JPH0230518B2 - - Google Patents

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JPH0230518B2
JPH0230518B2 JP57018812A JP1881282A JPH0230518B2 JP H0230518 B2 JPH0230518 B2 JP H0230518B2 JP 57018812 A JP57018812 A JP 57018812A JP 1881282 A JP1881282 A JP 1881282A JP H0230518 B2 JPH0230518 B2 JP H0230518B2
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JP
Japan
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circuit
signal
data
output
key
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JP57018812A
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Toshio Tomizawa
Hideo Suzuki
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Yamaha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は電子楽器におけるビブラート等の変
調信号発生装置に関する。 ビブラートのための変調信号をデイジタルで発
生するようにした電子楽器の従来技術としては、
特開昭53−106023号公報に開示されたものがあ
る。そこに示されたような従来の変調信号発生装
置では、電圧制御型発振器(以下VCOという)
によつて周波数可変のクロツクパルスを発振し、
このクロツクパルスによつてカウンタタの内容を
1づつカウントアツプもしくはダウンし、このカ
ウンタの出力にもとづきデイジタルの変調信号を
形成するようにしている。そこにおいて、ビブラ
ート周波数はVCOの発振周波数を可変調整する
ことにより制御される。また、ビブラート深さは
カウンタの出力信号をシフト回路において適宜シ
フトすることにより制御される。ところで、上述
のような従来装置においては、ビブラート周波数
を可変調整するためにVCOが必要であるため、
回路構成が大規模になつてしまうという欠点があ
つた。また、数値シフトによつて深さ制御を行な
わねばならないためシフト回路の構成を複雑なも
のにしなければならないという欠点があつた。何
故ならば、2進数のシフトによつて得られる数
は、単純には元の数の2nの数に限定されるため、
単純なシフト回路では単純な深さ制御しか行なう
ことができず、深さ制御に幅をもたせるには様々
にシフトされた数値を加算もしくは減算する機能
を具備した複雑なシフト回路を用いねばならない
からである。また、シフト回路の代わりに乗算器
を用いて深さ制御を行なうことも考えられるが、
そうすると回路構成がより一層複雑になつてしま
う。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、
VCOを使用せずに構成を簡単化し、かつ自由な
深さ制御を可能にした電子楽器におけるデイジタ
ル式の変調信号発生装置を提供しようとするもの
である。 この発明に係る変調信号発生装置は、演算タイ
ミングを設定するための第1の数値を発生する第
1の数値情報発生手段と、前記第1の数値を繰返
し加算もしくは減算し、その計算内容が所定値に
到達する毎に制御信号を出力する第1の演算手段
と、前記演算タイミング毎のデータの変化幅を示
す第2の数値を発生する第2の数値情報発生手段
と、前記制御信号に基づき、前記演算タイミング
毎に前記第2の数値を加算もしくは減算する第2
の演算手段と、目標値を示すデータを発生する目
標値データ発生手段と、前記目標値を示すデータ
と前記第2の演算手段の計算内容とを比較する比
較手段と、この比較手段の比較結果に基づき、前
記計数内容が前記目標値に一致したときもしくは
超えたとき前記第2の演算手段を加算モードから
減算モードにあるいはその逆に切り換える制御を
行ない、前記第2の演算手段の計数内容が前記目
標値の範囲内で増減を繰り返すようにする制御手
段とを具え、前記第2の演算手段の出力を楽音を
変調するための変調信号として用いるようにした
ものである。 第1の演算手段では第1の数値に応じたタイミ
ングで制御信号を出力する。第2の演算手段で
は、この制御信号に基づき、第1の数値により設
定した演算タイミング毎に第2の数値を加算もし
くは減算する。また、制御手段では、比較手段に
よる比較結果に応じて第2の演算手段を加算モー
ドから減算モードにあるいはその逆に切り換える
制御を行ない、第2の演算手段の計数内容が目標
値の範囲内で増減を繰り返すようにする。 こうして、第2の演算手段の出力に得られる変
調信号は、第1の数値により設定した演算タイミ
ング毎に、第2の数値により設定した変化幅分だ
け順次増加または減少するものとなり、この増加
または減少の繰返しが目標値の範囲内で行なわれ
るものとなる。 第1の数値を変化させることにより第2の数値
の演算タイミングが変化し、変調信号の数値変化
時間間隔が制御され、変調信号の周波数を制御す
ることができる。また、第2の数値によつて変調
信号の数値変化幅を制御することによつても変調
信号の周波数を制御することができる。従つて、
VCOを使用することなく周波数の制御を行なう
ので構成を簡単化することができ、また、数値デ
ータによる周波数の制御が可能であり、デイジタ
ル制御に適している。 また、変調信号は目標値の範囲内で振動するた
め、その深さは目標値によつて制御されることに
なる。比較手段による第2の演算手段の計数内容
と目標値との比較に基づき、深さ制御が行なわれ
るため、シフト回路を使用する場合のように2n
数に限定されることはなく、従つて、深さ制御が
自由に行なえる。 次に、上述したこの発明の構成と以下で説明す
る実施例との対応を大略示す。 第1の数値情報発生手段:周波数データ発生装
置400(第1図)、ビブラートレートデータ
VBR(第13図)を発生するための装置(第2図
の操作子群15、アナログ電圧マルチプレクサ1
6、A/D変換部17の部分)、アタツクピツチレ
ートデータAPR(第13図)を発生するための装
置(第2図のアタツクピツチROM22、音色選
択スイツチ23の部分)。第1の数値に対応する
のは上記VBR、APR。 第1の演算手段:演算回路401(第1図)、
演算器CUL1(第13図)。 第2の数値情報発生手段:変化幅データ発生装
置404(第1図)、演算器CUL3(第13図)。
第2の数値に対応するのは変化幅データ△ENV。 第2の演算手段:演算回路405(第1図)、
演算器CUL2(第13図)。 目標値データ発生手段:目標値データ発生装置
410(第1図)、演算器CUL3(第13図)。
目標値に対応するのはデータENV。 比較手段:比較器411(第1図)、比較器
COM1(第13図)。 制御手段:演算制御回路409(第1図)、比
較器COM1の出力側に設けられた各種ロジツク
回路230〜235,258,259,262の
部分(第13図)。 以下添付図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明しよう。 発明の基本構成を示す実施例の説明 第1図において、周波数データ発生装置400
は、発生しようとする変調信号の周波数を設定す
るための数値データを発生する。第1の演算回路
401は、周波数データ発生装置400から発生
された数値データを繰返し加算し(または減算で
もよい)、その計算内容が所定値に到達する毎に
演算タイミング制御信号OTCを出力する。例え
ば、演算回路401は加算器402と遅延回路4
03によつて構成した所定モジユロ数のアキユム
レータから成るもので、所定のクロツクパルスφ
に従つた規則的時間間隔で装置400から与えら
れる数値データを繰返しアキユムレートする。計
算内容が所定モジユロ数に到達する毎に加算器4
02のキヤリイアウト出力C0からキヤリイアウ
ト信号が発生され、このキヤリイアウト信号が演
算タイミング制御信号OTCとして出力される。
従つて、周波数データ発生装置400から発生さ
れた数値データの値に対応する時間間隔で制御信
号OTCが周期的に発生する。 変化幅データ発生装置404は、第2の演算回
路405での1回の演算における数値の変化幅を
示す数値データを発生するものである。第2の演
算回路405は、前記演算タイミング制御信号
OTCが第1の演算回路401から与えられる毎
に前記変化幅データ発生装置404から与えられ
る数値データを加算もしくは減算するものであ
る。この演算回路405では、加減算器407と
遅延回路408によつてアキユムレータが構成さ
れており、演算タイミング制御信号OTCが与え
られる毎にゲート406を開き、変化幅データ発
生装置404から発生された数値データを加減算
器407のA入力に与える。加減算器407は加
算モードと減算モードのどちらででも動作可能な
ものであり、加算モードのときは遅延回路408
からB入力に与えられる前回の計算結果にA入力
に与えられる変化幅数値データを加算し、減算モ
ードのときはB入力に与えられる前回の計算結果
からA入力に与えられる変化幅数値データを減算
する。 演算制御回路409は第2の演算回路405に
おける演算モードを加算モードから減算モードに
またはその逆に切換制御するものであり、目標値
データ発生装置410と比較器411とを含んで
いる。目標値データ発生装置410は、発生しよ
うとする変調信号の深さを設定するための目標値
データを発生するものである。比較器411は第
2の演算回路405の出力と目標値データとを比
較し、その比較結果に応じて加減算器407の演
算モードを制御する信号U/Dを出力する。目標
値データ発生装置410は変調信号の上限値に対
応する目標値と下限値に対応する目標値の一方を
比較器411の出力信号U/Dに応じて選択的に
発生する。 例えば、比較器411の出力信号U/Dが加算
モードを指示しているとき、第2の演算回路40
5では制御信号OTCが発生する毎に変化幅を示
す数値データを繰返し加算し、その結果、演算回
路405の出力信号の値は徐々に増大してゆく。
そのとき、目標値データ発生装置410は上限目
標値を示すデータを発生する。徐々に増大する演
算回路405の出力信号の値が上限目標値に到達
すると、比較器411の出力信号U/Dは減算モ
ードを指示する内容に切換わる。これにより、演
算回路405では制御信号OTCが発生する毎に
変化幅を示す数値データを繰返し減算するように
なり、かつ、目標値データ発生装置410は下限
目標値を示すデータを発生するようになる。演算
回路405の出力信号の値は徐々に減少し、やが
てその値が下限目標値に到達すると、比較器41
1の出力信号U/Dは加算モードを指示する内容
に切換わる。こうして、演算回路405の演算モ
ードが交互に切換えられ、演算回路405の出力
信号は上限目標値と下限目標値の範囲内で振動す
る。この第2の演算回路405の出力信号がデイ
ジタルの変調信号として楽音の音高あるいは音量
等を変調制御するための回路(図示せず)に供給
される。 破線で示すように、目標値データ発生装置41
0から発生した目標値データを変化幅データ発生
装置404に供給し、該装置404ではこの目標
値データを所定ビツト下位にシフトして微小値を
求め、この微小値を変化幅を示す数値データとし
て出力するようにするとよい。こうすれば、目標
値の値が変化すればそれに応じて変化幅データの
値も変化し(目標値に対する変化幅データの値が
常に一定の比率をもつ)、演算回路405で求ま
る変調信号が上限目標値から下限目標値に(ある
いはその逆に)到達するまでの計算回数が常に一
定となる。その結果、変調信号の振動周期(周波
数)は演算タイミング制御信号OTCの発生間隔
にのみ依拠するようになり、変調信号の周波数の
設定が容易となる。また、変調信号の深さは目標
値データ発生装置410で発生する目標値の値を
変更することにより自由に設定できる。従つて、
深さ制御のための複雑なシフト回路が不要であ
る。深さが時間的に一定であるような変調効果
(例えばノーマルビブラート効果)のためには、
目標値データ発生装置410は演奏者によつて選
択された深さに対応する一定の目標値データを単
に持続的に発生する構成でありさえすればよい。
他方、深さが時間的に変化するような変調効果
(例えばデイレイビブラート効果)のためには、
目標値データ発生装置410は時間的に変化する
エンベロープ状の目標値データを発生する構成で
あればよい。 尚、以下で説明するより詳細な実施例におい
て、この発明に係る変調信号発生装置は効果付与
回路20(第2図、第12図、第13図、第14
図参照)に含まれており、主にその詳細例は第1
3図に示されている。また、変調信号の周波数及
び深さを設定する部分は、各種効果設定操作子群
15及びA/D変換部17(第2図、第6図、第
7図参照)にも関連している。 より詳細な実施例の全体構成説明 次に、この発明を適用した電子楽器のより具体
的な実施例につき第2図以降の図を参照して説明
する。第2図は、第3図以降に分割して示された
電子楽器の各詳細部分の関連を大まかに示す全体
構成ブロツク図である。鍵盤10は楽音の音高
(音名)を選択するための複数の鍵を具えている。
タツチセンサ11は各鍵のタツチを検出して鍵タ
ツチに対応する出力信号を生じるものである。押
鍵検出部12は鍵盤10で押圧された鍵を検出し
押圧鍵を示す情報TDMを出力する。この押鍵検
出部12では各鍵に対応するキースイツチを走査
するようになつており、そのためにカウンタ13
の出力が利用される。発音割当て回路(キーアサ
イナ)14は押圧鍵に対応する楽音を限られた数
の楽音発生チヤンネルのいずれかに割当てて発生
させるためのものであり、一実施例として単音キ
ーアサイナ14Aと複音キーアサイナ14Bとを
含んでおり、この電子楽器を単音モードまたは複
音モードのどちらか一方で選択的に動作させるこ
とができるようになつている。そのために発音割
当て回路14に関連して単音モード選択スイツチ
MONO−SWが設けられており、該スイツチ
MONO−SWがオンのとき単音モード選択信号
MONOとして“1”が該回路14及びその他必
要な回路に与えられてこの電子楽器が単音モード
で動作するようになつている。スラー効果選択ス
イツチSL−SWはスラー効果を選択するためのス
イツチであり、該スイツチSL−SWがオンのとき
スラーオン信号SLONとして“1”が発音割当て
回路14に与えられ、スラー効果が可能になる。
この実施例においてスラー効果とは、単音モード
でこの電子楽器が動作しているときに押圧鍵がレ
ガート形式で変更された(古い押圧鍵を完全に離
鍵する前に新しい押圧鍵を押圧する)場合、発生
楽音のピツチを古い押圧鍵のピツチから新しい押
圧鍵のピツチへと滑らかに変化させることをい
う。 各種効果設定操作子群15は、ビブラート、イ
ニシヤルタツチコントロール、アフタータツチコ
ントロール等の各種効果の制御要素(時間、スピ
ード、レベル等)の制御量を設定するための可変
操作子を夫々具えており、そこにおいて、タツチ
コントロール用の制御要素に対応する操作子はタ
ツチセンサ11の出力信号の感度を調整するよう
になつている。各種効果の一例を示せば、ピツチ
コントロール関係が、「ビブラート」、「デイレイ
ビブラート」、「アタツクピツチコントロール」、
「アフタータツチビブラート」及び前述の「スラ
ー」などであり、レベルコントロール関係が「イ
ニシヤルタツチレベルコントロール」、「アフター
タツチレベルコントロール」、「エンベロープのサ
ステイン時間制御」などである。「デイレイビブ
ラート」は楽音の発音開始時から或る時間経過後
にビブラートを徐々に付与する効果であり、「ア
タツクピツチコントロール」は楽音の立上り時に
おいてビブラートを付与する効果である。この実
施例では、「アタツクピツチコントロール」は鍵
タツチに応答して(好ましくはイニシヤルタツチ
に応答して)制御されるようになつている。「ア
フタータツチビブラート」は鍵タツチ特に持続的
押圧状態における鍵タツチに応答してビブラート
を制御するものである。「イニシヤルタツチレベ
ルコントロール」は鍵を押し下げたときのつまり
押圧当初の鍵タツチ(これをイニシヤルタツチと
いう)に応じて楽音のレベルを制御すること、
「アフタータツチレベルコントロール」は持続的
押圧状態における鍵タツチ(これをアフタータツ
チという)に応じて楽音のレベルを制御するこ
と、である。イニシヤルタツチ及びアフタータツ
チに応じた制御は音高(ピツチ)、音量(レベル)
のみならず音色その他の楽音要素に対しても行な
える。 この実施例では、操作子群15から出力される
各操作子に対応する設定データはアナログ電圧で
表わされており、アナログ電圧マルチプレクサ1
6でこれらのアナログ電圧を時分割多重化する。
アナログ/デイジタル変換(以下単にA/D変換
という)部17は、A/D変換器18と制御及び
記憶部19とを含んでおり、マルチプレクスされ
たアナログ電圧をA/D変換すると共に、デイジ
タル変換された各操作子の設定データを夫々記憶
し、デマルチプレクスする。マルチプレクサ16
における時分割多重化とA/D変換部17におけ
る制御のためにカウンタ13の出力が利用され
る。 この実施例ではイニシヤルタツチとアフタータ
ツチの検出を共通のタツチセンサを用いて行なう
ようにしている。すなわち、タツチセンサ11と
してアフタータツチ検出可能なものを用い、この
タツチセンサ11の出力信号を鍵押圧開始時から
所定時間の間イニシヤルタツチ検出のために選択
し、選択したタツチセンサ出力信号にもとづいて
イニシヤルタツチを検出するようにしている。例
えば、鍵押圧開始時から所定時間の間選択したタ
ツチセンサ出力信号のピーク値をホールドし、こ
のピーク値をイニシヤルタツチ検出信号として用
いる。そのために、鍵押圧開始時から所定時間
(例えば人間の聴覚ではほとんど無視できる程度
の10ms程度の時間)の間発音割当て回路14か
らイニシヤルセンシング信号ISを出力し、この信
号ISによつてマルチプレクサ16及びA/D変換
部17を制御してこの間は専ら上述のイニシヤル
タツチ検出を行なうようにしている。同時に、発
音割当て回路14では、イニシヤルセンシング信
号ISを出力する間は楽音の発音開始を遅らすよう
にしている。これは、イニシヤルタツチが検出さ
れる前に発音開始されるのを禁止し、発音開始と
同時にイニシヤルタツチコントロールを施すよう
にするためである。尚、前述の通り、この実施例
ではアタツクピツチコントロールもイニシヤルタ
ツチに応じて行なわれる。 効果付与回路20は、ピツチコントロール関係
の各種効果を付与するための回路であり、ビブラ
ート、デイレイビブラート、アタツクピツチコン
トロール、及びアフタータツチビブラートに関し
ては楽音周波数を変調するための変調信号VAL
を出力し、スラー効果に関してはスラー効果を付
与した楽音周波数情報SKCを出力する。A/D変
換部17から出力される各種効果設定操作子の設
定データのうちピツチコントロール関係の設定デ
ータが効果付与回路20に与えられ、レベルコン
トロール関係の設定データは楽音信号発生器21
に与えられる。発音割当て回路14から効果付与
回路20にはアタツクピツチスタート信号ASと
スラースタート信号SS及び単音モードのときの
押圧鍵を示すキーコードMKCが与えられる。尚、
単音キーアサイナ14Aにおいては押圧鍵の中の
単一鍵(例えば最高または最低押圧鍵)を選択し
て単音モード用の押圧鍵キーコードMKCとして
出力するようになつている。 アタツクピツチデータROM(リードオンリメ
モリの略)22には、アアタツクピツチコントロ
ールを付与すべき各種音色に対応してアタツクピ
ツチ制御データAPS,APR,APERを夫々予じ
め記憶している。アタツクピツチコントロール
は、例えば各音色に適した態様で制御が行なわれ
るようになつており、管楽器の吹き始めのピツチ
の乱れを表現できることから特に管楽器系音色に
適した効果である。そのため、音色選択スイツチ
23で選択された音色に応じてその音色に適した
アタツクピツチコントロールを実現し得る値をも
つ制御データAPS,APR,APERをROM22か
ら読み出すようになつている。アタツクピツチの
制御態様を決定する要素は、初期の(音の出始め
の)ピツチずれの深さと、ピツチずれの深さの時
間的変化を示すエンベロープと、ピツチずれの繰
返し周波数である。初期のピツチずれの深さすな
わちアタツクピツチの初期値は、前述のイニシヤ
ルタツチ検出データに応じて設定される。詳しく
は、音色に対応するアタツクピツチ初期値係数デ
ータAPSによつてイニシヤルタツチ検出データ
をスケーリングすることによりイニシヤルタツチ
及び音色に応じたアタツクピツチ初期値を設定す
る。ピツチずれの深さの時間的変化を示すエンベ
ロープは、アタツクピツチエンベロープレートデ
ータAPERによつて設定される。ピツチずれの繰
返し周波数はアタツクピツチレートデータAPR
によつて設定される。 効果付与回路20は、アタツクピツチスタート
信号ASが与えられたとき上述のような各データ
にもとづいてアタツクピツチコントロール用の変
調信号VALの形成を開始し、その後、通常のビ
ブラートあるいはデイレイビブラートあるいはア
フタータツチビブラートのための変調信号VAL
を形成する。後述するように、変調信号VALを
形成するために効果付与回路20では、変調周波
数及び変調の深さの制御が容易になるような工夫
が施されている。また、効果付与回路20では、
スラースタート信号SSが与えられたとき単音モ
ード用押圧鍵の楽音周波数情報SKCを古い押圧
鍵に対応する値から新たな押圧鍵に対応する値ま
で滑らかに変化させる処理を行なう。新たな押圧
鍵は発音割当て回路14から与えられる単音モー
ド用押圧鍵キーコードMKCによつて示されてい
る。 楽音信号発生部21では、単音モード時は効果
付与回路20から与えられる単音モード用の楽音
周波数情報SKCにもとづき楽音信号を発生し、
複音モード時は発音割当て回路14(複音キーア
サイナ14B)から与えられる複数の各チヤンネ
ルに割当てられた押圧鍵を示すキーコードPKC
にもとづき複数のチヤンネルで楽音信号を夫々発
生する。これらの楽音信号は、変調信号VALに
応じてその周波数(ピツチ)が変調され、かつ
A/D変換部17からのレベルコントロールデー
タに応じてその音量レベルが制御される。更に、
これらの楽音信号には音色選択スイツチ23で選
択された音色が付与され、サウンドシステム24
に与えられる。 次に、第2図各部の詳細例について説明する。 押鍵検出部及び単音キーアサイナの説明 第3図には押鍵検出部12及びカウンタ13の
詳細例が示されており、第4図には単音キーアサ
イナ14Aの詳細例が示されている。カウンタ1
3は、2相のシステムクロツクパルスφ1,φ2
よつて制御される16ステージ/1ビツトのシフト
レジスタ25と、1ビツト分の半加算器26と、
シフトレジスタ25の内容を定期的にラツチする
ラツチ回路27とを含み、シリアル演算によつて
カウント動作を行なう。このカウンタ13に限ら
ず、以下で説明する詳細例においては随所でシリ
アル演算が用いられ、回路構成の節約に寄与して
いる。押鍵検出部12は、鍵盤10の各鍵に対応
するキースイツチをマトリクス状に配列したキー
スイツチマトリクス28と、このマトリクス28
における半オクターブ毎の入力ラインに走査信号
を供給するデコーダ29と、このマトリクス28
における各半オクターブ内の6つの各音名に対応
する出力ラインの信号を多重化するマルチプレク
サ30とを含んでいる。キースイツチマトリクス
28は高音側のキースイツチから順に走査される
ようになつており、単音キーアサイナ14Aでは
最高押圧鍵を単音モード用の押圧鍵として選択す
るようになつている。 キースイツチマトリクス28における1鍵分の
走査時間換言すれば単音キーアサイナ14Aにお
ける1鍵分の処理時間(これを1キータイムとい
うことにする)は第5図に示すように32個のタイ
ムスロツトから成る。1タイムスロツトの長さは
システムロツクパルスφ1,φ2の1周期に対応し、
例えば0.5μsである。従つて、1キータイムの長
さは16μsである。この1キータイム内の各タイム
スロツトあるいは区間に同期して様々な処理が制
御されるようになつている。そのために、第5図
に示すような各種のタイミング信号が図示しない
タイミング信号発生回路で発生され、様々な回路
に供給されるようになつている。32個のタイムス
ロツトの各々は16μsの周期で繰返しあらわれる。
1キータイム内における個々のタイムスロツトを
区別するために発生順序の早い方から順番に第1
乃至第32タイムスロツトということにする。各種
タイミング信号の発生タイミング及び発生周期及
びパルス幅を一目瞭然にするために、以下の法則
で各タイミング信号に符号をつけるものとする。
例えば「1y8」のように文字「y」を挾んで前後
に数字が記されている場合は、前者の数字は1キ
ータイムにおいてパルスが最初に発生するタイム
スロツト順位を示し、後者の数字はパルスが繰返
し発生する周期をタイムスロツト数で示してい
る。例えば信号1y8は、第5図に示すように最
初は第1タイムスロツトで発生し、以後は8タイ
ムスロツト毎に、つまり第9、第17、第25タイム
スロツトで夫々パルス(“1”)が発生する。次
に、「1y8S」のように末尾に文字「S」が追加さ
れているものは、パルス幅が1タイムスロツト幅
全部ではなく、1タイムスロツトの前半でつまり
クロツクパルスφ2のパルス幅に同期して発生す
ることを意味する。また、「1T8」のように、文
字「T」を挾んで前後に数字が記されている場合
は、前者の数字によつて示されるタイムスロツト
順位から後者の数字によつて示されるタイムスロ
ツト順位までパルス(“1”)が持続して発生する
ものとし、かつその周期は32タイムスロツトであ
るとする。例えば信号1T8は第1タイムスロツト
から第8タイムスロツトまでの区間で持続的に発
生する8タイムスロツト分のパルス幅をもち、か
つ32タイムスロツトの周期で繰返し発生する。ま
た、「1T6y8」のように、パルス幅表示「1T6」
の次に「y」と数字が続く場合は、文字「y」の
次に記された数字によつて繰返し周期をタイムス
ロツト数によつて示している。例えば信号1T6
y8は、最初に第1タイムスロツトから第6タイ
ムスロツトまでの6タイムスロツト幅で発生した
パルスが8タイムスロツト分の繰返し周期で、つ
まり第9乃至第14タイムスロツトまで、及び第17
乃至第22タイムスロツトまで、及び第25乃至第30
タイムスロツトまでの各区間でパルス発生するこ
とを意味する。 第3図において、加算器26の入力Aにはシフ
トレジスタ25の最終ステージの出力Q16が加
えられ、入力Ciにはオア回路31を介して信号1
7y32が“1”となる第17タイムスロツトにお
いてシフトレジスタ25の最終ステージ出力に
“1”が加算されることになる。入力A及びCi
共に“1”でキヤリイアウト信号が生じるとき、
キヤリイアウト出力C0+1は演算タイミングよ
りも1タイムスロツト遅れて“1”となるものと
する。C0の次に付加した記号+1は1タイムス
ロツトの遅れを示す。以下で出てくる加算器のキ
ヤリイアウト出力C0+1はすべて演算タイミン
グよりも1タイムスロツトの遅れがあるものとす
る。尚、加算出力Sには遅れがないものとする。
キヤリイアウト出力C0+1はアンド回路32及
びオア回路31を介して入力Ciに戻される。従つ
て上位ビツトに対してキヤリイアウト信号を加算
することができる。 加算器26の出力Sの信号はアンド回路33を
介してシフトレジスタ25に入力され、16タイム
スロツト遅延後に入力Aに戻される。アンド回路
33の他の入力に加えられている信号Z1は通常
は“1”である。以上の構成によつて信号17y
32をカウントクロツクとして1キータイム(32
タイムスロツト)毎に1カウントアツプするシリ
アル演算が実行される。従つて、第17タイムスロ
ツトにおいてシフトレジスタ25の最終ステージ
から出力される信号がカウント値の最下位ビツト
であり、そのとき各ステージには最終ステージか
ら第1ステージにさかのぼつて順次上位ビツトの
カウント値が夫々保有されている。第17タイムス
ロツトの16タイムスロツト後の第1タイムスロツ
トにおいても同様にシフトレジスタ25の最終ス
テージから第1ステージまでには最下位ビツトか
ら最上位ビツトまでのカウント値が並んでいる。
従つて、第1タイムスロツトの前半で発生する信
号1y32Sによつてシフトレジスタ25の第7
ステージ出力Q7乃至最終ステージ出力Q16を
ラツチ回路27にラツチすることにより、10ビツ
トの並列2進カウント値が得られる。尚、信号1
y16のタイミングすなわち第1及び第17タイム
スロツトにおいてアンド回路32を動作不能にし
ているが、これは最上位ビツトのキヤリイアウト
信号が最下位ビツトに加算されないようにするた
めである。 カウンタ13における下位ビツトのカウント値
が鍵走査及び多重化のために利用される。そのう
ち下位4ビツト4,3,2,1によつて
鍵の音名(1オクターブ内の音名)を指定し、上
位3ビツト3,2,1によつてその鍵が所
属するオクターブを指定する。ラツチ回路27に
ラツチされたカウント値のうちビツト3,
2,1,4はデコーダ29でデコードされ、
キースイツチマトリクス28における半オクター
ブ毎の入力ラインに走査信号を与える。また、下
位ビツト3,2,1はマルチプレクサ30
に与えられ、キースイツチマトリクス28におけ
る各半オクターブ内の6本の出力ラインの信号を
時分割多重化する。こうして、マルチプレクサ3
0からは各鍵の押圧または離鍵を示す時分割多重
化されたキーデータTDMが各鍵の走査に対応し
て出力される。時分割多重化キーデータTDMは
現在走査中の鍵が押圧されていれば“1”であ
り、押圧されていなければ“0”である。 ラツチ回路27にラツチされたカウント値3
〜1が変化する毎に走査すべき鍵が切換わるの
で、1鍵分の走査時間は第5図に示すように第1
タイムスロツトから第32タイムスロツトまでの32
タイムスロツトであり、この間1鍵分のキーデー
タTDMが持続して出力される。前述の通り、1
鍵分の走査に要する1キータイムは16μsであるの
で、1走査サイクルすなわちカウント値3〜
1が1巡する時間は約2ms(=16μs×27)である。 キースイツチマトリクス28では高音順に走査
が行なわれるようになつている。すなわち、カウ
ント値3〜1が小さいほど高音になり大きい
ほど低音になるようにその所定の値に対応して各
鍵が順次割当てられており、カウント値3〜
1が増すに従つて高音側から順次低音側に走査が
移行するようになつている。カウンタ13におけ
る下位7ビツトのカウント値(3〜1)は現
在走査中の鍵すなわち時分割多重化キーデータ
TDMに対応する鍵を表わすコード信号すなわち
キーコードである。しかし、カウンタ13の
カウント値3〜1をそのまま用いたキーコー
ドは高音鍵ほどその値が小さく、低音鍵ほど
その値が大きい。キーコードの下位2ビツトを下
位桁に無限に繰返し付加してキーコードを周波数
情報に変換する場合、高音鍵になるほどキーコー
ドの値が大きくならないと不都合が生じるので、
カウンタ13から出力されるキーコードを反
転したものを正式なキーコードKCとしてキーア
サイナ14A,14Bで用いるようにしている。
正式なキーコードKCと各鍵との関係は例えば次
表のようになつている。キーコードKCは上位3
ビツトのオクターブコードB3,B2,B1と下
位4ビツトのノートコードN4,N3,N2,N
1とから成る。
【表】 尚、シフトレジスタ25の第7乃至最終ステー
ジ内に記された表示は第1及び第17タイムスロツ
トのときの各ステージの重みを示している。すな
わち、このとき第10乃至最終ステージQ10〜Q
16には前述の通りカウント値の下位7ビツト
3〜1が入つている。また、第7乃至第9ステ
ージQ7〜Q9には、時間表示にして約8ms、約
4ms及び約2msの重みのビツトが入つている。こ
れらの時間表示はカウンタ13がリセツトされた
ときからそれらのビツトに“1”が立つまでの時
間を示している。後述のように、カウンタ13を
タイマとして用いるときこれらの時間表示ビツト
を利用する。これらの時間表示ビツトはキーコー
ド3〜1と共にラツチ回路27にラツチされ
る。 第4図において、単音キーアサイナ14Aは第
9タイムスロツトを起点にして各鍵の時分割多重
化キーデータTDMに関する処理を行なうように
している。そのため、第3図のマルチプレクサ3
0から出力された時分割多重化キーデータTDM
は第4図のラツチ回路34に入力され、信号9y
32によつて第9タイムスロツトに同期してラツ
チされる。従つてラツチ回路34からはキーデー
タTDMを8タイムスロツト遅延したものが出力
される。一方、第1タイムスロツトのときにシフ
トレジスタ25(第3図)の最終ステージQ16
から出力されるキーコードの最下位ビツト1
は、8タイムスロツト後の第9タイムスロツトで
は第8ステージQ8にシフトされてきている。そ
こで、ラツチ回路34(第4図)におけるキーデ
ータTDMの遅延に同期させるため、シフトレジ
スタ25(第3図)の第8ステージQ8の出力を
シリアルキーコード(9〜)として取り出し、
第4図の単音キーアサイナ14Aに供給するよう
にしている。このキーコード(9〜)は第9
タイムスロツトから第15タイムスロツトまでの間
で下位ビツトから順番に各ビツト1,2,
3,4,1,2,3が並んでいる。この
キーコード(9〜)は第4図のインバータ3
5で反転され、前述の通りの正式のキーコード
KCがシリアル形式で該インバータ35から出力
される。 第4図において、単音キーアサイナ14Aは主
に次の3つの機能を実行する。その1つは、最高
押圧鍵のキーコードKCを選択することであり、
もう1つは、新たな押鍵を検出することであり、
もう1つは、新たな押鍵が検出されたとき一定時
間の間新たな押圧鍵に関する処理を禁止しその間
でイニシヤルタツチの検出を可能にすることであ
る。新たな押鍵の検出は、全べての鍵が離鍵され
ている状態から初めて何らかの鍵が押圧された場
合(これをエニーニユーキーオンという)と、何
らかの鍵が押圧されている状態からレガート形式
で新たな押圧鍵に変更された場合(これをレガー
トニユーキーオンという)とを区別して行なうよ
うになつている。エニーニユーキーオンが検出さ
れた場合はフリツプフロツプAKQがセツトされ、
レガートニユーキーオンが検出された場合はフリ
ツプフロツプNKQがセツトされる。ニユーキー
オン検出によつてフリツプフロツプAKQまたは
NKQがセツトされたとき第3図のカウンタ13
をタイマとして動作させ、一定時間(約10ms)
の間イニシヤルセンシング信号ISを出力する。こ
の間新たな押圧鍵に関する処理を禁止し、前記一
定時間が終了したときアタツクピツチスタート信
号ASあるいはスラースタート信号SSを発生して
アタツクピツチあるいはスラーの制御を開始させ
る。最高押圧鍵キーコードレジスタ36は最高押
圧鍵のキーコードXKCを暫定的に記憶するため
のものであり、単音キーコードレジスタ37は単
音モードで発音する押圧鍵のキーコードMKCを
記憶するためのものである。前記一定時間が終了
したときレジスタ36のキーコードXKCがレジ
スタ37にロードされるようになつている。従つ
て、新たな押鍵があつたとき直ちに単音モード用
の押圧鍵キーコードMKCが変化するのではなく、
前記一定時間の後に変化する。 各フリツプフロツプXKQ,MK1,MK2,
AKQ,NKQ,TM6はタイミング信号6y8
(第5図参照)によつて入力信号をロードし、信
号1y8(第5図)に同期して出力を切換える。
従つて、ロードした信号は信号1y8の発生タイ
ムスロツト(第1または第9または第17または第
25タイムスロツト)から8タイムスロツトの間持
続的に出力される。 フリツプフロツプXKQは、1走査サイクルに
おいて何らかの押圧鍵が検出されたことを示すた
めのものである。ラツチ回路34から出力される
キーデータTDMが“1”のとき、アンド回路3
8及びオア回路40を介してこのフリツプフロツ
プXKQに“1”がロードされる。このフリツプ
フロツプXKQの“1”はアンド回路39及びオ
ア回路40を介してホールドされる。1走査サイ
クルが終了したときインバータ41の出力が
“0”となり、アンド回路39が動作不能となつ
てフリツプフロツプXKQがリセツトされる。第
3図のラツチ回路27から出力されるカウント値
の下位3ビツト3,2,1がアンド回路4
2に入力され、上位4ビツト3,2,1,
N4がアンド回路43に入力されている。アンド
回路42の出力信号N7及びアンド回路43の出
力信号B15が第4図のアンド回路44に入力さ
れる。1走査サイクルの終了時にはカウント値
3〜1の全ビツトが“1”となり、信号N7及
びB15が共に“1”となつてアンド回路44の
条件が成立する。アンド回路44の他の入力には
タイミング信号9T16(第5図参照)が入力さ
れている。従つて、1走査サイクル終了時の第9
から第16タイムスロツトまでの間アンド回路44
の出力が“1”となる。このアンド回路44の出
力信号“1”が走査終了信号SCEであり、インバ
ータ41ではこの信号SCEを反転する。従つて、
何らかの鍵が押圧されている場合、1走査サイク
ルにおいてキーデータTDMが最初に“1”とな
る鍵走査タイミングすなわち最高押圧鍵の走査タ
イミングから走査終了時までの間フリツプフロツ
プXKQの出力が“1”となる。何も鍵が押され
ていないときはXKQは常に“0”である。 フリツプフロツプXKQの出力を反転した信号
とラツチ回路34から出力されるキーデータ
TDMとが入力されたアンド回路45は最高押圧
鍵を検出するためのものである。すなわち、フリ
ツプフロツプXKQにおける入力と出力の8タイ
ムスロツトの遅れにより、1走査サイクルにおい
て最初に最高押圧鍵のキーデータTDMが“1”
に立上るとき、キーデータTDMの立上りの8タ
イムスロツトつまり第9乃至第16タイムスロツト
までの間はフリツプフロツプXKQの出力はまだ
“0”であり、その反転信号は“1”となつてい
る。従つて、最高押圧鍵のキーデータTDMの立
上りの第9乃至第16タイムスロツト(合計8タイ
ムスロツト)の間でのみアンド回路45の条件が
成立し、その出力信号XSが“1”となる。この
信号XSの“1”によつてアンド回路46を可能
にし、インバータ35から与えられる最高押圧鍵
のキーコードKCをアンド回路46及びオア回路
47を介してレジスタ36にロードする。 前述の通り、インバータ35から出力されるキ
ーコードKCとラツチ回路34から出力されるキ
ーデータTDMとは同期しており、信号XSが
“1”となる第9乃至第16タイムスロツトの間で、
最高押圧鍵のキーコードKCが下位ビツトから順
にレジスタ36にロードされる。キーコードKC
の全ビツトN1〜B3は第9乃至第15タイムスロ
ツトの間でレジスタ36にロードされ、第16タイ
ムスロツトにおいてはキーコードKCに無関係な
カウントデータがあらわれる。そのため、タイミ
ング信号16y32を反転した信号をアンド回路
46に加え、第16タイムスロツトにおいては強制
的に“0”がロードされるようにしている。レジ
スタ36にロードされた最高押圧鍵キーコード
XKCはアンド回路48を介して自己保持される。
アンド回路48の他の入力には信号XSをインバ
ータ49で反転した信号が加わり、アンド回路4
6を可能にしてキーコードKCをレジスタ36に
ロードするときは自己保持をクリアするようにし
ている。 レジスタ36及びこのレジスタ36の内容
XKCが転送されるレジスタ37は8ステージ/
1ビツトのシフトレジスタであり、システムクロ
ツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御される。
従つて、レジスタ36及び37の内容は8タイム
スロツト毎に循環する。図においては、第9ある
いは第17あるいは第25あるいは第1タイムスロツ
トのときのレジスタ36及び37の各ステージの
重みが示されている。 フリツプフロツプMK1は、前回の走査サイク
ルにおいて何らかの押圧鍵が検出されたことを示
すためのものである。1サイクル分の走査が終了
したときにすなわち走査終了信号SCEが“1”の
ときにフリツプフロツプXKQに“1”が記憶さ
れていることを条件にアンド回路50が“1”を
出力し、オア回路52を介して該フリツプフロツ
プMK1に“1”をロードする。このフリツプフ
ロツプMK1の“1”はアンド回路51及びオア
回路52を介して1走査サイクルの間保持され、
走査終了信号SCEによつてリセツトされる。 フリツプフロツプMK2は、前々回の走査サイ
クルにおいて何らかの押圧鍵が検出されたことを
示すためのものである。走査終了信号SCEの発生
時に、フリツプフロツプMK1の出力をアンド回
路53及びオア回路55を介してフリツプフロツ
プMK2にロードする。アンド回路54はフリツ
プフロツプMK2の記憶を1走査サイクルの間保
持するためのもので、走査終了信号SCEが発生す
るとき動作不能となつてフリツプフロツプMK2
をリセツトする。これらの3つのフリツプフロツ
プXKQ,MK1,MK2は、単音モードにおけ
る鍵の押圧及び離鍵をチヤタリングを排除して検
出するのに役立つ。 フリツプフロツプAKQは、前述のエニーニユ
ーキーオンが検出されたことを示すためのもので
ある。アンド回路56には、フリツプフロツプ
XKQの出力、フリツプフロツプMK1,MK2,
AKQ,NKQの反転出力、及び走査終了信号SCE
が与えられており、エニーニユーキーオンのとき
条件が成立して走査終了信号SCEのタイミングで
“1”を出力する。つまり、アンド回路56にお
いては、前回及び前々回の走査サイクルでは鍵が
全く押圧されていず(MK1,MK2が共に
“0”)、かつ今回の走査サイクルで初めて鍵押圧
が検出された(XKQが“1”)ことを条件にエニ
ーニユーキーオンを検出する。AKQ及びNKQの
反転出力がアンド回路56に加えられている理由
は、AKQまたはNKQに“1”が記憶されている
ときはアンド回路56の条件が成立しないように
するためであり、後述のタイマが何度もスタート
状態にリセツトされないようにするためである。
アンド回路56の出力信号“1”はオア回路58
を介してフリツプフロツプAKQにロードされる。
このフリツプフロツプAKQの“1”はアンド回
路57、オア回路58を介して一定時間の間ホー
ルドされる。 アンド回路56の出力信号“1”すなわちエニ
ーニユーキーオン検出信号はタイマスタート信号
としても利用される。この出力信号“1”がオア
回路59を介して2段のフリツプフロツプ60,
61に入力される。これらのフリツプフロツプ6
0,61はフリツプフロツプXKQと同様にタイ
ミング信号6y8,1y8によつて制御される。
両フリツプフロツプ60,61の出力がオア回路
62に加わり、更にインバータ63で反転され、
信号Z1として第3図のアンド回路33に入力さ
れる。アンド回路56から出力されるエニーニユ
ーキーオン検出信号は走査終了信号SCEに同期し
て第9から第16タイムスロツトまでの8タイムス
ロツトの間“1”となる。これをフリツプフロツ
プ60,61及びオア回路62で16タイムスロツ
ト幅に拡張し、16タイムスロツトの間インバータ
63の出力信号Z1を“0”にする。それ以外の
ときは信号Z1は常に“1”であり、カウンタ1
3(第3図)におけるカウント動作を可能にして
いる。信号Z1が“0”になる16タイムスロツト
の間、アンド回路33(第3図)が動作不能にな
り、シフトレジスタ25の全16ステージの内容を
すべて“0”にクリアする。こうして、カウンタ
13はカウント値オール“0”からのカウント動
作を開始し、タイマ機能がスタートする。 第3図のラツチ回路27にラツチしたカウント
値のうち時間表示にして約8msの重みをもつビツ
トがアンド回路64に入力され、約4ms及び約
2msの重みをもつビツトが夫々反転されてアンド
回路64の他の入力に加わる。このアンド回路6
4の出力信号TM5は第4図のアンド回路65に
与えられる。アンド回路65には第3図のアンド
回路42及び43から信号N7及びB15が入力
され、更にタイミング信号9T16とオア回路6
6の出力が加わる。オア回路66にはフリツプフ
ロツプAKQ及びNKQの出力が加わる。アンド回
路65の出力はタイマ終了信号QRとして利用さ
れる。フリツプフロツプAKQまたはNKQの出力
をアンド回路65に入力する理由は、こられのフ
リツプフロツプがセツトされたときのみつまりニ
ユーキーオンのときのみタイマ機能を働らかせる
ためである。 カウンタ13の下位10ビツトのカウント値が
“1001111111”となつたとき、すなわち信号Z1
によつてクリアされたときから約10ms経過した
とき、アンド回路42,43,64(第3図)の
条件がすべて成立し、第4図のアンド回路65に
加えられる信号N7,B15,TM5がすべて
“1”となる。このとき信号9T16に対応して
第9乃至第16タイムスロツトの間アンド回路65
の出力信号QRが“1”となる。尚、図において
信号線の傍に記した(9〜16)なる表示はこの信
号が第9タイムスロツトから第16タイムスロツト
までの間発生することを意味している。 このタイマ終了信号QRはインバータ67で反
転されてアンド回路57に加わる。従つて、フリ
ツプフロツプAKQの“1”はタイマ終了信号QR
が発生するまでの約10msの間ホールドされるが、
このタイマ終了信号QRが発生したときにクリア
される。詳しくは、タイマ終了信号QRが第17タ
イムスロツトで立下るときにフリツプフロツプ
AKQの出力も“0”に立下る。 タイマ終了信号QRが発生したときフリツプフ
ロツプXKQに“1”がセツトされていること
(鍵押圧中であること)を条件にアンド回路68
の出力信号KSが“1”となる。この信号KSによ
つてアンド回路69を可能にし、レジスタ36の
最高押圧鍵キーコードXKC(これは新たな押圧鍵
を示している)を該アンド回路69及びオア回路
70を介してレジスタ37にロードする。レジス
タ37にロードされた新たな最高押圧鍵のキーコ
ードは単音モード用の押圧鍵キーコードMKCと
してキーアサイナ14Aから出力されると共にア
ンド回路71を介してレジスタ37を循環する。
前記信号KSによつて新たなキーコードXKCをロ
ードするときアンド回路71が動作不能となり、
古いキーコードMKCがクリアされる。 アンド回路72,73,74、オア回路75及
び遅延フリツプフロツプ76は、レジスタ36と
37のキーコードXKC,MKCを比較するための
ものである。キーコードMKCの反転信号とキー
コードXKCとがアンド回路72に入力され、キ
ーコードXKCの反転信号とキーコードMKCとが
アンド回路73に入力される。キーコードXKC
及びMKCは同じ重みのビツトN1〜B3が同期
してレジスタ36,37から夫々出力される。両
キーコードMKC,XKCの値が1ビツトでも異な
るとアンド回路72または73の条件が成立し、
フリツプフロツプ76に“1”がロードされる。
このフリツプフロツプ76の“1”はアンド回路
74を介して自己保持される。最高押圧鍵検出信
号XSをインバータ49で反転した信号が各アン
ド回路72,73,74に加わるようになつてお
り、各走査サイクルにおいて最高押圧鍵が検出さ
れる毎にフリツプフロツプ76の記憶がクリアさ
れる。 フリツプフロツプNKQは、前述のレガートニ
ユーキーオンが検出されたことを示すためのもの
である。アンド回路77はレガートニユーキーオ
ンを検出するためのもので、前記フリツプフロツ
プ76の出力信号NEQ、単音モード選択信号
MONO、フリツプフロツプXKQ,MK1,MK
2の出力信号、フリツプフロツプAKQ及びNKQ
の出力を反転した信号、及び走査終了信号SCEが
入力される。単音モード選択信号MONOは単音
モードのときのみレガートニユーキーオンの検出
を可能にするために入力されている。前述の通
り、レジスタ36と37のキーコードXKC,
MKCが異なるとき、フリツプフロツプ76の出
力信号NEQが“1”となる。この信号NEQの
“1”は、新たな押鍵があつたことを示している。
この新たな押鍵がエニーニユーキーオンに該当す
るものであれば、前述の如くアンド回路56の条
件が成立し、フリツプフロツプAKQがセツトさ
れるので、その反転信号が“0”となり、アンド
回路77の条件は成立しない。この新たな押鍵が
レガートニユーキーオンに該当するものであれ
ば、フリツプフロツプAKQがセツトされていず、
かつ各フリツプフロツプXKQ,MK1,MK2
の出力が“1”であり、何らかの鍵が持続的に押
圧さていることを示している。従つて、レガート
ニユーキーオンのときは走査終了信号SCEのタイ
ミングでアンド回路77の条件が成立し、オア回
路79を介してフリツプフロツプNKQに“1”
がロードされる。このフリツプフロツプNKQの
“1”はアンド回路78を介して自己保持される。 一方、アンド回路77から出力されたレガート
ニユーキーオン検出信号は、エニーニユーキーオ
ン検出信号と同様に、オア回路59を介して遅延
フリツプフロツプ60に与えられ、タイマスター
ト信号として利用される。従つて、レガートニユ
ーキーオン検出にもとづき第3図のカウンタ13
が前述と同様にタイマとして機能し、約10ms後
にアンド回路65(第4図)からタイマ終了信号
QRが出力される。このタイマ終了信号QRによ
つてアンド回路78が動作不能となり、フリツプ
フロツプNKQがリセツトされる。従つて、レガ
ートニユーキーオン検出時から約10msの間フリ
ツプフロツプNKQが“1”をホールドする。ま
た、前述と同様に、タイマ終了信号QRにもとづ
きアンド回路68から信号KSが出力され、レジ
スタ36に記憶されている新たな最高押圧鍵キー
コードXKCがレジスタ37にロードされる。 フリツプフロツプTM6は、複音モードのとき
のアタツクピツチスタート信号を形成するために
エニーニユーキーオンによる約10msの時間待ち
が終了したことを示すためのものである。タイマ
終了信号QRがアンド回路80、オア回路82を
介してフリツプフロツプTM6に入力されるよう
になつており、エニーニユーキーオンにもとづく
約10msの時間待ちが終了したときこのタイマ終
了信号QRによつて該フリツプフロツプTM6に
“1”がセツトされる。このフリツプフロツプ
TM6の“1”はアンド回路81を介して自己保
持され、走査終了信号SCEによつてリセツトされ
る。従つて、フリツプフロツプTM6の“1”は
1走査サイクルの間だけホールドされる。尚、複
音モードのときはレガートニユーキーオンの検出
は行なわれないため、単音モード時にレガートニ
ユーキーオンにもとづくタイマ終了信号QRによ
つてフリツプフロツプTM6がセツトされたとし
ても何の影響も及ぼさない。 アンド回路83,84,85は単音モード用の
キーオフ信号MKOFを形成するためのものであ
る。各回路83,84,85には単音モード選択
信号MONOが与えられており、単音モードのと
き動作可能となる。アンド回路85にはフリツプ
フロツプMK1,MK2,NKQの反転信号が入
力されており、2走査サイクル続けて全鍵の離鍵
が検出されていることを条件に“1”を出力す
る。このアンド回路85の出力“1”は通常のキ
ーオフを示している。MK1,MK2が共に
“0”であることを条件にしたのはチヤタリング
対策のためである。アンド回路83にはフリツプ
フロツプAKQの出力が入力されており、エニー
ニユーキーオン検出時の約10msの待ち時間の間
“1”を出力する。アンド回路84にはフリツプ
フロツプNKQの出力及びスラーオン信号SLON
をインバータ86で反転した信号が加わり、スラ
ー効果が選択されていないことを条件に、レガー
トニユーキーオン検出時の約10msの待ち時間の
間“1”を出力する。 各アンド回路83,84,85の出力はオア回
路87に入力され、単音モード用のキーオフ信号
MKOFとして利用される。このキーオフ信号
MKOFをインバータ88で反転したものが単音
モード用のキーオン信号MKONである。楽音信
号発生部21(第2図)において、単音モード用
の押圧鍵キーコードMKCに対応する楽音信号を
発生する際にこのキーオン信号MKONにもとづ
いて振幅エンベロープを制御するようにすればよ
い。単音モードにおいてエニーニユーキーオンが
検出された場合あるいはスラー効果が選択されて
いないときにレガートニユーキーオンが検出され
た場合はアタツクピツチコントロールを行なうよ
うになつており、そのためのイニシヤルタツチ検
出を行なう前記一定の待ち時間(約10ms)の間
は、アンド回路83または84の出力“1”にも
とづき強制的にキーオフ状態としているのであ
る。そして、この待ち時間における強制的なキー
オフ状態のときに前音のサステインを除去するた
めに、アンド回路83及び84の出力がオア回路
89を介して強制ダンプ信号FDMPとしてキー
アサイナ14Aから出力され、楽音信号発生部2
1(第2図)に与えられるようになつている。 アンド回路84の出力はオア回路90にも与え
られる。また、フリツプフロツプAKQの出力が
アンド回路91を介してオア回路90に与えられ
る。尚、入力が1つしかないアンド回路38,8
0,91等は入力信号が単に通過するだけであ
り、特に必要ないが図示の都合上示した。オア回
路90の出力はイニシヤルセンシング信号ISとし
てイニシヤルタツチ検出のために利用される。こ
のイニシヤルセンシング信号ISは、単音モードあ
るいは複音モードに係わりなくエニーニユーキー
オンがあつた場合はフリツプフロツプAKQの出
力にもとづき新たな鍵の押圧開始時から約10ms
の間“1”となる。また、単音モードでスラー効
果が選択されていないときにレガートニユーキー
オンがあつた場合もフリツプフロツプNKQの出
力にもとづき新たな鍵の押圧開始時から約10ms
の間“1”となる。単音モードでスラー効果が選
択されているときはレガートニユーキーオンがあ
つてもイニシヤルセンシング信号ISは発生されな
い。 アンド回路92は単音モード用のアタツクピツ
チスタート信号MASを発生するためのものであ
り、オア回路87からのキーオフ信号MKOF、
フリツプフロツプXKQの出力信号及びタイマ終
了信号QRが入力される。ニユーキーオン検出に
もとづく約10msの待ち時間の間アンド回路83
あるいは84の出力信号によつてキーオフ信号
MKOFが“1”となり、アンド回路92が動作
可能となる。待ち時間が終了したとき、鍵が押圧
されていることを条件に(XKQが“1”)タイマ
終了信号QRに対応する第9乃至第16タイムスロ
ツトの間アンド回路92の出力信号MASが“1”
となる。この信号MASはオア回路93を介して
遅延フリツプフロツプ94に入力される。このフ
リツプフロツプ94はタイミング信号13y32
で入力信号をロードし、信号17T24に同期し
て出力を切換える。従つて、第9乃至第16タイム
スロツトで発生する信号MASの“1”は第13タ
イムスロツトでフリツプフロツプ94にロードさ
れ、第17タイムスロツトから次の第16タイムスロ
ツトまでの1キータイム(32タイムスロツト)の
間アタツクピツチスタート信号ASとして出力さ
れる。 アンド回路95は複音モード用のアタツクピツ
チスタート信号EASを発生するためのものであ
り、フリツプフロツプTM6の出力、フリツプフ
ロツプXKQの出力の反転信号、単音モード選択
信号MONOをインバータ96で反転した信号、
及びラツチ回路34からのキーデータTDMが入
力される。複音モードのとき、インバータ96の
出力“1”によつてアンド回路95が動作可能と
なる。前述の通り、エニーニユーキーオン検出に
もとづく約10msの時間待ちの終了直後の1走査
サイクルの間フリツプフロツプTM6の出力が
“1”となり、このサイクルにおける最高押圧鍵
のキーデータTDMの立上りの第9乃至第16タイ
ムスロツトの間アンド回路95の条件が成立す
る。第9乃至第16タイムスロツトの間で“1”と
なるアンド回路95の出力信号EASはオア回路
93を介してフリツプフロツプ94に入力され、
前述と同様に、第17タイムスロツトから次の第16
タイムスロツトまでの1キータイムの間アタツク
ピツチスタート信号ASとして出力される。 アンド回路97はスラースタート信号SSを発
生するためのものであり、タイマ終了信号QR、
フリツプフロツプXKQの出力、単音モード選択
信号MONO、単音モード用キーオン信号
MKON、及びキーコードの不一致を示す信号
NEQが入力される。レジスタ36及び37のキ
ーコードXKC,MKCが一致していないときは
(NEQが“1”)、待ち時間中であり(AKQまた
はNKQが“1”)、かつこのときアンド回路83
及び84の条件が成立していなければ(MKON
が“1”)、スラー効果が選択されておりかつレガ
ートニユーキーオンであつたことを意味する。従
つて、スラー効果が選択されかつレガートニユー
キーオンがあつたとき、このレガートニユーキー
オンにもとづく待ち時間の終了時に発生するタイ
マ終了信号QRに対応して、現在鍵が押圧されて
いること(XKQが“1”)を条件に、アンド回路
97の出力が第9乃至第16タイムスロツトの間
“1”となる。この出力“1”はフリツプフロツ
プ94に入力され、前述と同様に第17タイムスロ
ツトから次の第16タイムスロツトまでの1キータ
イムの間スラースタート信号SSとして出力され
る。 以上の通り、アタツクピツチスタート信号AS
及びスラースタート信号SSは、約10msの待ち時
間の終了後に発生されるものである。そして、ア
タツクピツチスタート信号ASは、単音モードに
おいてはエニーニユーキーオンのときあるいはス
ラー非選択時のレガートニユーキーオンのときに
発生され、複音モードにおいてはエニーニユーキ
ーオンのときに発生される。また、スラースター
ト信号SSは、単音モードのスラー選択時におい
てレガートニユーキーオンがあつたときに発生さ
れる。 アナログ電圧マルチプレクサ及びA/D変換部 各種効果設定操作子群15の詳細例は第6図に
示されている。A/D変換部17は図示の都合上、
A/D変換器18の部分が第6図に、制御及び記
憶部19の部分が第7図に示されている。 第6図において、各種効果設定操作子群15は
各種効果の制御要素に対応する制御量をアナログ
電圧で設定するためのボリユームV1〜V8を具
えている。V1はビブラートスピード(周波数)、
V2はビブラートデイプス(深さ)、V4はデイ
レイビブラートの時間、V5はスラー効果におけ
るピツチ変化の速度(スラースピード)、V7は
振幅エンベロープのサステイン部分の減衰速度
(サステインスピード)、を夫々設定するためのも
のである。V3,V6,V8はタツチセンサ11
の出力信号の感度調整用ボリユームである。V3
はアフタータツチビブラートの深さ設定用の鍵タ
ツチ検出信号を感度調整するもの、V6はアフタ
ータツチレベルコントロールのレベル設定用の鍵
タツチ検出信号を感度調整するもの、V8はイニ
シヤルタツチ検出信号を感度調整するものであ
る。ボリユームV8で感度調整されたイニシヤル
タツチ検出信号は2つの用途で使われる。1つは
アタツクピツチコントロールの初期値設定のた
め、もう1つはイニシヤルタツチレベルコントロ
ールのレベル設定のためである。 タツチセンサ11としては各鍵共通のアフター
タツチセンサ11Aが使用される。アフタータツ
チセンサ11Aは鍵押圧持続時において鍵タツチ
を検出し得るものであれば如何なるものでもよ
く、例えば、押圧速度あるいは押圧深さあるいは
押圧力あるいは強さ等のいずれに応答して鍵タツ
チを検出するものであつてもよい。アフタータツ
チセンサ11Aの出力信号は増幅器98を介して
イニシヤルタツチ感度調整用ボリユームV8に加
わると共にローパスフイルタ99に加わる。ロー
パスフイルタ99の出力はアフタータツチビブラ
ート用感度調整ボリユームV3とアフタータツチ
レベル用感度調整ボリユームV6に加えられる。
ローパスフイルタ99はアフタータツチ制御に用
いるタツチ検出信号の急激な変動を抑えるための
ものである。 アフタータツチセンサ11Aはイニシヤルタツ
チ検出及びアフタータツチ検出の両方に共用され
る。例えば、アフタータツチセンサ11Aから出
力されるタツチ検出信号が第8図aのようである
とすると、単音キーアサイナ14A(第4図)か
らイニシヤルセンシング信号IS(第8図b)が与
えられる約10msの間においてこのタツチ検出信
号のピーク値を検出し、このピーク値をホールド
してイニシヤルタツチ検出信号として用いる。前
述の通り、イニシヤルセンシング信号ISが立下つ
てから(ピーク値検出終了後に)発音が開始す
る。また、ピーク値検出を行なつているときの
(IS発生時の)アフタータツチセンサ出力信号は
アフタータツチ検出信号として用いず、それ以外
のときのセンサ出力信号をアフタータツチ検出信
号として用いる。このようにすることにより、イ
ニシヤルタツチセンサとアフタータツチセンサを
別々に設ける必要がなくなり、経済的であると共
に鍵下方に設けるセンサ装置が簡略化される。 ボリユームV1〜V8で設定もしくは調整され
た8個のアナログ電圧は1個のA/D変換器18
を用いてデイジタルデータに変換される。そのた
めにアナログ電圧マルチプレクサ16が設けられ
ており、各ボリユームV1〜V8のアナログ電圧
を時分割多重化してA/D変換器18に送る。ま
た、A/D変換器18に関連して第7図に示す制
御及び記憶部19が設けられており、A/D変換
器18における時分割的なA/D変換動作及びこ
のA/D変換によつて得たデイジタルデータのデ
マルチプレクス動作を制御する。このようなA/
D変換操作によつて回路構成をかなり簡略化する
ことができる。 第7図に示す制御及び記憶部19は、各ボリユ
ームV1〜V8に対応する記憶手段としてレジス
タ101〜108を含んでいる。各レジスタ10
1〜108の近傍に記したV1〜V8は夫々に対
応するボリユームV1〜V8を示している。これ
らのレジスタ101〜108には、各々に対応す
るボリユームV1〜V8の出力電圧をデイジタル
変換したデイジタルデータが夫々記憶される。こ
れらのレジスタ101〜108は、システムクロ
ツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御される8
ステージ/1ビツトの循環型シフトレジスタから
成る。各レジスタ101〜108の各ステージの
ブロツク内に記した数字は、第1、第9、第17及
び第25タイムスロツトのときの各ステージ内のデ
ータの重みを一例として示すものである。夫々の
レジスタ101〜108における重み数値の単位
は、各出力データ表示の近傍に記されているよう
に、夫々の制御要素の性質に応じて「Hz」(周波
数)、「セント」(ピツチずれの深さを示すセント
値)、「ms」(時間)、「dB」(レベル)である。こ
れらの重み表示はあくまでも一例として示したに
すぎず、回路動作の面ではあまり重要ではなく、
ただ、シリアルデータとして送り出されるときに
各ビツトの重みとタイムスロツトとの関係を明ら
かにする面で役立つ。 第7図の制御及び記憶部19には、各レジスタ
101〜108に対応してマルチプレクス及びデ
マルチプレクス制御回路111〜118が設けら
れている。回路112〜117は同一構成である
ため、回路112のみ詳細を示し、回路113〜
117は省略してある。このマルチプレクス及び
デマルチプレクス制御回路111〜117は、ア
ナログ電圧マルチプレクサ16(第6図)におけ
る時分割多重化操作に対応して各レジスタ101
〜107のデイジタルデータをマルチプレクスし
てA/D変換器18(第6図)に送り、時分割的
なA/D変換操作に利用させると共に、その結果
得られるデイジタルデータをA/D変換器18か
ら受け入れてデマルチプレクスし、対応するレジ
スタ101〜107にロードする機能をもつ。但
し、イニシヤルタツチ検出データ記憶用のレジス
タ108に対応する制御回路118はマルチプレ
クス機能(レジスタ108のデータをA/D変換
器18に送り出す機能)をもたない。 第6図において、アナログ電圧マルチプレクサ
16の制御入力には第3図のデコーダ29から8
本の出力信号H0〜H7が与えられると共に第4
図のオア回路90からイニシヤルセンシング信号
ISが与えられる。デコーダ29はカウンタ13
(第3図)のカウント値のうちビツト2,1,
N4の値をデコードしたものを信号H0〜H7と
して出力する。各信号H0〜H7は第9図aに示
す順で順次“1”となる。1つの信号H0〜H7
が“1”を持続している時間は8キータイムであ
り、1走査サイクルの間で各信号H0〜H7が2
巡する。 マルチプレクサ16は、常時は信号H1〜H7
に応じてボリユームV1〜V7のアナログ電圧を
第9図bに示すように順次サンプリングし、多重
化して出力する。イニシヤルセンシング信号ISが
“1”のときは、上述の信号H1〜H7によるV
1〜V7のサンプリングを禁止し、イニシヤルタ
ツチ感度調整用ボリユームV8からのアナログ電
圧を持続的に選択して出力する。マルチプレクサ
16の出力電圧はA/D変換器18内のアナログ
比較器110の入力Bに供給される。まず、通常
のA/D変換について説明し、次にイニシヤルタ
ツチ検出信号のA/D変換について説明する。 A/D変換器18は、システムクロツクパルス
φ1,φ2によつてシフト制御される8ステージ/
1ビツトの循環型シフトレジスタから成るデータ
レジスタ100を含んでいる。A/D変換器18
における通常のA/D変換操作はマルチプレクサ
16による各アナログ電圧の時分割的サンプリン
グに対応して時分割で行なわれる。初め、データ
レジスタ100には前回のA/D変換によるデイ
ジタルデータが取り込まれる。この前回データを
デイジタル/アナログ変換(以下D/A変換とい
う)回路119でアナログ電圧に変換し、これを
比較器110の入力Aに加えてマルチプレクサ1
6からのアナログ電圧と比較し、この比較結果に
応じてデータレジスタ100の内容をカウントア
ツプまたはダウンすることによりA/D変換を行
なう。 前回のA/D変換によるデイジタルデータはサ
ンプリングタイミングの直前に第7図のレジスタ
101乃至107の1つからデータレジスタ10
0に取り込まれる。そのため制御信号として信号
N7,25T32が第3図のアンド回路120か
ら第7図の各制御回路111〜117内のアンド
回路121,122,123に入力される。第3
図において、アンド回路120にはアンド回路4
2の出力とタイミング信号25T32が与えられ
る。アンド回路42はカウンタ13のカウント値
の下位3ビツト3,2,1が“111”のと
き条件が成立する。これはサンプリング用の各信
号H0〜H7における最後の1キータイムを示
す。信号25T32は1キータイムにおける第25
から第32タイムスロツトまでの8タイムスロツト
の間“1”となるものである。従つて、信号N
7,25T32は各信号H0〜H7の最後の8タ
イムスロツトにおいて“1”となる。 第7図において、制御回路111〜117には
デコーダ29(第3図)の出力信号H0〜H7が
供給されており、この信号H0〜H7と前記信号
N7,25T32にもとづいてマルチプレクスと
デマルチプレクスを同時に制御する。各制御回路
111〜117はマルチプレクス用アンド回路1
24,125、デマルチプレクス用アンド回路1
26,127、及びホールド用アンド回路12
8,129を含んでいる。或るサンプリングタイ
ミングの最後の8タイムスロツトにおいて、その
次のサンプリングタイミングに対応するレジスタ
(101〜107のうちの1つ)の記憶データが
マルチプレクス用アンド回路124,125を介
して選択されてA/D変換器18のデータレジス
タ100(第6図)に供給されると同時に、その
サンプリングタイミングでA/D変換したデータ
がデマルチプレクス用アンド回路126,127
を介してそのサンプリングタイミングに対応する
レジスタ(101〜107のうち1つ)に取り込
まれる。このようなレジスタ101〜107に対
するデマルチプレクス及びマルチプレクス制御
は、イニシヤルタツチ検出のための約10msの待
ち時間以外のときに実行される。そのために、制
御回路111〜117内の各アンド回路121,
122,123にはイニシヤルセンシング信号IS
の反転信号がインバータ130から与えられ、
ISが“0”のときに可能化されるようになつてい
る。また、各アンド回路121,122,123
には信号N7,25T32が共通に入力される。
各アンド回路121,122,123には信号H
0,H1,H2が各別に入力され、更に各制御回
路113〜117のアンド回路123と同等のア
ンド回路には信号H3〜H7が各別に入力され
る。 信号H0が“1”のとき、第9図に示すように
アナログ電圧マルチプレクサ16(第6図)はど
のボリユームV1〜V8の電圧もサンプリングし
ない。従つて、このときはA/D変換器18では
A/D変換動作を行なわない。信号H0の最後の
8タイムスロツトにおいて信号N7,25T32
が“1”となると、アンド回路121(第7図)
の条件が成立し、このアンド回路121からアン
ド回路124及びオア回路131に対して“1”
が与えられる。従つて、オア回路131の出力信
号TiMは第10図bのように発生する。同図a
は信号H0からH1へ変化するタイミングを拡大
して示したものである。尚、オア回路131の他
の入力には各制御回路111〜117におけるア
ンド回路121と同等のアンド回路122,12
3の出力が夫々与えられる。尚、第10図、その
他のタイミングチヤートにおいて、パルス中に記
す「25〜32」等の数字はタイムスロツトの順位を
示す。 アンド回路124の他の入力にはレジスタ10
1の最終ステージから出力されるシリアルな8ビ
ツトデイジタルデータが与えられる。このシリア
ルデイジタルデータは、第25乃至32タイムスロツ
トの間では最下位ビツト(以下LSBという)か
ら最上位ビツト(以下MSBという)まで順次に
並んでいる。アンド回路124が第10図bに示
す信号TiMと同じ8タイムスロツトの間可能化
されることによりレジスタ101に記憶している
8ビツトデイジタルデータはこの信号TiMに同
期してアンド回路124でサンプリングされ、オ
ア回路132に与えられる。オア回路132の出
力ODD(オールドデイジタルデータ)は第6図の
A/D変換器18に供給され、オア回路133及
び加算器134を経由してデータレジスタ100
にロードされる。従つて、次のサンプリング信号
H1が“1”に立上るときにはデータレジスタ1
00にはレジスタ101のデータ(これをVBR
で示す)が転送されてきている。尚、オア回路1
32(第7図)には各制御回路111〜117の
マルチプレクス用アンド回路124,125の出
力が夫々印加される。各レジスタ101〜107
のデータをVBR,VBD,KVBD,DVER(また
はDEL)、SRM及びSRE,ATL,STRで示すと
すると、各サンプリングタイミングの冒頭でデー
タレジスタ100から出力されるデータは第9図
cのようになる。すなわち、第9図bに示すよう
にサンプリングされる各ボリユームV1〜V7の
アナログ電圧の前回サンプリングタイミングにお
けるデイジタル変換結果が、同じボリユームV1
〜V7の今回サンプリングタイミングに対応して
データレジスタ100から出力される。 一方、第7図のオア回路131から出力された
信号TiMは第6図のA/D変換器18に与えられ
る。この信号TiMはインバータ135で反転さ
れ、アンド回路136を動作不能にする。アンド
回路136はデータレジスタ100のデータをホ
ールドするためのもので、オールドデータODD
をロードするとき信号TiMによつてレジスタ1
00のホールドを禁止する。信号TiMは3段の
遅延フリツプフロツプ(シフトレジスタ)137
に入力される。このフリツプフロツプ137はタ
イミング信号6y8で入力信号をロードし、信号
1y8に同期して出力を切換える。従つて、その
第1ステージの出力信号TiM1は第10図cに
示すように信号H1の立上りの第1乃至第8タイ
ムスロツトの間で“1”となり、その第2及び第
3ステージ出力をオア回路138でまとめた信号
TiM2+3は第10図dのように信号TiM1の
立下り値後の第9乃至第24タイムスロツトの間で
“1”となる。 第6図において、データレジスタ100は1ビ
ツト分の全加算器134と共に8ビツトのシリア
ルカウンタを構成している。ラツチ回路139は
信号1y8Sのタイミングでレジスタ100の各
ステージの出力(すなわちカウント値)を並列的
にラツチするためのものである。信号1y8Sが
発生する第1、第9、第17、第25タイムスロツト
においてレジスタ100の第1ステージ乃至第8
ステージにはMSBからLSBまでのデータが順に
並んでおり、これがラツチ回路139にラツチさ
れる。第10図eに示すように、信号H1の立上
りの8タイムスロツトにおいては、ラツチ回路1
39の内容はレジスタ101(第7図)のデータ
VBRを示している。このラツチ回路139の内
容は、カウント値(レジスタ100の内容)の変
化に応じて8タイムスロツト毎に変化する。 ラツチ回路139の出力はD/A変換回路11
9に与えられ、アナログ電圧に変換される。比較
器110は入力AとBを比較し、B≧Aのとき、
つまりマルチプレクサ16から入力Bに与えられ
るアナログ電圧の値がデータレジスタ100のデ
ータの値と同じかそれよりも大きいとき、“1”
を出力する。この比較器110の出力は遅延フリ
ツプフロツプ140に与えられ、信号1y8に同
期して8タイムスロツト遅延して出力される。こ
のフリツプフロツプ140の出力はインバータ1
41で反転され、ダウンカウント用のアンド回路
142に印加される。また、フリツプフロツプ1
40の出力はイニシヤルタツチ検出時におけるア
ツプカウント用のアンド回路143に印加され
る。アンド回路144は通常のA/D変換動作時
におけるアツプカウント用である。 第7図のインバータ130から第6図のA/D
変換器18にイニシヤルセンシング信号ISの反転
信号が与えられている。この信号はアンド回
路142及び144に加えられ、イニシヤルタツ
チ検出時以外のときつまり通常のA/D変換動作
時にこれらの回路142,144を動作可能にす
る。信号をインバータ145で反転した信号IS
がアンド回路143に印加されており、イニシヤ
ルタツチ検出時にこの回路143を可能にする。 通常のA/D変換動作時は、比較器110の比
較結果に無関係に、信号TiM1のタイミングで
データレジスタ100の内容を1カウントアツプ
する。すなわち、信号TiM1と信号1y8がア
ンド回路144に入力されており、信号TiM1
が立上る第1タイムスロツトにおいて該アンド回
路144の出力が“1”となる。アンド回路14
4の出力“1”はオア回路146を介して加算器
134の入力Aに加わる。信号TiM1が“1”
のとき信号TiMは“0”であり、データレジス
タ100の出力がアンド回路136、オア回路1
33を介して加算器134の入力Bに加わる。信
号1y8のタイミングではレジスタ100にロー
ドしたデータVBRの最下位ビツトが加算器13
4の入力Bに加わる。従つて、最下位ビツトに
“1”が加算される。キヤリイアウト信号がある
場合は1タイムスロツト遅れてキヤリイアウト出
力C0+1から“1”が出力され、アンド回路1
47を介して入力Ciに加わる。最下位ビツトのタ
イミングでキヤリイアウト信号が加算されること
のないようにするために、信号1y8によつてア
ンド回路147を動作不能にするようになつてい
る。こうして、第10図fに示すTiM1の区間
で前回のデータVBRに1が加算される。この加
算結果「VBR+1」が次のTiM2の区間の間ラ
ツチ回路139にラツチされる(第10図e)。 第10図fのTiM2の区間では、データ
「VBR+1」のアナログ電圧AとボリユームV1
の現在のアナログ電圧Bとを比較器110で比較
し、「B≧A」が成立したときは加算も減算も行
なわずに「VBR+1」をレジスタ100で保持
する。他方、「B≧A」が成立しないときつまり
「A>B」のときは、データ「VBR+1」から1
を減算する。「A>B」のときは遅延フリツプフ
ロツプ140の出力が“0”であり、インバータ
141からアンド回路142に“1”が与えられ
る。このアンド回路142にはオア回路138か
ら信号TiM2+3が与えられており、区間TiM
2及びTiM3(第10図f参照)のとき動作可
能となる。区間TiM2においてアンド回路14
2の条件が成立すると、区間TiM2の間中(8
タイムスロツトの間)アンド回路142の出力が
“1”となる。このアンド回路142の出力“1”
はオア回路146を介して加算器134の入力A
に与えられる。従つて、レジスタ100のデータ
「VBR+1」の全ビツトに“1”が加算され、事
実上の1カウントダウンが行なわれる。従つて、
区間TiM2の演算によつてレジスタ100に得
られるデータの値は「VBR+1」または「VBR
(=VBR+1−1)」のどちらかであり、このデ
ータは区間TiM3においてラツチ回路139に
ラツチされる(第10図e参照)。 区間TiM3ではラツチ回路139のデータ
「VBR+1」または「VBR」とボリユームV1
の現在のアナログ電圧とを比較器110で比較
し、「B≧A」が成立したときは加算も減算も行
なわずにレジスタ100の現在値「VBR+」ま
たは「VBR」を保持する。他方、「A>B」のと
きは前述と同様にアンド回路142から“1”を
出力し、レジスタ100のデータから1を減算す
る。この2度目の減算によつてレジスタ100の
データは「VBR−1(=VBR+1−1−1)」と
なる。 区間TiM3が終了すると、信号TiM2+3が
立下り、アンド回路142が動作不能となる。従
つて、以後のカウント動作は停止する。こうし
て、A/D変換動作はサンプリング信号H1の立
上りの3区間TiM1〜TiM3(24タイムスロツ
ト)の間でのみ行なわれる。 前回のA/D変換によつて求めたデータVBRの
値(A)と今回サンプリングされたボリユームV1の
設定値(B)とが一致している場合、区間TiM1に
おける1加算によつてレジスタ100の内容が
「VBR+1」となることにより、区間TiM2にお
ける比較ではA>Bが成立し、1減算されてレジ
スタ100の内容が「VBR」となる。区間TiM
3における比較ではA=Bが成立し、1減算は行
なわれない。従つて、最終的には前回と同じデー
タ「VBR」がデータレジスタ100にホールド
される。 前回のA/D変換によつて求めたデータVBRの
値(A)よりも今回サンプリングされたボリユームV
1の設定値(B)の方が大きい場合、区間TiM1に
おける1加算によつてレジスタ100の内容が
「VBR+1」となつても比較器110ではB=A
またはB>Aのどちらかが成立するだけである。
従つて、区間TiM2及びTiM3で減算は行なわ
れず、最終的には「VBR+1」がレジスタ10
0にホールドされる。 前回のA/D変換によつて求めたデータVBRの
値(A)よりも今回サンプリングされたボリユームV
1の設定値(B)の方が小さい場合、区間TiM2及
びTiM3では常にA>Bが成立する。従つて、
1加算の後に1減算が2度行なわれ、最終的には
「VBR−1」がレジスタ100にホールドされ
る。 上述のように、1サンプリング周期(約1ms)
におけるデイジタルデータの最大変化量は±1に
限定されている。これは、ボリユームV1〜V7
によるアナログ設定値が急激に変更されたときこ
れにそのまま応答したのではクリツク等不快な雑
音をもたらす原因となるのでこれを防止するた
め、及び、雑音等によつてアナログ設定値が一時
的に急激に変化したときこれに反応しないように
するため、等の理由による。1サンプリング周期
におけるデイジタルデータの最大変化量は±1に
限らず、要するに滑らかなA/D変換が行なえる
程度であればよい。 また、1回のA/D変換動作において3つの区
間TiM1,TiM2,TiM3で加減算を行なうよ
うにしているが、これはノイズ等によつて比較器
110の出力が不安定な場合にデイジタルデータ
が乱りに変動することを防止するのに役立つ。例
えば、区間TiM2でB≧Aが成立したのに区間
TiM3では成立しないような場合、区間TiM1
における「+1」と区間TiM3における「−1」
によつて最終的にはデイジタルデータは変化しな
い。 尚、ラツチ回路139の全出力を入力したアン
ド回路148とノア回路149(第6図)は最大
カウント値と最小カウント値を夫々検出するため
のものである。最大カウント値になつたときアン
ド回路148の出力によつてアンド回路143,
144を動作不能にし、アツプカウントを禁止す
る。最小カウント値になつたときはノア回路14
9の出力によつてアンド回路142を動作不能に
し、ダウンカウントを禁止する。 サンプリング信号H1が発生しているときの説
明に戻ると、区間TiM3の終了後はA/D変換結
果であるデイジタルデータがアンド回路136、
オア回路133、加算器134の入力Bを介して
データレジスタ100で循環してホールドされ
る。このレジスタ100のデータはニユーデイジ
タルデータNDDとして第7図の各制御回路11
1〜117のデマルチプレクス用アンド回路12
6,127に供給される。信号H1が“1”のと
きは制御回路111のアンド回路122が動作可
能であるが、信号N7,25T32が“0”の間
は条件が成立せず、このアンド回路122の出力
は“0”となつている。アンド回路122の出力
“0”はインバータ150で反転され、ホールド
用のアンド回路128に与えられる。レジスタ1
01のデータVBRはこのアンド回路128及び
オア回路151を介して循環保持される。 信号H1の最後の8タイムスロツトにおいて信
号N7,25T32が“1”となると、アンド回
路122の条件が成立し、このアンド回路122
からアンド回路126に“1”が与えられる。同
時に、アンド回路122の出力“1”は、次のサ
ンプリング信号H2に対応する制御回路112の
マルチプレクス用アンド回路125に加えられる
と共にオア回路131に与えられる。制御回路1
11では、アンド回路122の出力“1”によつ
てホールド用アンド回路128が動作不能とな
り、アンド回路126が動作不能となる。従つ
て、信号H1のタイミングでA/D変換されたボ
リユームV1の設定値を示すニユーデイジタルデ
ータNDDがアンド回路126で選択され、オア
回路151を介してレジスタ101にロードされ
る。アンド回路122は第25から第32タイムスロ
ツトの間“1”を出力し、この間にデータレジス
タ100(第6図)から出力されるデータNDD
は丁度下位ビツトから最上位ビツトまでの8ビツ
トがシリアルに順番に並んでいる。従つて、第25
タイムスロツトから第32タイムスロツトの間でニ
ユーデイジタルデータNDDがレジスタ101に
順番にロードされることになり、第1タイムスロ
ツトにおけるレジスタ101の各ステージの重み
は図中に示すように第1ステージが最上位ビツト
(16/2Hz)であり、ステージが進むにつれて下位ビ ツトに移り、第8ステージが最下位ビツト(1/24 Hz)である。 一方、アンド回路122の出力“1”に対応し
てオア回路131から信号TiMが出力され、か
つアンド回路125及びオア回路132を介して
レジスタ102のデータVBDがオールドデイジ
タルデータODDとしてA/D変換器18(第6図)
に与えられる。そして、サンプリング信号がH2
に切換わると、前述と同様の手順で、ボリユーム
V2に関するA/D変換が行なわれる。以下、信
号H2〜H7に対応して制御回路112〜117
が前述と同様に動作し、各ボリユームV3〜V7
に関するA/D変換が順次行なわれる。こうして、
各レジスタ101〜107には、各ボリユームV
1〜V7の出力に対応するデイジタルデータが
夫々記憶される。 尚、デイレイビブラート(ボリユームV4)に
対応するレジスタ104のデータ表示がDVER
とDELの2通り有る理由は、ボリユームV4を
デイレイビブラートの開始時間設定とデイレイビ
ブラート深さ変化のエンベロープの傾き設定の両
方に兼用しているためである。DVERはデイレ
イビブラートにおける深さの時間的変化の速度を
設定するためのデイレイビブラートエンベロープ
レートデータであり、その重みはレジスタ104
の各ステージブロツク内の下側に示されている。
この重みの単位が(Hz)である理由は、エンベロ
ープ変位レートを周波数に換算した速さで示した
ためである。すなわち、エンベロープの開始時か
ら終了時までの時間が周波数表示の1/4周期に対
応している。DELはデイレイビブラート開始時
間データであり、その重みはレジスタ104の各
ステージブロツク内の上側にされている。この2
つのデータDVER,DELは勿論真理値が異なつ
ているわけではなく、利用する側での重みづけが
異なつているだけである。 スラースピード(ボリユームV5)に対応する
レジスタ105のデータ表示がSRMとSREの2
通り有る理由は、ダイナミツクレンジを広くとる
ために8ビツトのデータを仮数部と指数部に分け
て利用するためである。最下位ビツトは利用せ
ず、下位2ビツト目から5ビツト目までを仮数部
M1,M2,M3,M4とし、上位3ビツトを指
数部E1,E2,E3とする。SRMはスラーレ
ート仮数部のデータ表示であり、SREはスラー
レートの指数部のデータ表示である。 第4図のオア回路90から出力されたイニシヤ
ルセンシング信号ISは第7図の遅延フリツプフロ
ツプ152に入力される。2段の遅延フリツプフ
ロツプ152は信号6y8によつて入力信号をロ
ードし、信号1y8に同期して出力状態を切換え
るものである。遅延フリツプフロツプ152の第
1ステージの出力がアンド回路153に加わり、
かつインバータ155で反転されてアンド回路1
54に加わる。第2ステージの出力はアンド回路
154に加わり、かつインバータ130で反転さ
れてアンド回路153に加わる。このインバータ
130の出力が信号として第6図のA/D変換
器18に与えられる。アンド回路153は信号IS
の立上りに対応して8タイムスロツト幅のパルス
を出力し、アンド回路154は信号ISの立下りに
対応して8タイムスロツト幅のパルスを出力す
る。アンド回路153及び154の出力はオア回
路131に加えられ、信号TiMとして第6図の
A/D変換器18に与えられる。信号ISに対応し
て発生する信号TiM及びの状態を第11図に
示す。 第6図において、信号ISの立上りに対応して信
号TiMが“1”となる8タイムスロツトの間で
アンド回路136が動作不能にされ、データレジ
スタ100の全ビツトが“0”にクリアされる。
また、信号が“0”となることによつて第7図
の各制御回路111〜117が動作不能にされ、
各レジスタ101〜107はその記憶データを循
環保持する。かつ、第6図のアンド回路142及
び144が動作不能となり、アンド回路143が
動作不能となる。アンド回路143が可能化され
た最初の8タイムスロツトでは、信号TiMを8
タイムスロツト遅延した信号TiM1が“1”で
あり、インバータ156の出力“0”によつてア
ンド回路143の動作が禁止される。これは信号
ISの立上り時において各信号の状態が安定するの
を待つためであるが、この処理は特に行なわなく
てもよい。アンド回路143の他の入力には信号
1y8と遅延フリツプフロツプ140の出力が加
えられる。従つて、比較器110で「B≧A」が
成立すれば、信号1y8のタイミングでアンド回
路143から“1”が出力され、オア回路146
を介して加算器134の入力Aに与えられる。前
述の通り、この信号1y8のタイミングはデータ
レジスタ100のデータの最下位ビツトのタイミ
ングである。従つて、アンド回路143から信号
1y8のタイミングで1パルス与えられる毎に
(約4μs毎に)データレジスタ100の内容が1カ
ウントアツプされる。 前述の通り、イニシヤルセンシング信号ISが発
生している間はマルチプレクサ16でボリユーム
V8のアナログ電圧を持続して選択する。従つ
て、ボリユームV8で感度調整されたタツチ検出
信号が比較器110の入力Bに専ら与えられる。
データレジスタ100は初めにオール“0”にク
リアされるので、初めは比較器110で「B≧
A」が成立する。データレジスタ100の値がタ
ツチ検出信号の値に一致するまで、信号1y8が
発生する毎に急速に該レジスタ100の内容がカ
ウントアツプされる。データレジスタ100のカ
ウント値がタツチ検出信号の値に一致すると、比
較器110で「B=A」が成立する。これにもと
づきレジスタ100の内容が更に1カウントアツ
プされた後、比較器110で「B<A」が成立
し、アンド回路143が動作不能にされ、カウン
トが停止する。その後、タツチ検出信号のレベル
が下がつたとしてもデータレジスタ100のダウ
ンカウントは行なわれないので、ピーク値が保持
されることになる。また、タツチ検出信号がデー
タレジスタ100の値よりも更に大きくなつた場
合は比較器110で「B≧A」が成立し、追加の
カウントアツプが行なわれる。こうして、イニシ
ヤルセンシング信号ISが発生している間のタツチ
検出信号のピーク値に相当するデイジタルデータ
がデータレジスタ100でホールドされる。この
データレジスタ100にホールドされたピーク値
のデータはデータNDDのラインを介して第7図
の制御回路118内のアンド回路157に与えら
れる。 鍵押圧開始時から約10msが経過してイニシヤ
ルセンシング信号ISが立下ると、第7図のアンド
回路154の出力が第25乃至第32タイムスロツト
に同期して8タイムスロツト間“1”となる。こ
のアンド回路154の出力“1”はアンド回路1
58に与えられる。アンド回路158の他の入力
には、第4図のフリツプフロツプXKQの出力
XKQSが2段の遅延フリツプフロツプ159を
介して加えられる。この遅延フリツプフロツプ1
59は遅延フリツプフロツプ152の出力タイミ
ングに同期させるためのものである。アンド回路
158はイニシヤルタツチ検出時間終了時に何ら
かの鍵が押圧されていること(XKQSが“1”)
を条件に8タイムスロツトの間“1”を出力す
る。このアンド回路158の出力“1”によつて
アンド回路157が動作可能となり、データレジ
スタ100(第6図)にホールドされているタツ
チ検出信号のピーク値データ(NDD)を通過さ
せ、オア回路160を介してレジスタ108にロ
ードする。また、アンド回路154の出力“1”
に対応してオア回路131から第6図のインバー
タ135に与えられる信号TiMによつてデータ
レジスタ100にホールドしていたピーク値デー
タがクリアされる。アンド回路154の出力が
“1”となる8タイムスロツトの間にレジスタ1
08(第7図)に対応するピーク値データのロー
ドが完了し、該アンド回路154の出力が“0”
に立下るとアンド回路157に代わつてアンド回
路161が動作可能となる。レジスタ108にロ
ードされたタツチ検出信号のピーク値データはこ
のアンド回路161を介して以後ホールドされ
る。こうして、イニシヤルタツチ検出データがレ
ジスタ108にホールドされる。 尚、レジスタ108のデータ表示がAPIとITL
の2通り有る理由は、同じイニシヤルタツチ検出
データをアタツクピツチコントロールとイニシヤ
ルタツチレベルコントロールの両方に使用するた
めである。APIは、アタツクピツチ初期値設定デ
ータであり、その重みはレジスタ108の各ステ
ージブロツク内の上側に記されている。下位3ビ
ツトは切捨てられ、上位5ビツトが約1.2セント
乃至約19セントのピツチずれに対応する。ITL
は、イニシヤルタツチレベル制御データである。 第7図の各レジスタ101〜108に記憶され
たデータのうちピツチコントロール関係のデー
タ、すなわちビブラートレートデータVBR、ビ
ブラート深さデータVBD、アフタータツチビブ
ラート深さデータKVBD、デイレイビブラート
エンベロープレートデータDVER、デイレイビ
ブラート開始時間データDEL、スラーレート仮
数部データSRM、スラーレート指数部データ
SRE、アタツクピツチ初期値設定データAPIは効
果付与回路20(第12図の部分)に供給され
る。レベルコントロール関係のデータ、すなわち
アフタータツチレベル制御データATL、サステ
インレートデータSTR、イニシヤルタツチレベ
ル制御データITLは楽音信号発生部21(第2
図)に供給される。 効果付与回路の説明 図示の都合上、効果付与回路20の詳細例は3
つの部分に分けて第12図、第13図、第14図
に示されている。各図は第2図の回路20のブロ
ツク中に示されたように結合する。効果付与回路
20では、アタツクピツチコントロール、デイレ
イビブラート、アフタータツチビブラート、及び
ノーマルビブラートのための変調信号を夫々形成
する処理、及びスラー効果のために単音モードの
押圧鍵キーコードMKCを変調する処理、を実行
する。尚、スラー効果はこの発明とは直接関係な
いため、スラー効果に関連する回路は第12図乃
至第14図ではほぼ省略してある。まず、アタツ
クピツチ及びビブラートのための変調信号を形成
する部分について説明する。 効果付与回路20は、第13図に示す4つの演
算器CUL1,CUL2,CUL3,CUL4を含んで
いる。各演算器CUL1〜CUL4は、システムク
ロツクパルスφ1,φ2によつてシフト制御される
16ステージ/1ビツトの直列シフトレジスタ16
2,163,164,165と、1ビツト分の全
加算器166,167,168,169と、演算
及び記憶動作制御用の論理回路170〜196
(アンド回路)、197〜204(オア回路)とを
夫々具えており、シリアル演算を行なう。演算器
CUL2は変調信号の瞬時値を示すデータVALを
求めるものである。演算器CUL1は変調信号の
周波数を示すデータを繰返し演算して演算器
CUL2における演算タイミングを示す信号を発
生するものである。演算器CUL3は変調信号の
エンベロープ(深さ)の瞬時値を示すデータ
ENVを求めるものである。このデータENVを所
定ビツトシフトして変調信号の変化幅を示す微小
値△ENVとして利用する。演算器CUL2におい
て、この変化幅△ENVを演算器CUL1からのタ
イミング信号に応じて繰返し演算することにより
変調信号の瞬時値を示すデータVALを求める。
演算器CUL4は、後述するように多目的に使用
される。 第15図aは、アタツクピツチ、デイレイビブ
ラート、ノーマルビブラートにおける変調信号及
びそのエンベロープ(深さ)の一例を示すもので
ある。この図を参照して変調信号の形成法の概略
を説明する。第15図aの横軸は時間、たて軸は
正規周波数(0セント)からのピツチずれをセン
ト値によつて示す。 アタツクピツチの初期値は負の値(正規周波数
の低音側のピツチずれ)「−APiS」である。この
アタツクピツチ初期値の絶対値「APiS」は、レ
ジスタ108(第7図)から与えられるアタツク
ピツチ初期値設定データAPIにROM22(第2
図)から与えられる音色に対応したアタツクピツ
チ初期値係数APSを乗算したものである。前述
の通り、データAPIは鍵のイニシヤルタツチに対
応したものであるので、アタツクピツチ初期値
APiSはイニシヤルタツチに応じて制御されるこ
とになる。アタツクピツチにおけるエンベロープ
の初期値もアタツクピツチ初期値APiSと同じで
ある。演算器CUL3(第13図)にエンベロー
プ瞬時値ENVの初期値としてAPiSをプリセツト
し、以後、この初期値APiSを下位桁にnピツト
シフト(2-n倍)した微小値△APiSを、ROM2
2(第2図)から与えられる音色に対応したアタ
ツクピツチエンベロープレートデータAPERに応
じた時間間隔で繰返し減算することにより、徐々
に減衰するエンベロープの瞬時値ENVが求めら
れる。演算器CUL4で上記エンベロープレート
データAPERを規則的にアキユムレートし、その
最上位ビツトからのキヤリイアウト信号の発生タ
イミングによつて演算器CUL3における上記減
算の繰返し時間間隔を定める。△APiSはイニシ
ヤルタツチに対応したものであるので、アタツク
ピツチのエンベロープもイニシヤルタツチに応じ
て制御されることになる。一方、演算器CUL2
では、変調信号瞬時値VALの初期値として「−
APiS」をプリセツトし、エンベロープ瞬時値
ENVを下位桁にnビツトシフト(2-n倍)した微
小値△ENVを、ROM22(第2図)から与えら
れる音色に対応したアタツクピツチレートデータ
APRに応じた時間間隔で繰返し加算もしくは減
算することにより、変調信号の瞬時値VALを求
める。VALの初期値は負の値「−APiS」である
ので、初めは加算を行ない、VALを徐々に大き
くする。値VALが値ENVに達したとき減算に切
換える。以後、加算と減算を交互に行ない、エン
ベロープ値ENVの範囲内で値VALが繰返し折返
すようにする。演算器CUL1で上記レートデー
タAPRを規則的にアキユムレートし、その最上
位ビツトからのキヤリイアウト信号の発生タイミ
ングによつて演算器CUL2における上記加算ま
たは減算の時間間隔を定める。エンベロープ値
ENVが0セントになつたときアタツクピツチコ
ントロールが終了する。 アタツクピツチあるいはスラーが終了したとき
演算器CUL4でデイレイビブラート開始までの
時間がカウントされる。このカウント時間が、レ
ジスタ104(第7図)に記憶されたデイレイビ
ブラート開始時間DELに一致すると、デイレイ
ビブラートが開始する。 デイレイビブラートにおけるエンベロープ(深
さ)は0セントから始まり、レジスタ102(第
7図)から与えられるビブラート深さデータ
VBDに対応するセント値まで徐々に増大する。
演算器CUL3では、深さデータVBDを下位桁に
nビツトシフトした微小値△VBDを、レジスタ
104(第7図)から与えられるデイレイビブラ
ートエンベロープレートデータDVERに応じた
時間間隔で繰返し加算することにより、徐々に増
大するエンベロープ瞬時値ENVを求める。上記
エンベロープレートデータDVERに対応する値
が演算器CUL4でアキユムレートされ、そのキ
ヤリイアウト信号によつて演算器CUL3におけ
る計算時間間隔が設定される。一方、演算器
CUL2では、エンベロープ瞬時値ENVをシフト
した微小値△ENVを、レジスタ101(第7図)
から与えられるビブラートレートデータVBRに
応じた時間間隔で繰返し加算または減算すること
により、変調信号の瞬時値VALを求める。上記
レートデータVBRは演算器CUL1でアキユムレ
ートされ、そのキヤリイアウト信号によつて演算
器CUL2における計算時間間隔が設定される。 演算器CUL3のエンベロープ瞬時値ENVが深
さデータVBDに対応するセント値に達するとデ
イレイビブラートが終了し、ノーマルビブラート
に移行する。ノーマルビブラートにおいては、演
算器CUL3で深さデータVBDに対応する一定の
エンベロープ値ENVを保持し、演算器CUL1,
CUL2では上述のデイレイビブラートのときと
同じ処理を行なう。第15図aには示してない
が、アフタータツチビブラートにおいては、演算
器CUL3のエンベロープ値ENVをレジスタ10
3(第7図)から与えられるアフタータツチビブ
ラート深さデータKVBDに対応する値とし、デ
イレイビブラートあるいはノーマルビブラートの
ときと同じように演算器CUL1,CUL2を動作
させる。尚、この実施例では、ノールビブラート
あるいはアフタータツチビブラートが奏者によつ
て選択された場合はデイレイビブラートはかから
ないようになつている。また、この実施例では、
第15図aに示されているように、デイレイビブ
ラート、ノーマルビブラート及びアフタータツチ
ビブラートのときのピツチずれの深さは高音側と
低音側とでは非対称になつている。すなわち、高
音側の深さVBDに対して低音側の深さは1/2 VBDとなつている。このような非対称の深さ設
定は、自然楽器に近い、好ましいビブラートをも
たらす。 第13図の各演算器CUL1〜CUL4において、
シリアル演算は第1乃至第16タイムスロツトの間
で行なわれる。各レジスタ162〜165内の16
ビツトのデータは第1乃至第16タイムスロツトの
間で最下位ビツトから順番に出力される。各ビツ
トのシリアル演算結果は第1乃至第16タイムスロ
ツトの間で加算器166〜169から出力され、
各レジスタ162〜165に取り込まれる。こう
してレジスタ162〜165内のデータは16タイ
ムスロツト毎に循環する。第16タイムスロツトに
おける最上位ビツトの演算によるキヤリイアウト
信号が第17タイムスロツトにあらわれる最下位ビ
ツトデータに加算されないようにするために、加
算器166〜169のキヤリイアウト出力C0
1を入力Ciに与えるためのアンド回路170,1
75,183,191に信号1732が加えら
れる。この信号1732は信号17y32の反
転信号であり、第17タイムスロツトで“0”、そ
れ以外のタイムスロツトで“1”である。 第13図において、各シフトレジスタ162〜
165の各ステージ内に記された数字は、第1タ
イムスロツト及び第17タイムスロツトのときの各
ステージ内のデータの重みを示すものである。
夫々の重み表示の単位は、レジスタ162が
「Hz」、163及び164が「セント」、165の
上側が「Hz」、下側が「ms」である。レジスタ1
62の上側の重み表示は、演算器CUL1をアタ
ツクピツチレートデータAPRのアキユムレート
に用いるときの重みを示す。例えば第7ステージ
の「1」は1Hzの重みを示す。レジスタ162の
下側の重み表示は、演算器CUL1をビブラート
レートデータVBRのアキユムレートに用いると
きの重みを示す。例えば第7ステージの「4/3」
は4/3Hzを示す。アタツクピツチのときとビブラ ートのときとで重みが異なる理由は、ビブラート
のときは前述の非対称形の深さ設定を行なうため
である。レジスタ165の上側の重み表示は演算
器CUL4をエンベロープレートデータAPER,
DVER(更にSLR)のアキユムレートに用いると
きの重みを示す。下側の重み表示は演算器CUL
4をデイレイビブラート開始時間のカウントに用
いるときの重みを示す。レジスタ163の第1ス
テージの「S」はサインビツトを示す。変調信号
の瞬時値VALは負の値にもなるので、正負を区
別するためにサインビツトSが存在する。尚、負
の値は2の補数で表わされる。次に各制御の詳細
を説明する。 (1) アタツクピツチコントロール 第13図の各演算器CUL1〜CUL4の動作
を制御するために第14図に遅延フリツプフロ
ツプ222〜227が設けられている。これら
のフリツプフロツプ222〜227は、信号1
T8(第5図)のタイミングで入力信号を取り
込み17T24(第5図)のタイミングで出力
状態を切換えるものである。これらのフリツプ
フロツプのうち、222,223及び225が
アタツクピツチコントロールのときに動作す
る。 前述の通り、アタツクピツチコントロールを
行なうべき条件が成立したとき、イニシヤルセ
ンシング信号ISの立下りに対応してアタツクピ
ツチスタート信号ASが単音キーアサイナ14
A(第4図)から出力される。このアタツクピ
ツチスタート信号ASは第14図のアンド回路
211に加わると共にインバータ214で反転
される。インバータ214の出力はアンド回路
205〜209,212に加わる。第16図に
示すように、イニシヤルセンシング信号ISは第
16タイムスロツトで立下り、アタツクピツチス
タート信号ASはその直後の第17タイムスロツ
トから次の第16タイムスロツトまでの32タイム
スロツトの間“1”となる。信号ASに対応し
てアンド回路211の出力が“1”となり、オ
ア回路1,4,6及び7に与えられる。オア回
路4の出力はフリツプフロツプ225に与えら
れる。信号ASが立上つたときから32タイムス
ロツト後にフリツプフロツプ225の出力が
“1”に立上り、以後、アンド回路210及び
オア回路4を介して自己保持される。このフリ
ツプフロツプ225の状態をAPQなる符号で
示す。オア回路4の出力がAPQ信号に相当す
る。APQ信号が“1”のとき、効果付与回路
20(第12〜14図)内の各回路に対してア
タツクピツチコントロールを実行するよう指示
する。 オア回路1の出力はフリツプフロツプ222
で32タイムスロツト遅延され、USET(アツプ
セツト)信号として出力される。オア回路7の
出力はインバータ228で反転されて信
号として利用されると共に、遅延フリツプフロ
ツプ223で32タイムスロツト遅延される。こ
のフリツプフロツプ223の出力はインバータ
229で反転され、信号として利用され
る。また、アンド回路211の出力はAPSET
信号として利用される。 従つて、アタツクピツチスタート信号ASに
もとづいて発生される各信号APQ、USET、
SET、、APSETの状態は第16図のよ
うになる。また、第15図bには上記各信号の
状態を第15図aのタイムスケールに合わせて
示したものが示されている。 信号は第13図のアンド回路174,
177〜180,182,184〜187,1
90,196に加えられ、各演算器CUL1〜
CUL4の古いデータをクリアする。USET信
号は第13図のオア回路230を介して遅延フ
リツプフロツプ231に加えられる。このフリ
ツプフロツプ231は第14図のフリツプフロ
ツプ222〜227と同様に信号1T8,17
T24によつて制御される。このフリツプフロ
ツプ231の内容はアンド回路232または2
33を介して自己保持される。初めはアンド回
路232が動作可能となつており、USET信号
によつてフリツプフロツプ231に取り込まれ
た“1”が該フリツプフロツプ231で自己保
持される。このフリツプフロツプ231で保持
している信号UPQは演算器CUL2の加減算方
向を指示するものであり、UPQが“1”のと
きはアツプカウントUを指示し、“0”のとき
はダウンカウントDを指示する。 信号は第13図における比較器COM
1の出力用アンド回路234,235及び第1
4図における比較器COM2の出力用アンド回
路236,237に入力される。第14図の各
フリツプフロツプ224〜227の状態切換え
が比較器COM1,COM2によつて制御される
ようになつているため、これらのフリツプフロ
ツプ224〜227に“1”をセツトしたばか
りのときは比較出力を禁止するためである。 APQ信号は第14図のアンド回路240,
244及び第13図のアンド回路171,18
4,185,186,194,217に与えら
れる。アタツクピツチの場合は、このAPQ信
号が入力されたこれらのアンド回路によつて演
算器CUL1〜CUL4及び比較器COM1,
COM2が制御される。 APSET信号は第13図のアンド回路17
6,181,188に入力される。この
APSET信号は演算器CUL2及びCUL3にアタ
ツクピツチ初期値をロードするためのものであ
る。尚、第14図のオア回路6にはアンド回路
205〜213の出力がすべて入力されてお
り、アタツクピツチあるいはデイレイビブラー
トあるいはスラーの処理をしている間は常に
“1”を出力する。このオア回路6の出力信号
ANYQが第13図のアンド回路190に入力
されており、演算器CUL3における時間的に
変化するデータENVの演算を可能にしている。 前述の通り、第7図のレジスタ108では、
イニシヤルセンシング信号ISの立下り直後の第
25乃至第32タイムスロツトの間でイニシヤルタ
ツチ検出データをロードする。このレジスタ1
08の5ステージ目からアタツクピツチ初期値
設定データAPIがとり出され、第12図のアン
ド回路248に与えられる。信号1T5y8の
タイミングでアンド回路248を可能にするこ
とにより1.2セント乃至19セントの重みの5ビ
ツト(第7図108参照)だけを選択する。こ
のデータAPIを2段の遅延フリツプフロツプ2
49で2タイムスロツト遅延したものをアンド
回路250に入力し、1タイムスロツト遅延し
たものをアンド回路251に入力し、遅延して
いないものをアンド回路252に入力する。
ROM22(第2図)から与えられる係数デー
タAPSは2ビツトAPS1,APS2であり、これ
を第17タイムスロツトに同期してラツチ回路2
53にラツチする。ラツチ回路253の2ビツ
ト出力はその値“11”または“10”または
“01”をデコードする形式で各アンド回路25
0〜252に与えられ、3通りの状態のデータ
APIのいずれかを選択する。こうして、データ
APIが係数データAPS1,APS2に応じてシフト
され、オア回路254を介してアタツクピツチ
初期値データAPiSが得られる。このデータ
APiSは第16図に示すように例えば第1乃至
第8タイムスロツトの間では第1乃至第7タイ
ムスロツトの間の7タイムスロツトにおいて有
効値があらわれる。前述の通り、係数データ
APS,APS1,APS2は音色に対応するもので
ある。従つて、データAPIをAPSによつてスケ
ーリングすることによりアタツクピツチコント
ロールのかかり具合が選択された音色に応じて
制御されることになる。もしアタツクピツチを
付与しない音色が選択された場合はAPS1
APS2が“00”であり、アンド回路250,2
51,252がすべて不能化され、初期値デー
タAPiSはオール“0”となり、アタツクピツ
チが禁止される。 初期値データAPiSは第13図のアンド回路
188に与えられると共に、インバータ255
で反転されてアンド回路181及び185に入
力される。アンド回路188はAPSET信号発
生時に信号9T16(第5図)のタイミングで
データAPiSを通過し、オア回路203及び加
算器168の入力Bを介してシフトレジスタ1
64にロードする。従つて、第17タイムスロツ
トにおけるレジスタ164の各ステージの重み
は図のようになる。APSET信号が立下るのと
入れ替わりに信号が立上り、アンド回路
190を介してレジスタ164の初期値APiS
がホールドされる。こうして、エンベロープ瞬
時値データENVとしてアタツクピツチ初期値
APiSが演算器CUL3(レジスタ164)にプ
リセツトされる。 アンド回路181はAPSET信号発生時に信
号9T16のタイミングで反転データを
通過し、オア回路200を介して加算器167
の入力Bに与える。APSET信号発生時は、信
号9y32のタイミングでアンド回路176か
ら“1”が出力され、オア回路198を介して
加算器167の入力Ciに与えられる。信号9y
32は、信号9T16のタイミングで選択され
る反転データの最下位ビツトのタイミン
グを示しており、加算器167では反転データ
APiSに「1」を加算して、初期値データAPiS
の2の補数を求める演算を行なう。こうして2
の補数で表わされた負の初期値データ「−
APiS」が変調信号瞬時値VALとして演算器
CUL2(レジスタ163)にプリセツトされ
る。 演算器CUL4では、ROM22(第2図)か
ら与えられるアタツクピツチエンベロープレー
トデータAPERがアンド回路194に入力され
る。このデータAPERは第17タイムスロツト乃
至第16タイムスロツトのシリアル演算1サイ
クルに同期してシリアルに与えられるものとす
る。APQ信号の発生中は、このデータAPER
がアンド回路194、オア回路204を介して
加算器169の入力Aに繰返し与えられる。ま
た、加算器169の出力Sを16タイムスロツト
遅延させたシフトレジスタ165の出力
ERDTが信号の発生中は常にアンド回路
196を介して加算器169の入力Bに与えら
れる。従つて、データAPERが演算器CUL4
で繰返し加算される。16ビツトの演算器CUL
4のモジユロ数は216であり、216/APER回の
加算が行なわれる毎に最上位ビツトからキヤリ
イアウト信号が発生する。加算器169のキヤ
リイアウト出力C0+1はラツチ回路256に
入力される。ラツチ回路256は信号17T3
2Sによつてラツチ制御される。最上位ビツト
の演算タイミングは第16タイムスロツトである
ため、最上位ビツトのキヤリイアウト信号は1
タイムスロツト遅れの第17タイムスロツトで出
力C0+1から出力される。従つて、第17タイ
ムスロツトで発生する信号17y32Sによつ
てラツチ制御することにより、ラツチ回路25
6では演算器CUL4の最上位ビツトのキヤリ
イアウト信号32タイムスロツトの間保持され
る。 尚、演算器CUL1〜CUL4のシリアル演算
タイミングは第17図aのようになつている。
各レジスタ162〜165にストアされる16ビ
ツトデータの最下位ビツト(LSB)から最上
位ビツト(MSB)までのシリアル演算が第1
乃至第16タイムスロツトで順次行なわれる。次
の第17乃至第32タイムスロツトでは演算は行な
われず、演算結果が循環保持される。信号9T
16のタイミングで選択された前述の初期値
「−APiS」、「APiS」は、第17図bに示すよ
うに第9乃至第16タイムスロツトにおいて上位
8ビツトの重みで各演算器CUL2,CUL3に
ロードされたことになる。 ラツチ回路256で32タイムスロツト幅に拡
大されたキヤリイアウト信号は演算器CUL3
のアンド回路184,185,186に入力さ
れる。これらのアンド回路184,185,1
86はAPQ信号及び信号によつて可能化
されている。アンド回路185はインバータ2
55から与えられるアタツクピツチ初期値
APiSの反転データを信号1T8のタイミ
ングで選択し、オア回路202を介して加算器
168の入力Aに与える(第17図c参照)。
アンド回路184は信号1y32のタイミング
でオア回路201を介して加算器168の入力
Ciに“1”を与える(第17図c参照)。その
結果、信号1T8のタイミングで選択した反転
データの最下位ビツト(第1タイムスロ
ツトのタイミング)に1が加算され、APiSの
2の補数すなわち−APiSが求まる(第17図
c参照)。アンド回路186は信号9T16の
タイミングでオア回路202を介して加算器1
68の入力Aに“1”を与える(第17図c)。
その結果、第1乃至第8タイムスロツトの「−
APiS」に対して第9乃至第16タイムスロツト
でオール“1”が追加され、APiSを8ビツト
下位にシフトした(2-8倍した)微小値△APiS
の2の補数「−△APiS」が求まる。 アンド回路190、オア回路203及び加算
器168の入力Bを介して循環するシフトレジ
スタ164のデータENVに対して上記微小値
「−△APiS」が加算される(△APiSが減算さ
れる)。この加算は演算器CUL4の最上位ビツ
トからキヤリイアウト信号が1回発生する毎に
1回の割合いで実行される。当初、データ
ENVとしてはアタツクピツチ初期値APiSがプ
リセツトされる。従つて、演算器CUL4のキ
ヤリイアウト信号が発生する毎にAPiSから△
APiSを順次減算していつたものがデータENV
の現在値である。△APiSを1回減算する時間
間隔は演算器CUL4でアキユムレートするデ
ータAPERの値に応じて定まる。前述の通り、
演算器CUL4で216/APER回の加算が行なわ
れる毎にキヤリイアウト信号がラツチ回路25
6にラツチされるので、演算器CUL3で△
APiSを1回減算する時間間隔は「16μs×216
APER」である。例えば、データAPERの値を
Hzで示せば、CUL4のモジユロ数216のHz表示
が64(=216×1/1024)Hzであるため、 64(Hz)/APER(Hz)回の加算が行なわれる毎に演算器 CUL4からキヤリイアウト信号が発生し、△
APiSの計算周期は「16μs×64(Hz)/APER
(Hz)」と表わせる。以上のようにして、第15
図aのアタツクピツチ部分に示すように徐々に
減少するエンベロープデータENVが演算器
CUL3で求まる。 一方、演算器CUL1のアンド回路171に
はROM22(第2図)からアタツクピツチレ
ートデータAPRが与えられており、APQ信号
の発生中はこのデータAPRが加算器166の
入力Aに常に加えられる。前述のデータAPER
と同様に、このデータAPRも、第17乃至第16
タイムスロツトのシリアル演算1サイクルに同
期してシリアルに与えられるものである。ま
た、信号の発生中は、加算器166の出
力Sを16タイムスロツト遅延したシフトレジス
タ162の出力がアンド回路174を介して加
算器166の入力Bに常に与えられる。従つ
て、データAPRが演算器CUL1で16μs(32タイ
ムスロツト)毎にアキユムレートされる。この
アキユムレートによつて生じる最上位ビツトの
キヤリイアウト信号は信号17y32Sのタイ
ミングでラツチ回路257にラツチされ、32タ
イムスロツト幅に拡張される。演算器CUL1
の最上位ビツトからキヤリイアウト信号が発生
する時間間隔は前述と同様に「16μs×216
APR」である。APRをHz表示に置換えれば、
モジユロ数216のHz表示が128(=216×1/512)Hz のため「16μs×128(Hz)/APR(Hz)」と表わ
せる。 ラツチ回路257の出力は演算器CUL2の
アンド回路177〜180に与えられる。これ
らのアンド回路177〜180は信号に
よつて可能化される。アンド回路177〜17
9はダウンカウント(減算)用であり、UPQ
信号をインバータ258で反転した信号が与え
られる。アンド回路180はアツプカウント用
であり、UPQ信号が与えられる。前述の通り、
初めはUSET信号によつてUPQ信号が“1”
にセツトされており、アンド回路180が動作
可能となつている。アンド回路180にはシフ
トレジスタ164の9ステージ目の出力△
ENVが与えられており、これを信号1T8の
タイミングで選択し、オア回路199を介して
加算器167の入力Aに与える。 第1タイムスロツトのときレジスタ164の
各ステージの重みは図中に示すようになつてい
るので、信号1T8によつて第1乃至第8タイ
ムスロツトの間でレジスタ164の第9ステー
ジの出力△ENVを選択することにより、デー
タENVの8ビツト目から15ビツト目までの重
みのデータを7ビツト下位にシフトしたものを
選択することができる。すなわち、第1乃至第
8タイムスロツトの間でアンド回路180で選
択されるデータ△ENVは演算器CUL3のエン
ベロープデータENVを7ビツト下位にシフト
した(2-7倍した)微小値である。このシフト
状態を図に示すと第17図dのようになる。す
なわち、演算器CUL3では第8乃至第15タイ
ムスロツトのタイミングでシリアル演算される
重みをもつているデータENVの上位8ビツト
部分が、7タイムスロツト早く取り出されるこ
とにより7ビツト下位の第1乃至第8タイムス
ロツトの演算タイミングにシフトされて微小値
データ△ENVとなる。 演算器CUL2のデータVALは、アンド回路
182、オア回路200、加算器167の入力
B及びシフトレジスタ163を介して循環して
おり、このデータVALに対して上記微小値△
ENVが加算される。この加算は演算器CUL1
の最上位ビツトからキヤリイアウト信号が1回
発生する毎に1回の割合いで行なわれる。当
初、データVALとしては負のアタツクピツチ
初期値「−APiS」がプリセツトされている。
従つて、この「−APiS」に対して△ENVが順
次加算され、第15図aのアタツクピツチ部分
に示すようにデータVALの値が徐々に上昇す
る。△ENVを繰返し演算する時間間隔は、演
算器CUL1のキヤリイアウト信号の発生間隔
「16μs×216/APR」であり、レートデータ
APRによつて定まる。 データVALは信号1T16のタイミングで
アンド回路215を介して比較器COM1の入
力Aに与えられる。演算器CUL2でアツプカ
ウントを行なつているときは、UPQ信号の
“1”によつてアンド回路216が可能化され
る。アンド回路216は信号1T16のタイミ
ングでエンベロープデータENVを選択し、オ
ア回路221を介して比較器COM1の入力B
に与える。アツプカウント状態において、
VALがENVよりも小さいとき、すなわち変調
信号瞬時値VALがエンベロープ瞬時値ENVに
向つて上昇中のとき、比較器COM1では「A
<B」が成立し、アンド回路235に出力
“1”が与えられ、アンド回路234には出力
“0”が与えられる。尚、アンド回路234,
235の他の入力に与えられる信号は通
常は“1”である。アンド回路234の出力
“0”はインバータ259で反転され、アンド
回路232に“1”が与えられる。アツプカウ
ント状態では遅延フリツプフロツプ231の出
力は“1”であり、この出力“1”がアンド回
路232、オア回路230を介してフリツプフ
ロツプ231でホールドされている。VALが
ENVに到達し、比較器COM1で「A>B」が
成立すると、アンド回路234から“1”が出
力され、インバータ259の出力“0”によつ
てアンド回路232が動作不能となる。これに
よりフリツプフロツプ231がリセツトされ、
UPQ信号が“0”となり、演算器CUL2がダ
ウンカウントモードとなる。尚、比較器COM
1(及び第14図のCOM2)は信号17y3
2に同期して出力状態が切換わるようになつて
いる。 ダウンカウントモードにおいては、UPQ信
号を反転したインバータ258の出力“1”に
よつてアンド回路177,178,179が動
作可能となる。これらのアンド回路177,1
78,179は、演算器CUL2で利用する加
数△ENVを2の補数に変換する働きをする。
データ△ENVをインバータ260で反転した
もの(△)がアンド回路179に与えら
れ、信号1T8のタイミングで加算器167の
入力Aに与えられる。信号1T8は前述の通
り、データENVを7ビツトシフトした微小値
△ENVを得るために寄与する。アンド回路1
77は信号1y32のタイミングで加算器16
7の入力Ciに“1”を与え、反転データ△
ENVの最下位ビツトに1を加算するためのも
のである。アンド回路178は、信号9T16
のタイミングで加算器167の入力Aに8タイ
ムスロツト分の“1”を与えるためのものであ
る。こうして、第1乃至第16タイムスロツトに
おいて微小値△ENVの2の補数「−△ENV」
が得られる(第17図e参照)。 ダウンカウントモードにおいては、演算器
CUL1の最上位ビツトのキヤリイアウト信号
が発生する毎に、演算器CUL2においてデー
タVALに「−△ENV」を加算することによ
り、事実上、VALから△ENVを減算する。従
つて、第15図aに示すように、データVAL
はエンベロープデータENVに対応する頂点に
達した後、上昇時と同じレートで徐々に下降す
る。 ダウンカウントモードでは、アンド回路21
6が動作不能となり、アンド回路217,21
8,219が動作可能となる。アタツクピツチ
の場合は、アンド回路217,218,219
のうち217だけがAPQ信号によつて可能化
される。演算器CUL3のレジスタ164から
出力されるエンベロープデータENVが信号1
T16のタイミングでアンド回路217を通過
し、オア回路220を介して補数回路261に
与えられる。変調信号瞬時値VALが下降して
いるときは負の領域でこのVALを折返すので、
エンベロープデータENVを負の値に変換する
ためにこの補数回路261が設けられている。
補数回路261は、信号1T16のタイミング
(第1乃至第16タイムスロツト)で送り込まれ
るエンベロープデータENVの2の補数を求め、
これをオア回路221を介して比較器COM1
の入力Bに与える。データVALの下降中は、
「VAL>−ENV」であるため比較器COM1の
「A<B」は成立せず、ダウンカウントモード
が保持される。データVALがデータENVの負
の値(−ENV)に到達すると、比較器COM1
では「A<B」が成立し、アンド回路235に
“1”が与えられる。このアンド回路235の
出力“1”はアンド回路233に与えられる。
ダウンカウントモードのときは、遅延フリツプ
フロツプ231の出力“0”を反転したインバ
ータ262の出力“1”によつてアンド回路2
33が可能化されている。従つて、比較器
COM1で「A<B」が成立したときアンド回
路233から“1”が出力され、フリツプフロ
ツプ231にロードされる。また、比較器
COM1の「A>B」出力は“0”となり、イ
ンバータ259からアンド回路232に“1”
が与えられる。従つて、フリツプフロツプ23
1の出力“1”はアンド回路232を介して自
己保持される。こうして、UPQ信号が“1”
となり、演算器CUL2はアツプカウントモー
ドに切換わる。 以上のようにして、データVALはデータ
ENVによつて示されたエンベロープの範囲内
で上昇と下降を繰返し、第15図aのアタツク
ピツチ部分に示すように徐々に減衰する変調信
号VALが得られる。 一方、演算器CUL3のエンベロープデータ
ENVは第14図のアンド回路238及び24
0に供給される。比較器COM2の制御用アン
ド回路のうち240と244にAPQ信号が与
えられており、データENVはアンド回路24
0及びオア回路246を介して入力Aに与えら
れる。アンド回路244の他の入力にはタイミ
ング信号8y32が与えられており、第8タイ
ムスロツト毎に比較器COM2の入力Bに“1”
が与えられる。第13図に示すレジスタ164
の重み表示から明らかなように、エンベロープ
データENVにおける第8タイムスロツトの重
みは0.6セントである。従つて、第8タイムス
ロツトに対応して“1”を入力することは、比
較器COM2の入力Bに0.6セントを示すデータ
を入力することを意味する。従つて、比較器
COM2ではエンベロープの現在のセント値を
示すデータENV(入力A)と0.6セント(入力
B)とを比較する。尚、当初にレジスタ164
(第13図)にロードされるデータAPiSの最下
位ビツトの重みが1.2セントであるため、0.6セ
ントとはこの回路では事実上の0セントを意味
する。 データENVがまだ0.6セントに達していない
ときは、比較器COM2では「A>B」が成立
し、「A≦B」の出力は“0”である。この出
力“0”がアンド回路237からインバータ2
63に与えられ、インバータ263の出力
“1”によつてアンド回路210が可能化され、
APQ信号がホールドされている。 データENVが0.6セント以下(すなわち0セ
ント)になると、比較器COM2で「A≦B」
が成立し、アンド回路237の出力が“1”と
なる。これは、アタツクピツチのための深さ設
定用エンベロープが0セントになつたこと、す
なわちアタツクピツチが終了したこと、を意味
する。アンド回路237の出力“1”によりイ
ンバータ263の出力が“0”となり、アンド
回路210が動作不能となる。従つて、APQ
信号が“0”となり、アタツクピツチコントロ
ールが終了する。尚、データENVは初期値
APiSを8ビツト下位シフトした値△APiSをこ
の初期値APiSから順次減算したものであるの
で、28回減算したとき丁度0となる。 (2) デイレイビブラート アンド回路237の出力はアンド回路208
にも与えられる。アンド回路208は、フリツ
プフロツプ225の出力APQによつてアタツ
クピツチ制御中可能化されており、アタツクピ
ツチ終了時に前記アンド回路237の出力が
“1”となつたとき条件が成立して“1”を出
力する。このアンド回路208の出力“1”は
オア回路3,6,7に入力される。オア回路3
の出力“1”によつてフリツプフロツプ226
に“1”がロードされる。このフリツプフロツ
プ226の“1”はアンド回路207、オア回
路3を介してホールドされる。このフリツプフ
ロツプ226の状態をDELQなる符号で示す。
オア回路3の出力がDELQ信号である。DELQ
信号が“1”のときデイレイビブラート開始時
間のカウントを行なう。このDELQ信号を第1
5図aに対応したタイムスケールで第15図b
に示す。 アンド回路208の出力がオア回路7に与え
られているので、前述のAPQ信号の立上りの
ときと同様に(第16図参照)、DELQ信号の
立上りの32タイムスロツトにおいて信号
が“0”となり、その次の32タイムスロツトに
おいて信号が“0”となる。 尚、アフタータツチビブラート選択スイツチ
KVBS及びノーマルビブラート選択スイツチ
NVBSの出力がオア回路264を介してラツ
チ回路265にラツチされ、その出力をインバ
ータ266で反転した信号+がデイレイビ
ブラート用のアンド回路205〜209に与え
られる。従つて、アフタータツチビブラートあ
るいはノーマルビブラートが選択されている場
合は信号+が“0”となり、アンド回路2
05〜209がすべて不能化され、デイレイビ
ブラートが禁止される。 また、特に詳しく説明しないが、スラー制御
が終了したときアンド回路209の条件が成立
し、前述のアンド回路208の条件が成立した
ときと全く同様にDELQ信号がセツトされる。
すなわち、アタツククピツチ終了時及びスラー
終了時にDELQ信号がセツトされる。 DELQ信号は第13図の演算器CUL4のア
ンド回路193に入力される。このCUL4の
レジスタ165の古いデータは信号の
“0”によつて予じめクリアされる。DELQ信
号の発生中は演算器CUL4はタイマとして機
能する。すなわち、レジスタ165の各ステー
ジの重みは下側に示すように512ms、256ms等
の時間に対応している。アンド回路193の他
の入力には信号1y32が与えられており、こ
の信号1y32にもとづき第1タイムスロツト
において繰返し(16μs毎に)1が加算される。
従つて、第1タイムスロツトあるいは第17タイ
ムスロツトにおいてレジスタ165の第16ステ
ージから出力されるデータの重みが16μsであ
り、また第10ステージに来ているデータの重み
が約1ms(詳しくは1024μs)である。こうして、
DELQ信号の立上り時点からの時間経過に対応
して演算器CUL4の内容ERDTが逐次増加す
る。この演算器CUL4のカウントデータ
ERDTは第14図のアンド回路239に入力
される。アンド回路239は、DELQ信号発生
中の信号1T16のタイミングでデータ
ERDTを選択し、比較器COM2の入力Aに与
える。 一方、第7図のレジスタ104の第8ステー
ジから取り出されるデイレイビブラート開始時
間データDELは、第12図、第13図を経由
して第14図のアンド回路243に与えられ
る。アンド回路243は、DELQ信号発生中の
信号9T16のタイミングでデータDELを選
択し、比較器COM2の入力Bに与える。8ビ
ツトのデータDELが16タイムスロツトの演算
タイミングのうち上位の重みの第9乃至第16タ
イムスロツトで選択されることにより、これら
のデータDELは第7図のレジスタ104に示
したような大きな重みをもつことになる。デー
タERDTの値がデータDELよりも小さいとき
は、比較器COM2で「A<B」が成立し、「A
≧B」の出力は“0”であり、アンド回路23
6からインバータ267に“0”が与えられ、
インバータ267の出力“1”がアンド回路2
07に与えられる。従つてフリツプフロツプ2
26のDELQ信号がアンド回路207を介して
ホールドされる。 データDELによつて設定された開始時間が
到来すると、ERDT≧DELとなり、比較器
COM2の「A≧B」が成立し、アンド回路2
36から“1”が出力される。インバータ26
7の出力は“0”となり、アンド回路207が
動作不能にされ、DELQ信号が立下る。こうし
て、デイレイビブラート開始までの時間待ちが
終了する。 アンド回路236の出力はアンド回路206
に与えられる。アンド回路206はフリツプフ
ロツプ226の出力(DELQ)によつて上記時
間待ちの間可能化されており、上記時間待ち終
了時に前記アンド回路236の出力“1”に対
応して“1”を出力する。このアンド回路20
6の出力はオア回路1,2,6,7に入力され
る。オア回路2の出力にもとづきフリツプフロ
ツプ227に“1”がロードされる。このフリ
ツプフロツプ227の“1”はアンド回路20
5、オア回路2を介してホールドされる。この
フリツプフロツプ227の状態をDVBQなる
符号で示す。オア回路2の出力がDVBQ信号
である。DVBQ信号が“1”のときデイレイ
ビブラート用の変調信号を形成する。この
DVBQ信号を第15図aに対応するタイムス
ケールで第15図bに示す。 アンド回路206の出力がオア回路1及び7
に加えられているので、前述のAPQ信号の立
上りのときと同様に(第16図参照)、DVBQ
信号の立上りの32タイムスロツトにおいて
SET信号が“0”となり、その次の32タイム
スロツトにおいて信号が“0”となり、
かつUSET信号が“1”となる。USET信号の
“1”により、第13図のフリツプフロツプ2
31(UPQ信号)が“1”にセツトされる。
従つて、演算器CUL2は初めはアツプカウン
トモードに設定される。また、信号“0”
により第13図の各演算器CUL1〜CUL4が
クリアされる。 デイレイビブラートにおける変調信号データ
VALの形成手順はアタツクピツチの場合とほ
ぼ同様に行なわれる。そこにおいて演算に使用
されるデータがアタツクピツチの場合と異な
る。 エンベロープデータENV計算のための計算
時間間隔を設定する演算器CUL4では、アン
ド回路192に与えられるデイレイビブラート
エンベロープレートデータDVER′をアキユム
レートする。このデータDVER′は第7図のレ
ジスタ104の第1ステージから出力されるデ
ータDVERにもとづき第12図の回路で形成
される。 第12図において、データDVERはインバ
ータ268で反転され、ラツチ回路269及び
アンド回路270に入力される。アンド回路2
70の出力及び信号9y32がオア回路271
で合成されて、データDVER′が得られる。こ
れらの回路268〜271は、データDVER
に対して逆特性のデータDVER′を作るための
ものである。この実施例では1個のデイレイビ
ブラート用ボリユームV4(第6図)によつて
デイレイビブラート開始時間DELとデイレイ
ビブラートエンベロープレートDVERの両方
を設定するようにしている。そのため、ボリユ
ームV4の設定値をそのまま用いると、開始時
間DELが長くなるほどエンベロープの傾きが
急になりデイレイビブラートの期時が短くなつ
てしまう。これは自然なデイレイビブラートに
反する。そのため、デイレイビブラート開始時
間データDELはボリユームV4の設定値をそ
のまま用いるが、エンベロープレートデータ
DVER′はボリユームV4の設定値DVERを逆
特性で変換したものを用い、開始時間DELが
長くなるほどエンベロープの傾きを緩やかにし
てデイレイビブラート期間が長くなるようにす
るのである。 データDVERは第7図のレジスタ104の
第1ステージから取り出されるため、第1タイ
ムスロツト乃至第8タイムスロツトにおけるこ
のデータDVERの重みは第18図のようにな
る。すなわち、第1タイムスロツトで最上位ビ
ツト(1/4Hzの重み)があらわれ、第2乃至第 8タイムスロツトで最下位ビツト(1/512)から 7ビツト目(1/8)までがあらわれる。第18 図の重み表示は第7図のレジスタ104の下側
の重み表示に対応している。第12図におい
て、ラツチ回路269は信号1y32Sによつ
てラツチ制御されるものであり、第1タイムス
ロツトであらわれるデータDVERの最上位ビ
ツトMSB(1/4Hzの重み)の反転信号をラツチ する。このラツチ回路269の出力はアンド回
路270に与えられる。アンド回路270は、
ラツチ回路269に“1”がラツチされている
ときつまりデータDVERの最上位ビツトが
“0”のとき可能化され、信号2T8のタイミ
ングでデータDVERの反転データのう
ち最下位ビツト(1/512Hzの重み)から7ビツト 目(1/8Hzの重み)までのデータを選択する (第18図参照)。アンド回路270で選択され
たデータはオア回路271を介して出力され
る。オア回路271では、アンド回路270で
選択されたデータの次に(上位に)第9タイム
スロツトにおいて信号9y32にもとづき
“1”を追加する(第18図参照)。こうして、
第2乃至第9タイムスロツトの間で最下位ビツ
トから最上位ビツトまでの順で並んだデータ
DVER′が得られる。 ラツチ回路269に“0”がラツチされてい
るときつまりデータDVERの最上位ビツトが
“1”のときはアンド回路270が動作不能と
なり、第2乃至第8タイムスロツトにおけるデ
ータDVER′はオール“0”となる。この場合、
信号9y32のタイミングで“1”が与えられ
るだけであるので、データDVERが如何なる
値であろうと、データDVER′は常に
“10000000”である(第18図参照)。 データDVER(DEL)の変化に対応するデー
タ,DVER′の状態を上位3ビツトにつ
き次表に示す。
【表】 上記表から明らかなように、データDVER
の最上位ビツトが“0”のときはデータ
DVER′はDVERの逆特性を示すが、最上位ビ
ツトが“1”のときは(つまりある程度以上大
きくなると)データDVER′は一定値(最小値)
を保持する。第2表の値の欄にはDVER′の値
が例示されている。DVER′がオール“1”の
ときはデイレイビブラートのエンベロープレー
トが約1/2Hzであり、DVER′が“10000000”の ときは1/4Hzである。つまり、デイレイビブラ ートのエンベロープレートは約1/2Hzから1/4Hz の範囲で制御可能(設定可能)である。約1/2 Hzのエンベロープレートによるデイレイビブラ
ート期間は約0.5秒であり、1/4Hzのエンベロー プレートによるデイレイビブラート期間は1秒
である。 以上の制御によつて、ボリユームV4の設定
値とデイレイビブラート開始時間データDEL
及びデイレイビブラートエンベロープレートデ
ータDVER′との関係、並びにボリユームV4
の設定値とデータDELにもとづく実際の開始
時間及びデータDVER′にもとづく実際のデイ
レイビブラート期間との関係は、第19図のよ
うになる。横軸がボリユームV4の設定値、左
たて軸がデータDEL,DVER′の値、右たて軸
が時間長、を示す。「DEL」のカーブはボリユ
ームV4の設定値対データDELの値の関係を
示し、「DELの時間」のカーブはボリユームV
4の設定値対データDELにもとづく実際の開
始時間の関係を示し、両カーブは同特性であ
る。「DVER′」のカーブはボリユームV4の設
定値対データDVER′の値の関係を示し、
「DVER′の時間」のカーブはボリユームV4の
設定値対データDVER′にもとづく実際のデイ
レイビブラート期間の関係を示す。 第7図のレジスタ102の第6ステージから
出力されたビブラート深さデータVBDは第1
2図のアンド回路272に加わり、信号1T6
y8(第5図参照)のタイミングで該アンド回
路272で選択され、ライン273を介して第
13図のアンド回路187に加わる。アンド回
路272は、このデータVBDの有効値である
1.2セントから38セントまでの重みの6ビツト
データ(第7図のレジスタ102参照)だけを
選択し、不要の2ビツトを阻止するためのもの
である。第13図のアンド回路187は
DVBQ信号及び信号によつて可能化され
ており、演算器CUL4のキヤリイアウト信号
がラツチ回路256にラツチされたとき、信号
1T8のタイミングでデータVBDを選択し、
加算器168のA入力に与える。データVBD
は、下位の演算タイミングである第1乃至第8
タイムスロツトで選択されて、演算に利用され
るので、演算器CUL3では事実上下位6ビツ
トの重みに対応する微小値△VBDを加算する
ことになる。すなわち、第7図のレジスタ10
2におけるデータVBDの重み表示(1.2セント
乃至38セント)に比較して8ビツト下位にシフ
トした(2-8倍した)微小値△VBDとして演算
器CUL3で利用される。このデータ△VBDは
演算器CUL4の最上位ビツトからキヤリイア
ウト信号が発生する毎に演算器CUL3で繰返
し加算される。 前述の通り、演算器CUL4の加算器169
にはアンド回路192を介してデータ
DVER′が第2乃至第9タイムスロツトにおい
て与えられる。従つて、演算器CUL4では1/4 Hzから1/512Hzまでの重みに対応する8ビツトの データDVER′を32タイムスロツト(16μs)毎
にアキユムレートする。因みに、この演算器
CUL4の最上位ビツトはレジスタ165の上
側の重み表示から明らかなように32Hzの重みを
もつ。この演算器CUL4のキヤリイアウト信
号にもとづき、演算器CUL3ではデータ△
VBDをデータDVER′すなわちDVERに対応す
る周期でアキユムレートする。こうして、第1
5図aのデイレイビブラートの部分に示すよう
に、エンベロープデータENVが徐々に増加す
る。 第7図のレジスタ101の第4ステージから
導き出されたビブラートレートデータVBRは
第12図のアンド回路274に与えられる。ア
ンド回路274は信号5T12(第5図参照)
にもとづき第5乃至第12タイムスロツトの間で
データVBRを選択し、ライン275を介して
第13図のアンド回路172に与える。第7図
のレジスタ101内の重み表示は第1タイムス
ロツトのときのものであり、第5タイムスロツ
トでは最下位の「1/24Hz」の重みのデータが第 4ステージから出力される。従つて、ライン2
75には、第5乃至第12タイムスロツトにおい
て、最下位ビツトから順に並んだ8ビツトのデ
ータVBRが与えられる。 アンド回路172はDVBQ信号によつてデ
イレイビブラート中可能化されており、データ
VBRは該回路172、オア回路197を介し
て加算器166の入力Aに与えられる。第5タ
イムスロツトのときに加算器166からシフト
レジスタ162に与えられた重み「1/24Hz」の ビツトは第17(及び第1)タイムスロツトには
該レジスタ162の第12ステージまでシフトさ
れる。従つてビブラートレートデータVBRを
アキユムレートするときのシフトレジスタ16
2内のデータの重みは各ステージブロツク内の
下側に示すようになる。演算器CUL1ではデ
ータVBRを32タイムスロツト(16μs)毎にア
キユムレートし、最上位ビツトのキヤリイアウ
ト信号をラツチ回路257にラツチする。デー
タVBRをHz表示で示せば、演算器CUL1の最
上位ビツトからキヤリイアウト信号が発生する
周期は、「16μs×512/3(Hz)×1/VBR(Hz)」と
表 わせる。512/3(=216×1/384)HzはCUL1のモ ジブロ数216に対応するHz表示である。 ラツチ回路257に“1”がラツチされる
と、アタツクピツチの場合と同様にアンド回路
177〜180が可能化される。アツプカウン
トモードのときはアンド回路180を介してデ
ータ△ENVを選択し、演算器CUL2の内容
VALに該データ△ENVを加算する。デイレイ
ビブラートの場合、初めはアツプカウントモー
ドに設定されており、かつ演算器CUL2の内
容(VAL)はリセツトされているので、デー
タVALは0セントから正方向に向つて上昇す
る。このデータVALの1回の変化幅はエンベ
ロープデータENVを7ビツトシフトしたデー
タ△ENVであり、変化の時間間隔すなわちデ
ータ△ENVを演算器CUL2で繰返し加算する
周期はビブラートレートデータVBRに対応し
ている。 データVALの上昇中に演算器CUL2をアツ
プカウントモードからダウンカウントモードに
切換える制御は、アタツクピツチの場合と同様
に行なわれる。すなわち、アンド回路215及
び216を介して比較器COM1の入力A及び
BにデータVALとENVを夫々入力し、「A>
B」が成立したときすなわちVALがENVに到
達したとき、フリツプフロツプ231のUPQ
信号をリセツトする。 UPQ信号が“0”となると、演算器CUL2
のアンド回路177,178,179が可能と
なり、アタツクピツチの場合と同様に、演算器
CUL1のキヤリイアウト信号がラツチ回路2
57にラツチされる毎に「△ENV」を減算す
る(△ENVの2の補数を加算する)。これに伴
ない、データVALが徐々に下降する。下降時
のデータVALの変化幅及び時間間隔は上昇時
と同様、△ENV及びVBRによつて定まる。 デイレイビブラートのダウンカウントモード
においては、DVBQ信号とインバータ258
の出力によつてアンド回路218が可能化され
る。このアンド回路218にはシフトレジスタ
164の第15ステージの出力1/2ENVが与えら れており、信号1T16のタイミングで該デー
タ1/2ENVを選択する。このデータ1/2ENVは 同じ信号1T16のタイミング(第1〜第16タ
イムスロツト)でレジスタ164の第16ステー
ジから出力されるエンベロープデータENVの
1/2の値である。こうして、低域側(負のセン ト値)のエンベロープデータ(すなわちビブラ
ート深さ)として高域側(正)のデータENV
の1/2のデータ1/2ENVが用いられる。その結 果、第15図aのデイレイビブラート部分に示
すように高域側のビブラート深さと低域側のビ
ブラート深さを非対称(2対1)とすることが
できる。 アンド回路218で選択されたデータ1/2 ENVは補数回路261で2の補数に変換され、
負の値となる。比較器COM1では下降中のデ
ータVAL(A入力)とデータ「−1/2ENV」 (B入力)とを比較し、「A<B」が成立したと
きフリツプフロツプ231の状態UPQをアツ
プカウントモードに切換える。 以上のようにして、データVALはデータ
ENV及び「−1/2ENV」によつて示されたエ ンベロープの範囲内で上昇と下降を繰返し、第
15図aのデイレイビブラート部分に示すよう
に徐々に深さが増す変調信号VALが得られる。 一方、第14図の比較器COM2の入力Aに
はDVBQ信号によつて可能化されたアンド回
路238を介して信号1T16のタイミングで
エンベロープデータENVが与えられる。また、
入力BにはDVBQ信号によつて可能化された
アンド回路242を介して信号9T16のタイ
ミングでライン273(第12図、第13図)
のビブラート深さデータVBDが与えられる。
この場合、比較器COM2ではデータENVと
VBDとが同じ重みで比較される。前述の通り、
データENVはデータVBDを8ビツト下位シフ
トした値△VBDを繰返し加算したものである
ので、28回加算したときENVはVBDに一致す
る。 データENVがデータVBDの値にまだ到達し
ていないときは、比較器COM2で「A<B」
が成立し、「A≧B」の出力は“0”である。
この出力“0”がアンド回路236からインバ
ータ267に与えられ、インバータ267の出
力“1”によつてアンド回路205が可能化さ
れ、DVBQ信号がホールドされる。 データENVがデータVBDの値に一致する
と、比較器COM2の「A≧B」が成立し、ア
ンド回路236の出力が“1”となる。これに
よりインバータ267の出力が“0”となり、
DVBQ信号がリセツトされる。こうして、デ
イレイビブラートが終了する。 デイレイビブラートの終了後は自動的にノー
マルビブラートに移行する。 (3) ノーマルビブラート ノーマルビブラートの始まり方には2通りあ
り、1つはデイレイビブラート終了後自動的に
移行する場合と、もう1つはスイツチNVBS
(第14図)によつて積極的にノーマルビブラ
ートを選択し、デイレイビブラートを行なわず
にノーマルビブラートのみを行なう場合であ
る。 ノーマルビブラート及び後述のアフタータツ
チビブラートは、第14図のアンド回路205
〜213の全出力を入力したオア回路6の出力
信号ANYQが“0”のとき実行される。この
ANYQ信号は第13図のアンド回路190に
加わると共にインバータ276で反転され、
ANYQ信号としてアンド回路173,189,
219に入力される。 第14図において、デイレイビブラート終了
時は、前述の通り、アンド回路236から
“1”が出力されるが、この出力はDVBQ信号
をリセツトするためにのみ作用する。従つて、
DVBQ信号が“0”に立下ると同時にANYQ
信号が“0”となり、第15図bに示すように
ANYQ信号が立上る。従つて、デイレイビブ
ラート終了後に自動的にノーマルビブラートに
移行する。スイツチNVBS(またはKVBS)に
よつて積極的にノーマルビブラート(またはア
フタータツチビブラート)が選択されている場
合は、+信号の“0”によつてデイレイビ
ブラート関係のアンド回路205〜209が常
時動作不能にされる。そのため、アタツクピツ
チ(またはスラー)終了時にアンド回路208
(または209)が動作せず、APQ信号(また
は後述のSLQ信号)の立下りと同時に
信号が立上る。従つて、その場合はアタツクピ
ツチ(スラー)終了後に直ちにノーマルビブラ
ートに移行する。アタツクピツチあるいはスラ
ーも行なわない場合は常にANYQ信号が
“0”、信号が“1”であり、初めから
ノーマルビブラートが行なわれる。 ノーマルビブラート(及びアフタータツチビ
ブラート)は第13図の演算器CUL1,CUL
2,CUL3を使用して処理される。信
号が立上るとき信号は“0”にならない
ので、演算器CUL1及びCUL2はクリアされ
ず、変調信号瞬時値データVALはそれまでの
値を保持する。また、USET信号も発生されな
いので、フリツプフロツプ231の状態UPQ
はそれまでの状態を維持する。従つて、デイレ
イビブラートからノーマルビブラートに移行す
る場合、デイレイビブラートのときの変調信号
が滑らかにノーマルビブラートに移行する。 演算器CUL1では、信号によつて可
能化されたアンド回路173を介してライン2
75のビブラートレートデータVBRを加算器
166に受入れ、デイレイビブラートのときと
同様に、該データVBRを32タイムスロツト
(16μs)毎にアキユムレートする。演算器CUL
2では、信号によつてアンド回路177
〜180が可能化され、デイレイビブラートの
ときと全く同様に、演算器CUL1の最上位ビ
ツトからキヤリイアウト信号が発生する毎に、
演算器CUL3から与えられるデータ△ENVを
加算または減算する。 演算器CUL3では、ANYQ信号の“0”に
よりアンド回路190が動作不能とされ、レジ
スタ164のデータENVの循環が禁止される。
他方、ANYQ信号によつて可能化されたアン
ド回路189を介してオア回路277から与え
られる一定のビブラート深さデータが選択さ
れ、このデータが加算器168を通過してレジ
スタ164に常に入力される。第14図のアフ
タータツチビブラート選択スイツチKVBSの
出力がラツチ回路265に周期的にラツチさ
れ、その出力信号KVBSSが第13図のアンド
回路278に加わると共にインバータ280で
反転されてアンド回路279に加わる。アフタ
ータツチビブラートが選択されていないとき、
すなわちノーマルビブラートのとき、信号
KVBSSは常時“0”であり、アンド回路27
8が動作不能、279が可能となる。アンド回
路279は、ライン273のビブラート深さデ
ータVBDを信号9T16y16(第5図参照)
のタイミングで選択し、オア回路277を介し
てアンド回路189に与える。 第12図のアンド回路272ではレジスタ1
02(第7図)からのビブラート深さデータ
VBDの有効ビツト(1.2セントの重みから38セ
ントの重みまでの6ビツト)を第1乃至第6及
び第9乃至第14及び第17乃至第22及び第25乃至
第30タイムスロツトの各区間で繰返し選択して
ライン273に与える。第13図のアンド回路
279ではこのライン273のデータVBDを
第9乃至第16及び第25乃至第32タイムスロツト
の各区間(すなわち第17図aに示す16タイム
スロツト同期の演算タイミングのうち上位8ビ
ツトのタイムスロツト)で選択する。従つて、
第7図のレジスタ102のデータVBDがその
重みの通りのタイミングで演算器CUL3内の
シフトレジスタ164に繰返しロードされる。
その結果、演算器CUL3のエンベロープデー
タENVは事実上一定の深さデータVBDを保持
しているのと同じ状態になる。従つて、演算器
CUL3から演算器CUL2に与えられるデータ
△ENVは、深さデータVBDを7ビツト下位に
シフトした(2-7倍した)データ△VBDであ
る。 以上のように、ノーマルビブラートにおいて
はエンベロープデータENVは常に一定のVBD
であり、従つてデータVALの1計算時間間隔
当りの変化量△ENVは△VBDであり、第15
図aのノーマルビブラート部分に示すように一
定の深さの変調信号VALが得られる。尚、低
域側のエンベロープデータはデイレイビブラー
トのときと同様、データ1/2ENVすなわち1/2 VBDであり、高域側と低域側の深さが非対称
形となる。すなわち、信号によつてア
ンド回路219が可能化され、レジスタ164
の第15ステージの出力1/2ENVがダウンカウン トモード時の信号1T16の期間で選択され、
補数回路261を介して比較器COM1に与え
られる。従つて、データVALが上昇している
ときはVALが深さデータVBD(すなわち
ENV)に到達した段階で下方向に(ダウンカ
ウントモードに)折返し、VALが下降中は
VALが−1/2ENVに到達した段階で上方向に (アツプカウントモードに)折返す。 (4) アフタータツチビブラート アフタータツチビブラートは上述のノーマル
ビブラートとほぼ同様に処理される。異なる点
は、エンベロープデータENVとして一定の深
さデータVBDのみならずアフタータツチビブ
ラート深さデータKVBDも加味される点であ
る。第7図において、データKVBDはデータ
VBDと同様にレジスタ103の第6ステージ
から取り出される。このデータKVBDは第1
2図のアンド回路281に与えられ、信号1T
6y8のタイミングで有効ビツト(1.2セント
の重みから38セントの重みまでの6ビツト)が
選択されて加算器282の入力Bに与えられ
る。加算器282の入力Aにはアンド回路27
2からデータVBDが与えられ、1タイムスロ
ツト遅れのキヤリイアウト出力C0+1は入力
Ciに与えられるようになつている。従つて、こ
の加算器282で、ビブラート深さデータ
VBDとアフタータツチビブラート深さデータ
KVBDとがシリアルに加算される。その加算
出力「VBD+KVBD」は第13図のアンド回
路278に与えられる。 前述の通り、アフタータツチビブラートが選
択されている場合は信号KVBSSが“1”であ
り、アンド回路278が可能化され、279が
動作不能にされる。アフタータツチを加味した
深さデータ「VBD+VBD」が信号9T16y
16のタイミング(上位8ビツトの重みの演算
タイミング)でアンド回路278で選択され、
オア回路277、アンド回路189、加算器1
68を介してシフトレジスタ164に繰返しロ
ードされる。こうして、エンベロープデータ
ENVは一定のビブラート深さデータVBDにア
フタータツチビブラート深さデータKVBDを
加算した値となり、鍵タツチに応じてビブラー
ト深さが制御されることになる。 (5) アタツクピツチ及びビブラートの補足説明 前述の通り、アタツクピツチにおける時間的
に変化するエンベロープデータENVは、初期
値APiSを8ビツト下位にシフトした値△APiS
をこの初期値APiSから順次減算したものであ
る。従つて、初期値APiSがいかなる値であろ
うとも、演算器CUL3で△APiSを28=256回減
算すると、データENVの値は丁度0になる。
従つて、エンベロープデータENVが初期値
APiSから0になるまでの時間すなわちアタツ
クピツチがかかる時間は、初期値APiSに無関
係であり、演算器CUL4の最上位ビツトキヤ
リイアウト信号の同期すなわちアタツクピツチ
エンベロープレートデータAPERによつて決定
される。換言すれば、データAPERが一定(選
択された音色に対応した所定値)であれば、イ
ニシヤルタツチに無関係に、一定時間の間アタ
ツクピツチがかかる。そして、アタツクピツチ
の深さ(初期値)がイニシヤルタツチに応じて
制御され、かつ選択された音色に応じてアタツ
クピツチのかかり具合(深さ)が更に制御され
る。自然楽器における発音開始時の周波数変動
でも同様の現象が見られるので、上述のような
態様のアタツクピツチコントロールによつて自
然楽器に近い効果をあげることができる。デー
タAPERが同一のときの、異なる3つの初期値
APiS1,APiS2,APiS3に夫々対応するエ
ンベロープデータENVの状態を模式的に第2
0図aに示す。 デイレイビブラートにおけるエンベロープデ
ータENVの変化に関しても上述と同様のこと
がいえる。この場合、到達目標値はビブラート
深さデータVBDであり、この目標値VBDを8
ビツト下位にシフトした値△VBDを順次加算
したものがデータENVである。従つて、目標
値VBDがいかなる値であろうとも、演算器
CUL3で△VBDを28=256回加算すると、デー
タENVは目標値VBDに到達する。従つて、デ
イレイビブラートがかかる時間は、目標値
VBDの大きさに無関係であり、演算器CUL4
の最上位ビツトキヤリイアウト信号の周期すな
わちデイレイビブラートエンベロープレートデ
ータDVER,DVER′によつて決定される。デ
ータDVERが同一のときの、異なる3つの目
標VBD1,VBD2,VBD3に夫々対応する
エンベロープデータENVの状態を模式的に第
20図bに示す。従つて、デイレイビブラート
時間を一定に保つための特別の演算調整をビブ
ラート深さの変化に応じて行なう必要がなく、
ボリユームV4(第6図)によつて設定した通
りのデイレイビブラート時間が常に実現され、
制御の容易化が図れる。 ノーマルビブラート(及びこれに限らずアフ
タータツチビブラート、デイレイビブラート、
アタツクピツチも同様)における変調信号形成
には次のような特徴がある。第1には、変調信
号VALの周波数を可変設定するために電圧制
御型発振器のようなアナログ回路を用いずに演
算器CUL1におけるデイジタルデータのアキ
ユムレートによつてこれを可能にしている点で
ある。すなわち、演算器CUL1でアキユムレ
ートするデータAPR,VBRの値に応じた周期
でキヤリイアウト信号(計算タイミング制御信
号)を発生し、演算器CUL2においてこのキ
ヤリイアウト信号に対応する時間間隔で所定の
変化幅データ△ENVを繰返し加算もしくは減
算しかつ目標値ENVに到達する毎に加減算方
向を切換えることにより、演算器CUL1でア
キユムレートしたデータAPR,VBRに対応す
る周波数の変調信号データVALが演算器CUL
2で得られる。第2には、周波数及び深さの制
御が容易であるという点である。すなわち変化
幅データ△ENVは目標値(VALの折返し点)
であるエンベロープデータENVを7ビツト下
位にシフトしたものであるので、目標値すなわ
ちエンベロープデータENV(もしくは深さデー
タVBD)がいかなる値であつても、△ENVを
27=128回加算するとデータVALは0から目標
値ENVまで変化し、次に△ENVを128回減算
するとデータVALはENVから0まで変化し、
次に△ENVを64回減算するとVALは0から−
1/2ENVまで変化し、更に△ENVを64回加算 するとVALは−1/2ENVから0まで変化する。 従つて、変調信号VALの繰返し周期はビブラ
ート深さVBD(エンベロープENV)に無関係
であり、演算器CUL1から発生されるキヤリ
イアウト信号の周期すなわちレートデータ
VBRによつて決定される。レートデータVBR
が同一のときの、異なる2つの深さデータ
VBDすなわちエンベロープ瞬時値ENV1,
ENV2に夫々対応する変調信号VALの状態を
模式的に第20図cに示す。この図からもレー
トデータVBRが一定でありさえすれば深さ
(エンベロープ)に無関係に周波数が一定にな
ることがわかる。従つて、周波数と深さとを相
互に調整する必要がなく、両者を夫々独立に制
御できるようになり、制御の容易化が図れる。 (6) スラー 第12図乃至第14図ではスラー効果に関連
する詳細回路は省略されているので、スラー制
御に関しては以下簡単に説明する。 第14図において、システムクロツクパルス
φ1,φ2によつてシフト制御される32ステー
ジ/1ビツトの直列シフトレジスタ283は、
単音モードにおいて発音すべき楽音の周波数情
報SKCを記憶するためのものである。スラー
演算制御部284では、スラー制御時にこの情
報SKCを前回押圧鍵に対応する値から新押圧
鍵に対応する値まで滑らかに変化させる演算を
行なう。第4図に示す単音キーアサイナ14A
のレジスタ37から第14図の周波数情報変換
部301内のアンド回路302,304に単音
モード時の押圧鍵キーコードMKCが与えられ
る。この周波数情報変換部301はキーコード
MKCに対応する周波数を対数形式で表わした
周波数情報MKCLを出力する。第14図にお
いて、フリツプフロツプ224、オア回路5、
アンド回路212,213,241,245及
び回路319乃至323はスラー制御を実行す
るためのものである。第4図からスラースター
ト信号が与えられると、フリツプフロツプ22
4がセツトされ、SLQ信号が“1”となる。
スラー演算制御部284では、このSLQ信号
が“1”となつたときスラー効果付与のための
演算を開始する。すなわち、レジスタ283に
記憶されている前回押圧鍵の周波数情報SKC
と変換部301から与えられる新押圧鍵の周波
数情報MKCLとの差KCD(図示せず)を求め、
かつこの差KCDに対応する微小値△KCD(図
示せず)を求める。そして、前回押圧鍵の周波
数情報SKCに対して前記△KCDを繰返し加算
または減算することにより、このSKCを新周
波数情報MKCLに徐々に近づけ、最終的に
SKC=MKCLとなつたときスラー制御を終了
する。この△KCDの繰返し演算のタイミング
は第13図の演算器CUL4から与えられるキ
ヤリイアウト信号COTによつて設定される。
演算器CUL4は第12図のスラーレートデー
タ演算部306からアンド回路195を介して
与えられるスラーレートデータSLRをアキユ
ムレートする。演算部306において、スラー
レートデータSLRは第7図のレジスタ105
の第4ステージから出力されるスラーレート指
数部データSREと第8ステージから出力され
る仮数部データSRMとにもとづき求められる。 前述の通り、第4図のレジスタ37では、タ
イマ終了信号QRが発生する第9乃至第16タイ
ムスロツトの間で新たな押圧鍵のキーコード
XKCがロードされる。従つて、レジスタ37
の出力は第17タイムスロツトに同期して切換わ
る。このレジスタ37から出力されるキーコー
ドMKCの各タイムスロツトにおける状態は第
21図のようである。すなわち、第17タイムス
ロツトから次の第16タイムスロツトまでの32タ
イムスロツトの間で8タイムスロツト毎にビツ
トN1乃至B3が4巡する。このキーコード
MKCは第14図のアンド回路302及び30
4に加わる。信号17T18(第5図参照)に
よつて第17及び第18タイムスロツトにおいて可
能化されたアンド回路304を介してキーコー
ドMKCの下位ビツトN1,N2が選択され、
オア回路313を介して2段のフリツプフロツ
プ314に入力される。フリツプフロツプ31
4で夫々2タイムスロツト遅延された2ビツト
N1,N2は、第19から次の第16タイムスロツ
トまでの間可能化されるアンド回路305を介
してフリツプフロツプ314を循環する(第2
1図314Q参照)。このフリツプフロツプ3
14の出力は、信号25T8(第5図)によつ
て可能化されたアンド回路303を介して第25
乃至第8タイムスロツトの間選択され、オア回
路315を介してMKCLとして出力される。
それに引き続く第9乃至第16タイムスロツトで
は信号9T16によつて可能化されたアンド回
路302を介してキーコードMKCが8ビツト
すべて選択され、オア回路315を介して
MKCLとして出力される。従つて、周波数情
報MKCLは第21図に示すように第25タイム
スロツトから次の第16タイムスロツトまで続く
24ビツトのデータであり、上位8ビツト(第16
タイムスロツト〜第9タイムスロツト)が
“0”及びキーコードMKCのオクターブコード
B3,B2,B1とノートコードN4,N3,
N2,N1から成り、下位16ビツトはノートコ
ードの下位2ビツトN2,N1を繰返し付加し
たものである。このような構成の周波数情報
は、例えば特開昭56−74298号公報等で公知で
あり、キーコードMKCに対応する楽音の周波
数を2を底とする対数(セント値)で表わした
ものである。 レジスタ283のSKCがMKCLに一致する
と、SLQ信号が“0”となり、スラー制御が
終了する。スラー制御終了後は、キーコード
MKCに対応する周波数情報MKCLが演算制御
部284を通過してそのままレジスタ283に
入力される。従つて定常状態においては、レジ
スタ283から出力される情報SKCは情報
MKCLと同じであり、これを何タイムスロツ
トか遅延したものである。MKCLは第21図
に示すように第25タイムスロツトから次の第16
タイムスロツトの間で発生するので、第17タイ
ムスロツトにおいてレジスタ283の各ステー
ジに保有されるデータの重みは図中に示すよう
になる。ノートコードの下位2ビツトN2,N
1が繰返す部分の重みはセント値で表示されて
いる。すなわち、キーコードを2を底とする対
数表示の周波数情報に変換した場合、その本来
のノートコードの最下位ビツトN1は75セント
の重みを持つので、例えば、その1ビツト下位
(第17タイムスロツトにおけるレジスタ283
の第9ステージ)は約38セント、更に1ビツト
下位は約19セントの重みをもつ。 楽音信号発生部の説明 第22図は、楽音信号発生部21(第2図)の
詳細例、特に該発生部21に含まれる周波数情報
変更回路21Aの詳細、を示すものである。周波
数情報変更回路21Aは、効果付与回路20のレ
ジスタ163(第13図)から与えられる変調信
号瞬時値データVALに応じて発生すべき楽音の
周波数情報を変更し、ピツチコントロールされた
周波数情報を出力するものである。周波数情報変
更回路21Aは単音モードと複音モードとで共用
されるようになつており、どちらのモードが選択
されているかに応じて回路機能が幾分切換わる。 単音モードが選択されている場合、周波数情報
変更回路21Aでは、第14図のレジスタ283
から与えられる単音周波数情報SKCに対して第
13図の演算器CUL2内のレジスタ163から
与えられる変調信号瞬時値データVALを加算す
る。前述の通り、周波数情報SKCは対数表示
(セント値)であり、かつデータVALもセント値
で表現されている。従つて、両データを加算(も
しくは減算)することにより、単音周波数情報
SKCのセント値をデータVALに対応するセント
値だけもしくは低域側にずらした対数形式(セン
ト表示)の周波数情報logFが得られる。 単音周波数情報SKCは、上位7ビツトのキー
コード部分(B3〜N1)とそれよりも下位の38
セント乃至1.2セントの重みに対応するデータ部
分とに分けて演算で利用される。そのために、第
14図のレジスタ283の第8ステージからライ
ン325を介して情報SKCが取り出されると共
に、その第14ステージからライン326を介して
情報SKCが取り出される。第22図において、
ライン325の情報SKCは8ステージ/1ビツ
トのシフトレジスタ329に入力され、システム
クロツクパルスφ1,φ2に従つて順次シフトされ
る。シフトレジスタ329の第2乃至第8ステー
ジの出力(合計7ビツト)がラツチ回路330に
与えられており、タイミング信号25y32(第
5図)によつて該レジスタ329の内容がラツチ
回路330に並列的にラツチされる。第17タイム
スロツトにおけるシフトレジスタ283の各ステ
ージの重みは第14図に示すようになつているた
め、第17乃至第24タイムスロツト(合計8タイム
スロツト)においては、情報SKCの上位8ビツ
トのデータ(すなわちキーコード部分)N1,N
2,N3,N4,B1,B2,B3,“0”がラ
イン325に順次現われ、これらが第22図のシ
フトレジスタ329に順次ロードされる。従つ
て、その次の第25タイムスロツトにおいては、シ
フトレジスタ329の各ステージの重みは図中に
示すようになり、このとき発生する信号25y3
2によつてラツチ回路330にはSKCの上位7
ビツトのキーコード部分B3〜N1がラツチされ
る。こうして、ラツチ回路330は、単音周波数
情報SKCのうちキーコード部分B3〜N1を常
時出力する。 ラツチ回路330の出力はセレクタ331のB
入力に入力される。単音モード選択スイツチ
MONO−SW(第2図)から出力された単音モー
ド選択信号MONOがセレクタ331のB選択制
御入力SBに与えられており、単音モードのとき
はラツチ回路330からB入力に与えられるデー
タB3〜N1がセレクタ331で選択される。 一方、ライン326の情報SKCはアンド回路
332に与えられる。アンド回路332には単音
モード選択信号MONOとタイミング信号17T
22が与えられており、単音モードであることを
条件に第17乃至第22タイムスロツトの区間でライ
ン326のデータを選択する。第17タイムスロツ
トにおけるシフトレジスタ283の各ステージの
重みは第14図に示すようであるため、第17乃至
第22タイムスロツト(合計6タイムスロツト)で
は情報SKCのうち1.2セント乃至38セントの重み
の6ビツトのデータ部分がライン326に順次現
われ、これらのシリアル6ビツトデータSKC(38
〜1.2)がアンド回路332で選択されて加算器
333の入力Bに与えられる(第23図参照)。 第13図のレジスタ163に記憶された変調信
号データVALは第8ステージからライン327
を介して取り出されると共に第9ステージからラ
イン328を介して取り出される。第22図にお
いて、ライン327の変調信号データVALはア
ンド回路334に与えられ、タイミング信号17
T24(第5図)によつて第17乃至第24タイムス
ロツトの区間で選択される。第17タイムスロツト
におけるシフトレジスタ163の各ステージの重
みは第13図のようであるため、第17乃至第24タ
イムスロツト(合計8タイムスロツト)ではデー
タVALのうち上位8ビツトの1.2セント乃至75セ
ントの重みのデータ並びにサインビツトSがライ
ン327に順次現われ、これらがアンド回路33
4で選択される。アンド回路334の出力はオア
回路335を介して加算器333の入力Aに与え
られる。従つて、加算器333の入力Aには第17
乃至第24タイムスロツトにおいてデータVALの
上位8ビツト(1.2セント〜75セントの重みの7
ビツトのサインビツト)が第23図に示すように
シリアルに入力される。 第23図から明らかなように、加算器333で
は、情報SKCの下位6ビツトデータSKC(32〜
1.2)とデータVALとを同じ重み同士で加算する
ことによりシリアル演算を実行する。或る重みの
ビツトの加算によつて生じたキヤリイアウト信号
はその次のタイムスロツトにおいてキヤリイアウ
ト出力C0+1から出力され、Ci入力に与えられ
て1ビツト上のデータに加算される。尚、データ
VALは負の値(2の補数)で表わされているこ
ともあるので、その場合は加算器333で実質的
には減算が行なわれる。 加算器333の出力は8ステージ/1ビツトの
シフトレジスタ336に入力され、クロツクパル
スφ1,φ2に従つて順次シフトされる。シフトレ
ジスタ336及びラツチ回路337は、シフトレ
ジスタ329及びラツチ回路337と同様、シリ
アルな加算出力を並列データに置換えるためのも
のである。第17タイムスロツトにおいて加算器3
33から出力される1.2セントの重みのビツトに
関する加算結果はその8タイムスロツト後の第25
タイムスロツトにおいてはシフトレジスタ336
の第8ステージまでシフトされてくる。従つて、
第25タイムスロツトにおいて、シフトレジスタ3
36の各ステージの重みは図中に示すように1.2
セント乃至75セント及びサインビツトSに対応す
るものとなり、これらの重みのデータがタイミン
グ信号25y32によつてラツチ回路337に並
列的にラツチされる。 ラツチ回路337にラツチされた1.2セント乃
至75セントの重み及びサインビツトに対応する8
ビツトデータは8ビツトの並列加算器338の入
力Aに与えられる。加算器338の上位2ビツト
の入力Bにはセレクタ331から出力されるキー
コードの下位2ビツトN1,N2が夫々入力され
る。また、加算器338の下位6ビツトの入力B
にはデータNN1、NN2が入力されるようになつ
ているが、これらは単音モードのときは常に
“0”である。従つて、加算器338では、ラツ
チ回路337から与えられる75セントの重みの加
算結果に対して情報SKCのキーコード部分の最
下位ビツトN1を加算し、ラツチ回路337から
与えられるサインビツトの重みの加算結果に対し
て前記キーコード部分のN2を加算する。この理
由は、加算器333では情報SKCのうち38セン
ト乃至1.2セントの重みのビツトとデータVALの
対応する重みのビツトとの加算が実質的に行なわ
れただけであり、情報SKCとデータVALとの演
算に関して75セント以上の重みのビツトに関する
加算はまだ行なわれていないためである。従つて
75セント以上の重みのビツトに関する加算を加算
器338及び339で行なうのである。 加算器338の最上位ビツトのキヤリイアウト
出力C0は加算器339の最下位ビツトのキヤリ
イイン入力Ciに与えられる。この加算器339は
5ビツトの並列加算器であり、セレクタ331か
ら出力された情報SKCのキーコード部分のうち
上位5ビツトB3,B2,B1,N4,N3が各
入力Bに与えられる。前述のような対数形式の周
波数情報SKCにあつては、キーコード部分の最
下位ビツトN1は75セントの重みに相当し、その
上のビツトN2は150セントの重みに相当する。
従つて加算器338において、75セント及びその
1ビツト上の重みのラツチ回路337の出力とビ
ツトN1,N2とを夫々加算するのである。そし
て、更に上の重みのビツトに関しては加算器33
9で加算が行なわれる。 ところで、この補数を用いた演算にあつては、
サインビツトを最上位まで拡張しなければならな
い。そのため、ラツチ回路337は拡張したサイ
ンビツト信号PSのためのラツチ位置を余分に含
み、このラツチ位置に加算器333の出力を入力
するようにしている。ライン328のデータ
VALがアンド回路340に与えられている。第
23図に示すように第24タイムスロツトにおいて
ライン327に現われたデータVALのサインビ
ツトSはその1タイムスロツト後の第25タイムス
ロツトにおいてライン328に現われる。アンド
回路340では、この1タイムスロツト遅れのサ
インビツトSをタイミング信号25y32によつ
てサンプリングし、オア回路335を介して加算
器333の入力Aに与える。この遅延されたサイ
ンビツトSに対応する加算出力がラツチ回路33
7にラツチされ、拡張されたサインビツト信号
PSとして利用される。この信号PSは加算器33
9の各入力Aに与えられる。こうして、拡張した
サインビツト(オール“1”またはオール“0”)
が情報SKCの上位5ビツトB3〜N3に加算さ
れる。 以上の構成によつて、結局、単音モードにおい
ては周波数情報変更回路21Aでは、単音周波数
情報SKCに対して変調信号データVALを双方の
重みを一致させて加算することを実行する。そし
て、データVALが負の値(2の補数)のときは
実質的な減算を行なう。こうして、周波数情報
SKCをデータVALのセント値に応じて高域また
は低域側にずらした周波数情報logFが加算器3
39,338から出力される。この加算器33
9,338の各ビツト出力の重みは図に示す通り
である。尚、ピツチずれが全く生じていない場合
は、38セント乃至1.2セントの重みの箇所にかつ
こ書きしたようにそれらの重みの各ビツトの真理
値はキーコード部分の下位2ビツトN2,N1を
繰返した値となる。 周波数情報変更回路21Aから出力されたピツ
チコントロール済みの対数形式の周波数情報
logFは対数/リニア変換回路21Bに入力され、
リニア形式の周波数情報Fに変換される。この周
波数情報Fは楽音発生回路21Cに入力され、該
情報Fに対応する周波数の楽音信号が該回路21
Cから発生される。この楽音発生回路21Cにお
ける楽音発生方式は、周波数変調方式、高調波合
成方式、波形メモリ読み出し方式等如何なる方式
でもよく、その詳細は特に説明しない。 複音モードが選択されている場合、周波数情報
変更回路21Aでは、複音モードにおける押圧鍵
のキーコードPKCにもとづき前述と同様の対数
形式の周波数情報を形成し、この周波数情報に対
して変調信号瞬時値データVALを加算する。複
音モードの場合、複数の各楽音発生チヤンネルに
割当てられた押圧鍵を示す複数のキーコード
PKCが各チヤンネル毎に時分割で複音キーアサ
イナ14B(第2図)から出力され、周波数情報
変換回路21Aに与えられる。キーコードPKC
は前述同様にB3〜N1の7ビツトから成る。 このキーコードPKCの各ビツトB3〜N1は
セレクタ331のA入力に与えられる。単音モー
ド選択信号MONOは“0”であり、これを反転
したインバータ341の出力“1”によつてA選
択制御入力が可能化され、複音モード用のキーコ
ードPKCがセレクタされる。また、インバータ
341の出力“1”によつてアンド回路342,
343が可能化され、キーコードPKCの下位2
ビツトN2,N1が選択されてデータNN2,
NN1として加算器338の下位6ビツトの入力
Bに交互に入力される。こうして、キーコード
PKCはその下位2ビツトN2,N1を更に下位
に繰返し付加したものとなる(すなわち対数形式
の周波数情報に変換される)。 一方、信号MONOの“0”によりアンド回路
332が不能化され、加算器333は変調信号デ
ータVALをそのまま出力する。従つて、ラツチ
回路337にはデータVALがそのままラツチさ
れ、かつそのサインビツト拡張信号PSがラツチ
される。従つて、加算器338,339では、キ
ーコードPKCに対応する対数形式の周波数情報
に対してデータVALを双方の重みを一致させて
加算(VALが負のときは減算)し、ピツチコン
トロール済みの対数形式の周波数情報logFを出
力する。楽音発生回路21Cは、複数の楽音発生
チヤンネルを含み、時分割的に与えられる各チヤ
ンネルの周波数情報にもとづき夫々のチヤンネル
で楽音を発生する。 勿論、楽音発生回路21Cは単音モード及び複
音モードのどちらにも対応して楽音信号を発生し
得る構成であり、例えば単音モード用の楽音発生
チヤンネルと複音モード用の楽音発生チヤンネル
(複数の楽音発生チヤンネル)とを含んでいる。
単音モード選択信号MONO及び単音キーアサイ
ナ14A(第4図)から出力された単音用キーオ
ン信号MKON及び複音キーアサイナ14Bから
出力された複音用のキーオン信号KONが楽音発
生回路21Cに与えられている。単音モードが選
択されている場合(MONOが“1”の場合)、楽
音発生回路21Cでは単音用キーオン信号
MKONにもとづいて楽音の振幅エンベロープを
形成し、単音用の楽音発生チヤンネルを使用して
この振幅エンベロープに対応して楽音信号の発音
を制御する。複音モードが選択されている場合
(MONOが“0”の場合)は、複音用キーオン信
号KONにもとづいて各チヤンネル毎に楽音の振
幅エンベロープを形成し、この振幅エンベロープ
によつて各チヤンネルの楽音の発音を制御する。
また、楽音発生回路21Cには第7図のレジスタ
106,107,108からアフタータツチレベ
ルデータATL、サステインスピードデータ
STR、イニシヤルタツチレベルデータ1TLが与
えられており、これらのデータにもとづいて楽音
の音量及び振幅エンベロープのサステイン時間が
制御される。 尚、第13図の演算器CUL2では演算器CUL
3で求めたエンベロープデータENV(到達目標
値)を所定ビツト下位シフトしたデータ△ENV
を変化幅データとして用いているが、これに限ら
ず、別途適宜の変化幅データ発生手段で発生した
データを演算に用いるようにしてもよい。また、
演算器CUL1〜CUL4はシリアル演算を行なう
ものに限らずパラレル演算器を用いてもよい。ま
た実施例では、演算器CUL2で変化幅データ△
ENVの演算を行なうタイミングは演算器CUL1
の最上位ビツトのキヤリイアウト信号の出力タイ
ミングとなつているが、これに限らず、演算器
CUL1の内容が所定値になつたときに演算器
CUL2で演算が行なわれるようにしてもよい。
そのためには、例えば演算器CUL1の内容が所
定値になつたことを検出する比較器を設け、この
比較器の出力によつて演算器CUL2の演算タイ
ミングを制御すればよい。また、ラツチ回路25
7のラツチタイミングを変えることによつても可
能である。 上記実施例ではビブラート用(音高変調用)の
変調信号発生装置について説明したが、同様の変
調信号発生装置を用いて音量その他の要素を変調
するようにすることもできる。 以上説明したように、この発明によれば、第1
の数値により設定した演算タイミング毎に第2の
数値により設定した変化幅分だけ第2の演算手段
の計数内容を順次増加または減少させ、かつ、こ
の増加または減少の繰返しが目標値の範囲内で行
なわれるように比較手段の出力に基づき制御する
ようにしたため、複雑な電圧制御型発振器を使用
することなく、構成を簡単化することができ、ま
た、数値データによる変調信号の周波数制御が可
能であり、デイジタル制御に適している、という
優れた効果を奏する。また、深さ制御のために複
雑なシフト回路を使用する必要がなく、この点で
も構成を簡単化することができ、かつ、深さ制御
が自由に行なえる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すブロツク
図、第2図はこの発明を実施した電子楽器の全体
構成を例示するブロツク図、第3図は第2図の押
鍵検出部及びカウンタの詳細例を示す回路図、第
4図は第2図の単音キーアサイナの詳細例を示す
回路図、第5図は第2図各部で使用するタイミン
グ信号の一例を示すタイミングチヤート、第6図
は第2図のタツチセンサ、各種効果設定操作子
群、アナログ電圧マルチプレクサ及びA/D変換
器の部分の詳細例を示す回路図、第7図は第2図
のA/D変換部内の制御及び記憶部の詳細例を示
す回路図、第8図は第6図のアフタータツチセン
サの出力にもとづきイニシヤルタツチ及びアフタ
ータツチの両方を検出することを示すための信号
波形図、第9図は第6図及び第7図の回路による
アナログ/デイジタル変換のための時分割状態を
示すタイミングチヤート、第10図は第6図の
A/D変換器の通常の(イニシヤルタツチ検出時
以外のときの)動作例を示すタイミングチヤー
ト、第11図は第6図及び第7図におけるイニシ
ヤルタツチ検出時の主な信号の発生状態を示すタ
イミングチヤート、第12図及び第13図及び第
14図は第2図の効果付与回路の詳細例を3分割
して夫々示す回路図、第15図aはアタツクピツ
チ及びデイレイビブラート及びノーマルビブラー
トにおける変調信号及びそのエンベロープの一例
を示す図、第15図bは第13図及び第14図に
おける各種制御信号の状態を同図aに対応させて
示すタイミングチヤート、第16図はアタツクピ
ツチコントロール開始時における第12図乃至第
14図の各種信号状態を示すタイミングチヤー
ト、第17図は第13図の演算器におけるシリア
ル演算を説明するためのタイミングチヤート、第
18図は第12図におけるデイレイビブラートエ
ンベロープレートデータの変換処理を説明するた
めのタイミングチヤート、第19図はデイレイビ
ブラート用の制御データ設定ボリユームとデイレ
イビブラート開始時間データ及びデイレイビブラ
ートエンベロープレートデータとの関係並びにこ
れらのデータによつて決定されるデイレイビブラ
ート開始時間及びデイレイビブラート期間との関
係を示すグラフ、第20図aはアタツクピツチコ
ントロールにおける変調信号のエンベロープデー
タの変化を3つの異なる初期値に対応して夫々示
す図、同図bはデイレイビブラートにおける変調
信号のエンベロープデータの変化を3つの異なる
目標値に対応して夫々示す図、同図cはビブラー
トにおける変調信号の変化を2つの異なる深さ
(エンベロープ瞬時値)に対応して夫々示す図、
第21図は第14図の周波数情報変換部において
単音モードの押圧鍵キーコードを対数形式の周波
数情報に変換する動作を示すタイミングチヤー
ト、第22図は第2図の楽音信号発生部の詳細例
を特に周波数情報変更回路に関して示す回路図、
第23図は第22図における単音周波数情報の下
位ビツトと変調信号瞬時値データとの演算タイミ
ングを示すタイミングチヤートである。 400…周波数データ発生装置、401…第1
の演算回路、404…変化幅データ発生装置、4
05…第2の演算回路、409…演算制御回路、
410…目標値データ発生装置、411…比較
器、V1…ビブラートスピード(周波数)設定用
のボリユーム、V2…ビブラートデイプス(深
さ)設定用のボリユーム、CUL1…第1の演算
器、CUL2…第2の演算器、COM1,COM2
…比較器、215乃至221,230乃至23
5,258,259,261,262…第2の演
算器の加減算モードを制御するための回路、
CUL3…時間的に変化する深さデータを発生す
るための第3の演算器、△ENV…第2の演算器
における変化幅を示すデータ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 演算タイミングを設定するための第1の数値
    を発生する第1の数値情報発生手段と、 前記第1の数値を繰返し加算もしくは減算し、
    その計算内容が所定値に到達する毎に制御信号を
    出力する第1の演算手段と、 前記演算タイミング毎のデータの変化幅を示す
    第2の数値を発生する第2の数値情報発生手段
    と、 前記制御信号に基づき、前記演算タイミング毎
    に前記第2の数値を加算もしくは減算する第2の
    演算手段と、 目標値を示すデータを発生する目標値データ発
    生手段と、 前記目標値を示すデータと前記第2の演算手段
    の計算内容とを比較する比較手段と、 この比較手段の比較結果に基づき、前記計数内
    容が前記目標値に一致したときもしくは超えたと
    き前記第2の演算手段を加算モードから減算モー
    ドにあるいはその逆に切り換える制御を行ない、
    前記第2の演算手段の計数内容が前記目標値の範
    囲内で増減を繰り返すようにする制御手段と を具え、前記第2の演算手段の出力を楽音を変調
    するための変調信号として用いるようにした電子
    楽器の変調信号発生装置。
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