JPH02283497A - 熱転写インクフィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野１ 本発明は熱により昇華あるいは気化する染料を使用する
熱転写記録装置の熱転写インクフィルムに係わり、特に
熱転写インクフィルムの消費量を低減し得る熱転写イン
クフィルムに関する。

（従来の技術１ 従来、染料をバインダ樹脂に分散させて得られるインク
色材をＰＥＴフィルムやコンデンサ紙等の耐熱フィルム
上に塗布した熱転写インクフィルムをＰＥＴフィルムや
紙を基紙とする受像紙と圧接させ、発熱ヘッドによりイ
ンクフィルムを加熱し、インク色材中の染料のみを昇華
あるいは気化させ、受像紙表面に塗布された受像層に転
写して画像を形成する熱転写記録方式が提案されている
。

特に、近年著しい発達を示している電子画像を手軽にハ
ードコピーするフルカラープリンタとして、この様な熱
転写記録方式が注目されている。

第３図は従来の熱転写インクフィルム（以下インクフィ
ルム）と受像紙の構造及び記録の様子を示す断面図であ
る。１１はインクフィルムで支持体フィルム１２とイン
ク層１３により構成され、６は受像紙で受像層８と基紙
７で構成されている。

９は記録ヘッドである。インク層１３は、染料とバイン
ダと適当な溶剤との組成液を塗布、乾燥して得られる。

染料としては、６０°Ｃ以上で昇華あるいは気化する分
散染料、油溶性染料が使用されている。

バインダ樹脂としては、融点あるいは軟化点が染料の昇
華あるいは気化温度より高く、染料との親和性が比較的
よい高分子樹脂が単一あるいは混合で用いられ、ポリ塩
化ビニル、ボワ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリカーボ
ネイト、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブ
チラール樹脂、セルロース樹脂等が使用されている。

受像層としては、染料との親和性（染着性）が良好で、
ガラス転移点が低い樹脂が単一あるいは混合で用いられ
、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリカーボネイト、ポリエステル等が使用され
ている。

以上の様な組成にて構成された従来の熱転写プリンタに
おいては、一般に染料を昇華あるいは気化させるため非
常に高い熱エネルギーが必要であり、また色材のバイン
ダ自体が染料との親和性が比較的良い組成で構成されて
いるため、色材中に含有された染料の１０％がら５０％
程度しか受像層へは転写していなかった。そのため、十
分な記録濃度を得るためには、転写に必要な染料の２倍
から１０倍の染料を色材中Ｇこ含有さぜなくてはならな
かった。この様な染料の無駄を防ぎ、かつインクフィル
ムの消費量を低減させる方法として、記録部（加熱部）
におけるインクフィルムの搬送速度を受像紙の搬送速度
より大幅に遅くして、染料の転写比率（色材中に含有さ
れる染料のうち実際に受像層へ転写する染料の比率。）
を改善する記録方式が検討されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、かかる従来の転写比率を改善する記録方
式においては、バインダも受像層も染料との親和性（染
着性）が良好な樹脂を使用しており、これらの樹脂は一
般に類似し相溶性が高いものとなるため、インクフィル
ムと受像紙を圧接させて加熱すると、これらの樹脂の溶
着あるいは粘着により、バインダが転移してしまい記録
画質、特に階調性が著しく劣下したり、インクフィルム
と受像紙の搬送速度差が不安定となりシワ等の搬送不良
による記録画質の劣下が発生してしまった。

また、インクフィルムと受像紙の搬送速度差があるため
に摩擦による色材の転移（地汚れ）による記録画質の劣
下が発生していた。

また、この様な記録画質の劣下を防止する方法として、
特開昭６２−１３３９１の様に色材層の上に染料が透過
しやすい非粘着樹脂層あるいは非溶着樹脂層を塗布する
方法や、同様の樹脂層を受像層の上に塗布する実開昭６
２−７３９６９の様な方法があるが、塗布工程が複雑に
なり消耗品コストが上ってしまった。

そこで、本発明は、色材中の染料の無駄を防止し、かつ
インクフィルムの消費量を低減すべくインクフィルムの
搬送速度を受像紙の搬送速度より大幅に遅くしても、溶
着、粘着あるいは摩擦による記録画質の劣下を防止でき
、消耗品コストが上がらない熱転写インクフィルムを提
供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明はかかる課題を解決するもので、支持体上に熱に
より昇華あるいは気化する染料と樹脂バインダからなる
色材を塗布してなるインク層を有する熱転写記録用イン
クフィルムにおいて、インク層中に、平均粒径が色材の
塗布厚より大きく、かつ色材の塗布厚との差が４μｍ以
下である固体粒子が含有されていることを特徴とする。

［作用］ 本発明においては、インク層中に含有される固体粒子の
粒径が色材塗布厚より大きいので受像層は固体粒子との
み部分的に接触し、色材とは直接に接触していないので
溶着、粘着あるいは摩擦による染料以外の転移、剥離を
防止でき、色材中の染料の無駄を防止し、かつインクフ
ィルムの消費量を低減すべくインクフィルムの搬送速度
を受像紙の搬送速度より大幅に遅くしても、記録画質は
劣下しない。

また、本発明によるインクフィルムを得るためには、塗
布前の色材溶液中に固体粒子を分散するだけでよく、従
来の塗布工程と何等変わらない。

［実施例］ 本発明による実施例を以下に説明する。

第１図は、本発明によるインクフィルム１の構造を示す
断面図である。２は支持体フィルムで従来と同様にＰＥ
Ｔフィルム、ポリイミドフィルム等の耐熱フィルムが使
用され、フィルム厚は１μｍから５０μｍであり、２μ
ｍから１０μｍが好ましい。３は樹脂バインダと染料か
らなる色材４中に固体粒子５を含有したインク層である
。バインダとしては、従来と同様に、染料との親和性が
比較的よいポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエス
テル、ポリカーボネイト、ポリアミド、アクリル樹脂、
ブチラール樹脂、セルロース樹脂等の高分子樹脂が単一
あるいは混合で使用できる。

固体粒子５の粒径は、色材４の塗布厚より大きく、色材
４の塗布厚との差が４μｍ以下であり、インク層３の表
面には、第１図のように固体粒子５の一部が色材４の塗
布表面から４μｍ以下の高さで飛び出している。固体粒
子５としては耐熱性が良好で、粒径が比較的揃っている
材質であれば、無機、有機に関係なく使用可能であり、
シリカ、セラミック、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フ
ッ素樹脂等が単一あるいは混合で使用できる。第１図に
示すインクフィルム１は、支持体フィルム２上に染料と
固体粒子５をバインダ溶液に分散混合した溶液か、ある
いは染料、バインダを溶剤に溶解した溶液に固体粒子５
を分散混合した溶液を塗布、乾燥してインク層３を形成
して得られる。固体粒子５の色材４に対する使用割合は
、色材４の１重量部当り０．００１重量部から１０重量
部、特に０．００５重量部から０．５重量部が好ましい
。

第２図は、本発明によるインクフィルムを使用した記録
の様子を示す断面図である。６は従来と同様の受像紙で
あり、白色ＰＥＴ、紙等の基紙７上にポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネイト、ポリエステル等、染着
性が良好でガラス転移点が低い樹脂が単一あるいは混合
で塗布され、受像層８を形成している。９はインクフィ
ルムｌを加熱する記録ヘッドである。記録は従来と同様
にインクフィルム１と受像紙６を圧接して加熱すること
により行われるが、色材４中に含有された固体粒子５が
インク層３の表面に飛び出しているため、色材４と受像
層８は直接に接触しておらず、加熱により溶着あるいは
粘着することはない。また、インクフィルム１と受像紙
６に搬送速度差があっても、搬送不良、地汚れ、受像層
の剥離はない。

本発明によるインクフィルムの具体的な実施例と比較例
を以下に示す。

実施例１ ４μｍ厚のＰＥＴフィルムに以下の組成液を塗布、乾燥
し、色材部の塗布厚２μｍのインク層を形成した。

昇華性染料　−−−−−−−−−５重量部ポリビニルブ
チラール （Ｓ−ＬＥＣ：積木化学）−−−５重量部シリカ微粒子 （平均粒径３μｍ）−−−−０，５重量部イソプロピル アルコール　−一−８！；ｊ、５重量部実施例２ 実施例１のシリカ微粒子を平均粒径６μｍに置換した組
成液を塗布、乾燥し、色材部の塗布厚２μｍのインク層
を形成した。

実施例３ 実施例１のシリカ微粒子を平均粒径３μｍ架橋ポリスチ
レン微粒子に置換した組成液を塗布、乾燥し、色材部の
塗布厚２μｍのインク層を形成した。

比較例Ａ 実施例１からシリカ微粒子除いた組成液を塗布、乾燥し
、色材部の塗布厚２μｍのインク層を形成した。

比較例Ｂ 実施例１のシリカ微粒子を平均粒径１μｍに置換した組
成液を塗布、乾燥し、色材部の塗布厚２μｍのインク層
を形成した。

比較例Ｃ 実施例１のシリカ微粒子を平均粒径９μｍに置換した組
成液を塗布、乾燥し、色材部の塗布厚２一 μｍのインク層を形成した。

以上の実施例、比較例によるインクフィルムを次の条件
にて記録し、第１表の結果を得た。

記録条件 記録密度　　　　　６ドツト／　ｍ　ｍ記録エネルギー
　　０．４Ｗ／ドツト ４ｍ５ｅｃ 記録速度　　　　　２０ｍｍ／５ｅｃ （受像紙搬送速度） 受像紙 厚さ１５０μｍの白色ＰＥＴを基紙とし、ポリエステル
（バイロン１．０３　：東洋紡）を主成分とする受像層
を塗布厚５μｍにて形成。

インクフィルム搬送速度 受像紙搬送速度に対し、１／１　（２０ｍｍ／５ｅｃ）
、１／２　（１０ｍｍ／５ｅｃ）、１／４（５ｍｍ／５
ｅｃ）と変化させて記録する。

第１表 色材塗布厚より平均粒径が小さい固体粒子を含有させた
比較例Ｂは、インクフィルムと受像紙の搬送速度がほぼ
同じ場合は効果があるが、本発明に関わり１色材中の染
料の無駄を防＋ｈし、かつインクフィルムの消費量を低
減すべくインクフィルムの搬送速度を遅くした場合には
、効果が無い。

また、色材塗布厚との差が４μｍを越えるような大きい
平均粒径の固体粒子を含有させた比較例Ｃでは、色材と
受像層との間隔が大き過ぎるため昇華した染料が十分に
転写せず、記録濃度が著しく低下した。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、色材
中に含有される固体粒子の平均粒径が塗布厚より大きい
ので受像層は固体粒子とのみ部分的に接触し色相とは直
接に接触せず、かつ染料が十分に転写できる間隔が得ら
れているので、色材中の染料の無駄を防止し、かつイン
クフィルムの消費量を低減すべくインクフィルムの搬送
速度を受像紙の搬送速度より大幅に遅くしても、溶着、
粘着あるいは摩擦による染料以外の転移、剥離を防止し
、かつ良好な記録画質が得られる。

また、本発明によるインクフィルムを得るためには、塗
布前の色材溶液中に固体粒子を分散するだけでよく、従
来の塗布工程と何等変わらないので、消耗品コストを上
げる事なくインクフィルムの消費量を低減できるるため
、ランニングコストが容易に低減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるインクフィルムの構造を示す断面
図、第２図は本発明による記録の様子を示す断面図、第
３図は従来のインクフィルムと受像紙の構造及び記録の
様子を示す断面図である。 １−ｍ−インクフィルム、２−ｍ−支持体フィルム、３
−ｍ−インク層、４−ｍ−色材、５−ｍ−固体粒子、６
一−−受像紙、７一−−基紙、８−ｍ−受像層、９−ｍ
−記録ヘッド、１１−ｍ−インクフィルム、１２−ｍ−
支持体フィルム、１３−インク層 −１５＝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　支持体上に熱により昇華あるいは気化する染料と樹脂
   バインダからなる色材を塗布してなるインク層を有する
   熱転写記録用インクフィルムにおいて、前記インク層中
   に、平均粒径が前記色材の塗布厚より大きく、かつ前記
   色材の塗布厚との差が４μｍ以下である固体粒子が含有
   されていることを特徴とする熱転写インクフィルム。