの滑動防止が手軽に実現できるものである。
そしてこのようにして滑動を防止したカーペツト
は頻繁な人の往来に対しても安定した敷設状態を
維持されることとなり、例えば部分敷きカーペツ
ト等における踏み込み時のカーペツトの移動もな
くなり、カーペツトの滑動を原因とする転倒等が
防止できて安全である。そしてこの滑動防止作用
は、主として粘着剤が付着した毛羽部分でなされ
るが、粘着剤は毛羽表面に付着すると同時に毛羽
内奥にも捕促され、常時毛羽表面に向かつて粘着
剤を補給し得る状態にあることから、敷設面に存
在する塵埃によつて滑動防止効果が低下すること
もなく度重なる移設にも滑動防止効果は劣化する
ことはない。また粘着剤の粘着性は適度なものと
したので、カーペツト及びシートの移設は容易で
あり、移設にともなう床面の塗料落ち等の心配も
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図イ,ロ,ハは本考案にかかる滑動防止シ
ートの織り方の各種態様を示す説明図、第2図は
本考案にかかる滑動防止シートをカーペツト基布
下面に接着して構成した滑動防止カーペツトの説
明用断面図、第3図は本考案にかかる滑動防止シ
ートで単体シートを構成した場合の説明用断面
図、第4図は同シートの使用状態を示す説明図、
第5図は本考案にかかる滑動防止シートの滑動防
止効果の測定を行つた試験方法を示す説明図であ
る。 1,1a……滑動防止シート、2……ヤーン、
3……スプリツトヤーン、4……フラツトヤー
ン、5……ループパイル糸、6……基布、7……
接着剤層、8,9……粘着剤、10……支持台、
11……対象基材、12……試料クロス、13…
…滑体、14……紐体、15……重し。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 毛羽を有するヤーンだけで、あるいは毛羽を
    有するヤーンと毛羽を有しないヤーンとを組み
    合わせてシートを構成し、少なくとも該シート
    の外面の毛羽を有するヤーン部分には適度な粘
    着性を有する粘着剤を付着させてなる滑動防止
    シート。 2 毛羽を有するヤーンとしてスプリツトヤーン
    を用いてなる前記実用新案登録請求の範囲第1
    項記載の滑動防止シート。 3 スプリツトヤーンの素材としてポリプロピレ
    ンを用いてなる前記実用新案登録請求の範囲第
    2項記載の滑動防止シート。
JP9114586U 1986-06-13 1986-06-13 Expired JPH0212928Y2 (ja)

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JP9114586U JPH0212928Y2 (ja) 1986-06-13 1986-06-13

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JP9114586U JPH0212928Y2 (ja) 1986-06-13 1986-06-13

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Publication Number Publication Date
JPS62203679U JPS62203679U (ja) 1987-12-25
JPH0212928Y2 true JPH0212928Y2 (ja) 1990-04-11

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ID=30951655

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