JPH0228166B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は芝刈り作業、研掃作業等に用いる作業
機の自走・停止、作業部材の回転・停止を目的と
した自走式作業機のレバーに関するものである。

＜従来の技術＞ 自走式作業機のうち芝刈機の全体構造を第４図
に示した。４個の車輪１１を備えた作業機本体の
後方には斜めにハンドル１が設けられている。作
業機本体フレーム上に固定された原動機１２の下
方には後方に収納バツグ１３を有したハウジング
１４が設けられており、その内部に原動機１２か
ら下方へ突出した原動軸があり、これに刃物等の
作業部材が取付けられている。この回転軸と作業
部材との間には作業部材の回転・停止を目的とし
た制御装置が設けられている。この制御装置はワ
イヤーによつて後に詳細に説明する操作レバー３
と連結されている。更に、原動機１２の原動軸と
車軸１１との間も制御装置を介して連結されてお
り、その制御装置も別のワイヤーによつて走行レ
バー４と連結されているのである。

以上のような自走式作業機において、操作レバ
ー３と走行レバー４とが関連の無い状態のときに
は、各操作レバーをそれぞれ両手で操作保持しな
ければならない不便があつた。この点を解決する
目的で、操作レバー３は走行レバー４と関係なし
に握り込るが、走行レバー４を握り込むと必ず操
作レバー３が握り込まれる構造のもの（実公昭59
−1466号）とか、操作レバー３へ回動進出可能な
シヤツターを設けて、走行レバー４を握り込んだ
とき操作レバー３のシヤツターが走行レバー４に
係止可能な握り込み構造の操作レバー３のもの
（特開昭60−37022号）等が提案されている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかし、前記実公昭59−1466号に示されたよう
な走行レバー４を握り込むと必ず操作レバー３が
握り込まれる構造であると、刈取り等の作業を必
要としないで倉庫等へ収納する場合のような走行
のみをさせるときにも刃物等の作業部材を駆動さ
せる難点があつた。この点を解決しようとした前
記特開昭60−37022号の構造はシヤツターの係動
機構が操作レバー３にカムを枢着し、そのカムと
シヤツターとをロツドで連結し、操作レバー３の
回動によつてカムを回動させ、このカムの回動に
よりシヤツターを走行レバーに係止させるといつ
た複雑な構造である。このような構造は機構が複
雑で故障しやすくコスト高になる難点を有してい
た。

そこで、本発明者は操作レバー３が走行レバー
４とは関係なしに握り込めて、走行レバー４によ
り操作レバー３の握り込みを保持する必要がある
場合には、一体に回動できるようにして上記欠点
を解決することを見出し、特開昭62−208212号で
提案した。その構造上の特徴は、自走式作業機の
ハンドル１に取付けたブラケツト２に対して刃物
等作業部材の操作レバー３と走行制御用の走行レ
バー４とを取付けるに際して、操作レバー３の回
動軸５を走行レバー４の回動軸６より偏心させ、
かつ、各操作レバーの回動終端付近で操作レバー
３が走行レバー４で押え込まれ係止されるように
したことにある。これによつて、各レバーの回動
初期は個々別々に操作でき、回動終期に各レバー
が係合するので、従来技術の欠点解消に有効な手
段であつた。しかしながら、走行レバーと操作レ
バーの操作全域で互いにフリーでないことが判明
し、市場ニーズより完全な操作の要望があつた。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は更に上記考えを発展させて、操作レバ
ーと走行レバーが完全にフリーで個々に操作可能
であると共に、走行時は走行レバーのみの片手操
作が可能なように工夫を加えたもので、その構造
上の特徴とするところは、自走式作業機の逆Ｕ形
ハンドル１両側湾曲部下方に対して刃物等作業部
材の操作レバー３と走行制御用でハンドル１より
逆Ｕ形の走行レバー４とをハンドル１中間へ接近
離反するようそれぞれ別個に回動可能に取付け、
前記ハンドル１の湾曲部付近に案内１０を有する
ブラケツト２が取付けられ、前記操作レバー３が
そのハンドル１への接近回動終端において前記走
行レバー４側へ移動可能に支持され、前記操作レ
バー３が前記案内１０により走行レバー４側へ移
動した位置で前記ハンドル１と走行レバー４との
間で前記操作レバー３先端が係止されるように前
記ブラケツト２に支持したことにある。

＜作用＞ 操作レバー３と走行レバー４の各操作レバーを
操作全領域で回動させても各レバー間に干渉や関
連がないが、走行レバー４のハンドル側終端付近
で操作レバー３の横移動によつてのみ走行レバー
４が操作レバー３を係止する作用をする。その状
態のときは、走行レバー４のみの握り込みで作業
部材の回転制御と走行車輪の回転制御の両方を行
なうことができる。一方、操作レバー３のみの握
り込みで作業部材のみを駆動させて手動で走行さ
せたり、自走移動中は走行レバー４のみの操作で
作業部材の回転のない状態とすることもできる。

＜実施例＞ 以下図面によつて本発明の実施例を詳細に説明
する。

第１図〜第３図は操作レバーと走行レバーの動
きを示す図で、第１は正面図、第２図は平面図、
第３図は側面図である。第４図は本装置を芝刈機
に応用した例を示す斜視図である。

第３図及び第４図によつて明らかなように、作
業機本体の後方に上方から下方へ起立しかつ前方
へ傾斜曲折状態に設けられているハンドル１には
ブラケツト２が設けられている。このブラケツト
２に対して刃物等作業部材の操作レバー３と走行
制御用の走行レバー４がそれぞれ回動軸５，６で
軸支されている。これら回動軸は同芯２重軸にし
ているが、操作レバー３の回動軸５は走行レバー
４の回動軸６と平行かつ別個に設けてもよい。各
レバーが個々に第３図の開位置とハンドル１に接
近した閉位置との間を独立して回動可能に軸支
し、操作レバー３と走行レバー４とは相互に干渉
することなく動くのである。その様子は第１図及
び第３図によつて明らかである。

このことにより走行レバー４を開にして手動走
行をしながら操作レバー３のみを動かして芝刈り
等を行なうことや、収納時等に操作レバー３を開
にして走行レバー４の操作で走行のみを行なうこ
とができる。しかも、操作レバー３は回動軸５に
設けた起立ピン８に対して回動自在に保持されて
いるが、ブラケツト２の両側面にて規制され、回
動軸５を支点にハンドル１の回動終端の閉位置で
第１図、第３図で明らかなように操作レバー３の
下端がブラケツト２の案内１０に達し、起立ピン
８を支点に走行レバー４の回動軌跡内方向へ操作
レバー３の先端が入り込み可能に規制が解除され
るので、ハンドル１と走行レバー４とで挟着係止
可能となる。操作レバー３の先端には段部の係止
部７が形成されており、握り込まれて第３図の閉
位置にある走行レバー４とハンドル１との間にで
きた係止空間９に操作レバー３の係止部７がはま
り込んで走行レバー４により挟着係止させること
ができる。この状態は、第１図、第２図及び第３
図中２点鎖線で示すところで、走行レバー４の押
え込みだけの自走状態でも操作レバー３を共に閉
状態にし維持し、片手操作で芝刈り等の作業を行
なうことができるのである。係止部７を第２図よ
り薄くすれば、係止空間９も僅かですみ、その場
合は走行レバー４に段部を形成しなくてもよい。

なお、操作レバー３の動きは、上記回動軸５と
回動軸５に設けたこれと直角方向の起立ピン８の
代りに前後左右へ移動可能な球面軸受を用いても
同様の作用をする。

＜発明の効果＞ 本発明は以上詳述したような構造であるから、
自走式作業機において、刃物等作業部材のみの操
作と操作制御操作とを別個にレバーで行なつた
り、単に走行レバーのみで両方を同時に行なうこ
ともできる。このような機能を簡単な機構で可能
としたので、故障もほとんど無く、コスト低減効
果も得られたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は操作レバーと走行レバーの動
きを示す図で、第１図は正面図、第２図は平面
図、第３図は側面図である。第４図は本装置を芝
刈機に応用した例を示す斜視図である。 １……ハンドル、２……ブラケツト、３……操
作レバー、４……走行レバー、５，６……回動
軸、７……係止部、８……起立ピン、９……係止
空間、１０……案内。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自走式作業機の逆Ｕ形ハンドル１両側湾曲部
   下方に対して刃物等作業部材の操作レバー３と走
   行制御用でハンドル１より逆Ｕ形の走行レバー４
   とをハンドル１中間へ接近離反するようそれぞれ
   別個に回動可能に取付け、前記ハンドル１の湾曲
   部付近に案内１０を有するブラケツト２が取付け
   られ、前記操作レバー３がそのハンドル１への接
   近回動終端において前記走行レバー４側へ移動可
   能に支持され、前記操作レバー３が前記案内１０
   により前記走行レバー４側へ移動した位置で前記
   ハンドル１と走行レバー４との間で前記操作レバ
   ー３先端が係止されるように前記ブラケツト２に
   支持されてなることを特徴とする自走式作業機の
   レバー。