JPH0211498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水洗便所水槽用の液体防臭防汚剤供給
容器に関する。

従前の上記種類の防臭防汚剤供給容器は水槽へ
の洗浄用水の補給毎に一定量の液体薬剤又は薬液
を添加し洗浄用水に混合させている。このよう
に、水槽内にはたえず薬液を希釈した洗浄用水が
貯留されていてその排出の後再び補給される洗浄
用水に一定量の薬液が添加混入されていた。

然し乍ら、これまでの供給容器は (1) 水槽内に装着時に薬液がこぼれ、周辺や衣
服、手を汚すことがある。

(2) 薬液が長時間水槽内の洗浄用水に希釈された
ままになるので、用水中の含有塩素等により防
臭、防汚効果が減殺されるおそれがある。これ
は着色薬液の褪色、香料の揮散等に現われる。

(3) 薬液の作用でタンク内の器具、素材に変質、
腐食等の影響を及ぼすおそれがある。

などの問題があつた。

本考案は上述の諸点にかんがみ鋭意開発研究を
重ねた結果次の点を発見し、これに基いて創案せ
られたものである。水洗便所においては、薬液効
果が薬液の濃度に比例し、しかも便器内滞留期間
中に最大の薬液効果が発揮される。従つて、 Ａ 洗浄用水により薬液が希釈されることは必要
でない。

Ｂ 洗浄用水を排水時に先に流出させると、薬液
供給量と必要な有効薬液量との間には差が生ず
る。

Ｃ 必要な有効薬液量の分だけ定量供給するよう
にすれば、所定期間でみた浄化槽内の累積薬液
量及び濃度はこれまでより減る。

かくして、本考案は水洗便所の排水毎に補給さ
れる水槽の洗浄用水の満干に応じて一定量の薬液
を自動的に排出し、最少限度の薬液で最大の薬液
効果を具現するだけでなく、前記(1)，(2)，(3)の如
き従来の供給容器の諸難点をも併せて解消し得る
もので、そのために薬液供給容器からの薬液の排
出を水槽中の洗浄用水の排出に同期せしめたこと
を特色とするものである。すなわち、供給容器か
らの薬液の排出を洗浄用水の排出時に合わせて行
わしめ、洗浄用水の非排出時は供給容器の口部に
装着した栓覆部に定量の薬液を保留しておき洗浄
用水の再排出に追従して上記保留された薬液を便
器内に排出するようになしたものである。

本考案の実施例を示す添付図に従つて以下詳細
に説明する。

図において、１は防臭、防汚、芳香液剤等の薬
液Ｓを収容した防臭防汚剤供給容器の容器本体、
２は容器本体１の口部、３は栓覆部、４は使用時
に浮沈可能なフロート、５は口部２に嵌装される
中栓、６はフロート４に突設された弁体、７はフ
ロート４より弁体６側に張り出した筒体、１０は
弁体６に対する弁座、Ｌは水槽（シスターン）が
洗浄用水で満水になつた時の水位、L′は水槽より
洗浄用水を排水して下降した時の水位、ｌは薬液
Ｓと洗浄用水との栓覆部３内の臨界点、Ｓは栓覆
部内に保留された薬液Ｓと洗浄用水との濃厚希釈
溶液を示す。容器本体１には適宜の吊掛具を付設
して全体を水槽内に固定するものである。

本考案における上記供給容器の口部２に装着さ
れる栓覆部３には、その側部に上部の連通窓１８
及び下部の連通窓１９さらに開口１３を開設した
側筒部１２が設けられている。側筒部の正面には
栓覆部３の側面部分１６が露呈するかたちの開口
１３が形設されている。

上記構成によれば、第１図に示す如く、水槽の
満水時とそれに至る途上では洗浄用水が開口１３
を介して連通窓１９，１８より栓覆部３内に流入
し、水位がフロート４の下端に達するとフロート
４の上部空間ａに空気を抱持した状態でフロート
４が浮揚して行く。この結果、筒体７によつて形
作られる空間が計量部となつて貯留されていた薬
液は栓覆部３内に溢出する。フロート４が上昇し
切ると弁部は閉塞される。さらに水位が上昇し側
筒部の上部連通窓１８を越えると、この部分にお
ける残留空気が一種の空気栓の働きをして栓覆部
３内とその外部の洗浄用水とが等圧になつたとこ
ろで薬液S′は下部連通窓１９から流出することな
く栓覆部３内に貯留される。満水時の水位Ｌに達
すると、フロート４は例えばその上面、筒体７等
が中栓５面に接触又は当接し、この時薬液Ｓの流
下を停止させる。この時、比重が比較的大きな薬
液は、予め栓覆部３内に流入していた洗浄用水を
押しのけて徐々に下降し、臨界点となる液位ｌよ
り上方に液界面がくるかたちで貯留される。フロ
ート４上部より定量排出された薬液の一部は流入
水に撹乱されて栓覆部３内で希釈溶液になる。連
通窓１９からごく一部の薬液が流出して水槽内に
拡散されるが、この場合でも洗浄用水の予備処理
につながり好ましい。薬液の主部分は栓覆部３内
に一旦保留されることになる。このような定量排
出された薬液の一部がフロート４上昇時に下部の
連通窓１９から漏出する分量が極めて少なくてす
むのは、フロート４の肩部に栓覆部３内残留空気
a′及び上部連通窓１８の部分の残留空気a″が一種
の空気栓のはたらきをなすからであると考えられ
る。

次に、水洗便所の使用時には水槽の洗浄用水を
排出すると、第２図に示す如く、栓覆部３内の薬
液S′は水位の下降に伴つて連通窓１９から開口１
３を経て流出して臨界点ｌにまで減少し洗浄用水
に流入混入され、便槽内の流水に伴つてその消
臭、殺菌、賦香、便槽の防汚等の薬液効果をあら
わす。水槽内の洗浄用水の排出に際して、フロー
ト４は第１図の浮上状態から第２図の下降状態に
まで変位するが、この時、フロート４の上面、筒
体７等が中栓５から離れ栓覆部３内の薬液S′はレ
ベルｌにまで界面がくるかたちで保留されてい
る。このレベルｌは、栓覆部３内における薬液
S′と洗浄用水との界面下限点をなす。すなわち、
水槽の排出時にこれと同期して栓覆部３上方にま
で満ちていた薬液及び希釈溶液S′が、前述のよう
に開口１３から流出し、この流出と入れ替りに容
器本体１内の薬液Ｓがフロート４上方の弁部に定
量流下し補給され一且貯留されることになる。換
言すれば、比重の大きな混合溶液Ｓは水槽の干満
に呼応して栓覆部３内から、連通窓１９さらに開
口１３から流出する。この薬液S′の界面は最下限
をレベルｌとして栓覆部３内に必らず保持され
る。従つて、上記臨界点ｌは、水槽内の干満に応
じて薬液の界面が上下に移動する過程すなわち排
出時ごとの栓覆部３からの薬液S′の定量排出に際
しほぼ不変に保たれる。栓覆部３内における上記
臨界点ｌ上方での液界面の移動上着色した例えば
ブルーの薬液で標識することによりたやすく直接
観察し得る。

【図面の簡単な説明】

添付図は本考案による供給容器の実施例を示す
ものであつて、第１図は縦断面図、第２図は排液
時の栓覆部の部分縦断面図、第３図は第１図矢印
Ａ−Ａより見た平面図、第４図は第１図の栓覆部
を開口側より見た側面図である。 １……容器本体、２……口部、３……栓覆部、
４……フロート、５……中栓、１２……側筒部、
１３……開口、１８，１９……連通窓、Ｓ，S′…
…薬液。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体と、該容器本体の口部に装着すべきフ
   ロート付中栓と、前記口部に装着すべき栓覆部と
   を具備し、前記栓覆部は、その側部に、上下の連
   通窓及び開口を開設した側筒部を有して成ること
   を特徴とする水洗便所水槽用の薬剤供給容器。