JPH0228763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は引出し表面板に関し、更に詳しくは引出
し本体の前板に、表裏両面に所望の彩色、模様を
施すとともに、上下縁を表面側と裏面側で異なつ
た形状となした表面板を使用者の好みに応じて表
裏反転させて取付け可能となすとともに該表面板
の取付けに際して取付け位置決めを容易に行える
ようになすことを目的とするものである。

従来、机の引出しの表面前板に、表裏両面に模
様等を付けた表面板を好みに応じて表裏反転させ
て引出し本体に取付けるものとしては本願出願人
の先願に係る実願昭55−113958号があり、その前
板と表面板を連結するに当たり、表面板及び前板
のそれぞれ対応する部位に形成した貫通孔にボル
トを挿通して把手に螺合するとともに、表面板の
周囲を残して中央部に形成した凹部内に前板を収
容して回転を防止して嵌合取付けた構造が開示さ
れるが、本案は更に改良したものである。

以下添付の実施図例に基づいて説明すれば、本
案の表面板１は表面及び裏面に所望の彩色、模様
を現出させた平板２となし、例えば第２図に示す
ように表面側の上下縁を曲面縁３となし裏面側の
上下縁を角部５を有する斜面縁４となして第３図
に示すように引出しを多段に設けた場合に各表面
板１…を統一して表面又は裏面を前面側に露出さ
せて取付けることで極めて美観の異なる多段引出
し即ち机の印象を与え得るようになしている。而
して該表面板１の表裏両面の上、下縁部には上記
した曲面縁３及び斜面縁４に近接させて直線模様
を兼ねる凹溝６を平行且つ表裏両面で等間隔とな
して形成してなり、該表面板１の引出し本体７へ
の取付けは、該引出し本体７の前板８よりも突出
させて該前板８の上面及び／又は下面に取付けた
横長のエツヂ部材９に上記した凹溝６を嵌合させ
て取付け位置決めするとともに前板８に面接合状
態で密着させ、かつ該表面板１と引出し前板８に
それぞれ連通可能に形成した孔１０，１１にボル
ト又はネジ１２を引出し前板８の内側から貫通し
て該ボルト又はネジ１２と表面板１の前面に配設
される把手１３を螺合連結することによつて若し
くは把手１３に一体に設けた螺軸を表面板１の外
側から孔１０，１１に貫通して前板８の内側に位
置させたナツトと螺合連結して表面板１と引出し
前板８との連結即ち表面板１の引出し本体７への
取付けを行うものである。而して本案の引出し本
体７は表裏反転時に上下反転して取付け可能にす
べく表裏面上下の凹溝６をエツヂ部材９に嵌合可
能となすとともに孔１０と凹溝６間の距離を引出
し前板８の孔１１とエツヂ部材９間の距離と同寸
法となして常に表面板１の孔１０と引出し前板８
の孔１１が連通合致するようになしており、又エ
ツヂ部材９は、取付け例として第２図に示すよう
に後縁に形成したフツク縁９′を引出し本体７の
前板８の上縁後面に掛止させ平板部を前板８上面
に接着する等の適宜手段にて取付けるものとし、
又このエツヂ部材９は前述の第２図実施例のよう
に引出し前板８の上面だけでなく下面に設けるこ
とも可能である。更に孔１０及び孔１１はそれぞ
れ表面板１又は引出し前板８の幅方向中央部、即
ち回転対称中心に一ケ所だけ形成して表面板連結
具を兼ねる把手１３は各引出し本体７に対して一
個設けるものとする。

以上のようになる本案の引出し表面板１は表裏
両面に模様彩色を施すとともに、表面側の上下縁
を曲面縁３となし裏面側の上下縁を斜面縁４とな
し、この表面板を表裏反転させて引出し本体７の
前面に取付け可能となしたので、表裏両面の模様
彩色の選択は勿論、上下縁に形成した曲面縁３及
び斜面縁４の何れかの形状的選択も行え、好みに
応じて表面板を表裏反転して引出し前面をデザイ
ン的に変化させて使用することができる。加えて
表面板１の取付け構造は表面板１の表裏両面に形
成した直線模様を兼ねる凹溝６を引出し本体７の
前板８の上面及び／又は下面に取付けたエツヂ部
材９の該前板８から前方への突出部に嵌合するこ
とによつて取付け位置決めして上下方向へのズレ
を防止し且つ回転を防止した状態で該前板８に密
着させ、表面板１及び前板８のそれぞれ中央部に
形成した孔１０，１１に通したボルト又はネジ１
２を把手１３に螺合し、若しくは把手１３と一体
の螺軸にナツトを螺合連結することで把手１３の
取付けと同時に横方向への移動を規制して当該表
面板１の取付けが行え、この時上記した螺合連結
部分を表面板１の略中央部の一ケ所だけとなして
連結を行えば螺合回転と同時に表面板１が回転す
るおそれあるも、本案では上述のようにエツヂ部
材９と凹溝６との嵌合によつて表面板１の回転を
確実に防止することができ、又この回転防止構造
も先願（実願昭55−113958号）の如く平板の周囲
に枠体を前後方向に突出させて一体連結した表面
板の中央部の凹部を引出し前板の前部全面に嵌合
させて表面板の回転防止を図る場合のように加
工、製作に手間のかかる複雑な構成によらずとも
表面板１の上下縁部に凹溝６を形成し、引出し前
板８の上及び／又は下面に取付けたエツヂ部材９
に該凹溝６を嵌合させるだけの簡単な構成によつ
て表面板１の回転防止且つ上下方向へのズレ防止
が行えるとともに、製造時及び取付時において表
面板１と前板８に反り等の寸法のバラツキが生じ
た場合でも、表面板１の孔１０と前板８の孔１１
の位置をボルト又はネジ１２を挿通させて設定し
た後、エツヂ部材９の先端部を表面板１の凹溝６
に嵌合させてから該エツヂ部材９を前板８に取付
ける等して組立てることができ、更に前記孔１０
及び孔１１の穿孔位置が設計した位置より水平に
ずれていても凹溝６を水平に設けているので寸法
のバラツキを吸収できるのである。そして、前記
エツヂ部材９を前板８の上面に取付けた場合に
は、該エツヂ部材９により前板８の上端部を保護
することができ、更に該前板８の上面を特に表面
加工しなくても該エツヂ部材９により全面を外覆
すれば美観を損なうことがない。又表面板１の凹
溝６は表裏両面の上下縁部にそれぞれ平行に形成
していることから横方向の直線模様としての効果
を生ずるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の引出し表面板を適用した引出し
の分解斜視図、第２図は組立て状態の同縦断側面
図、第３図イ，ロは多段式引出しにおける表面板
の配列状態斜視図であり、イは表面側、ロは裏面
側を示す。 １：表面板、２：平板、３：曲面縁、４：斜面
縁、５：角部、６：凹溝、７：引出し本体、８：
前板、９：エツヂ部材、１０：孔、１１：孔、１
２：ボルト又はネジ、１３：把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表裏両面に模様及び彩色を施した表面板１の表
   面側の上下縁を曲面縁３となし裏面側の上下縁を
   斜面縁４となすとともに、表裏両面の上下縁部に
   直線模様を兼ねる凹溝６を平行且つ表裏両面で等
   間隔となして形成し、該凹溝６を引出し本体７の
   前板８の上面及び／又は下面にその面を外覆し且
   つ該前板８よりも前方に突出させて取付けたエツ
   ヂ部材９の該突出部に嵌合させ、表面板１及び前
   板８の中央部に形成した孔１０及び孔１１を通じ
   てボルト又はネジ１２を内側から表面板前面に配
   設される把手１３に螺合連結し、若しくは把手１
   ３に一体に設けた螺軸を外側から挿入し前板８の
   内側に配設させたナツトとの螺合連結によつて表
   面板１と引出し前板８を連結することを特徴とす
   る引出し表面板。