JP3015390U - 水洗トイレの消毒剤放出量自動制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 消毒剤の使用を節約する水洗トイレの消毒放
出量自動制御装置。 【構成】 取り外し可能な上蓋を有し且つ通気管を有す
る容器を有し、該容器内に一つの切欠き部が形成され
て、タンクと連通する進出水口を有する液面制御室と一
側が結合され、該一旦が開口とされた液面制御室は、そ
の進出水口の所に容器内に高度を保持するサイホン管が
設けられる。該サイホン管は両端が開口とされた内管で
下端を液面制御室に連通且つ固定し、上端が封閉され下
端が容器に通じる外管を該内管に距離を保持して被せた
構成である。故に、消毒剤タブレットを容器内で希釈
し、便器を水洗する時、容器内の水に溶けた消毒剤はタ
ンクの水の流出の最終段階で放出する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一種の水洗トイレの消毒放出量自動制御装置に関し、便器を洗浄する 洗剤の使用料を有効に節約するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

水洗トイレの消毒剤には直接ブロック状のものをタンク内に浸し置くものが一 般に用いられている。タンクの有効貯水量は約１０リットルであり、上記のよう な消毒剤はこの１０リットルの水に希釈される。そして毎回水を流す毎に、１０ リットルの消毒剤希釈液が便器中に流出することになる。ただし、消毒剤の水中 での希釈濃度は時間に正比例して高くなる。即ち、時間が長くなるほど濃度も高 くなり、必要より高い濃度の消毒液が水洗に用いられるのは非常に不経済である のは言うまでもなく、尿液を流すときには特にそれが著しい。また、過多の消毒 剤を下水に流すことは、自然保護の観点からも望ましくない。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題】

本考案は、経済上及び環境保護上の観点に立ち、水洗時にまず消毒剤を含まな い水で排泄物を流し、その後、適当な濃度に希釈された消毒液を便器に流し、保 護膜を形成して有効に除臭、消毒の効果を達成し、そうして経済的に消毒剤を使 用し、消毒剤の使用寿命を延長し、不必要な浪費を防ぐ、水洗トイレの消毒放出 量自動制御装置を提供することを課題とする。 本考案はさらに、上記装置を、完全に自動制御されるものとし、且つ構造が簡 単で製造が容易であり、故障の心配がないものとすることを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の水洗トイレの消毒放出量自動制御装置は、 容器とされ、タンク内に安置するに適した形状を有し、その上蓋に通気管が連 接されるものと、 液面制御室とされ、容器内部の独立した一空間とされ、並びに連結された進出 水口を有し、該進出水口はタンクの内部空間に連通するものと、 サイホン管とされ、その一端開口が上記液面制御室に固定並びに連通し、別端 は容器の内部空間に位置し、且つ液面制御室の進出水口の高さより低く位置され るものと、を有し、 上記液面制御室は上記容器上に結合され、上記進出水口は容器入水時の進出水 口とされ、上記サイホン管は液面制御室中に結合される。

【０００５】 前記液面制御室は容器の外側壁下部に連結される。

【０００６】 前記サイホン管は容器内に設けられた管座に連通、固定され、該管座下方の空 間は容器の内部空間より独立し、並びに液面制御室と連通する。

【０００７】 前記サイホン管は下端が液面制御室に連通し上端が開口とされた内管と、該内 管と間隙を保持し該内管外に被せられて上端が封閉状とされて下端は容器内部と 連通する外管より構成される。

【０００８】 前記容器は消毒剤タブレット収容空間の上方に滴水容器を有する。

【０００９】

【作用】

本考案は一種の水洗トイレの消毒放出量自動制御装置であり、取り外し可能な 上蓋を有し且つ通気管を有する容器を有し、該容器内に一つの切欠き部が形成さ れて、タンクと連通する進出水口を有する液面制御室と一側が結合され、該一旦 が開口とされた液面制御室は、その進出水口の所に容器内に高度を保持するサイ ホン管が設けられる。該サイホン管は両端が開口とされた内管で下端を液面制御 室に連通且つ固定し、上端が封閉され下端が容器に通じる外管を該内管に距離を 保持して被せた構成である。故に、消毒剤タブレットを容器内で希釈し、便器を 水洗する時、容器内の水に溶けた消毒剤はタンクの水の流出の最終段階で放出さ れ、もって便器壁に消毒剤の保護膜を形成し、消毒剤使用量を節約し、環境破壊 を少なくする

【００１０】

【実施例】

図１は、本考案の実施例の局部断面図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ線における断 面図、図３は図１のＩＩ−ＩＩＩ線における断面図、図４は本考案の進水と出水 表示図である。

【００１１】 図１、２、３に示されるように、本考案の水洗トイレの消毒放出量自動制御装 置は、タンク内に置かれる容器１を有し、該容器１は進出水口２０を有する液面 制御室２、及び該容器１内部と液面制御室２を連通させるサイホン管３を有する 。

【００１２】 上記容器１は、本実施例中ではその外観は横断面視で扇型の形状を呈し、タン ク内に角に置くのに便利とされ、フロートの昇降に影響を与えないよう配慮され ている。ただし、このような形状が唯一のものとされるのではなく、タンクにフ ロートが設けられていない場合や空間が十分に大きい場合には、その他の形状と されてもよい。

【００１３】 該容器１はその上端開口部に密閉でき取り外し可能な上蓋１０を有し、同時に 上方に延伸され且つ弯曲する通気管１１が該上蓋１０に連接する。且つ該通気管 １１上端の出気口の高さはタンク内の貯水最高液面より高く設けられる。

【００１４】 該容器１の板材は、水より比重の大きいガラス、陶器等で製造される。もし軽 いプラスチックを材料とする場合は、底に鉛塊等の重しを設けたり、その他の方 法により、タンクの底に沈んだ状態を保持できるものとされ、これによりタンク 内の液位の変化により揺れたり傾いたりすることを防ぐ。

【００１５】 上記液面制御室２は、容器１外側壁下方に位置し、その上端開口は容器１の入 水時の進出水口２０とされ、該進出水口２０の高さは容器１内の最低液位とされ る。

【００１６】 該液面制御室２の特徴は、進出水口２０を利用して容器１内の液位を決定する ことであり、その形状、大きさ、設置位置は限定される必要はない。例えば、液 位が容器１内の独立空間に設ける場合（図には表示無し）、一つの管体（図には 表示無し）を利用して該独立空間と容器外部を連通させ、且つ該管体を容器外の 開口に位置させることで入水の進出水口となす。

【００１７】 上記サイホン管３は、構造上は一つの管座３０、内管３１及び外管３２を有し 、管座３０は断面がＬ形の板体で容器１内の一側の底板に固定され、該管座３０ 下方の空間３０ａと容器１内部のその他の空間は隔てられるが、前述の液面制御 室２とは相連通し、上端は開放状態を呈する。外管３２はその管径は内管３１よ り大きく設けられて内管３１外に被せられ、その上端は封閉端とされ内管３１上 端の開口端とは間隙を保持し、下端は三つのＬ形の固定ブロック３３上に支持さ れ、これにより管座３０の底板と間隔を保持し、容器１内の消毒剤希釈液の進出 流通に供される。

【００１８】 さらに容器１底部の、サイホン管３の一側の空間は、消毒剤タブレットを置く ことができる区域とされる。該区域の上方の容器１上蓋１０底面近くには、嵌合 方式により滴水容器１２が設けられ、その底板上には多数の滴水小孔１２ａが設 けられる。

【００１９】 以上、本考案の構成について述べたが、以下、その取り付け及び使用について 説明する。本考案の取り付け時のステップは以下のとおりである。 １．容器１の上蓋１０を開け、容器１中に水を、液面制御室２の進出水口２０ より溢出するまで充満する。 ２．消毒剤タブレットＭを容器１内に入れる。 ３．上蓋１０を閉め、同時に全体の容器１をタンクＴ内に沈め、位置決めする 。取り付け時にタンクＴ内に予め水を充満しても、取り付け完了後に水を充たし てもよい。

【００２０】 このとき、消毒剤タブレットＭは容器１内で逐次溶解して希釈され、最後に全 体の容器１内は全て消毒剤希釈液となる。但しサイホン管３内は流路が長く且つ 折れ曲がっているので、希釈液がサイホン管３内に進入する量は多くない、これ は図４のＡに示される。

【００２１】 一旦使用者が水洗トイレのハンドルを押し下げると、最初の段階ではタンクＴ 内の貯水は大量に流出し、排泄物を流し去る。これと同時に、容器１内の液体は 少量制御室の進出水口２０より出される。

【００２２】 その後、タンクＴ内の水面は迅速に下がり、進出水口２０より低くなる。これ は図４のＢに示される。この時容器１内の大部分の消毒剤希釈液は迅速にサイホ ン管３の外管３２、内管３１（図の矢印に示す）、液面制御室２を経て、進出水 口２０より迅速にタンクＴ内に流入し、並びに便器内に排出される。こうして消 毒液は一旦水で洗われた便器内壁を洗浄し、並びに一層の保護膜を形成し、除臭 、消毒の効果を達成する。

【００２３】 タンクＴ内の流出しなかった消毒剤希釈液は、後続してタンクＴに流入する水 と容器１内にて混合され、消毒剤タブレットＭは再度溶解し、次の水洗に待機す る。

【００２４】 実際の測定結果によると、上述の容器１内の希釈液は迅速にし（約６秒）、液 面が液面制御室２の進出水口２０の高さに至ると、希釈液は流出を停止する（図 ４のＣ）。これは即ち、進出水口２０の高さが容器１内の基本液面高度とされる ことである。この時、容器１底部、サイホン管３及び液面制御室２にはいずれも 希釈液が残存し、これと同時に、滴水容器１２内の滴水小孔１２ａを経た希釈液 は消毒剤タブレットＭ上に流れ、その表面に形成されら薄膜を破り、もって後続 して容器１内に流入する補充水に迅速に溶解させる。

【００２５】 次に、タンクＴ内の水洗液が流出して最低限度に至る時、タンクＴは進水を開 始し、タンク水面が液面制御室２の進出水口２０を超過した後、タンクＴ内の水 はまた進出水口２０、液面制御室２、サイホン管３の内管３１、外管３２を経て 容器１内に補充進水し（図４のＤに示す）、満水になると止まり、同時に消毒剤 はまた逐次溶解希釈され、次の使用に待機する。

【００２６】 以上述べたことよりお分かりのように、本考案の水洗トイレの消毒放出量自動 制御装置は、消毒剤タブレットを一つの容器内に置き、希釈して溶液とした後、 さらに便器への出水の最後の段階になって始めて便器内への流入を開始する。す なわち、水で洗った便器を希釈溶液で再度洗浄し、便器表面に除臭の保護膜を形 成する。このため、従来の消毒剤を直接タンク内に入れる方式と比較すると、消 毒剤の使用量が大幅に節約でき、使用寿命が延長され、経済的である。一般には タンクの有効貯水量は約１０リットルであり、本考案の容器は約１リットルであ る。このため、約１０倍程度の消毒剤の使用量を節約でき、これは当然容器容積 、サイホン管径、液面制御室の高さ、口径の大きさにより調整される。

【００２７】 さらに、本考案中の希釈液の流出及び補充水の進入はいずれも液面制御室とサ イホン管により制御され、その動力は大気圧と水の重力によるもので、完全な自 動化を達成し、且つ使用にいかなる動力部品も必要とせず、故障の恐れがない。

【００２８】 以上は本考案の比較的よい実施例について説明したものであるが、同じ技術思 想に基づく本案のいかなる改変、例えばサイホン管を逆Ｕ型管嵌合方式に変えた り、サイホン管に管座を採用せず直接内管下端を液面制御室に連通させたり、滴 水容器を上蓋下面に設けずフック或いは止め具を利用して容器側面に設けるなど は、いずれも本考案の特許請求の範囲の範疇に属するものとし、本考案の請求範 囲は上記実施例に限られないことを明記する。

【００２９】

【考案の効果】 本考案の水洗トイレの消毒放出量自動制御装置は、水洗時にまず消毒剤を含ま ない水で排泄物を流し、その後、適当な濃度に希釈された消毒液を便器に流し、 保護膜を形成して有効に除臭、消毒の効果を達成し、そうして経済的に消毒剤を 使用し、消毒剤の使用寿命を延長し、不必要な浪費を防ぐ。

【００３０】 本考案はさらに、上記装置を、完全に自動制御され、且つ構造が簡単で製造が 容易であり、動力部品を必要とせず故障の心配がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の局部断面図である。

【図２】上記図１のＩＩ−ＩＩ線における断面図であ
る。

【図３】上記図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線における断面図で
ある。

【図４】本考案の進水と出水表示図である。

【符号の説明】

１・・・容器 ２０・・・進出水口 ２・・・液面制御
室 ３・・・サイホン管 １０・・・上蓋 １１・・・通気
管 ３０・・・管座 ３１・・・内管 ３２・・・外管 ３０ａ・・・空間 ３０・・・固定ブロック １２・・・滴水容器 １２ａ
・・・滴水小孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器とされ、タンク内に安置するに適し
   た形状を有し、その上蓋に通気管が連接されるものと、 液面制御室とされ、容器内部の独立した一空間とされ、
   並びに連結された進出水口を有し、該進出水口はタンク
   の内部空間に連通するものと、 サイホン管とされ、その一端開口が上記液面制御室に固
   定並びに連通し、別端は容器の内部空間に位置し、且つ
   液面制御室の進出水口の高さより低く位置されるもの
   と、を有し、 上記液面制御室は上記容器上に結合され、上記進出水口
   は容器入水時の進出水口とされ、上記サイホン管は液面
   制御室中に結合される、水洗トイレの消毒放出量自動制
   御装置。
2. 【請求項２】 前記液面制御室は容器の外側壁下部に連
   結される、請求項１に記載の水洗トイレの消毒放出量自
   動制御装置。
3. 【請求項３】 前記サイホン管は容器内に設けられた管
   座に連通、固定され、該管座下方の空間は容器の内部空
   間より独立し、並びに液面制御室と連通する、請求項１
   または請求項２に記載の水洗トイレの消毒放出量自動制
   御装置。
4. 【請求項４】 前記サイホン管は下端が液面制御室に連
   通し上端が開口とされた内管と、該内管と間隙を保持し
   該内管外に被せられて上端が封閉状とされて下端は容器
   内部と連通する外管より構成される、請求項１に記載の
   水洗トイレの消毒放出量自動制御装置。
5. 【請求項５】 前記容器は消毒剤タブレット収容空間の
   上方に滴水容器を有する、請求項１に記載の水洗トイレ
   の消毒放出量自動制御装置。