JPH0230582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンクリート建築物、即ちビルデイ
ング、煙突の高所部分から下層部へ順次コンクリ
ートの破砕作業をする際、縦横に展開するコンク
リート被破砕物に応じて破壊ヘツドの向きを変換
させる破砕機転回装置に関するものである。

従来のコンクリート建築物解体の破砕作業の一
例として、移動式クレーンの巻上げワイヤロープ
１本で破砕機を垂直吊りにして下げているから破
砕機は中空で回転し、また振れ動きが大きく目標
に対する位置決めが悪くして、破砕機の一端部に
ロープを結び付け、地上にて作業員が誘導せる
も、２トン以上の重量を人力にて支え、また停止
させるのは難しい、尚、コンクリート破砕をする
作業範囲内に時として引込まれることもあり危険
べある。また、その誘導者の代わりに、移動式ク
レーン運転者の操作にて破砕物に対するワイヤロ
ープ一本吊りで、垂直に一方向の作業で回転、振
れを止めるのは、コンクリート破砕直前にして高
所位置の破砕物、いわゆるコンクリートに当てて
停止させる作業を行なうため、機械の損傷、作業
能率が悪い欠点を有していた。

そこで、例えば、実公昭56−48838号に示され
る如く、クレーンのジブ先端から２本のワイヤロ
ープを垂らし、その１本を、基部の両端からフラ
ンジ部を延出したほぼコ字状の枠体の一方のフラ
ンジ部に他方のフランジ部に向けて進退自在のチ
ゼル刃を設けてなる破壊ヘツドの該基部に先端２
股に分枝させて止着して該コ字形開口を下に向け
た状態で吊下し、さらに、他の１本を該一方のフ
ランジ部の両側面に先端２股に分枝させて止着
し、２本の巻上げワイヤロープの吊りでもつて中
空での回転を解消すると共に、破壊ヘツドの向き
をコ字形開口が下向きと横向きとに制御すること
が行なわれている。

しかるに、叙上の転回装置では、被破砕物を噛
む破壊ヘツドは、被破砕物の真上から取り付いて
真下に位置する被破砕物を水平に噛むのと水平に
延伸する被破砕物に対して横方向より取り付いて
垂直に噛むのとしか作用し得ず、被破砕物が垂直
状に延伸するポール状のものの場合には、横方向
より取り付いて水平に噛むが如き制御は出来ない
ので、破砕が不可能であり、破砕要領に大なる制
約を受ける。

本考案は叙上の実情に鑑み、横方向より取り付
いて水平に噛む動きをも可能としたもので、その
要旨とするところは、コンクリート破砕機は移動
式クレーンのジブ先端から下げられた主、補助２
本のワイヤロープのうち当該主ワイヤロープをボ
デイ基端に止着されて破壊ヘツドを下向きにした
姿勢で吊下されるを可能とすると共に該補助ワイ
ヤロープ先端にはウインチハウジングを取り付
け、当該ウインチハウジング下部より持ち出しの
２股ワイヤロープを該コンクリート破砕機ボデイ
一一側面先端部に止着させて該主ワイヤロープと
共同して該破壊ヘツドを水平噛み姿勢に吊下可能
とし、さらに、該ウインチより引き出しのワイヤ
ロープを先端２股に分枝のうえ該コンクリート破
砕機ボデイー両側面先端部に止着させて該主ワイ
ヤロープと共同して該破壊ヘツドを横向き垂直噛
み姿勢に吊下可能としたものである。以下、本考
案の実施例を図に基づいて詳細に説明する。

第１図は、本考案の破砕機転回装置付移動式ク
レーン全体を示す側面図、第２図は、第１図の部
分、シヨート補助ジブを装着した図である。第３
図は、この考案に係わる破砕機を横向き水平噛み
姿勢にした態様図。第４図は同じく破砕機を垂直
水平噛み姿勢にした態様図。第５図は、同じく破
砕機を横向き垂直噛み姿勢にした態様図である。
図に於いて、１は移動式クレーン本体、２は当該
本体１に取り付けの主ジブ、３は当該主ジブ２に
取り付けられたロング補助ジブ、４はシヨート補
助ジブを夫々示す。

叙上のジブ先端からは主ワイヤロープ８と補助
ワイヤロープ９の２本のワイヤロープが垂れ下げ
られている。

該主ワイヤロープ８の先端はコンクリート破壊
機５のボデイー５ａ基端に設けたリンク１４にロ
ープソケツト１３を介して止着している。しかし
て、破壊機５を主ワイヤロープ８のみで支持する
場合は、第４図に示す如く破壊機５は破壊ヘツド
５′が下向きとなり、被破砕物Ａを真上からつか
み、水平方向に破断する作業がなし得る。

一方の補助ワイヤロープ９の先端はウインチ６
を収容するウインチハウジング７上面にロープソ
ケツト１２を介して止着されている。

ウインチハウジング７下面からは２股に分枝の
ワイヤロープ１０が吊り下げられており、その各
先端は該破壊機５のボデイー５ａの一方の側面先
端部に止着されている。

しかして、ワイヤロープ１０と主ワイヤロープ
８とが共同吊りのもとで破壊機５を支持する場合
は、第３図に示す如く破壊機５は破壊ヘツド５′
を水平姿勢にした横向きの姿勢になり、ポール状
に起立する被破砕物Ａに対して横から取り付き、
水平破断をする作業がなし得る。

ウインチ６に巻装のワイヤロープ１１はその先
端を２股に分枝させたうえで破壊機５のボデイー
５ａの両側面先端部に止着させている。

しかして、ワイヤロープ１１と主ワイヤロープ
８とが共同吊りのもとで破壊機５を支持する場合
は、第５図に示す如く破壊機５は破壊ヘツド５′
を垂直姿勢にした横向きの姿勢になり、水平に延
伸した態様の被破砕物Ａに対して横から取り付
き、垂直に破断する作業がなし得る。

尚、図中１５は破壊ヘツド５′作動用の油圧ホ
ース、１６はウインチ６作動用の油圧ホースを
夫々示す。

以上の如く、本案にあつては、破壊ヘツド５′
を３種の態様で被破砕物Ａに対して取り付けさ
せ、それぞれ破断させることが出来る。

特に、ポール状に起立している被破砕物Ａに対
して途中より水平破断させ得る機能は既述の従来
のものに期し得ないものであり、破砕手順に拘束
を受けることがなく、実用上極めて好便である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の破砕機転回装置移動式クレ
ーン全体を示す側面図、第２図は、第１図の部
分、シヨート補助ジブを装着した図、第３図は、
この考案に係わる破砕機を横向き水平噛み姿勢に
した態様図、第４図は同じく破砕機を垂直水平噛
み姿勢にした態様図、第５図は、同じく破砕機を
横向き垂直噛み姿勢にした態様図である。 １……移動式クレーン本体、２……主ジブ、３
……ロング補助ジブ、４……シヨート補助ジブ、
５……コンクリート破壊機、５ａ……ボデイー、
５′……破壊ヘツド、６……ウインチ、７……ウ
インチハウジング、８……主ワイヤロープ、９…
…補助ワイヤロープ、１０……ワイヤロープ、１
１……ワイヤロープ、１２……ロープソケツト、
１３……ロープソケツト、１４……リンク、１５
……油圧ホース、１６……油圧ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート破砕機は移動式クレーンのジブ先
   端から下げられた主、補助２本のワイヤロープの
   うち当該主ワイヤロープをボデイ基端に止着する
   と共に該補助ワイヤロープ先端にはウインチハウ
   ジングを取り付け、当該ウインチハウジング下部
   より持ち出しの２股ワイヤロープを該コンクリー
   ト破砕機ボデイー一側面先端部に止着させ、さら
   に、該ウインチより引き出しのワイヤロープを先
   端２股に分枝のうえ該コンクリート破砕機ボデイ
   ー両側面先端部に止着させたことを特長とする破
   砕機転回装置。