JPH02269870A - 絹繊維又はその織物の精練方法 - Google Patents

絹繊維又はその織物の精練方法

Info

Publication number
JPH02269870A
JPH02269870A JP9096089A JP9096089A JPH02269870A JP H02269870 A JPH02269870 A JP H02269870A JP 9096089 A JP9096089 A JP 9096089A JP 9096089 A JP9096089 A JP 9096089A JP H02269870 A JPH02269870 A JP H02269870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scouring
sericin
silk
acid
sodium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9096089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH064933B2 (ja
Inventor
Toshizou Hirao
▲ちょう▼蔵 平尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP9096089A priority Critical patent/JPH064933B2/ja
Priority to CN90102144A priority patent/CN1043261C/zh
Publication of JPH02269870A publication Critical patent/JPH02269870A/ja
Publication of JPH064933B2 publication Critical patent/JPH064933B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は、絹繊維又はその織物の精練方法に間するもの
である。
口、従来技術 従来、家蚕および野蚕(天蚕、さく蚕など)が作る繭か
ら繰糸された生糸2合(撚)糸(以下、これらを絹繊維
と称する。)や、その生織物は、精練によってセリシン
を除き、しなやかな絹に加工される。第1図には、単位
としての繭糸フィラメントについてその長さ方向に直交
する断面を拡大して示また、繭糸フィラメントは、フィ
ブロインからなる硬タンパク質体の外側がセリシンから
なる別のタンパク貿で被覆された構造になっており、こ
のセリシンを選択的に除去して絹本来の特性を発揮させ
んとする技術が精練である。この際、セリシンはフィブ
ロインに対して不純物として取り扱われ、フィブロイン
に接して存在する最内層セリシンを残すことが望ましい
とされながらも、この事に間しては現場での精練技術に
委ねられてきた。
第2図は、第1図のAを蚕品種を異にする代表的な2蚕
品種について拡大して示したものである。
一般にフィラメント表面には4種類のセリシンが層状に
存在する。これらは、外側からセリシンl。
セリシン2.セリシン3及びセリシン4と呼び、セリシ
ン1とセリシン2の間にセリシンlとセリシン2との混
合層がある。
繊維素材としてのセリシンの性能が明らかになったこと
から、精練によって完全に除去しなければならないのは
、セリシン1およびセリシンlとセリシン2との混合層
であることがわかった。
実際のセリシンはフィブロイン表面に同じ厚さで存在し
ているのではなく(第1図参照)、厚い部分と薄い部分
では10倍も異なることが知られている。従って、精練
処理によってセリシン層の薄い部分ではフィブロインが
露出し、他方、セリシン層の厚い部分では除くべきセリ
シンが残留することも当然であった。また、強い撚りが
掛った縮緬等の精練では、絹糸自身の形作る立体障害に
より、均一な精練は非常に困難であった。不完全な精練
の結果は黄褐変を早め、染色むらを発生させる原因にも
なるので、多くの工夫が試みられてきたにもかかわらず
十分な効果を挙げるまでに至っていなかった。
更に、最内層セリシンを残すことが望まれたのは、セリ
シン層が無くなることで、熱アルカリ精練浴の影響をフ
ィブロインが直接に受けることになり、ブイプロインの
繊維構造中に著しく劣化した部分が発生し、強度、伸度
が小さくなることは勿論、絹糸が毛羽だち、弾力が無く
なるなど、見た目にも膏しく品位を落とすことになるか
らであった。これは、マルセル石鹸9重炭酸ナトリウム
炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム等を主剤とする精練
薬剤は強いアルカリ性であり、精練浴液のpHは1O9
5〜11.5であることが大きな原因となっている。即
ち、このようなpH領域では、反応にあずかるアルカリ
イオンとセリシンとの間の精練反応は、不可逆反応であ
り、セリシンはほぼ完全に除去される反応系であったか
らである。この結果、精練工程では、セリシンを除く事
だけではなく、フィブロインを劣化させる反応も同時に
起り、このために、皺になりやすい、摩擦に弱い9機械
洗いができないとする評価が絹の特性のように゛考えら
れてきたのである。
これまでの精練技術においては、例えば生糸・生織物の
精練所要時間は、生産地および荷口が異なると2倍以上
も異なる事があり、精練の現場では経験と勘によって端
線条件を制御してきた。これでは、上記した問題点は解
消することができない。
他方、生糸・生織物の精練に当っては、油剤や精練除去
物の再付着を防止する目的で、重炭酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、ケイ酸ナトリウム等のアルカリ剤と共に、
脂肪酸石鹸(アニオン界面活性剤)、アニオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤が適宜利用されている。これら
は例外なく精練促進作用を示し、また添加されるこれら
の界面活性剤は、絹糸表両に好酸性染料の性質を与える
ので、塩基性染料と同様の性質を示す有色生糸の色素は
絹糸に染着することはできなかった。また、こうした非
染着性は、白い絹糸として仕上げるためには必要な機能
であった。
蚕の中には黄、紅、緑、などの有色面を作るものがある
、この繭からは天然の色素をもった美しい生糸ができる
が、従来の精練工程ではセリシンと共に色素が失われる
ため、天然の色を利用する事ができなかった。特に、天
蚕生糸の美しい緑色を保った精練方法の開発は、関係者
の永い間の願望であった。
ハ0発明の目的 本発明p目的は、精練の進行を均一化しかつ所要時間を
短縮しながら選択的精練機能の強化を図り、目的とする
製品を再現性良く得ることができ、かつより高い生産性
を示す方法を提供し、更に天蚕及び有色生糸などの色素
を残した精練方法をも提供することにある。
二0発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明は、解離定数(pKa)  がほぼ6〜の
酸を含有するアルカリ性緩衝液で構成する精練剤と、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム又はその混合物との複
合効果を利用する、絹繊維またはその織物の精練方法に
係わるものである。
また、本発明は、天蚕及び有色生糸等の精練に四塩基酸
)のアルカリ金属塩及び所定の酸を含有するアルカリ性
緩衝液で構成する精練剤と、炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムなど及
びそれらのカリウム塩からなる群より選ばれた少なくと
も1種と、カチオン界藺活性剤とを併用する、天蚕及び
有色生糸又はその織物の精練方法も提供するものである
本発明に用いる上記精練剤(アルカリ性緩衝液)は、精
練の化学反応が従来法のように不可逆反応ではなく、第
2図に示した如きセリシン2或いは必要によってはセリ
シン30層で選択的に化学平衡が起り、そこで精練反応
が停止する機能を有するものである。即ち、セリシン2
.セリシン3゜更にはセリシン4は、絹の用途に応じて
適宜に残存量を制御することができる。
一般に、化学反応の進行は、化学平衡がどちらが安定で
あるかによって右にも左にも進む、セリシンの熱アルカ
リ水溶液による従来の精練反応の進行は、精練剤から解
離したアルカリイオンの反応によるセリシン分子自身及
びその配列構造の崩壊現象と見ることができる。従来の
精練剤は、薬剤の主剤が強いアルカリ性で、精練反応の
化学平衡が逆転することがなく、不可逆的に進行する。
これにηし、本発明に用いる精練剤は、解離定数(ρに
a)がほぼ6〜10の二塩基酸又は三塩基酸等、例えば
−離定数のひとつを(pにa) 9.2附近にもつホウ
酸のカリウム塩(四ホウ酸カリウム)又はナトリウム塩
(四ホウ酸ナトリウム)等をアルカリイオンの供給源と
して用い、これに所定の酸を添加することにより適当な
、H領域で(換言すれば精練の目的に応じた特定のpH
に緩衝性を持たせて)精練反応を行わせ、かつその際に
水酸化カルシウム、水酸化バリウム又はその混合物を併
用することによって、いっそう確実な選択的精練を行わ
せ、短時間のうちに均一な精練を達成できるようにした
ものである。
次に、本発明による精練剤のアルカリ性緩衝液について
詳述する。このアルカリ性緩衝液は、−例を挙げれば、
四ホウ酸カリウムニホウ酸の混合比が10:3のアルカ
リ性緩衝液の場合は、セリシン1、及びセリシン1とセ
リシン2の混合層に対しては精練反応が進行するが、セ
リシン2.セリシン3およびセリシン4に対しては化学
平衡が起こり、精練反応は進行しない、この結果、セリ
シンl及びセリシンlとセリシン2との混合層を精練除
去し、セリシン2.七リシン3及びセリシン4を残すこ
とができる。四ホウ酸ナトリウムを使用する場合は、四
ホウ酸ナトリウムとホウ酸の混合比が10:12で、同
じ精練効果を得ることができる。
同様にして、四ホウ酸ナトリウムとホウ酸の混合比が1
0:2の場合は、セリシンlからセリシン2迄は精練反
応が進行するが、セリシン3および4に対してはカリウ
ム塩の場合に見られるように化学平衡が起こり、精練反
応は進行しない。従ってこの場合は、セリシン3及びセ
リシン4を残した精練を行うことができる。
ケイ酸は、解離定数のひとつを(pにa) 9.7付近
に持っていて、ホウ酸と類似しており、ホウ酸と同様な
精練剤にすることができる。リン酸二ナトリウムもアル
カリイオン供給源として本発明の精練に使用できる。
本発明に使用可能な精練剤をまとめると、以下のものを
例示できる。
精練剤1号: BK型 自ホウ酸カリウム10ニホウ酸3(重量比:以
下、同m)の混合物 (0,1%水溶液のpH= 9.2 )”B N型 四
ホウ酸ナトリウム10ニホウ酸12の混合物 (0,1
%水溶液のp)I = 8.3 )KK型 ケイ酸カリ
ウム10:す・ンゴ酸2の混合物 (0,1%水溶液の
pH= 9.2 )KN型 ケイ酸ナトリウム10:リ
ンゴ酸4の混合物 (0,1%水溶液のpH= 8.3
 )精練剤2号: BK型 四ホウ酸カリウム10ニホウ酸 1の混合物(
0,1%水溶液のpH=  9.3 )BN型 四ホウ
酸ナトリウム10ニホウ酸2の混合物 (0,1%水溶
液のl)H= 8.8 )KN型 ケイ酸ナトリウム1
0:リンゴ酸2の混合物 (0,1%水溶液のPH= 
8.8 )精練剤1号を使7た場合、セリシン2.セリ
シン3、セリシン4が残留するので、腰の強い製品が得
られる。また、精練剤2号を使った場合、セリシン3.
セリシン4が残留することになり、やや柔軟な製品が得
られる。
セリシン1は最も溶解度が大きいセリシンであるが、セ
リシン11及びセリシンlと2の混合層の溶解度を大き
く変える要因を検討すると、原料素材のうける履歴の中
で最大の影響を与える物質として、セリシンに容易に脱
着する多価金属イオンの影響を考える必要がある。その
金属としては、用水中及び地表に広く存在し、製糸用水
中の有害金属イオンの代表にされてきたカルシウムおよ
びマグネシウムが考えられる。これらの金属は、飼料を
通して、あるいは、製糸用水中から容易にセリシンに付
加結合し、その溶解度を大きく変えると考えられる。セ
リシンlの構造的な特性(分子間隙が極めて狭い)の為
に、イオン半径が大きい(0,99人)カルシウムイオ
ンは、セリシンlの層に入り込む事は困難であり、セリ
シン1層の表面附近にしか配位結合ができないと考えら
れ、一方イオン半径の小さい(0,66人)マグネシウ
ムイオンは、セ17シンlの層内に入り込み、多価金属
の特性によってセリシン分子間に配位結合による架橋構
造を作b、カルシウムイオンよりも強力にセリシン1の
溶解度を低下させると推定できる。
実際にpH10以下の領域でカルシウムイオン、マグネ
シウムイオンをセリシンから奪取し安定なキレートとし
て封鎖する能力を示す多価酸のナトリウム、またはカリ
ウム塩などを添加すると、精練反応は著しく早くなり、
経歴の異なる生糸の精練所要時間が殆ど同じになる。こ
れは、セリシンの溶解度を大きく変化させる原因物質が
、マグネシウムイオン及びカルシウムイオンであろうと
した推定が正しかった事の証拠と考えられる。これは、
今まで不可能とされていた、経歴の異なる糸が混合した
織物の精練にも技術的に対応できることを示している。
一方、生糸・生織物の精練に当フては、セリシン2.3
および4を選択的に残す必要がある。そのためにはセリ
シンlをほぼ除去した段階でカルシウムイオンを含む精
練液によって、セリシン20表層で精練反応を停止させ
ながら、セリシンlおよびセリシン1とセリシン2の混
合層を完全に除去するための仕上精練を行う必要がある
カルシウムイオンは、セリシン1層の中には入れなかっ
たが、分子間隙の大きいセリシン2および30層内には
はいり込み、配位結合による架橋構造を形成し、精練反
応に対して抵抗を強めるので、選択的精練機能をより確
実なものにする性質を持っている。
以上述べてきた事は、キレート剤を利用した予備精練と
カルシウムイオンを添加した本精練の二段階精練法の理
論的根拠であり、この原理を更に角層させることによっ
て合理的に工程を単純化する事ができる。
即ち、本発明によれば、セリシンlの精練抵抗を変える
主因がマグネシウムイオンの配位結合に基ずくものであ
ることが判明したので、マグネシウムイオンが配位結合
しているセリシンlの官能基の数に対して、十分な量の
カルシウムイオン(水酸化マグネシウムよりも大きい解
離係数を示す、水酸化カルシウムより生成さ2せる)を
精1IWI始時の主剤として機能させると、カルシウム
イオンはセリシン1層表直付近の分子間に配位結合して
いたマグネシウムイオンと容易に置換される。
この際、十分な量のカルシウムイオンはセリシンlの分
子間に配位結合する事なく、分子内配位を取るものが多
くなる結果、マグネシウムイオンによる分子間三次元構
造は解消し、精練反応はセリシン10表面付近から順次
、容易に進行する。
精練の進行に伴)で精練液のpiは低下し、自動的にp
H9附近の緩衝液が仕上げの精練剤としての機能を果す
、同時に生成されたカルシウムイオンはセリシン2の精
練抵抗を高めるため、−液の精練で確実な選択的精練が
より短時間に実施できる。
また、水酸化カルシウムよりも解離係数の大きい水酸化
バリウムを共存させた精練剤を使うと、同じ?H領領域
精練してもカルシウムイオンがセリシン2の精練抵抗を
強める効果は認められず、マグネシウムイオンとセリシ
ンlによる構造の場合と同じ原理によって、セリシン4
0表面まで一気に精練が進行する。このことからも、水
酸化カルシウム及び水酸化バリウムの作用原理を証明す
ることができる。
以上のことは、マグネシウム、カルシウム、バリウム等
の金属イオンとセリシンを配位子としてつくる錯体の安
定度は、マグネシウム〈カルシウムくバリウムの1@で
あり、この精練反応は、アルカリ土類金属のような電気
的陽性の金属に認められる典型的な性質に基づく置換反
応の効果であることを示している。
従って、セリシン1,2.3を除き、セリシン4を選択
的に残したい場合には、水酸化バリウムの配合によって
高い能率を示す精練剤を提供することができる。
上記の理論は、さく蚕糸の精練方法に直ちに応用できる
。即ち、さく蚕生糸はカルシウムイオンの配位結合によ
り架橋されたセリシンによって被覆されている為、すで
に記してきた理由によってナトリウムイオン、カリウム
イオンを精練の主剤とした場合、精練によって除かねば
ならない外層セリシン(家蚕のセリシンlに相当すると
考えられ、酸化反応によって発色する色素が共存する)
を完全に除くことが極めて困難であるため、褐色色素の
色戻り現象があって完全な漂白ができなかった。このた
め、従来は糸質の劣化を招くような強いアルカリ性精練
剤または高価な精練用酵素が利用されてきた。しかしな
がら、本発明による、精練剤に水酸化バリウムを配合す
ることによって、家蚕糸の精練と何等変らぬ高能率の精
練剤を提供できる。自動的に機能するセリシンの選択的
精練作用は、内層セリシン(家蚕のセリシン2,3およ
び4に相当すると考えられる)を再現性よく残留させる
。この内層セリシンは漂白処理を妨害しないので、色戻
りの無い漂白が可能となる。また、家蚕絹糸の場合に見
られたような絹の諸特性を改善する機能も示す。
本発明の精錬剤組成において、アルカリ金属塩を形成す
る酸成分としてほう酸、けい酸基外の二塩基酸(例えば
炭酸、リンゴ酸)、三塩基酸(個差ばアスパラギン酸、
クエン酸、リン酸)、四塩基酸く例えばエチレンジアミ
ン四酢酸°)等を使用する事ができる。また、アルカリ
金属はカリウム、ナトリウムの他、リチウム等も使用で
きる。
また、このアルカリ金属塩と併用される所定の酸につい
ては、結晶状のものが配合しやすく、輸送に便利である
ために、ホウ酸、クエン酸、リンゴ酸等が好適であるが
、この他にも、酢酸、塩酸、リン酸など、水溶性の緩衝
液を形成する酸であれば使用できる。
この配合において、上記のアルカリ金属塩と上記の所定
の酸との割合は、精練剤1号では重量比で10: (0
,5〜15)が望ましく、10:(1〜12)が更に望
ましい、これは種類によっても異なり、アルカリ金属塩
がカリウム塩の場合は上記割合は10:(0,5〜12
)がよく、lo:(1〜10)が更によい。
ナトリウム塩の場合は10:(1〜15)がよく、10
:(2〜12)  が更によい、また、精練剤2号では
、上記割合は10:(0,2〜6)が望ましく、10:
(0,3〜4)が更に望ましい、この場合、アルカリ金
属塩がカリウム塩であれば10:(0,2〜5)がよく
、10: (0,373)  が更によい、ナトリウム
塩では10:(0,5〜6)がよく、10:(0,6〜
4)が更によい。
また、本抛明に用いる上記多塩基酸の解離定数(pKa
)はほぼ6〜10であることが上述の説明から必須不可
欠である。即ち、(pKa)が6未満であると、精練反
応自体が生じなくなり、また10を超えるとアルカリ性
が強すぎて精練の度合を制御することができなくなる。
この(pにa)は8.5〜9.8とするのがよい、また
、これに対応して、本発明に用いる上記アルカリ性緩衝
液のpt+はほぼ6〜10にできるが、9.5〜8.0
  がよ<、9.2〜8.3が更によい。
このアルカリ性緩衝液の精練浴中の濃度は0.03〜0
.5%とするのがよいが、精練剤1号では0.03〜0
.3%、精練剤2号では0.05〜0.5%とするのが
よい。
上記アルカリ性緩衝液の精練剤と、水酸化カルシウム又
は水酸化バリウムとの配合比は、重量比で10:(0,
5〜40)が望ましく、10:(1〜30)が更に望ま
しい。
また、これまでは、天然に色素を持った絹糸を精練する
と、色素は絹糸に染着することなく流亡し、利用するこ
とはできなかった。しかし、残すべき色素の性質は、塩
基性の合成染料と性質が似ていることがわかった。そこ
で、本発明者は、上のアルカリ剤と共に、塩基性染料の
濃染剤として利用されているカチオン界面活性剤を精練
剤に添加することで、色素を絹糸に染着させることに成
功した0本発明で利用するカチオン性の界面活性剤は、
その性質から、精練の進行を遅らせるので従来は精練剤
として併用されたことは無い、しかし、この界面活性剤
は、塩基性の天然色素を精練絹糸に取込ませるための糸
表面の改質作用を示すので、従来不可能とされていた事
を可能にすることができるのである。即ち、本発明の精
練法は、天然物志向に応えて、面の天然色素の利用によ
る美しい絹を作り出す事に成功したものである。
この方法によれば、面の色素はセリシンと結合している
ので、生糸から溶かし出されたセリシンを分解して色素
を遊離させ、遊離した色素は塩基性の染料としての性質
を示すためこのままでは好酸性染料の性質をもつフィブ
ロイン繊維には色素は結合しないが、本発明によって、
予めカチオン界面活性剤をフィブロイン繊維に吸着させ
るか又は共存させてフィブロイン表面を好塩基性にして
色素を吸着させ、適当な媒染剤によって色素を固定する
ことができる。天蚕の場合は、媒染剤を必要としない。
即ち、本発明は、天蚕糸の緑色の色素をできるだけ溶脱
させないで精練する条件を開発したものであり、この精
練法は、接着機能をもち、乾燥すると固い感触を与える
セリシンを選択的に除去し、シュウ酸塩、撚糸油、糊料
、各種薬剤、汚れなどを除き、カチオン界面活性剤の共
存下で緑色を保ちながら、光沢のあるしなやかな天蚕糸
とする精練工程に好適である。従来の精練に見られるセ
リシンの非選択的な除去は、可能なかぎり抑制し、天蚕
糸の欠点といわれる耐摩擦性を高めた精練方法でもある
。またカルシウムイオンは色素化合物の安定化のために
望ましい金属でもあり、水酸化カルシウムとして添加さ
れるのがよい。
本発明の方法において、上記のカチオン界面活性剤とし
ては、非還元性のアルキルピリジニウム塩、アルキルア
ンモニウム塩およびアルキルジメチル・ベンジルアンモ
ニウム塩などが挙げられる。
また、上記のアルカリ性緩衝液の精練剤と、上記のアル
カリ剤と、上記のカチオン界面活性剤との配合比は、重
量比で40:10:100が望ましく、30:3:60
が更に望ましい。
ホ、実施例 次に、本発明を実施例によって更に詳細に説明す4゜ 〈セリシン2を残したい場合〉 実施例 l (生糸および薄地の生織物)精練剤の組成
: 水酸化カルシウム  32部 四ホウ酸カリウム  58部 ホウ酸       10部 を混合したもの。
生糸または生織物の重量にたいして(以下owfと略記
する′> 1%の精練剤を使って適当な中性洗剤および
適量のキレート剤と共に、浴比40倍の精練液(p)1
9.8)とし、これを用いて94℃で40〜60分間精
練した。
精練処理を終了する約10分まえにowfo、2%のハ
イドロサルファイドナトリウムを添加し、排水、濶洗い
後、通常実施する仕上剤で処理した後、脱水、乾燥した
。適当な中性洗剤とは、陰イオン性の中性界面活性剤ま
たは非イオン性の中性界面活性剤およびそれらの混合物
であり、適量のキレート剤とは、用水および生糸など被
精線材料に含まれている、鉄・銅等の有害金属のマスキ
ングに必要な使用態であった。
〈縮緬および重めの生織物の精練〉 実施例 2 a 予備精練 精練剤の組成; 水酸化カルシウム  32部 四ホウ酸カリウム  58部 ホウ酸       10部 を混合したもの。
0νf1%の精練剤を使って適当な中性洗剤とキレート
剤と共に、浴比40倍の精練液(pH9,8)とし、9
4℃で40〜60分間精練してから水洗した。
5本精練 精練剤の組成: 水酸化カルシウム  10部 四ホウ酸カリウム  45部 ホウ酸       45部 を混合したもの。
ovf 1%の精練剤を使って、適当な中性洗剤とキレ
ート剤と共に、浴比40倍の精練液(pH9,3)とし
、94℃で40〜60分間精練してから水洗した。必要
な8度に応じてハイドロサルファイドナトリウムを精練
の終了約15分前に添加し、排水、湯洗い後に通常実施
する仕上剤で処理した後、脱水、乾燥した。
以上の各41〜2で得られた絹糸および絹布は、従来利
用されなかったセリシン2および3が絹素材として利崩
されるようになったことから、次のような特徴を示すも
のであった。
1、(a)精練歩留りが3〜6%向上した。
(b)セリシン層によりフィブロインが保護されている
ため、精練処理によるフィブロインの劣化現象が起らず
、強度、伸度共に約30%向上した。(第3図参照) (c)同じ理由か゛ら、耐摩擦性も著しく向上し、摩擦
に弱い従来の絹の欠点を過去の物とした。(第3図参照
) (d)セリシン2を残す事によって異常細繊維(ラウジ
ネス)がこのセリシン層に埋め込まれるので、ラウジネ
ス(セルローズ系の物を除く)の発生を抑制することが
できた。
(e)収縮率が小さく耐摩擦性が大きいので耐水洗性が
向上した。
2、風合いが著しく向上し、張りのある製品とな3、ハ
イブリット1シルク(他の繊維を混合した複合絹糸)の
精練を行う場合、従来法の様に精練剤が強アルカリでな
いので、混合されたポリエステル、アセテート、羊毛な
どの他の繊維の劣化を少なくする事ができた。
4、染色性は、非結晶性のセリシンで覆われているため
に従来法よりも良好であった。
5、精練所要時間が水酸化カルシウムを使わない時に較
べて 172以下になる場合があった。
6、原料薄口による精練時間のばらつきが非常に小さく
なったので、原料素材の混合による染むらの発生が抑制
され、欠陥製品の発生は少なくなった。
7、精練の終了前に適当な還元剤(例えばハイドロサル
ファイドナトリウム)を少量添加することによりカルシ
ウム塩の微粉末が絹糸表面に強固に付着(配位結合)す
るため、その紫外線反射作用によって精練した絹の耐黄
掲変性を大きくすることができた。なお、このことによ
゛る風合いの低下は起らなかった。またこの働き、は従
来の耐黄褐変処理の様に、クリーニングによって減退し
ない、これは、その作用機作からもあきらかである。(
第3図参@) 〈セリシン3まで除去したい場合〉 実施例 3 精練剤の組成; 水酸化バリウム   30部 四ホウ酸カリウム  60部 ホウ酸       10部 を混合したもの。
owf 1%の精練剤を使って、適当な中性洗剤とキレ
ート剤と共に、浴比40倍の精練液(pH10,5)と
し、94℃で40〜60分間精練した。精練処理を終了
する約10分まえにowfo、2χのハイドロサルファ
イドナトリウムを添加し、排水、濶洗い後に通常実施す
る仕上剤で処理した後脱水、乾燥した。
くさく蚕生糸、織物の精練〉 実施例4 精練剤の組成: 水酸化バリウム   150部 四ホウ酸カリウム   40部 ホウ酸        10部 を混合したもの。
owf 2%の精練剤をとり、適当な中性界面活性剤お
よびキレート剤と共に浴比40倍の精練液(p)111
.3)とし、94℃で60分間精練した後、ハイドロサ
ルファイドナトリウムowf 2%を添加し、フも 更に15分間精練をつづけて還元漂白を行り甲排水、湯
洗い後、脱水し、通常実施される過酸化水素等による酸
化漂白の工程を経て水洗、脱水、乾燥した。
〈天蚕生糸の緑色精練〉 実施例5 精練浴の組成: カチオン界面活性剤(アルキルジメチル・ベンジルアン
モニウム塩)   owf  10%精練剤     
     ovf  2%精練剤の組成; 四ホウ酸カリウム  50部 ホウ酸       50部 炭酸カリウム    13部 水酸化カルシウム   1部 を混合したもの。
浴比40倍の精練浴としくpH8,8〜9.0)、94
継続した後に排水、漬洗い後、必要によって、ノニオン
界面活性剤で洗浄後水洗乾燥した。
〈有色生糸の色素を保った精練〉 実施例6 カチオン界面活性剤(アルキルジメチル・ベンジルアン
モニウム塩)   owf  10%精練剤     
    0讐f 2%精練剤の組成; 四ホウ酸カリウム  60部 ホウ酸       10部 水酸化カルシウム  10部 水酸化バリウム  100部 を混合したもの。
浴比40倍の精練浴としくpH11,0)適量のキレー
ト剤を加えて 94℃で精練を開始し、10分後、炭酸
カリウムを加えてDH9,5としてさらに90〜120
分間精練を継続した後、媒染剤(例えば塩化第一錫をo
wf O,2$)を加え、なじませてから排水、湯洗い
後、必要によフて、ノニオン界面活性剤で洗浄後、撮洗
いし、通常の仕上処理をして乾・ 燥した。
上記実施例5,6で得られた精練絹糸はしなやかで光沢
のある、元の色と同じ色の練り糸であった・ 以上に示したように、本発明は、これまで絹糸業界が抱
えていた解決困難な技術的問題点の大部分を解消したば
かりではなく、本発明に基づいて得られた精練絹糸およ
び絹布は、新しく開発された絹の性能によって絹製品の
利用範囲をひろげ、絹製品に対する需要を拡大させるも
のと期待される。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明するためのものであって、第1t!
Iはフィラメントの拡大断面図第2図は同フィラメント
の主要部を蚕品種を異にする代表的な2品種(A)、(
B)について更に拡大して示す概略断面図、 第3図は精練絹布の物性を比較して示す図である。 (複雑になるので、YIのみで比較した)ロー従来法に
より精練されたもの1゜ 〇−本発明によるもの。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、解離定数がほぼ6〜10の範囲内にある多塩基酸の
    アルカリ金属塩及び所定の酸を含有するアルカリ性緩衝
    液で構成する精練剤と、水酸化カルシウム、水酸化バリ
    ウム又はその混合物との複合効果を利用する、絹繊維ま
    たはその織物の精練方法2、天蚕及び有色生糸等の精練
    に際して、解離定数がほぼ6〜10の範囲内にある多塩
    基酸のアルカリ金属塩及び所定の酸を含有するアルカリ
    性緩衝液で構成する精練剤と、炭酸ナトリウム、重炭酸
    ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムなど
    及びそれらのカリウム塩からなる群より選ばれた少なく
    とも1種と、カチオン界面活性剤とを併用する、絹繊維
    又はその織物の精練方法。
JP9096089A 1989-04-10 1989-04-10 絹繊維又はその織物の精練方法 Expired - Lifetime JPH064933B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9096089A JPH064933B2 (ja) 1989-04-10 1989-04-10 絹繊維又はその織物の精練方法
CN90102144A CN1043261C (zh) 1989-04-10 1990-04-10 蚕丝纤维及其织物的精炼方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9096089A JPH064933B2 (ja) 1989-04-10 1989-04-10 絹繊維又はその織物の精練方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02269870A true JPH02269870A (ja) 1990-11-05
JPH064933B2 JPH064933B2 (ja) 1994-01-19

Family

ID=14013064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9096089A Expired - Lifetime JPH064933B2 (ja) 1989-04-10 1989-04-10 絹繊維又はその織物の精練方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH064933B2 (ja)
CN (1) CN1043261C (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040022903A (ko) * 2002-09-10 2004-03-18 에스케이케미칼주식회사 견섬유의 정련방법
EP2712947A1 (en) * 2012-09-27 2014-04-02 Ludwig Boltzmann Gesellschaft GmbH Product made of native silk fibres
CN112831858A (zh) * 2021-01-20 2021-05-25 季华实验室 一种用于蚕丝纤维化的生物活性试剂和方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101757374B (zh) * 2008-12-25 2013-10-16 朱小放 一种制备治疗烧烫伤的药剂及其制备方法
CN102965867A (zh) * 2012-10-09 2013-03-13 浙江理工大学 一种天然黄色蚕丝织物的脱胶工艺
CN103911855B (zh) * 2013-12-28 2016-04-06 苏州华策纺织科技有限公司 一种蚕丝织物精炼剂
CN104195777B (zh) * 2014-09-16 2016-07-20 南通那芙尔服饰有限公司 一种提高天然彩色家蚕丝织物脱胶后颜色浓度的方法
CN105155247A (zh) * 2015-08-12 2015-12-16 融水苗族自治县宇隆茧丝有限责任公司 蚕茧丝脱胶、漂白处理工艺
KR101866476B1 (ko) * 2018-05-03 2018-06-11 (주)지유텍스 인형원단 제조방법
KR102211739B1 (ko) * 2018-08-23 2021-02-03 주식회사 엘지생활건강 부분정련으로 제조된 유색실크를 포함하는 마스크팩용 시트 및 이를 이용한 마스크팩
CN110029401A (zh) * 2019-04-12 2019-07-19 苏州丝之源纺织科技有限公司 一种用于天然彩色蚕丝的低温脱胶剂及其脱胶方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040022903A (ko) * 2002-09-10 2004-03-18 에스케이케미칼주식회사 견섬유의 정련방법
EP2712947A1 (en) * 2012-09-27 2014-04-02 Ludwig Boltzmann Gesellschaft GmbH Product made of native silk fibres
WO2014049129A1 (en) 2012-09-27 2014-04-03 Ludwig Boltzmann Gesellschaft Product made of native silk fibres
KR20150086243A (ko) * 2012-09-27 2015-07-27 안드레아스 토이슐 미가공 실크 섬유로 제조된 제품
EP3296434A1 (en) 2012-09-27 2018-03-21 MorphoMed GmbH Product made of native silk fibres
US10227712B2 (en) 2012-09-27 2019-03-12 Morphomed Gmbh Product made of native silk fibres
CN112831858A (zh) * 2021-01-20 2021-05-25 季华实验室 一种用于蚕丝纤维化的生物活性试剂和方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1047123A (zh) 1990-11-21
CN1043261C (zh) 1999-05-05
JPH064933B2 (ja) 1994-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02269870A (ja) 絹繊維又はその織物の精練方法
US5350423A (en) Fabric finishing procedure
US2446682A (en) Modifying cellulose textiles with an alkylolamine-copper complex
KR100704966B1 (ko) 린넨사의 빈티지룩 염색방법
JPH01297470A (ja) デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物
JP2852511B2 (ja) 新合成糸の製造方法及びそれにより得られる新合成糸
DE900807C (de) Verfahren und Mittel zur Herabsetzung der Schrumpfneigung von ganz oder teilweise aus Wolle bestehenden Geweben oder Faserstoffen
JP2006176888A (ja) 交撚糸及びその染色方法
TWI428488B (zh) 一種改善羽毛和羽絨顏色的方法
KR100901317B1 (ko) 무연사 염색방법
CN113136730A (zh) 一种家纺用超柔改性羊毛及其制备方法
US2165758A (en) Process of treating vegetable fibers
DE60122861T2 (de) Behandlung von textilien
KR100625279B1 (ko) 폴리프로필렌이 포함된 섬유의 제조방법 및 이로부터 얻은섬유
JP2003523485A (ja) 繊維製品の製造における疎水性漂白システムの使用方法
JPH01229803A (ja) 絹繊維又はその織物の精練方法
EP3696315B1 (en) Process for optical bleaching of a textile product made from animal fibers and textile product treated according to this process
JPH04202827A (ja) 後練り抜染可能織物の製造方法
JPH04257379A (ja) 後練り抜染可能織物の製造方法
JPH08246210A (ja) 剣道着の製造方法
TW202307308A (zh) 減輕纖維素纖維變色的方法及由此製造的產品
DE2212718C3 (de) Verfahren zur Verbesserung der Flammenbeständigkeit von natürlichen oder synthetischen Polyamidfasern
JPS62263389A (ja) 多色効果を有する羊毛繊維製品の製造方法
JPH08209538A (ja) セルロース繊維布帛の防皺処理法
JPS6346189B2 (ja)