JPH0229404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は塵芥焼却炉のホツパー開閉装置にかか
り蓋体の構成に関する。

〔従来の技術〕

一般に塵芥焼却炉において塵芥を燃焼させた場
合、燃焼炎がホツパー側に流れる初期逆火現象が
生じ、非常に危険である。このため塵芥焼却炉の
ホツパーにおいては、ホツパー本体の開口上縁に
ゲートを設け、このゲートを揺動もしくはスライ
ドさせてホツパー本体の上部開口を閉鎖し、逆火
を防止するようにしてある。また、塵芥焼却炉の
ホツパーは塵芥投入部に連なる案内筒部が投入部
に対して小径状であるため、案内筒部及びこの案
内筒部に接続した炉本体の入口において塵芥の流
動性が悪く、詰り易いという問題点があり、この
問題を解決するためには、従来ではホツパーの下
部及び側部または炉本体入口部に突き出し棒を進
退自在に取付け、この突き出し棒の前進動によつ
て塵芥を炉本体に押し出し、塵芥がホツパーの下
部及び入口で詰まるのを防止しているが、突き出
し棒の取付位置がホツパーの下部または下方であ
るためホツパーの中間部において塵芥が詰つた場
合、これを解消することができないという欠点が
ある。

また、上述のような問題を解決するために実公
昭57−11136号公報にはホツパーの投入部とこれ
に続く小径の案内筒部との境界に回動自在に蓋体
を軸着し蓋体の裏面を膨出させて、蓋体を閉めた
ときに逆火防止と案内筒部に詰つた塵芥を押し出
す作用をさせる構成がある。しかしながらこのよ
うな構成において蓋体を閉じたとき万一塵芥が投
入されると、蓋体上に塵芥が投下され蓋体が開か
なくなるという問題がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上述の問題に鑑み、蓋板が閉じたとき
は逆火防止と案内筒部に詰つた塵芥を押し出し、
また蓋板上に塵芥を落下したときも蓋板を容易に
開くことができるようにしようとするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は塵芥焼却炉のホツパーと、このホツパ
ーの塵芥滑落面と対向した蓋受面の下部に近接さ
せてホツパーの開口部を横断する方向に軸架され
た支軸と、この支軸に下端が軸着された起倒自在
の回動板と、この回動板の上端に軸着され上端を
前記蓋受面に当接し前記回動板の反転時に軸着部
を下方にして回動板上に折重ねられ傾斜して前記
開口部を閉じ回動板の起立時に回動板と同一平面
状に伸長される蓋板とよりなり、蓋板を開口部に
軸架された回動板に軸着し、回動板の回動によつ
て蓋板を反転させることなくホツパーに沿わせて
起倒させることにより蓋板上に塵芥が落下した場
合にこれを容易に開口部に落下させ、また蓋板の
下面で回動する回動板によつて開口部に詰つた塵
芥を下方へ押し出すようにしたものである。

〔作用〕

本考案は、回動板の回動反転によつて蓋板の上
端がホツパーの蓋受面に沿つて滑り降り、下端が
開口部を横ぎる方向に移動して反転することなく
開口部を閉じ、同時に回動板の回転によつて開口
部に溜つた塵芥が下方へ押し出され、また回動板
を回動復帰させると、蓋板の上端はホツパーの蓋
受面をはい上り蓋板は回動板と同一平面状になつ
て開口部を開くものである。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図、第２図について説
明する。

１はホツパーで、角錐形に上方拡開した投入部
２の下端開口部３を断面四角形で一方に傾斜した
案内筒部４を介して塵芥焼却炉５に連通されてい
る。ホツパー１の投入部２の一側内面は案内筒部
４と同方向に傾斜した塵芥滑落面６でこれに対向
した蓋受面７を案内筒部４と逆方向に傾斜してい
る。そして投入部２の下端の開口部３に前記蓋受
面７に接近させてこれと平行に開口部３を横断す
る支軸８が軸架され、この支軸８の両端はホツパ
ー１の外部で軸受体９，９に回動自在に軸架され
ている。さらに一方の軸受体９より突出した支軸
８に駆動アーム１０を介して油圧シリンダ１１の
ロツド１２の先端が連結され、油圧シリンダ１１
の基端は固定体１３に回動自在に軸着されてい
る。

また支軸８には回動板１４の下端が軸着固定さ
れ回動板１４の上端には蓋板１５の下端が軸杆１
６によつて回動自在に連結され、回動板１４並に
蓋板１５の巾方向は開口部３に近接され、さらに
回動板１４の上端即ち蓋板１５との軸着部はこの
回動反転時に開口部３の塵芥滑落面６側に接近す
るようになつている。また蓋板１５の上端裏面に
は蓋受面７を転動するコロ１７が軸架され蓋受面
７にはコロ１７のガイドとなる案内レール１８が
設けられている。そして回動板１４が反転して倒
伏すると略直角に塵芥通路に突出し、回動板１４
上に軸着部を下端として傾斜した蓋板１５が折重
なつて開口部３を閉じ、回動板１４を起立させる
と蓋板１５が上方に回動板１４と同一平面状に伸
長され、蓋板１５の軸着部が蓋受面７に引寄せら
れるようになつている。２１は蓋板１５の下端と
案内筒部４間に張設された補助板である。

次にこの実施例の作用を説明する。

塵芥の投入時には、回動板１４と蓋板１５は同
一平面板状に伸長されてホツパー１の塵芥滑落面
６に対向した蓋受面７に沿つて保持されて開口部
３を開口している。次にホツパー１の開口部３を
閉じるときは、油圧シリンダ１１を作動させロツ
ド１２を進出させると、駆動アーム１０が施回し
て支軸８を回動させ同軸に固定した回動板１４の
下端を回動させ回動板１４と蓋板１５の軸着部を
施回させる。そして回動板１４は反転し、ホツパ
ー１の開口部３に略直角に突出しこの反転時に開
口部３に滞留した塵芥を下方に押し出す作用をす
る。また回動板１４の回動に伴つて蓋板１５の下
端はホツパー１の開口部３の塵芥滑落面６側に移
動し蓋板１５の上端はコロ１７を介してホツパー
１の蓋受面７を滑り降り、上端は支軸８よりも上
方で蓋受面７に支持され上向に傾斜した状態で開
口部３を閉じる。また開口部３を開くときは、油
圧シリンダ１１のロツド１２を後退させ駆動アー
ム１０を施回させて支軸８を回動させ同軸の回動
板１４を引起すと、蓋板１５の下端は徐々に蓋受
面７に引寄せられ、上端はコロ１７を介して蓋受
面７をはい上り、回動板１４と蓋板１５が同一平
面になり上端が蓋受面７に立てかけられた状態に
なる。

蓋板１５は閉止中に塵芥が誤つて投入されると
これが蓋板１５上に溜るが蓋板１５を開くときは
塵芥は傾斜した蓋板１５上に保持されたまま回動
板１４が回動し回動板１４の回動反転が塵芥によ
つて邪魔されることがない。また傾斜した蓋板１
５は反転することなく徐々に立ち上るから塵芥が
動作の邪魔をすることがなく蓋板１５上の塵芥は
回動板１４の回動によつて徐々に開く開口部３か
ら落下するから回動板１４が或程度回動した後は
蓋板１５から塵芥が除去されるため油圧シリンダ
１１の動力も少くてすむようになる。

次に第３図に示す実施例について説明する。

この実施例においては、油圧シリンダ１１のロ
ツド１２の先端がホツパー１の蓋受面７に開口し
た開口部１９より挿入され回動板１４の裏面の下
部中央に取付けた突片２０に回動自在に軸着され
て連結されている。また回動板１４の下端は支軸
８に回動自在に軸架され、支軸８の両端はホツパ
ー１の外部の軸受体（図示せず）に固定軸架され
ている。

そして油圧シリンダ１１の進出により回動板１
４が支軸８を点として回動しつつ反転し蓋板１５
が開口部３を閉じ、油圧シリンダ１１を後退させ
ると回動板１４が回動しつつ起ち上り蓋板１５を
上方に引上げて開口部３を開くものである。

尚その他の構成並に作用は前述の実施例と同様
である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、塵芥焼却炉のホツパーと、こ
のホツパーの塵芥滑落面と対向した蓋受面の下部
に近接させてホツパーの開口部を横断する方向に
軸架された支軸と、この支軸に下端が軸着された
起倒自在の回動板と、この回動板の上端に軸着さ
れ上端を前記蓋受面に当接し前記回動板の反転時
に軸着部を下方にして回動板上に折重ねられ傾斜
して前記開口部を閉じ回動板の起立時に回動板と
同一平面状に伸長される蓋板とよりなるため、蓋
板を開いたときは開口部の一側に立ち上つた回動
板と同一平面状に蓋板が支持されてホツパーの投
入口の塵芥滑落面と反対側に位置するため蓋板と
回動板が塵芥の投入の邪魔になることがなく、ま
た蓋板を閉じるときは開口部の一側で回動板が回
動しながら反転するため開口部に滞溜する塵芥を
押し出すことができ、さらに蓋板は回動板の上方
に傾斜して折重ねられて開口部を閉じ、開口時に
はこの傾斜状態のまま反転することなく上端が蓋
受面をはい上るから閉止時に投入された塵芥が蓋
板上に溜つたとしてもこれが蓋板の開口時に邪魔
になることがなく、しかも蓋板の上昇につれて開
口部から落下するから、所定動力を軽減させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すホツパー開閉
装置の縦断側面図、第２図は同上縦断正面図、第
３図は他の実施例を示す縦断側面図である。 １……ホツパー、３……開口部、６……塵芥滑
落面、７……蓋受面、８……支軸、１４……回動
板、１５……蓋板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塵芥焼却炉のホツパーと、このホツパーの塵芥
   滑落面と対向した蓋受面の下部に近接させてホツ
   パーの開口部を横断する方向に軸架された支軸
   と、この支軸に下端が軸着された起倒自在の回動
   板と、この回動板の上端に軸着され上端を前記蓋
   受面に当接し前記回動板の反転時に軸着部を下方
   にして回動板上に折重ねられ傾斜して前記開口部
   を閉じ回動板の起立時に回動板と同一平面状に伸
   長される蓋板とよりなることを特徴とする塵芥焼
   却炉のホツパー開閉装置。