JPH0230385Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はトラクタ等の前輪駆動車輌における最
大操向角度規制装置に関する。

〈従来技術〉 前輪駆動タイプのトラクタでは、前車軸を内有
する前車軸ケースの側端部に固定ケースをフラン
ジ結合し、固定ケースに、可動ケースをキングピ
ン廻りに回動自在に備え、前輪を可動ケースと共
にキングピン廻りに操向自在とし、固定ケースと
可動ケースに、前車軸から前輪に動力を伝達する
伝動機構を内蔵し、可動ケースに、上記フランジ
結合部分がストツパ面と面接触して前輪の最大操
向角度を規制するストツパを備えたものがある。

ところで、上記従来においては、ストツパを２
本以上のボルトにより可動ケースに取付けてい
た。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このため、従来においては、ストツパの取付時
において、ストツパのストツパ面と前車軸ケース
のフランジとを面接触させるための調整作業が困
難で面倒であると云う問題があつた。

〈問題を解決するための手段〉 本考案は、ストツパの上記調整作業を容易に行
える前輪駆動車輌における最大操向角度規制装置
を提供することを目的とする。

この目的を達成するために、本考案の特徴とす
る処は、前車軸を内有する前車軸ケースの外側端
部に、前車軸から前輪に動力を伝動する伝動機構
を内有する可動ケースを備え、前輪を可動ケース
と共にキングピン廻りに操向自在とし、前車軸ケ
ース側と可動ケースの一方をストツパ取付側とし
て、該に取付側に、他方が面接触して前輪の最大
操向角度を規制するストツパをボルトにより取付
けた前輪駆動車輌において、ストツパを有底筒状
とし、ストツパの基部側底部を、ストツパと同心
の単一のボルトにより、ボルトの頭部をストツパ
に内有状としてストツパ取付側に取付け、ストツ
パの先端面を、軸心方向に対して傾斜するストツ
パ面とした点にある。

〈実施例〉 以下、本考案をトラクタに適用した一実施例を
図面に基き説明すれば、第２図及び第３図におい
て、２はエンジンから前方に突設された前車軸フ
レームで、左右一対の側板３を有する。

４は前車軸フレーム２下方に配置された前輪デ
フケースで、前車軸フレーム２に前後一対の取付
装置５を介して前後方向の軸心廻りに回動自在に
支持されている。デフケース４内には、ミツシヨ
ンケース側から動力が伝動される前輪デフ装置が
備えられ、該装置からは前車軸が両側方に派出さ
れている。

６は左右一対の前車軸ケースで、デフケース４
から両側方に延出され、前車軸を内有する。前車
軸ケース６の外側端部には、略方形状のフランジ
７が一体に形成されている。

８は固定ケースで、内側端部に、略方形状のフ
ランジ９を一体に有し、該フランジ９が前車軸ケ
ース６のフランジ７にボルト１０により着脱自在
に結合されている。

１１は可動ケースで、ケース本体１２と、蓋体
１３とから成る。ケース本体１２は、固定ケース
８の外側方側に位置する椀状部１４と、椀状部１
４下部から固定ケース８下方側に張出された張出
部１５とを備えている。椀状部１４は外側方に開
口し、該開口部を蓋体１３が着脱自在に施蓋して
いる。

椀状部１４及び蓋体１３には、前輪ハブ軸１６
が回転自在に支承され、前輪ハブ軸１６にデイス
ク１７を介して前輪１８のタイヤ１９が備えられ
ている。

固定ケース８及び可動ケース１１内には、前車
軸から前輪ハブ軸１６に動力を伝動するベベル伝
動機構が備えられ、該伝動機構のキングピンが固
定ケース８及び張出部１５に縦設されている。

２１は操向アームで、外側端部が椀状部１４上
面に固設され、中途部が固定ケース８上面側に回
動自在に支持され、内側端部が、ドラツグリンク
２２等を介してステアリングハンドルに連動連結
され、該ハンドルの回動操作により、前輪１８が
可動ケース１１と共にキングピンの軸心２３廻り
に操向自在とされている。

２４は左右両側の可動ケース１１を連動させる
タイロツドで、張出部１５から後方に突設された
ブラケツト２５に側端部が連結されている。

２７は有底円筒状ストツパで、第１図に示すよ
うに、その基部側底部２８が、椀状部１４の内側
外面における後部上部から内側方側に突設された
取付座２９に、ストツパ２７と同心の単一のボル
ト３０により、軸心廻りに回動調整自在として着
脱自在に取付けられて、取付座２９から内側方側
に垂直に突設されている。ボルト３０の頭部３０
ａはストツパ２７に内有状とされ、又、３１はバ
ネ座金である。ストツパ２７の内側方側にある先
端面は、軸心方向に対して傾斜するストツパ面３
２とされ、該ストツパ面３２が、前車軸ケース６
と固定ケース８の両フランジ７，９後面に面接触
することで、前輪１８の最大操向角度が規制され
る。

上記のように構成した実施例によれば、ストツ
パ２７の取付時において、ストツパ２７のストツ
パ面３２が両フランジ７，９に好適に面接触する
ように調整作業を行う場合には、ストツパ２７を
ボルト３０によりまず仮止めする。次に、ストツ
パ２７をボルト３０廻りに回動して、ストツパ２
７を、ストツパ面３２が両フランジ７，９に好適
に面接触する回動位置とし、この状態でボルト３
０を締結して、ストツパ２７を固定するのであ
り、このようにして、ストツパ２７の調整作業を
容易に行うことができる。

尚、実施例では、ストツパ面に前車軸ケースと
固定ケースの両フランジが面接触するようにした
が、どちらか一方のフランジがストツパ面と面接
触するようにしてもよい。又、ストツパを前車軸
ケース又は固定ケースに取付けるようにしてもよ
い。

〈考案の効果〉 以上詳述したように、本考案によれば、ストツ
パの取付時において、これと対応する面と面接触
するように調整する作業を容易に行えると共に、
その構造は簡易で、ローコストで実施可能であ
り、実益大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は要部
の平面一部断面図、第２図は背面図、第３図は平
面図である。 ６……前車軸ケース、７，９……フランジ、
８，１１……固定・可動ケース、１８……前輪、
２７……ストツパ、３０……ボルト、３２……ス
トツパ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前車軸を内有する前車軸ケース６の外側端部
   に、前車軸から前輪１８に動力を伝達する伝動機
   構を内有する可動ケース１１を備え、前輪１８を
   可動ケース１１と共にキングピン廻りに操向自在
   とし、前車軸ケース６側と可動ケース１１の一方
   をストツパ取付側２９として、該取付側２９に、
   他方が面接触して前輪１８の最大操向角度を規制
   するストツパ２７をボルト３０により取付けた前
   輪駆動車輌において、ストツパ２７を有底筒状と
   し、ストツパ２７の基部側底部２８を、ストツパ
   ２７と同心の単一のボルト３０により、ボルト３
   ０の頭部３０ａをストツパ２７に内有状としてス
   トツパ取付側２９に取付け、ストツパ２７の先端
   面を、軸心方向に対して傾斜するストツパ面３２
   としたことを特徴とする前輪駆動車輌における最
   大操向角度規制装置。