JPH0228858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は手持式電動掃除機に係り、殊に開口形
状の異なる複数個の塵埃吸入口を形成した手持式
電動掃除機の構造に関する。

（従来の技術） 手持式電動掃除機は、一般にモータや吸入フア
ン等が収納された駆動部ケースと、この駆動部ケ
ースの下部に設けられたキヤツプケースから成つ
ており、上記モータにより上記フアンを回転させ
ながら、上記キヤツプケースの底面をテーブルや
机等の上面などの被清掃面に沿つて摺動させて、
該底面に形成された塵埃吸入口から被清掃面上の
塵埃やごみをキヤツプケース内に吸引するように
なつていた。

しかしながらこの種従来の手持式電動掃除機の
塵埃吸入口は一般に円口状であつて、キヤツプケ
ースの底面中央などに一個のみ形成されていたた
め、テーブルや机等の上面中央部付近などの平た
んな部分の清掃は比較的良好にできるが、上面隅
部や角部あるいは引き出し内部の隅部などの狭小
な所の清掃はうまく行えない問題があつた。そこ
で実公昭57−7410号公報にみられるように、垂直
吸入口とノズル吸入口を備えた吸入口キヤツプを
本体に着脱自在に取り付け、該吸入口キヤツプを
はめ替えることにより選択的に上記垂直吸入口と
ノズル吸入口をダクトケースの吸入口へ連通せし
め、上記ノズル吸入口を使用することで、狭い所
などの掃除を行うものが提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながらこのものは、吸入口キヤツプを本
体から取りはずしてはめ替える作業が必要である
ので取り扱いが煩雑であり、特にこの吸入口キヤ
ツプは直接清掃面と突設する個所であるため不潔
であり、はめ替え作業により手を汚しやすい等の
問題点があつた。

本考案は上記事情を背景としてなされたもので
あつて、テーブルや机などの上面中央付近などの
平たんな部分だけでなく、これらの上面隅部や角
部あるいは引き出し内部の隅部などの狭小な部分
の清掃も簡単かつ良好に行える手持式電動掃除機
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） このために本考案は、モータ７および該モータ
７に駆動される吸入フアン６が配設された握り部
を兼ねた駆動部ケース１と、該吸入フアン６によ
り吸入される塵埃を蓄積する集塵室１２と、該駆
動部ケース１の下部に設けられた集塵ユニツト部
３から成る手持式電動掃除機であつて、上記集塵
ユニツト部３の底面に第１の塵埃吸入口１５ｃを
形成するとともに、この集塵ユニツト３の下部か
ら側方へ突出するノズル部１５ｅを突設して、こ
のノズル部１５ｅの先端面に横長スリツト状の第
２の塵埃吸入孔２０を形成し、かつこれらの吸入
口１５ｃ，２０と上記集塵室１２の間に、これら
の吸入口１５ｃ，２０と集塵室１２の間の塵埃流
通部を選択的に開閉する開閉部１７ａ，１７ｂを
備えた切り換え部材１７を回転軸１５ｋを中心に
回転自在に配設するとともに、この切り換え部材
１７の回転操作部１７ｄを外方に露呈させて設け
たものである。

（作用） このように手持式電動掃除機を構成することに
より、被清掃部の形状や場所等の清掃条件に応じ
て、回転操作部１７ｄを操作して各吸入口１５
ｃ，２０を選択的に切り換えることにより、テー
ブルや机などの上面などの平たんな部分だけでな
く、従来その清掃をやりにくかつたそれらの上面
隅部や角部あるいは引き出し内部の隅部などの狭
小な部分も、簡単かつ良好に清掃することができ
る。

（実施例） 以下、図面を参照しながら本考案の実施例を説
明する。

第１図は本考案に係る手持式電動掃除機の全体
斜視図、第２図は分解斜視図、第３図は部分組立
て図であつて、１は駆動部ケース、２は該ケース
１の下部に着脱自在に装着されたキヤツプケー
ス、３は該キヤツプケース２の下部に装着された
集塵ユニツト部である。集塵ユニツト部３は第３
図に示すようにキヤツプケース２の下部に一体的
に装着されるものであるが、第２図においては、
説明の都合上ユニツト部３はキヤツプケース２か
ら切り離している。駆動部ケース１は略箱形状で
あつて、握り部を兼ねるものであり、その側壁に
は握り部４が凹設されており、また壁面にはスイ
ツチ部５が設けられている。６は駆動部ケース１
の底部に設けられた吸入用フアンであり、このフ
アン６は駆動部ケース１に内蔵されたモータ７
（第４図ｂ参照）により駆動される。

キヤツプケース２は有底矩形枠状体であつて、
その周壁部には風抜孔８が形成されている。９は
周壁部の内面に装着された多孔膜から成るフイル
ターであり、フアン６が回転してキヤツプケース
２内に吸入された空気は、フイルター９を通して
風抜孔８から外部へ流出する。２ｂはキヤツプケ
ース２の上部に突設されたカギ型係止体であつ
て、該係止体２ｂを上記駆動部ケース１の内壁下
部に凹設された係止溝１ａに嵌着することによ
り、キヤツプケース２は駆動部ケース１に着脱自
在に装着される。２ｃはキヤツプケース２の底面
中央に開設された流入口であり、集塵ユニツト部
３側の吸入口１５ｃ（後述）に合致する。１１は
フアン６に付着される略ドーナツ状の整流板であ
り、その中央部には中心口１１ａが形成されてい
る。フアン６により吸入された塵埃やごみは、キ
ヤツプケース２の底面隅部に開設された開口部２
ａからその下方の集塵室１２へ落下し蓄積され
る。次に第４図〜第６図を併せて参照しながら、
集塵ユニツト部３の詳細な構造を説明する。

集塵ユニツト部３は、基台部１５とこの基台部
１５の内部に配設される切り換え部材１７とから
成つている。基台部１５は、基板部１５ａとこの
基板部１５ａの周囲に立設された周壁部１５ｂと
から成つている。基板部１５ａの上記流入口２ｃ
に対応する位置には、第１の塵埃吸入口１５ｃが
円口状に開設され、かつ基板部１５ａ底面の吸入
口１５ｃの周囲には、ブラシ毛１５ｄが放射状に
四状植設されている。１５ｅは集塵ユニツト３の
下部から側方へ向つて突設されたノズル部であつ
て、その形状は薄箱形であり、その先端面には上
記第１の吸入口１５ｃと開口形状が異る横長スリ
ツト状の第２の塵埃吸入口２０が開設されてい
る。このノズル部１５ｃの横巾はキヤツプケース
２のそれと略同一であり、かつ被清掃面に近接で
きるように、やや下方に屈折している。

１５ｆ，１５ｇは上記基板部１５ａ上にされた
吸入ガイド用隔壁板であつて、基板部１５ａの略
中央部から上記吸入口２０へ向つて末広がり状に
配設されている。１５ｈ，１５ｉは、これらの隔
壁板１５ｆ，１５ｇに連接して後方へ湾曲しなが
ら延出する隔壁板、１５ｊは上記隔壁板１５ｆに
連接してその側方へ延出する隔壁板であり、上記
周壁部１５ｂやこれらの隔壁板１５ｆ，１５ｈ，
１５ｊにより囲まれた部分が集塵室１２となつて
おり、上記開口部２ａの直下に位置している。ま
た上記各隔壁板１５ｆ〜１５ｊはユニツト部３の
補強部材ともなつている。

切り換え部材１７は、開閉部としての短円筒体
１７ａとこの短円筒体１７ａに隣接された略Ｕ字
状有底枠体１７ｂから成り、両体１７ａ，１７ｂ
は支持板１７ｃ，１７ｃを介して回転操作部１７
ｄに連結されている。１７ｅは上記操作部１７ｄ
の一端部に形成された枢着孔であり、この枢着孔
１７ｅを上記基板部１５ａの一側に立設された回
転軸１５ｋに回転自在に枢着することにより、切
り換え部材１７は上記基台部１５の内部に回転自
在に装着され、またその状態で操作部１７ｄの後
端部は上記周壁部１５ｂの角部に開設された窓部
１５ｌから外方に露呈し、外方からワンタツチで
操作できるようになつている。

短円筒体１７ａや枠状体１７ｂ、支持板１７ｃ
等の高さはユニツト部３の内部の深さと略同一で
あり、短円筒体１７ａや枠状体１７ｂの上面はキ
ヤツプケース２の底面に摺接する。上記短円筒体
１７ａや枠状体１７ｂは、操作部１７ｄの後端部
を指先にて回転操作することにより、上記回転軸
１５ｋを中心に回転するが、かかる回転操作を行
つて短円筒体１７ａを上記第１の吸入口１５ｃに
合致させた状態で（第４図ａ，ｂ参照）、上記第
２の吸入口２０から上記集塵室１２へ通じる塵埃
の流通路はこの短円筒体１７ａにより閉鎖され、
上記フアン６を回転させると塵埃やごみは第４図
ｂにおいて破線矢印イにて示すように吸入口１５
ｃから吸入され、短円筒体１７ａ等から成る塵埃
流通路を通つて開口部２ａから集塵室１２に集塵
される。また操作部１７ｄを操作して、上記枠状
体１７ｂをその先端部が上記隔壁板１５ｆ，１５
ｇの後端部に当るまで回転させて、上記吸入口１
５ｃの直上に位置させた状態で（第５図ａ，ｂ参
照）、この吸入口１５ｃは枠状体１７ｂの底板１
７１ｂにより閉鎖される。第２の吸入口２０から
吸入された塵埃は、破線矢印ロにて示すように枠
状体１７ｂ上方の流入口２ｃからキヤツプケース
２内に吸入され、更に開口部２ａから集塵室１２
に落下する。なお上述したように切り換え部材１
７は集塵ユニツト部３の内面を摺接して動作する
ので、塵埃の流通路の密着性が確保され流通外部
へ塵埃が漏れることはなく、殊に切換え部材１７
の枢着孔１７ｅは支持板１７ｃ，１７ｃによつて
さらに外部と遮断されているので、切り換え部材
１７の回転動作に塵埃が悪影響を与えることはな
い。

この手持式電動掃除機によりテーブルＴや机等
の上面中央付近などの平たんな部分を清掃すると
きには、操作部１７ｄを操作して第４図に示すよ
うに円筒体１７ａを第１の吸入口１５ｃ上に位置
させ、該吸入口１５ｃから集塵室１２へ通じる塵
埃の流通路を開口させてスイツチ部５を投入して
モータ７を駆動しながらブラシ毛１５ｄをテーブ
ルＴの上面に沿つて摺動させればよい。またテー
ブルＴの角部などを清掃するときは、操作部１７
ｄを操作して枠状体１７ｂを吸入口１５ｃ上に位
置させて該吸入口１５ｃを該枠状体１７ｂの底板
１７１ｂにより閉鎖し（第５図参照）、第２の吸
入口２０から集塵室１２へ通じる塵埃の流通路を
開口して、この吸入口２０を引き出し内部の隅部
に沿つて移動させれば、隅部に付着する塵埃を難
なく塵埃することができる。

このようにこの手持式電動掃除機は、開口形状
の異る吸入口１５ｃ，２０を有するので、テーブ
ルＴの上面などの平たんな部分の清掃は勿論、テ
ーブルＴの角部や引き出し内部などの狭小な部分
も簡単かつ良好に清掃することができる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、モータ７および
該モータ７に駆動される吸入フアン６が配設され
た握り部を兼ねた駆動部ケース１と、該吸入フア
ン６により吸入される塵埃を蓄積する集塵室１２
と、該駆動部ケース１の下部に設けられた集塵ユ
ニツト部３から成る手持式電動掃除機であつて、
上記集塵ユニツト部３の底面に第１の塵埃吸入口
１５ｃを形成するとともに、この集塵ユニツト３
の下部から側方へ突出するノズル部１５ｅを突設
して、このノズル部１５ｅの先端面に横長スリツ
ト状の第２の塵埃吸入孔２０を形成し、かつこれ
らの吸入口１５ｃ，２０と上記集塵室１２の間
に、これらの吸入口１５ｃ，２０と集塵室１２の
間の塵埃流通路を選択的に開閉する開閉部１７
ａ，１７ｂを備えた切り換え部材１７を回転軸１
５ｋを中心に回転自在に配設するとともに、この
切り換え部材１７の回転操作部１７ｄを外方に露
呈させて設けて成るので、被清掃部の形状や場所
等の清掃条件に応じて、切り換え部材１７の切り
換え操作をワンタツチで行いながら、開口形状の
異なる吸入口１５ｃ，２０と集塵室１２の間の塵
埃流通路を選択的に開閉させて、テーブルＴや机
の上面等の平たんな部分の清掃は勿論のこと、ノ
ズル部１５ｅの先端面の塵埃吸入孔２０により、
テーブルＴや机等の角部、あるいは引き出し内部
の隅などの狭小な部分も手軽かつ良好に清掃する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は手持式電動掃除機の斜視図、第２図は分解斜
視図、第３図は部分斜視図、第４図ａ，ｂは集塵
ユニツト部の平面図およびＡ−A′断面図、第５
図ａ，ｂは集塵ユニツト部の平面図およびＢ−
B′断面図、第６図は切り換え部材の斜視図であ
る。 １……駆動部ケース、３……集塵ユニツト部、
６……吸入フアン、７……モータ、１２……集塵
室、１５ｃ……第１の塵埃吸入口、１５ｅ……ノ
ズル部、１５ｋ……回転軸、１７……切り換え部
材、１７ａ，１７ｂ……開閉部、１７ｄ……回転
操作部、２０……第２の塵埃吸入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータ７および該モータ７に駆動される吸入フ
   アン６が配設された握り部を兼ねた駆動部ケース
   １と、該吸入フアン６により吸入される塵埃を蓄
   積する集塵室１２と、該駆動部ケース１の下部に
   設けられた集塵ユニツト部３から成る手持式電動
   掃除機であつて、上記集塵ユニツト部３の底面に
   第１の塵埃吸入口１５ｃを形成するとともに、こ
   の集塵ユニツト３の下部から側方へ突出するノズ
   ル部１５ｅを突設して、このノズル部１５ｅの先
   端面に横長スリツト状の第２の塵埃吸入孔２０を
   形成し、かつこれらの吸入口１５ｃ，２０と上記
   集塵室１２の間に、これらの吸入口１５ｃ，２０
   と集塵室１２の間の塵埃流通路を選択的に開閉す
   る開閉部１７ａ，１７ｂを備えた切り換え部材１
   ７を回転軸１５ｋを中心に回転自在に配設すると
   ともに、この切り換え部材１７の回転操作部１７
   ｄを外方に露呈させて設けたことを特徴とする手
   持式電動掃除機。