JPH0229418B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） この発明は連続鋳造設備に於ける鋳型交換装置
の改良に関するものである。

（従来技術） 連続鋳造装置では鋳型と鋳型内の溶鋼シエルと
の間の引抜き抵抗の不均一や冷却不均一によりシ
エル厚さの不均一を来す。このため、鋳型直下に
おいてブレークアウト即ちシエル破壊による溶鋼
流出をおこすことがある。このブレークアウト発
生により鋳型が溶損する。この溶損した鋳型は新
しいものと交換して操業を再開している。

ところで、第４図に示すようなマルチストラン
ドの連続鋳造装置では複数の鋳型ａに対し１個の
タンデイツシユｂから溶鋼を注入するので、特定
の鋳型ａを交換する場合には、他の鋳型への鋳込
みを一時中断し、タンデイツシユｂをジヤツキｄ
で上方へ持上げて浸漬ノズルｃを鋳型から抜き出
すので、他のストランドの鋳込中断を余儀なくさ
れる欠点があつた。

（発明の解決しようとする問題点） 従来の鋳型取替方法によれば、タンデイツシユ
ｂを一旦上昇させて浸漬ノズルｃを鋳型ａの上方
へ抜き上げた後、鋳型搬出装置で鋳型を取り出し
ていたので他のストランドの鋳込み操作が短時間
ながら中断されていたが、本発明は他のストラン
ドの鋳込み作業を中断しないで所望の鋳型のみが
交換できる装置を提供しようとするものである。

（発明の解決手段） 鋳型を載置する鋳型振動テーブルを、その片側
で鋳型振動装置支持装置の頂部に枢着した上部振
動レバー及び鋳型振動装置支持装置の下部に中央
部を枢着された駆動用振動レバーとで構成した四
点リンク機構で支持し、前記駆動用振動レバーの
他端は伸縮自在式連結棒を介し振動発生装置に連
結し、前記鋳型振動テーブルをはさんで前記四点
リンク機構の反対側には、前記伸縮自在式連結棒
を伸長させることによつて四点リンク機構を作動
させて鋳型及び鋳型を載置する鋳型振動テーブル
を下降させた部所に昇降可能かつ水平移動可能な
鋳型取替梁の先端を臨ませ前記鋳型振動テーブル
との間で鋳型を受渡しする鋳型搬出入装置を配設
した。

（発明の実施例） 第１図で１は鋳型で、これは鋳型振動テーブル
２の上方に載つている。鋳型振動テーブル２は鋳
型振動装置支持装置１１の上部に一端を枢着され
た上部振動レバー３と、支持装置１１の下部に中
央部を揺動可能に枢着された駆動用振動レバー４
とで構成される四点リンク機構により上下振動可
能に支持されている。駆動用振動レバー４の他端
は振動発生装置１３に連結された伸縮自在の連結
棒１２の頂部に枢着されている。

５は着脱開閉自在のドアーで、例示する如き鋳
型搬出入装置６で鋳型１を搬出するときには、こ
のドアーを開放して行われる。

９はタンデイツシユで、該タンデイツシユ９か
ら浸漬ノズル１０を介し、溶鋼は鋳型１に注がれ
る。

８は鋳型可動カバーで、鋳型上部に佐右対をな
して設けられた鋳型固定カバー７に案内されて移
動する。該可動カバー８は鋳込中は鋳型に取付け
られているが、鋳型１を取出すときは、鋳型１か
ら分離しておく。列状に配置された他の鋳型も同
様の支持構造で個別に支持されている。

さて、１６は鋳型搬出入装置６を構成する鋳型
取替梁で、昇降フレーム１５に取りつけられた取
替梁用のガイドローラ１９に案内されており、鋳
型取替梁駆動用シリンダ１８によつて昇降フレー
ム１５に対して移動できるよう構成されている。
昇降フレーム１５はコラム１４にはめられてい
て、昇降フレーム用昇降シリンダ１７によつて上
下に動くことができる。

２０は鋳型取替台車である。コラム１４と鋳型
取替台車２０のあいだには旋回輪２３が取りつけ
られており、鋳型取替台車２０に対してコラム１
４及び昇降フレーム１５が旋回できるようになつ
ている。鋳型取替台車２０には走行車輪２２が取
付けられており、上部の梁に固定されているレー
ル２１に沿つて鋳片搬出方向Ｘと交又する方向に
移動することができるようになつている。

（発明の作用） 本発明装置によつて鋳型１を交換する場合は、
まず鋳型可動カバー８を鋳型１から分離し、つい
で鋳型交換に先立ち伸縮自在式連結棒１２をのば
して長くする。すると、駆動用振動レバー４の一
端が突き上げられるので、他端は下降する。従つ
て鋳型振動テーブル２も下方へ引かれるので、こ
の上にのつている鋳型１は通常の鋳込み位置（二
点鎖線）から鋳型交換位置（実線位置）へ移動
し、鋳型１の上端は浸漬ノズル１０の下方へ位置
するようになる。次いでドアー５を取り除き、鋳
型搬出入装置６を操作して鋳型１を鋳型振動テー
ブル２の上から取り出す。

新しい鋳型１Ａを鋳型取替梁１６の端に載せて
移動し、鋳型取替位置を設定する。昇降フレーム
用昇降シリンダ１７を操作して昇降フレーム１５
を下限まで降下させる。鋳型取替梁駆動用シリン
ダ18を操作して鋳型取替梁１６を動かし、鋳型の
載つていない他端側を鋳型振動テーブル２に載置
されている鋳型１の下に挿入する。

図示されない鋳型固定装置を緩めて鋳型振動テ
ーブル２より鋳型１を解放し、次いで昇降フレー
ム用昇降シリンダ１７を上昇操作して鋳型取替梁
１６を上限まで移動させて鋳型１をすくい取る。
そのままの姿勢で鋳型取替梁駆動用シリンダ18を
逆方向に操作して鋳型１を引き出し、ついで昇降
フレーム１５を旋回輪２３のまわりに旋回させ
（例えば約180゜）、鋳型取替梁駆動用シリンダ18を
操作して新らしい鋳型１Ａを鋳型振動テーブル２
の上に搬入させる。昇降フレーム用昇降シリンダ
１７によつて鋳型取替梁１６を下げ、鋳型１Ａを
鋳型振動テーブル２に載せる。ついで鋳型取替梁
駆動用シリンダ１８を操作して、鋳型取替梁１６
を後退させる。図示されていない鋳型固定装置で
鋳型１Ａを鋳型振動テーブル２に固定する。伸縮
自在式連結棒１２を逆に操作して鋳型を鋳込み位
置へ複帰させる。チヤンバーの鋳型可動カバー８
を取付けて鋳型交換作業を完了する。

（発明の効果） 鋳型を載置する鋳型振動テーブルを、鋳型振動
装置支持装置の頂部に枢着した上部振動レバー
と、鋳型振動装置支持装置の下部に中央部を枢着
された駆動振動レバーとで構成した四点リンク機
構で支持し、前記駆動振動レバーの他端を伸縮自
在式連結棒を介し振動発生装置に連結して、伸縮
自在式連結棒を伸ばせば、これに連係された鋳型
振動テーブルが下降するようにした。

そして、伸縮自在式連結棒を伸縮させて四点リ
ンク機構を作動させ、鋳型及び鋳型を載置する鋳
型振動テーブルを下降させた後、昇降可能かつ水
平移動可能な鋳型取替梁を移動させて鋳型を搬入
搬出するようにした鋳型搬出装置により搬出させ
るようにしたので、他の鋳型での鋳込み操作を中
断することなく事故のあつた鋳型のみを交換する
ことができる。かくして連続鋳造設備の操作が容
易となり、嫁動率を大いに向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の鋳型交換装置を施した連続鋳
造設備。第２図は第１図の右半部即ち鋳型搬出入
装置の平面図。第３図は第２図の−矢視断面
図。第４図はマルチストランド連続鋳造設備の鋳
型とタンデイツシユとの関連部分の拡大図。 図において；１……鋳型、２……鋳型振動テー
ブル、３……上部振動レバー、４……駆動用振動
レバー、５……ドアー、６……鋳型搬出入装置、
７……鋳型固定カバー、８……鋳型可動カバー、
９……タンデイツシユ、１０……浸漬ノズル、１
１……鋳型振動装置支持装置、１２……伸縮自在
式連結棒、１３……振動発生装置、１４……コラ
ム、１５……昇降フレーム、１６……鋳型取替
梁、１７……昇降フレーム用昇降シリンダ、１８
……鋳型取替梁駆動用シリンダ、１９……ガイド
ローラ、２０……鋳型取替台車、２１……レー
ル、２２……走行車輪。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳型を載置する鋳型振動テーブルを、その片
   側で鋳型振動装置支持装置の頂部に枢着した上部
   振動レバー及び鋳型振動装置支持装置の下部に中
   央部を枢着された駆動用振動レバーとで構成した
   四点リンク機構で支持し、前記駆動用振動レバー
   の他端は伸縮自在式連結棒を介し振動発生装置に
   連結し、前記鋳型振動テーブルをはさんで前記四
   点リンク機構の反対側には、前記伸縮自在式連結
   棒を伸長させることによつて四点リンク機構を作
   動させて鋳型及び鋳型を載置する鋳型振動テーブ
   ルを下降させた部所に昇降可能かつ水平移動可能
   な鋳型取替梁の先端を臨ませ前記鋳型振動テーブ
   ルとの間で鋳型を受渡しする鋳型搬出入装置を配
   設したことを特徴とする連続鋳造設備の鋳型交換
   装置。