JPH02277532A - チオエーテル基含有芳香族ポリマー多孔質膜およびその製造法 - Google Patents

チオエーテル基含有芳香族ポリマー多孔質膜およびその製造法

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JPH02277532A
JPH02277532A JP9855089A JP9855089A JPH02277532A JP H02277532 A JPH02277532 A JP H02277532A JP 9855089 A JP9855089 A JP 9855089A JP 9855089 A JP9855089 A JP 9855089A JP H02277532 A JPH02277532 A JP H02277532A
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porous membrane
aromatic polymer
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JP9855089A
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Naoki Nakajima
直樹 中嶋
Tadaaki Miyano
宮野 忠昭
Makoto Tamada
玉田 真
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野〕 本発明は、物質分離に使用される選択性透過機能を有す
るチオエーテル基含有芳香族ポリマー多孔質膜に関する
ものである。
[従来技術およびその課題] 選択性透過機能を有する多孔質膜を用いた物質分離方法
は、海水の淡水化、医療や電子工業などに使用される純
水の製造、食品工業のプロセス、工業排水処理をはじめ
様々な分野に幅広く利用されている。上記のような膜分
離に用いられる選択性透過機能を有する多孔質膜として
、酢酸セルロースやポリアクリロニトリルなどを素材と
する多孔質膜が好適に用いられてきた。また膜分離の利
用分野が広がるにつれて、耐熱、耐薬品性に優れた芳香
族ポリアミドや芳香族ポリスルホンを膜素材とした多孔
質膜が、より高温でしかも広範囲のpH領域で使用でき
る選択性透過膜として提案されてきた。
一方、かかる多孔質膜を分離膜として使用した場合、溶
質の堆積物で膜表面が覆われたり膜の孔が塞がれてしま
うことにより、膜の処理能力が時間の経過とともに次第
に低下してしまう現象が発生する。従って分離膜の実使
用においては、この付着物質を取り除き膜性能を回復さ
せる洗浄技術が非常に重要であり、被処理液の前処理方
法、各種洗浄剤、洗浄方法、膜分離の運転方法などに関
し、この観点から多数の提案がなされている。
(大矢晴彦 編著「膜利用技術)\ンドブ・ツク」幸書
房、1978年、参照) 特に、温和な洗浄では膜性能の回復が困難であったり、
各種洗剤に難溶であったり、酵素などでの分解が難しい
溶質の堆積物については、特開昭53−1178号公報
などに記載の方法、すなわち過酸化水素水、有機過酸な
どの酸化剤によりかかる付着物質を酸化分解し、容易に
除去できる物質にまで変換し洗浄除去する方法が好適に
用いられている。またかかる酸化剤は、システムの無菌
保持が必要である製薬、食品工業プロセスや純水製造プ
ロセスなどにおいて、膜を含む全システムの殺菌処理の
目的でも好適に使用されている。
しかしながら、かかる酸化剤による膜の洗浄や殺菌処理
は、必要濃度以上で実施されるのが一般的であり、過剰
の酸化剤によって多孔質膜を構成するポリマー自体まで
も酸化作用を受け、ポリマーの変性や分解による膜の強
度低下や分離特性の劣化が引き起こされる問題があった
。特に、耐酸化剤性が乏しいとされている芳香族ポリア
ミド多孔質膜では、かかる酸化剤を使用する処理が実質
的に適用出来ず、それ以外の多孔質膜であっても酸化剤
の種類、濃度、温度、時間、pHなどの様々な因子を厳
密に管理しなければならず、また残留する酸化剤は処理
後完全に洗い流す必要があった。
本発明の目的は、耐久性、特に耐酸化剤性に優れかつ耐
熱性を合せ持ち、かつ高い分離機能を有する多孔質膜を
実現し、また該多孔質膜が簡便に得られる製造法を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前述した膜素材の耐酸化剤性に着眼し、
還元性の官能基を有し、かつかかる官能基が過剰の酸化
剤により酸化された場合でもポリマーの物性や多孔質膜
構造に変化をきたさない膜素材につき鋭意研究を行った
結果、還元性のチオエーテル基を有する芳香族ポリマー
を膜素材とすることにより、耐久性、特に耐酸化剤性に
優れかつ耐熱性を合せ持つ多孔質膜が得られることを見
い出だし、本発明を成すに至ったものである。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
本発明の芳香族ポリマーから主としてなる多孔質膜とは
、膜の構成要素として該ポリマーを少なくとも50重量
%、望ましくは80重量%以上含む多孔質膜であって、
かかる芳香族ポリマーがその主鎖構造中に芳香族環と他
の芳香族環とを結合するチオエーテル基を有し、かつ有
機溶剤に対し2重量%以上、好ましくは80重量%以上
の溶解度を示すものである。
本発明に使用される該ポリマーの重合度は、実質的にフ
ィルム形成能を持つ重合度であれば構わないが、ポリエ
チレンオキシド換算数平均分子量が10.000以上で
あるポリマーが、機械的強度など各種物性からして好ま
しい。
また、膜の強度や耐熱、耐薬品性と言ったポリマーの物
理的、化学的特性を考慮すると、特に805重量以上の
繰り返し単位が下記の一般式で示される芳香族ポリチオ
エーテルスルホンポリマーが耐酸化性に対して充分なチ
オエーテル基を有し、かつ耐熱性の指標の一つであるガ
ラス転移温度が130℃以上と優れ、かつ機械的強度や
耐薬品性にも優れており、好ましいポリマーである。
1ま ただし、A  、A  はそれぞれエーテル基またはチ
オエーテル基を表し、かつA  、A  は同時にエー
テル基にはならず、またR  、Rはそれぞれフェニレ
ン基またはジフェニレン基を表し、スルホキシド基また
はスルホン基を表す)を表し、j/iは0または1〜2
0の整数、kは0または1〜10の整数、gはOまたは
1である。
とりわけ、nが1〜3、(j/i)が0〜15でかつR
、R、Rがそれぞれバラ配位のフェニレン基またはビフ
ェニレン基である場合は、ガラス転移温度が170℃以
上と優れた耐熱性を持ち好ましいものである。また、か
かるポリマーの構成単位は、上記の一般式において異な
る構造1    2    3   。
の繰り返し単位、すなわちR、R、R、l。
j、に、Nがそれぞれに異なる繰り返し単位の混じり合
ったものであっても構わない。また該ポリマーがチオエ
ーテル基、スルホン基に代えて還元性のスルホキシド基
を一部の構造に持つことや、ベンゼン環にアルキル基な
どの置換基を有することや、その他第三成分をポリマー
構成単位として上記の範囲内で含むことは構わない。
かかる芳香族ポリチオエーテルスルホンポリマーとして
は、例えば米国特許2,822,351号などにその製
法が記載されており、非プロトン性有機極性溶媒中、1
,4−ベンゼンジチオール、4−ヒドロキシチオフェノ
ール、4.4−−ジヒドロキシジフェニルスルホンや硫
化ナトリウムと4.4′−ジクロロジフェニルスルホン
をアルカリなどの触媒存在下で加熱、重縮合することに
より簡単に得ることができ、適度な溶解性を持ち合わせ
るため好適に用いられる。
本発明の多孔質膜の構造は、実用的な膜強度および膜特
性を考慮すると空孔率が30%以上95%以下、望まし
くは40%以上90%以下の空孔率であり、かつ互いに
連通した微孔を有することを特徴としている。また、該
多孔膜が非対称多孔質膜構造を持つことはさらに好まし
く、護膜の厚み方向の断面構造が、少なくとも一方の膜
表面に平均孔径1μm以下の微細孔から成る厚さ10μ
m以下、さらに望ましくは平均孔径0.0002〜0.
1μmの微細孔から成る厚さ1μm以下の緻密層を有し
、かつかかる緻密層の少なくとも2倍以上の平均孔径か
ら成る多孔層を1層以上、さらに望ましくは5倍以上の
平均孔径から成る多孔層と1μm以上のマクロボイドを
含む多孔層を含め2層以上の層構造を内部に有する非対
称多孔質膜構造が極めて好ましい。これは、かかる非対
称多孔質膜が分離機能を有する極微細な孔が存在する緻
密層を極めて薄く有するため、膜の分離能力に対する処
理液の透過速度が非常に大きく、さらに分離機能は持た
ない多孔層によってこの緻密層が支持されることで大き
な機械的強度を有し、実用上非常に容易に取り扱いでき
る特性を持つからである。該多孔質膜が中空糸状の形態
を取る場合は、中空糸の内表面と外表面に、使用目的に
応じた平均孔径から成る緻密層を持つことが望ましく、
この場合それぞれの平均孔径は同じである必要はない。
かかる多孔質膜を分離膜として用いた場合、膜の分画分
子量は500,000以下、望ましくは1.000〜3
00,000でありかつ、純水透水速度が0.05、望
ましくは0.5m3/m2・K g / c m 2 
・日以上の高い分離機能を示すものである。ここでいう
膜の分画分子量とは、膜の分離に関与する微細な孔の孔
径と孔径分布が、かかる分子量を持つ指標溶質を95%
排除する能力を持つことを意味する。
本発明に言う多孔質膜は、多孔質膜単独、あるいは不織
布などの支持体と一体となった布付き膜、複合膜の支持
膜として、中空糸膜状、平膜状、チューブ膜状などの形
態で、使用の目的により形状を任意に選定することがで
き、また単に隔壁として用いても構ず、さらにこれらの
例示により限定されるものではない。
次ぎに、かかる本発明のポリチオエーテル基含有芳香族
ポリマー多孔質膜の製造法について、以下芳香族ポリチ
オエーテルスルホン多孔質膜を例に挙げ、詳細に説明す
るが、該多孔質膜の製造法は、この製造法に限定される
ものではない。
本発明による多孔質膜の製造法は、芳香族ポリチオエー
テルスルホンポリマーを非プロトン性極性有機溶剤を含
む有機溶剤に溶解した溶液を、目的とする形状に成型加
工し、ミクロ相分離を経た後、ゲル化せしめることによ
り達成される。
本発明の製造法に使用されるポリマー溶液とは、溶液成
分の沸点以下の温度でポリマーを非プロトン性極性有機
溶剤を含む有機溶剤に5〜60重量%、望ましくは10
〜35重量%のポリマー濃度になるように均一に溶解し
たものであり、さらにミクロ相分離を効果的に行うため
や流延などの工程を容易にする目的で、無機塩、低分子
有機物、高分子添加剤などの該ポリマーの膨潤剤、非溶
剤を添加剤として、均一な溶液が得られる濃度範囲内で
上記溶剤に対し添加することもできる。本発明に言う非
プロトン性極性有機溶剤とは、該ポリマーの良溶剤であ
る非プロトン性の有機極性溶剤を言い、具体的にはN、
N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトア
ミド、N、N−ジメチルイミダゾリジノン、2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキ
シド、スルホランから選ばれる溶剤を少なくとも一種類
含む有機溶剤が好適に用いられる。特に、N、 N−ジ
メチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、
N、N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチル−2−
ピロリドンは、該ポリマーに対する溶解力が高く室温で
均一な溶液を得ることができるので好ましい。
流延や紡糸などにより目的とする形状に成型する工程は
、溶液成分の沸点以下の温度、通常室温に近い温度で行
われるが、溶液成分の沸点以下の温度であれば加温する
ことも出来る。
本発明に言うミクロ相分離とは、該ポリマー溶液から良
溶剤が蒸発したり非溶剤が吸収されることによりポリマ
ー溶液の組成が変化するなどの原因で、ポリマーの溶解
状態が変化し、ポリマー濃厚相あるいは稀薄相がミクロ
粒子として分散する不均一な溶液構造を取る現象であり
、この過程を種種の方法でさらに進行させることにより
ポリマーのゲル化が達成される。一般には、ポリマー溶
液の溶剤と相溶性をもつ該ポリマーの非溶剤に、この該
ポリマー溶液を浸漬せしめ同時にゲル化させる方法が好
適に用いられる。かかる製膜方法では、ポリマー溶液の
組成、浸漬浴の組成、溶剤の蒸発工程などの諸因子を検
討することにより、分離の対象物質に応じて多孔質膜の
構造と微孔の平均孔径、とりわけ分離に関与する微細な
孔の孔径と孔径分布を調節することができる。また、浸
漬ゲル化処理の前に、成型した該ポリマー溶液を特定の
雰囲気中に放置することで、得られる多孔質膜の構造と
孔径を調節することもできる。
該ポリマーの非溶剤から成る浸漬浴は、該ポリマー溶液
をゲル化させる液体であれば構わず、水、各柾水溶液、
アルコール類などが好適に用いられるが、必要に応じて
該ポリマーの溶剤、膨潤剤を添加剤として含むこともで
き、特に限定はない。
さらに、中空糸膜の場合、中空内部と外部で組成の異な
る液体によりゲル化を行うことは、非対称膜構造を形成
する上で特に好ましい。該多孔質膜の使用目的に応じて
、膜内部の孔を満たしている液体を殺菌剤や凍結防止剤
を含む液体に置換したり、グリセリンや界面活性剤など
の湿潤剤に置換したりすることもでき、さらに例示した
様な後処理を行った後、乾燥することも構わない。また
、取り立てた処理なしに膜を乾燥して用いることも構わ
ない。
[実施例コ 以下参考例、比較例および実施例にて本発明を説明する
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
参考例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および受器を付けた凝縮器
とを備えた1gのフラスコに、1,4−ベンゼンジチオ
ール43g、4.4=−ジクロロジフェニルスルホン8
8g、無水炭酸ナトリウム48gおよび1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン400gを仕込み、撹拌下で
窒素ガスを導入して系内を窒素に置換した。
次いで1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの沸点
まで昇温しで、1時間撹拌を続けた。さらに、100℃
まで降温し、塩化メチルガスを30分、300m1/m
in、の速度で吹き込/l、?反応を終了した。反応液
から固体を濾別した濾液を、メタノールに注いで生成し
たポリマーを沈殿させた。沈殿物をメタノールでさらに
洗浄した後、乾燥して108gのポリマーを得た。
得られたポリマーは、赤外線吸収スペクトル、プロトン
核磁気共鳴スペクトル分析により下記の繰り返し単位か
らなる芳香族ポリチオエーテルスルホンポリマーである
ことが確認された。
また、このポリマーはN−メチル−2−ピロリドンの0
.5g/dll!溶液の30℃における還元粘度が0.
50d、Q/gのポリマーであり、N。
N−ジメチルホルムアミドを溶離液としたGPC(ゲル
パーミェーションクロマトグラフィー)分析で、標準ポ
リエチレンオキシド換算数平均分子量が、20.000
であった。
参考例2 撹拌機、窒素導入管、温度計および受器を付けた凝縮器
とを備えた21のフラスコに、4−ヒドロキシチオフェ
ノール127g、4.4−−ジクロロジフェニルスルホ
ン287g、無水炭酸カリウム277gおよびN、N−
ジメチルアセトアミド1260gを仕込み、撹拌下で窒
素ガスを導入して系内を窒素に置換した。
次いで165℃まで昇温し、6時間撹拌を続けた後、1
00℃まで降温して塩化メチルガスを2時間、1500
ml/min、の速度で吹き込んで反応を終了した。反
応液から固体を濾別した濾液を、メタノールに注いで生
成したポリマーを沈殿させた。沈殿物をメタノールでさ
らに洗浄した後、乾燥して316gのポリマーを得た。
得られたポリマーは、赤外線吸収スペクトル、プロトン
核磁気共鳴スペクトル分析により下記の繰り返し単位か
らなる芳香族ポリチオエーテルスルホンポリマーである
ことが確認された。
また、このポリマーはN−メチル−2−ピロリドンの0
.5g/dΩ溶液の30”Cにおける還元粘度が0.5
3dΩ/gあり、示差走査熱ff1iUJ定によるガラ
ス転移温度が187℃以上であった。
参考例3 撹拌機、窒素導入管、温度計および受器を付けた凝縮器
とを備えた1gのフラスコに、1.4−ベンゼンジチオ
ール1.42g、4.4−−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン47.6g、4.4−ジクロロジフェニルスルホ
ン59. 1 g、 無水炭酸ナトリウム22.3gお
よびスルホラン190gを仕込み、撹拌下で窒素ガスを
導入して系内を窒素に置換した。
次いで235℃まで昇温しで、5時間撹拌を続けた。さ
らに、150℃まで降温しスルホラン200gを添加、
塩化メチルガスを1時間、3o(′lml/min、の
速度で吹き込んで反応を終了した。反応液から固体を濾
別した濾液を、メタツルに注いで生成したポリマーを沈
殿させた。沈殿物をメタノールでさらに洗浄した後、乾
燥して収率94%で目的のポリマーを得た。
得られたポリマーは、赤外線吸収スペクトル、プロトン
核磁気共鳴スペクトル分析により下記の繰り返し単位か
らなり、(j/i)が15である芳香族ポリチオエーテ
ルスルホンコポリマーであることが確認された。
また、このポリマーはN−メチル−2−ピロリドンの0
.5g/dN溶液の25℃における還元粘度が、0.5
1cN?/gであり、示差走査熱量測定によるガラス転
移温度が、220℃以上であつた。
実施例1 参考例1で得た芳香族ポリチオエーテルスルホン20重
量部を、N−メチル−2−ピロリドン80重量部に室温
で撹拌、溶解し、均一なポリマー溶液を得た。かかる溶
液を、静置脱泡した後、清浄なガラス板上に150μm
の厚みでフィルム状に流延した。30秒間放置した後、
10”Cの水に浸漬し、ポリマー溶液をゲル化させ、膜
厚82μm、空孔率74%の多孔質膜を得た。この膜は
、純水透水速度が1.44m’ /m2m Kg/cm
・日であり、牛血清アルブミン(分子量66゜000)
を88%排除する分離特性を持つ多孔質膜であった。
また、この膜を用いて2%および10%過酸化水素水に
浸漬する試験を4日間行ったが、膜には、何等の変化も
認められず、優れた耐酸化剤性をもつことが確認された
実施例2 実施例1において用いたガラス板に代えて、厚み130
μmポリエステル不織布を用いた以外は、実施例1.と
同様にして厚み196μm1空孔率76%の多孔質膜を
得た。この膜は、純水透水速度が6.2m3/m’  
・Kg/cm”  −日であり、牛血清アルブミンを7
1%排除する分離特性を持つ多孔質膜であった。
また、該膜サンプルを90℃で1時間熱水処理したが、
膜の形状や分離特性に変化は見られず、優れた耐熱性を
持つことが確認された。
実施例3 実施例2において用いたポリマー溶液および150μm
の流延厚みに代えて、ポリマー濃度を23重量%、流延
厚みを250μmとした以外は、実施例2と同様にして
厚み240μm、空孔率70%の多孔質膜を得た。この
膜は、純水透水速度力(3,0m3/m2 ・Kg/a
m2 ・日であり、牛血清アルブミンを75%排除する
分離特性を持つ多孔質膜であった。
実施例4 実施例3と同じポリマー溶液を用い、外径1゜5 m 
m %内径0.6mmの二重管スリットから、内部にN
−メチル−2−ピロリドン30%水溶液をゲル化液とし
て供給しつつ押し出して、45℃の水槽に自由落下させ
ることによりゲル化させて、内径770μm1外径11
50μmの中空糸膜を得た。この膜の内側に試験液を流
し、加圧したときの分離特性は、純水透水速度が1.0
5m’/m2・Kg/am2・日であり、牛血清アルブ
ミンを90%排除するものであった。
実施例5 実施例3において、用いるポリマー量を22重量部に代
え、添加剤として塩化リチウム1重量部を加えた以外は
、実施例3と同様にして厚み245μm1空孔率75%
の多孔質膜を得た。この膜は、純水透水速度が4 、 
5 m 37 m 2m K g / cm2 ・日で
あり、牛血清アルブミンを80%排除する分離特性を持
つ多孔質膜であった。
比較例1 実施例1において用いた参考例1で得た芳香族ポリチオ
エーテルスルホンに代えて、芳香族ボリスルホン(ユニ
オンカーバイド社製商品名ポリサルホンP−1700)
を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚み65μm
の芳香族ポリスルホン多孔質膜を作製した。この膜は、
純水透水速度が6 、 5 m 3/ m ’  ・K
 g / c m 2−日であり、牛血清アルブミンを
96%排除する分離特性を持つ多孔質膜であった。
また、この膜を用いて2%および10%過酸化水素水に
浸漬する試験を室温で4日間行った結果、強度が低下し
ており非常に脆く、耐酸化剤性に乏しく過酷な酸化洗浄
や殺菌処理に耐え得ないものであった。
[発明の効果] 本発明に使用される芳香族ポリマーは、膜素材として好
適な優れた耐熱性と適度な溶解性を合せ持ち、かつ還元
性のチオエーテル基をその構成中に有している。かかる
チオエーテル基は、過剰に用いられた酸化剤によるポリ
マーの酸化攻撃に対してこれを消費することによりスル
ホキシドを経てスルホン基まで酸化されると考えられる
。このチオエーテル基含有芳香族ポリマーを用いること
の優れた特徴は、かかる化学変化によっても膜中におけ
る該ポリマーのマトリクス配置がほぼ保持されたままで
あり、さらに驚くべきことにポリマーの各種物性の劣化
を伴わない点である。
従って、本発明による多孔質膜は、過剰の酸化剤による
ポリマーの劣化が見られず、かつ酸化作用を受けた後も
多孔膜構造や分離特性を保持しており、優れた耐熱性を
持つと同時に、強力な洗浄剤や殺菌剤として高濃度の過
酸化水素、有機過酸などを用いることができる優れた耐
久性を持つ多孔質膜である。さらに本発明の多孔質膜に
非対称膜構造を付与せしめることにより、非常に優れた
分離機能を発現することができる。
さらに本発明の製造法は、該多孔質膜が簡便に得られる
方法を提供するものであり、高い分離機能を膜に付与せ
しめるとともに、膜の使用目的に応じた孔径と孔径分布
が簡便に得られる製造法である。
かかる本発明による多孔質膜は、比較的高温での運転が
要求され、かつ強力な洗浄剤として、あるいは殺菌剤と
して酸化剤の使用が要求されるバイオ、食品工業の濃縮
、回収や精製プロセス、廃液の処理などや医療、製薬、
純水製造プロセス等の幅広い分野に使用される分離膜と
して有用であると期待される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)有機溶剤に可溶でポリマー構造中にチオエーテル
    基を有する芳香族ポリマーから主として成る多孔質膜で
    あって、空孔率が30%以上95%以下であり、かつ互
    いに連通した微孔を有することを特徴とするチオエーテ
    ル基含有芳香族ポリマー多孔質膜。
  2. (2)チオエーテル基含有芳香族ポリマーが、下記の一
    般式で示される繰り返し単位から主としてなることを特
    徴とする請求項1記載のチオエーテル基含有芳香族ポリ
    マー多孔質膜。 ▲数式、化学式、表等があります▼ [ただし、A^1、A^2はそれぞれエーテル基または
    チオエーテル基を表し、かつA^1、A^2は同時にエ
    ーテル基にはならず、またR^1、R^2はそれぞれフ
    ェニレン基またはジフェニレン基を表し、R^3はフェ
    ニレン基、ジフェニレン基または▲数式、化学式、表等
    があります▼(Xは、エーテル基、チオエ ーテル基、スルホキシド基またはスルホン基を表す)を
    表し、j/iは0または1〜20の整数、kは0または
    1〜10の整数、lは0または1である]
  3. (3)芳香族ポリマー多孔質膜の厚み方向の断面構造が
    、少なくとも一方の膜表面に平均孔径1μm以下の微細
    孔から成る厚さ10μm以下の緻密層を有し、かつかか
    る緻密層の少なくとも2倍以上の平均孔径および2倍以
    上の厚みを有する多孔層を1層以上、膜の内部に有する
    非対称構造を持つことを特徴とする請求項1または2に
    記載のチオエーテル基含有芳香族ポリマー多孔質膜。
  4. (4)チオエーテル基含有芳香族ポリマーを非プロトン
    性極性有機溶剤を含む有機溶剤に溶解した溶液を、目的
    とする形状に成型加工し、ミクロ相分離を経た後、ゲル
    化せしめることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のチオエーテル基含有芳香族ポリマー多孔質膜の製
    造法。
JP9855089A 1989-04-18 1989-04-18 チオエーテル基含有芳香族ポリマー多孔質膜およびその製造法 Pending JPH02277532A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60248202A (ja) * 1984-05-24 1985-12-07 Dainippon Ink & Chem Inc 中空繊維膜およびその製造方法
JPS63225636A (ja) * 1986-10-24 1988-09-20 Toray Ind Inc ポリフェニレンスルホン微多孔成形物

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