JPH0229882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバイン及びハーベスタ等におい
て、ホツパーから籾袋に籾を自動的に充填する際
に籾袋をホツパーの吐出口下部に自動的に繰出す
装置に係り、詳しくはその上下作動装置に関す
る。

従来、ホツパーから籾袋に籾を充填するには、
ホツパー下部の作業空間において、該空間の奥部
に予め用意した複数の籾袋の内の一つを繰出し、
更に該籾袋を開袋してその中にホツパーの吐出口
を挿入する必要があるが、上記ホツパー下部の作
業空間は間口が極めて狭い上比較的奥行が深いの
で、上記の作業はかなり困難かつ面倒なものであ
つた。そこで、上記籾袋の繰出し等を自動化し、
自動的に籾袋に籾を充填する装置が案出されてい
るが、該案出例のものでは、作業に先立つてホツ
パー下方の作業空間の奥部の収納部に予め多数の
籾袋を準備するに際して、作業空間が上記したよ
うにただでさえ狭い上に籾袋自動繰出し装置等の
配設によつてますます作業空間が狭くなつている
ため、作業空間奥部での籾袋の準備作業が極めて
行ないにくいという欠点があつた。また、籾袋自
動繰出し装置の作動によつて籾袋がホツパーの吐
出口下部に繰出された後、籾袋が開袋装置によつ
てその口部が開かれる際、待機状態にある籾袋自
動繰出し装置の機構部が開袋作動の妨げとなるた
め、開袋動作が円滑に行なわれないという不都合
が出じていた。更に、満杯になつた籾袋をホツパ
ー下部からたとえば近傍の地面等に移動するに際
して、籾袋自動繰出し装置の先端部等が作業者に
とつて大変邪魔な存在となるため、上記の籾袋の
移動作業が非常に行ないにくいという欠点があつ
た。

本考案は、上述事情に鑑み、籾袋自動繰出し装
置を作業空間奥部において揺動できるように枢支
し、またその先端側をリンク機構を介してオート
シヤツター作動機構に連動すると共に、上記リン
ク機構に手動操作機構を関連させ、もつて籾袋自
動繰出し装置の先端側を自動的にあるいは手動操
作により必要時上昇し得るようにし、上述欠点を
解消した籾袋自動繰出し装置の上下作動装置を得
ることを目的とするものである。

以下、図面に沿つて、本考案による実施例につ
いて説明する。

コンバイン１は、第１図および第２図に示すよ
うに、運転席２の後方に籾充填部３を有してお
り、該籾充填部３にはホツパー５および該ホツパ
ー５の下方に作業空間Ａが配置されている。そし
て、該空間Ａの奥部には４本のハンガーバー６…
により多数の籾袋７…が二列に吊下げられてお
り、また空間Ａの中央部には籾袋７の中央側端部
分に衝接し得るように籾袋自動繰出し装置９が配
設されている。

一方、ホツパー５は二個の吐出口１０，１０を
有しており、該吐出口１０には、第３図および第
４図に示すように、オートシヤツター１１が摺動
自在に嵌挿されていると共に、その上方にシヤツ
ターカバー１２が固設されている。オートシヤツ
ター１１は断面正方形の中空部材からなり、第３
図で実線にて示すように下方に摺動した状態で開
となり、上方に摺動してその上端部がシヤツター
カバー１２に嵌合した状態で閉となる。更に、オ
ートシヤツター１１にはホツパー５から突出して
プレート１３が固定されており、該プレート１３
にはピン１５及び長孔１６ａを介してアーム１６
が連結されている（第１図および第２図参照）。
そして、これらアーム１６，１６は、第５図およ
び第６図に示すように、それぞれ軸１７，１８に
連結しており、更に軸１８は４節リンク１９ａ，
１９ｂ，１９ｃを介して軸１７に連結している。
更に、軸１７の先端には２面取り部１７ａ及び凹
溝１７ｂが形成されており（第７図）、かつ位置
決め用ボール２４ａを有する摺動クラツチ２４が
被嵌している。一方、断面コ字状に形成されたホ
ツパー支えフレーム２８にはオートシヤツター開
閉用モータ２０が配設されており、該モータ２０
は減速歯車Ｇ１，Ｇ２を介して前記軸１７と同軸
状に位置する歯車軸Ｇ２′に連結しており、かつ
該軸Ｇ２′の先端２面取り部には前記摺動クラツ
チ２４が被嵌し得る。従つて、モータ２０の正逆
転により、歯車Ｇ１，Ｇ２、クラツチ２４及び軸
１７を介して、また更にリンク１９…及び軸１８
を介して、左右２個のオートシヤツター１１，１
１が同期して開閉作動される。また、モータ２０
の故障時には、摺動クラツチ２４を操作して軸１
７と歯車軸Ｇ２′との連結を断ち、プレート１３
に設けられた握りＮ（第３図および第４図）をも
つて直接手動によりオートシヤツター１１を操作
し得る。なお、第３図中Ｓ１は籾センサ、Ｓ２お
よびＳ３は夫々オートシヤツター１１の開閉位置
検出スイツチであり、またＭは籾を示す。

また、籾袋自動繰出し装置９は、第８図ないし
第１０図に示すように、本体ケースであるチエー
ンケース２１を有しており、該ケース２１はその
基部が空間Ａの奥部においてボス部材２２を介し
て固定プレート２３に回動自在に支持されてお
り、搬送用モータ２５に連結されている上記基部
内の軸２６上には駆動スプロケツト２７が支持さ
れている。そして、該駆動スプロケツト２７とチ
エーンケース２１先端側に内蔵された遊動スプロ
ケツト２９との間にはチエーン３０が巻掛けられ
ており、該チエーン３０の所定箇所にはローラを
有する搬送体たる支持具３１が連結されている。
そして、該支持具３１には左右ハンガーバー６部
分に延びているブラケツト３２（第１，８，１１
図参照）が固定されており、該ブラケツト３２に
は籾袋７の上端側部に設けられた鉄片７ａ（第９
図参照）を吸着する磁石３２ａが固定されてい
る。また、支持具３１には磁石３２ａと対向する
ように挾持アーム３３が回動自在に支持されてお
り、該アーム３３はケース２１下面のカム面２１
ａに案内されて挾持位置および開放位置に切換え
られるようになつている。

そして、上記したチエーンケース２１の先端部
と第１図に示したホツパー５の右側の吐出口１０
を開閉するオートシヤツター１１の作動軸１８と
の間に、第１０図に示すように、本考案に係る籾
袋自動繰出し装置の上下作動装置３５が設けられ
ている。該上下作動装置３５は、第１１図および
第１２図に詳示するように、作動軸１８に固定さ
れたプレート部材３６および軸１８に回動自在に
遊嵌され上記プレート部材３６の押圧ピン３６ａ
が当接されるアーム部材３７を有しており、該ア
ーム部材３７の一端に開設された長孔３７ａに接
続金具３９に立設されたピン３９ａが嵌合するよ
うになつていて、上記接続金具３９の下端部３９
ｂとチエーンケース２１上方に突設された取付部
２１ｂとがピン４０によつて連結されるようにな
つている。

また、上記した上下作動装置３５には、手動操
作装置４１が備えられている。該手動操作装置４
１は、第１１図および第１２図の上方に示されて
いるように、操作レバー部材４２によつて回動さ
れるプレート部材４３を有しており、該プレート
部材４３に穿設された長孔４３ａに連結部材４５
の一端に突設されたピン４５ａが長孔４３ａの上
端部で当接されるように嵌合され、上記連結部材
４５の他端と前記した作動軸１８に遊嵌するアー
ム部材３７の他端とがピン４６等で枢着されるよ
うになつている。

なお、第１１図および第１２図において、接続
金具３９の上方に連結されている機構４７は、籾
袋自動繰出し装置９が上下作動装置３５によつて
上下動される際、第１１図の紙面上方から見て左
右に揺動するのを防止する揺動アーム部材であ
り、また、第１１図においてＳ５にて示されてい
るものは、アーム部材３７の回動当接によつて作
動される籾袋自動繰出し装置９の上昇作動確認ス
イツチである。更に、第１２図において操作レバ
ー部材４２の回動軸４２ａの端部に設けられてい
る棒部材４９は、板バネ部材５０に係止され得る
ようになつていて、両部材４９，５０によつて操
作レバー４２を上昇作動位置にロツクする保持機
構が構成されている。

そして、また、第１図において運転席２後方の
符号Ｓ６にて示すものは籾充填装置のスタートボ
タンであり、また符号７ｂで示すものは籾袋７の
上部中央に付設された開袋用の金具である。そし
て、第８図において符号Ｓ１０で示すものは軸２
６端部に対向設置されたポテンシヨメータであつ
て、搬送体３１の位置を検出する信号を発する。
そして、第８図および第９図において符号５１に
て示すものは袋ストツパであり、また符号５３で
示すものは作業空間Ａの奥部中央に設けられた籾
袋止め装置であつて、スプリングによつて前方側
に付勢されたストツパプレート５３ａ，５３ａを
備え、該プレート５３ａ，５３ａから前方に少し
突出するように夫々反転スイツチＳ７，Ｓ９が設
けられている。そして、第１図、第２図および第
１０図において符号５２にて示すものは籾袋７の
開袋装置であつて、対向して上下回動される一対
の磁石装置５２ａ，５２ａを備えている。

次に、上記構成からなる本実施例の作用につい
て説明する。

作動に先立つて、籾袋自動繰出し装置９のブラ
ケツト３２および挾持アーム３３は第１０図にお
けるイ位置にて待機した状態にある。この状態か
ら籾充填装置のスタートボタンＳ６（第１図参
照）を押すと、搬送用モータ２５（第８，９図参
照）が回転し、チエーン３０を介して搬送体たる
支持具３１をイ→ロ方向に移動し、この際、挾持
アーム３３はケースカム面２１ａにより鎖線で示
すように開放した状態になる。そして、ブラケツ
ト３２の磁石３２ａが籾袋７の鉄片７ａに当接し
て一枚だけ吸着し、更にブラケツト３２による押
圧により反転用スイツチＳ７，Ｓ９が作動し、モ
ータ２５を逆転して支持具３１をロ→イ方向に移
動する。これにより、磁石３２ａの吸着に基づき
籾袋７が一枚だけ前方に搬送され、該搬送の途中
にてアーム３３がカム面２１ａにより挾持位置に
切換えられ、籾袋７は磁石３２ａによる吸着およ
び挾持アーム３３による後押しによつて確実にハ
位置まで搬送される。この際、籾袋７の他端は、
第８図に示すように、可撓体等からなる袋ストツ
パー５１により仮止めされ、従つて籾袋７は斜め
にピンとした状態に張られる。この状態でポテン
シヨメータＳ１０（第８図参照）によつて搬送体
３１がハ位置にあることが検知されると、その出
力信号に基づきモータ２５が停止され、同時に図
示外の開袋装置駆動用モータが回転され、開袋装
置５２の一対の磁石装置５２ａ，５２ａ（第１，
２，１０図参照）が同期して下方に回動され、張
られた状態にある籾袋７の中央両面に付設された
金具７ｂ（第１図参照）に衝接吸着する。すると、
上記磁石装置５２ａ，５２ａの衝接力により籾袋
７他端側の籾ストツパー５１が外れ、また図示外
の下限スイツチにより上記一対の磁石装置５２
ａ，５２ａが下限位置にあることが検出され、そ
れにより開袋装置駆動用モータが停止されると共
に搬送体３１は第１０図ニに示すようにホツパー
５の吐出口１０の位置まで後退して停止される。
従つて、籾袋７は正確にホツパー５の吐出口１０
の直下に配置されるようになる。その後、開袋装
置駆動用モータが逆転されて、磁石装置５２ａ，
５２ａが上方に回動されると、金具７ｂの吸着に
より空の籾袋７はその口部が開かれつつ上方に持
上げられて第２図に示すようにホツパー５の吐出
口１０に挿入され、同時に籾袋７の裾部分のたる
みが除去される。そして、上記一対の磁石装置５
２ａ，５２ａの上昇が図示外の上限スイツチによ
り検知された状態で、ホツパー５内の籾センサＳ
１（第３図参照）が籾Ｍの貯溜によつてオン状態
になると、ホツパー５の両オートシヤツター１
１，１１がモータ２０の駆動によつて、軸１７、
アーム１６、プレート１３を介して、またリンク
１９、作動軸１８、アーム１６、プレート１３を
介して下降され、吐出口１０が開かれ、籾Ｍを籾
袋７内に供給する（第２図参照）。同時に、上記
した作動軸１８の矢印方向（第１１図参照）への
回転と一体にプレート部材３６が回動され、それ
に伴ない押圧ピン３６ａを介してアーム部材３７
が回動されるため、アーム部材３７の長孔３７ａ
およびそれに嵌合するピン３９ａを介して接続金
具３９が上方に持上げられ、ピン４０を介してチ
エーンケース２１即ち籾袋自動繰出し装置９が第
１０図で鎖線で示すように上昇される。それに伴
つて磁石３２ａと挾持アーム３３とによる籾袋７
の保持が強制的に外される。そして、自動繰出し
装置９が所定位置まで上昇されるとスイツチＳ５
（第１１図参照）によりそれが検知され、そのオ
ン作動により搬送体３１はブラケツト３２および
挾持アーム３３が下方の籾袋７と何ら干渉しない
状態で第１０図における位置ニから当初にイ位置
の上方に復帰停止される。こうして籾Ｍの供給に
より籾袋７がほぼ満杯状態に近づくと、今まで流
下状態でオフ位置に戻されていた籾センサＳ１が
オートシヤツター１１そして吐出口１０を介して
停滞しはじめた籾により再びオン作動されるの
で、オートシヤツター１１は上昇されて吐出口１
０を閉塞する。そして、上記オートシヤツター１
１の上昇に連動して上下作動装置３５により籾袋
自動繰出し装置９が前記した上昇時の作動とは逆
に下降され、搬送体３２は第１０図イに示す当初
の待機位置に戻される。そして、籾袋自動繰出し
装置９が下降されている状態において、たとえば
空間Ａの奥部の籾袋７が無くなつた場合、籾袋７
を補給しなければならないが、その際、籾充填装
置の作動を停止し、操作レバー部材４２を矢印方
向に回動操作すると、プレート部材４３の長孔４
３ａとピン４５ａとの当接作用により連結部材４
５を介してアーム部材３７が作動軸１８を中心と
して回動されるので、上記した上下作動装置３５
の作動と同様にして籾袋自動繰出し装置９が手動
で上昇される。従つて、籾袋自動繰出し装置９の
先端部が上昇され、作業空間Ａの前方がかなり大
きく開かれるようになる。なお、上記手動操作を
行なわない場合において、作動軸１８の回動によ
り上下作動装置３５が作動された場合には、アー
ム部材３７を介して連結部材４５が作動されても
そのピン４５ａはプレート部材４３の長孔４３ａ
内を空動されるのみなので、上記手動操作装置４
１は自動時の上下作動装置３５の作動に対して何
らの妨害とはならない。

なお、空袋７をハンガーバー６に掛けるため、
籾袋自動繰出し装置９を上昇位置にセツトしたま
ま忘れて、搬送スタートスイツチＳ６を押して
も、アーム部材３７によつてスイツチＳ５がオン
状態にあることに起因して、籾袋自動繰出し装置
９が作動することはなく、かつ警報が発せられる
ため、自動繰出し装置９による空袋７の搬送ミス
を未然に防ぐことができる。

以上説明したように、本考案によれば、籾袋自
動繰出し装置９の基部を作業空間Ａの奥部側にて
揺動自在に枢支し、この先端側を連結手段３６〜
３９を介してホツパー５のオートシヤツター１１
に連結したので、籾袋自動繰出し装置９がオート
シヤツターの下降時に上昇され、従つて、ホツパ
ー５の吐出口１０下部に繰出された籾袋７が例え
ば開袋装置５２によつてその口部を開かれる際に
待機状態にある籾袋自動繰出し装置９の籾袋保持
部３２，３３が上記開袋作動の妨げになることが
防止され、開袋動作が円滑に行なわれる。また、
満杯になつた籾袋７をホツパー５下部から取出す
際にも、籾袋自動繰出し装置９の先端側が上昇し
た状態にあるので、作業者にとつて籾袋７の取出
し移動が極めて実施し易くなる。また、手動操作
手段４１，４２にて、籾自動繰出し装置９を手動
操作によつて上昇し得るようにしたので、オート
シヤツター１１の動作に関係なく即ち、籾充填装
置の停止時にも籾袋自動繰出し装置９を上昇させ
ることができ、従つて作業空間Ａの前方部を比較
的大きく開口することができるため、作業空間Ａ
奥部への籾袋の準備あるいは各装置の点検、修理
等が極めて行ない易くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る籾袋自動繰出し装置の上
下作動装置が適用されるコンバインを示す全体側
面図、第２図は同じくその後方部分正面図、第３
図はホツパーの吐出口部分の構造を示す部分拡大
図、第４図は第３図の−矢示切断断面図、第
５図はオートシヤツターの駆動部分を示す平面
図、第６図はその側面図、第７図はそのクラツチ
部分を示す断面図、第８図は作業空間部分の平面
図、第９図は作業空間部分の前方からみた正面
図、第１０図は同じく後方からみた正面図、第１
１図は本考案に係る上下作動装置の要部を示す拡
大正面図、そして第１２図ａはその側面からみた
部分拡大側面図、同ｂはその一部を示す平面図で
ある。 ５……ホツパー、７……籾袋、９……籾袋自動
繰出し装置、１０……吐出口、１１……オートシ
ヤツター、１８……作動軸、２２……ボス（装置
９の枢支部）、３５……上下作動装置、３６〜３
９……連結手段、４１，４２……手動操作手段、
Ａ……作業空間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ホツパー下方に作業空間を備え、かつ該作業空
   間の上部に、多数の籾袋を吊下げるハンガバーを
   機体に固定して延出してなる籾充填装置におい
   て、 籾袋保持部及び該保持部を前記作業空間奥側に
   位置する籾袋収納位置から前記ホツパーの吐出口
   に対応する位置に移動する搬送部材を備え、かつ
   その基部が前記作業空間の奥部にて上下方向に揺
   動自在に枢支されている籾袋自動繰出し装置と、 前記ホツパーの吐出口に上下方向移動自在にか
   つ駆動装置に連動して配置され、その下方移動に
   てホツパー内の籾を流下する開位置となりかつ上
   方移動にて閉位置となるオートシヤツターと、 前記籾袋自動繰出し装置と前記オートシヤツタ
   ーとを連結し、該オートシヤツターの下方移動に
   より前記籾袋自動繰出し装置を上方に揺動する連
   結手段と、 前記籾袋自動繰出し装置に連結して、該自動繰
   出し装置を上下方向に揺動操作し得る手動操作手
   段と、 を備えてなる籾充填装置における籾袋自動繰出し
   装置の上下作動装置。