JPH022784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水洗便所のフラツシユタンク内水中に
吊り下げて、フラツシユの排出に応じて合理的に
容器内の固形薬剤を適量づつ攪拌させて溶出させ
るようにした水中への薬剤溶出器具に関するもの
である。

近時水洗便所におけるフラツシユ用水槽内に芳
香性を有する薬剤入りの容器を水中に吊り下げて
おき、用便後のフラツシユバルブの開放で水槽内
の水を流し出すとき、適量の容器内薬剤が溶解し
た液を該フラツシユ水に混合して便器に流し、悪
臭を除くと共に排水管路の清浄化を促すような清
浄薬剤溶出器が多く利用されている。しかし乍
ら、公知のこの種の器具では容器内に充填されて
固化した薬剤が円滑に溶出して適量づつ流出せ
ず、どうしても不規側になり勝ちで、好ましくな
い。

本考案は斯かる従来品の問題点を解決して水槽
内に設置した後、容器内での水位の変動に応じて
円滑に適量づつ薬剤が溶出するようにした水中へ
の薬剤溶出器を提供することにある。

本考案にては、水槽内に吊り下げるよう上部に
吊り下げ部を形成した容器の首肩部と胴上部との
適所に、それぞれ胴部よりも首肩部のものが直径
の小さい液出入り孔を設けてあり、この容器の内
部には前記胴上部の液出入り小孔より下側に所要
の薬剤を装填し、更に該薬剤装填面上側の空間内
に適宜形状の小型フロートを内在させたものであ
る。

以下本考案を一実施例について図面により説明
すればすれば、容器１は有底円筒形の本体２と、
截頭円錐形の首部４を形成して頂端を開口した蓋
体３とからなり、この蓋体３の下部は前記本体２
の上端開口部２′外周に設けたねじ部分に被嵌螺
合してなり、かつ首部４の頂端からやや下部周面
位置に対向して小孔５，５を設け、この両小孔間
に被覆線にてなる吊り下げ具２０の中間部を通し
て固体するようにし、更に該蓋体３の肩部３′も
しくは首部４の根本付近に小径液出入り孔６を複
数個適当な配分を設けてある。そして本体２は前
記したように有底円筒形で適宜長さを有するもの
にして、蓋体取付け部よりやや下方の胴部２″に
前記蓋体３を設けた液出入り孔６よりも直径の大
なる小孔の液出入り孔７が設けてあり、内部には
周知の組成からなる水溶性の清缶剤や芳香剤等に
着色料を混合した溶出用薬剤１０が該液出入り孔
７よりも下位に上面が位置するよう充填してあ
る。

なお、必要に応じて容器１は蓋体と本体とを一
体に成形（ブロー成形等による）し、頂部に開口
した部分から溶出用薬剤を液体状で所要量内部注
入して冷却固形化する。該口を閉じるとき頂部開
口部分に適当な栓体を挿入して閉鎖するようにし
てもよい。

そして容器１の内部に形成された空間９には１
又は複数の小型フロート８を内在させておく。こ
のフロート８はなるべく異形のものが好ましい。

このような構成にてなる本考案溶出器は、第２
図に例示したように水洗便器に付属のフラツシユ
タンク内に容器１首部に設けた小孔５，５部分に
吊り下げ支持部２１を挿通して吊り下げ具２０に
て通常時水中に没するように吊り下げる。すると
容器１内には液出入り孔６，６…７及び支持部小
孔５より水槽中の水が流入し、該容器１に水が流
入することにより第３図に示す如く容器１内空間
９にあるフロート８が流入水によつて該空間部９
内で遊動して流入した水を攪拌することになるの
で、薬剤１０が積極的に上層部分で溶出すること
により、水槽設定水位迄水が溜るころ容器１内に
残留した空気が空間上部に圧縮されて流入水は平
衡状態で停止し（第４図参照）、薬剤１０の溶出
濃度が適度に保たれた水溶液Ｓとなつて該容器１
内に貯められる。

このようにしてフラツシユタンク内に貯められ
た水を、用便後フラツシユバルブを開いて便器内
にタンクから放出すると、水槽内水位が低下して
容器１内水位との間に差圧が生ずることによつて
該容器１内の薬剤水溶液Ｓが各液出入り孔６，６
…７からタンク内へ流れ出すことになるのであ
り、該タンク内の水に混じて便器内に流出し屎尿
の排出管等の洗滌を行ない、併せて芳香成分が揮
散して悪臭の稀釈に役立つのであり、容器１内に
は本体胴部２″に設けてある液出入り孔７の下限
位置までの水位で一部水溶液が残留すると、フロ
ート８が低位置に戻つており、その放出後タンク
に対する給水が始まつてタンク内の水位が高まつ
て溶出器の胴部液出入り孔７まで達すると水が容
器内に流入することで残留していた液によつて一
部溶出している薬剤が流入水でかきまぜられると
同時にフロート８がその攪乱水流によつて液をよ
り一層攪拌する働きをなし、タク内水位の上昇に
伴なう各液出入り孔６，６，７及び支持部小孔５
からの水の流入により該フロート８を激しく遊動
して薬剤の溶出を円滑にかつ迅速に溶解すること
ができるのである。

而して容器に設けた液出入り孔について胴部に
設けたものを他のものよりも大きくしてあるので
液の流入時における流入量が多くなるようにして
内部での攪拌効果を高めると共にタンク内のフラ
ツシユを放出する際も速やかに容器内の溶出水溶
液が迅速に放出されるようにしたのであり、上部
に設けた液出入孔は補助的な水の流入及び流出が
行われるようにしたものである。

叙上のように本考案によれば容器内にフロート
を内在させて液出入り孔からの水の流入時に内部
で激しく遊動することで流入水の攪拌を促進する
ようにし、固形薬剤の溶出を円滑に行わせ、適量
づつフラツシユタンク内に薬剤水溶液を放出して
該薬剤の使用目的を確実に達成させることができ
るようにしたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例縦断面図、第２図乃
至第４図は作動態様を示す図である。 １……容器、２……本体、３……蓋体、２″…
…本体胴部、４……首部、５……支持部小孔、
６，７……液出入り孔、８……フロート、９……
空間部、１０……薬剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水槽内に吊り下げ得るよう上部に吊り下げ具取
   付け部分を設けた容器の首肩部と胴上部との適所
   に、それぞれ胴部のものよりも首肩部のものが直
   径の小さい液出入り小孔を設けてあり、この容器
   の内部には前記胴上部の液出入り小孔より下側に
   所要の薬剤を装填し、更に該薬剤装填面上側の容
   器内空間部に適宜形状の小型フロートを内在させ
   たことを特徴とする薬剤溶出器具。