JPH0228370B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、空気を浄化する空気清浄装置に関
し、特に軽量・薄型であつて、塵埃の補集効率に
優れ、さらには浄化された空気が層流となつて排
出される空気清浄装置に関する。

（従来の技術） 半導体工業、電子工業、精密機械工業、バイオ
テクノロジー、製薬工業などの分野においては、
超高度の清浄空間が必要とされる。清浄空間に
は、作業環境全域を清浄化するクリーンルーム、
作業環境を局部的に清浄化するクリーンベンチや
クリーンブースなどがある。このような清浄空間
を形成するために、フアンとエアーフイルターと
を組合わせた空気清浄装置が用いられる。

従来の空気清浄装置では、フアンから送出され
る空気流の動圧が不均一であるため、このような
状態で空気流がエアーフイルターを通過すると、
エアーフイルターから排出される空気は乱流とな
る。該乱流が、例えばクリーンルーム内に吹出さ
れると、塵埃が対流するので高度の清浄度が得ら
れない。特に広域にわたつて空気を浄化すべく複
数のフアンが並設されている場合には、各フアン
から送出される気流が干渉し合い、乱流が発生す
る。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は上記従来の問題点を解決するものであ
り、その目的は、エアーフイルターから排出され
る空気の乱流の発生を確実に防止して、風速分布
の均一な層流を形成せしめることができ、例えば
クリーンルーム内を高い清浄度に保持し得る空気
清浄装置を提供することにある。本発明の他の目
的は、軽量・薄型であり、しかも広範囲にわたつ
ての空気の清浄化が可能である空気清浄装置を提
供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の空気清浄装置は、ケーシング内を二つ
の浄化室に分割する仕切板と、各浄化室内を、気
流流入側のフアン室と気流排出側のフイルター室
とに分割すると共に、各浄化室内のフアン室とフ
イルター室を連通する連通口をそれぞれ有する盲
板と、各浄化室内のフアン室内にそれぞれ対向し
て配設されて気流を盲板に沿つて送出するフアン
と、各浄化室内のフイルター室内に、盲板とは間
隙を有して該盲板に沿うようにそれぞれ配設され
たエアーフイルターと、前記各連通口に配設され
ており、各浄化室内のそれぞれのフアンから盲板
に沿つて送出される気流を、該盲板とエアーフイ
ルターとの間へと導くように、略平行になつた孤
状の一対のガイドベーンにより構成され、内側の
ガイドベーンには透孔が形成された気流案内具
と、を具備してなり、そのことにより上記目的が
達成される。

また、本発明の空気清浄装置は、ケーシング内
を二つの浄化室内に分割する仕切板と、各浄化室
内を、気流流入側のフアン室と気流排出側のフイ
ルター室とに分割すると共に、各浄化室内のフア
ン室とフイルター室を連通する連通口をそれぞれ
有する盲板と、各浄化室内のフアン室内にそれぞ
れ対向して配設されて気流を盲板に沿つて送出す
るフアンと、各浄化室内のフイルター室内に、盲
板とは間隙を有して該盲板に沿うようにそれぞれ
配設されたエアーフイルターと、前記各連通口に
連通するフアン室側の気流通流方向下流側部分を
閉塞する遮蔽板と、を具備してなり、そのことに
より上記目的が達成される。

さらに、本発明の空気清浄装置は、ケーシング
内を二つの浄化室に分割する仕切板と、各浄化室
内を気流流入側のフアン室と気流排出側のフイル
ター室とに分割すると共に、各浄化室内のフアン
室とフイルター室を連通する連通口をそれぞれ有
する盲板と、各浄化室内のフアン室内にそれぞれ
対向して配設されて気流を盲板に沿つて送出する
フアンと、各浄化室内のフイルター室内に、盲板
とは間隙を有して該盲板に沿うようにそれぞれ配
設されたエアーフイルターと、前記各連通口に配
設されており、各浄化室内のそれぞれのフアンか
ら盲板に沿つて送出される気流を、該盲板とエア
ーフイルターとの間へと導くように、略平行にな
つた孤状の一対のガイドベーンにより構成され、
内側のガイドベーンには透孔が形成された気流案
内具と、前記各連通口に連通するフアン室側の気
流通流方向下流側部分を閉塞する遮蔽板と、を具
備してなり、そのことにより上記目的が達成され
る。

（実施例） 以下に本発明の実施例について説明する。

本発明の空気清浄装置は、第１図および第２図
に示すように、ケーシング１内を２つの浄化室１
０，１０に分割する仕切板７と、浄化室１０，１
０内にそれぞれ配設されたフアン２，２およびエ
アーフイルター３，３とを有する。

ケーシング１は薄型直方体状をしている。該ケ
ーシング１内は仕切板７により、２つの浄化室１
０，１０に分割されている。各浄化室１０，１０
内を空気が通流する間に、該空気は浄化される。
各浄化室１０は、盲板４により気流流入側のフア
ン室１１と、気流排出側のフイルター室１２とに
分割される。各盲板４の４つの周側面のうち３側
面は、浄化室１０の３つの周側面に当接している
が、他の１つの側面は、該浄化室１０の他の側面
から離隔しており、この離隔した部分にて、フア
ン室１１とフイルター室１２とを連通する連通口
１３を形成している。

各浄化室１０内のフアン室１１にはフアン２が
配設されている。各フアン２は、その軸心に沿つ
て空気を吸引し、その吸引方向とは略直交する盲
板に沿つて空気を送出する。各フアン２の送出口
２１は、ケーシング１の中央に配設された仕切板
７に対向している。各浄化室１０の盲板４に形成
された連通口１３には、各浄化室１０内のフアン
２から送出される気流が導入される。各盲板４に
は、連通口１３と連通するフアン室１３側の気流
通流方向下側部分を閉塞する遮蔽板６がそれぞれ
取付けられている。該遮蔽板６は、連通口１３の
フアン室１１内における気流移動方向下流側を閉
塞している。該遮蔽板６はフアン２とは気密に接
しており、フアン２から送出される気流は、フア
ン室１１内を周回することなく連通口１３内に導
入される。

各浄化室１０のフイルター室１２内には、盲板
４とは所定間隔をあけてエアーフイルター３がそ
れぞれ設けられている。該エアーフイルター３
は、ケーシング１の四周面に対し気密状に取付け
られている。

各浄化室１０におけるフアン室１１とフイルタ
ー室１２とを連通する連通口１３には、気流案内
具５がそれぞれ配設されている。該気流案内具５
は、例えば弧状に屈曲した２枚のガイドベーン５
１，５２と、両ガイドベーン５１，５２の両端部
に取付けられ、両ガイドベーン５１，５２を所定
長離隔させて略平行状態に固定する固定板５３と
を有する。内側に位置するガイドベーン５１に
は、透孔が形成されている。該透孔は、例えばパ
ンチングメタル状；マルチスリツト状、格子状、
網状等に形成されている。外側に位置するガイド
ベーン５２は、例えば金属板にて構成される。該
気流案内具５は、連通口１３の全域にわたつて嵌
合されている。内側のガイドベーン５１のフアン
室１１内に延出する側部は各浄化室１０の気流流
入側面に達しており、他方の側部は盲板４に当接
している。外側のガイドベーン５２は内側のガイ
ドベーン５１に対してフイルター室１２側にずれ
て配置されており、フアン室１１内に延出した側
部は、各浄化室１０の気流流入側面とは若干離隔
し、他方の側部はフイルター室１２のエアーフイ
ルター３の近傍に位置している。従つて、外側の
ガイドベーン５２は、フアン２から送出されて、
盲板６に沿つて通流する気流を、連通口１３か
ら、フイルター室１２内のエアーフイルター３と
盲板６との間の空間内に、該盲板６に沿うように
導く。

なお、気流案内具のガイドベーンは、弧状であ
る必要はなく、例えば平板であつてもよい。ま
た、ガイドベーンは２枚を配設する構成に限定さ
れず、１枚あるいは複数枚を配設し得る。

（作用） このような構成の空気清浄装置は、各浄化室１
０内のフアン２により、その軸方向に沿つて空気
をフアン２内に吸引し、該フアン２は、その送出
口２１から、吸引方向とは略直交する面に沿つて
気流をフアン室１１内に送出する。フアン２の送
出口２１から送出される気流は、各浄化室１０の
側面に沿つてフアン室１１内を移動し、遮蔽板６
によつて閉塞された部分以外の部分を通つて連通
口１３内に導入される。導入された気流は、気流
案内具５の内側のガイドベーン５１を通過して、
外側のガイドベーン５２に案内され、フイルター
室１２内に導入される。

各浄化室１０内のフアン２の送出口２１から送
出される回転気流は、フアン室１１の内側が遅
く、外側が速いため、該気流の動圧は不均一にな
つている。このような不均一な動圧を有する気流
は、フアン室１１内でその動圧が平均化される。
そして、動圧が平均化された気流は、気流案内具
５の内側に位置するガイドベーン５１に衝突しそ
の面上に拡散する。そしてそのガイドベーン５１
を通過する間に、その動圧がさらに均一化される
と共に整流化され、外側のガイドベーン５２に案
内されて、フイルター室１２内に導入される。フ
イルター室１２内に導入された気流はエアーフイ
ルター３を通つて各浄化室外へ排出される。排出
される気流は、各フイルター室１２内にその動圧
が均一化されて導入されているため層流となり、
エアーフイルター３を通過する間に浄化される。

（発明の効果） 本発明の空気清浄装置は、このように、フアン
から送出される気流の流路が長く、また該気流は
気流案内具に案内されてエアーフイルターに導入
されるため、エアーフイルターに導入される気流
は、その動圧が均一化された整流となる。従つ
て、該気流は均一な風速分布をもつてゆるやかに
エアーフイルター内に導入され、エアーフイルタ
ーからは、浄化された気流が乱流を発生すること
なく、均一な動圧を有する層流として排出され
る。フアンが並設されているために広範囲にわた
つて空気を浄化し得る。エアーフイルターから排
出される気流が層流であるため、各フアンからの
気流は干渉することがなく、クリーンルーム内の
塵埃の対流を防止し、高い清浄度が確実に得られ
る。

また、本発明の空気清浄装置は、各浄化室内の
遮蔽板により各フアン室から送出される気流が、
該フアン室内を周回することなく、連通口にそれ
ぞれ導入されるため、気流は確実に整流される。

遮蔽板と気流案内具とを組合わせることによ
り、さらに一層整流された層流が得られ、クリー
ンルーム内の塵埃の対流が確実に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の空気清浄装置の一例を示す一
部破断斜視図、第２図はその一部破断平面図、第
３図はその一部破断側面図、第４図は第２図の
−線の断面図である。 １……ケーシング、２……フアン、３……エア
ーフイルター、４……盲板、５……気流案内具、
６……遮蔽板、７……仕切板、１１……フアン
室、１２……フイルター室、１３……連通口、５
１，５２……ガイドベーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ケーシング内を二つの浄化室に分割する仕切
   り板と、 各浄化室内を、気流流入側のフアン室と気流排
   出側のフイルター室とに分割すると共に、各浄化
   室内のフアン室とフイルター室を連通する連通口
   をそれぞれ有する盲板と、 各浄化室内のフアン室内にそれぞれ対向して配
   設されて気流を盲板に沿つて送出するフアンと、 各浄化室内のフイルター室内に、盲板とは間隙
   を有して該盲板に沿うようにそれぞれ配設された
   エアーフイルターと、 前記各連通口に配設されており、各浄化室内の
   それぞれのフアンから盲板に沿つて送出される気
   流を、該盲板とエアーフイルターとの間へと導く
   ように、略平行になつた孤状の一対のガイドベー
   ンにより構成され、内側のガイドベーンには透孔
   が形成された気流案内具と、 を具備する空気清浄装置。 ２ ケーシング内を二つの浄化室に分割する仕切
   り板と、 各浄化室内を、気流流入側のフアン室と気流排
   出側のフイルター室とに分割すると共に、各浄化
   室内のフアン室とフイルター室を連通する連通口
   をそれぞれ有する盲板と、 各浄化室内のフアン室内にそれぞれ対向して配
   設されて気流を盲板に沿つて送出するフアンと、 各浄化室内のフイルター室内に、盲板とは間隙
   を有して該盲板に沿うようにそれぞれ配設された
   エアーフイルターと、 前記各連通口に連通するフアン室側の気流通流
   方向下流側部分を閉塞する遮蔽板と、 を具備する空気清浄装置。 ３ ケーシング内を二つの浄化室に分割する仕切
   り板と、 各浄化室内を、気流流入側のフアン室と気流排
   出側のフイルター室とに分割すると共に、各浄化
   室内のフアン室とフイルター室を連通する連通口
   をそれぞれ有する盲板と、 各浄化室内のフアン室内にそれぞれ対向して配
   設されて気流を盲板に沿つて送出するフアンと、 各浄化室内のフイルター室内に、盲板とは間隙
   を有して該盲板に沿うようにそれぞれ配設された
   エアーフイルターと、 前記各連通口に配設されており、各浄化室内の
   それぞれのフアンから盲板に沿つて送出される気
   流を、該盲板とエアーフイルターとの間へと導く
   ように、略平行になつた孤状の一対のガイドベー
   ンにより構成され、内側のガイドベーンには透孔
   が形成された気流案内具と、 前記各連通口に連通するフアン室側の気流通流
   方向下流側部分を閉塞する遮蔽板と、 を具備する空気清浄装置。