JPH0226532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパチンコ機の入賞玉装置、特に遊技盤
の中央部分に設置して使用される入賞玉装置に関
するものである。

従来、この種の入賞玉装置において打玉が入り
易い状態と入り難い状態とに変換し得るような構
成をもつものは知られているが、これらはいずれ
も構造が複雑で価格が高かつたり或いは変化が少
なくて遊戯の興趣に欠ける等の欠点があつた。

本考案の目的は、簡単な構造により変化に富ん
だ打玉の入賞態様が顕現できる入賞玉装置を安く
提供することである。

以下本考案の一実施例を図面について説明す
る。

図において、１は合成樹脂材料からなり、遊技
盤面に装着する円状に形成された取付基板であ
る。この取付基板１の前面には中央部に夫々玉落
下口２，３を備えた上部玉受枠４と下部玉受枠５
とが形成されている。これら上部と下部の玉受枠
４，５は打玉が通ることができる間隔を離して上
下に対設されている。６ａ，６ｂは下部玉受枠５
の外方側壁部に近接させて中央よりやゝ下方を軸
７，７により回動自在に軸支した左右の玉受片で
あつて、第２図鎖線のように常時外方へ傾動する
ように重心が設けられており、その上面に打玉を
受けるところがその玉重量によつて回動し同図実
線のように起立位置に移動できる。８ａ，８ｂは
前記左右の玉受片６ａ，６ｂの内側において略中
間を軸９，９により回動自在に軸支された左右の
作動レバーであつて、第２図実線のように夫々の
一方端１０ａ，１０ｂを上部玉受枠４の玉落下口
２の下方に臨ませ他方端１１ａ，１１ｂは夫々の
玉受片６ａ，６ｂの内面に係合してこれを起立位
置に保持する。また、作動レバー８ａ，８ｂは一
方端１０ａ，１０ｂに打玉を受けると、これがそ
の玉重量によつて同図鎖線のように回動し、玉受
片６ａ，６ｂの係合を解いて傾動を生じさせる。
１２，１２は作動レバー８ａ，８ｂの一端側に設
けた重錘、１３は作動レバー８ａ，８ｂの回動位
置を保持する突起、１４は第２図鎖線姿勢の作動
レバー８ａ，８ｂの他方端１１ａ，１１ｂ上に落
下する打玉を取付基板１の後方へ導く入賞孔、１
５，１５は傾動した玉受片６ａ，６ｂ上に落下し
た打玉が流入し得る入賞孔である。

次に本考案の作用を説明する。玉受片６ａ，６
ｂが第３図実線のように起立しているときに、上
部玉受枠４上に打玉Ｂが入ると、これがその玉落
下口２から作動レバー８ａ，８ｂの一方端１０
ａ，１０ｂに乗り、該左右のレバー８ａ，８ｂは
その玉重量により同図鎖線のように反転させる。
このため両側の玉受片６ａ，６ｂは作動レバー８
ａ，８ｂの他方端１１ａ，１１ｂによる係合が解
かれて自重により同図鎖線のように外方へ傾動し
打玉の下部玉受枠５への受け入れを可能とする。
そして打玉Ｂは下部玉受枠５の玉落下口から遊技
盤面に落下して適宜下方に配置された入賞口に導
かれる。尚この際に、作動レバー８ａ，８ｂは重
錘１２，１２により反転動作が助長され、また他
方端１１ａ，１１ｂ下面が突起１３上面に受けら
れてその反転位置に保持される。

次に第４図において、例えば一方の玉受片６ａ
上に打玉B₁が受け入れられると、これがその上
面を流れて玉重量により該玉受片６ａを第４図鎖
線のように起立させながら作動レバー８ａの一方
端１０ａに乗り、該レバー８ａをその玉重量によ
り鎖線のように反転させながら玉落下口３から下
方へ排出される。このため玉受片６ａは作動レバ
ー８ａの他方端１１ａに係合して再び起立位置に
保持されることになる。尚他方の玉受片６ｂも打
玉の受け入れによつて同じように起立位置に保持
される。

第５図は一方の玉受片６ａが起立し、他方の玉
受片６ｂが傾動している状態を示し、このとき上
部玉受枠４に打玉B₂が入ると、これが玉落下口
２から作動レバー８ａの一方端１０ａの受部に乗
り、その玉重量によつて作動レバー８ａを反転さ
せ、他方端１１ａによる係合を解いて再び同図鎖
線のように外方へ傾動させる。なお、一方の玉受
片６ｂが起立し、他方の玉受片６ａが傾動してい
る場合も、打玉B₂によつて同じように起立して
いる玉受片６ｂを再び傾動させることができる。

また、第４図実線の状態のとき、上部玉受枠４
に入つた打玉B₃は玉落下口２から作動レバー８
ａ，８ｂの他方端１１ａ，１１ｂに落下し、これ
らを反転させることなくそのまゝ入賞孔１４に入
つて機裏の入賞通路に排出される。このため、両
側の玉受片６ａ，６ｂは起立することなく傾動し
たまゝの状態を続ける。また、傾動している玉受
片６ａ又は６ｂ上に２個の打玉が同時に入つた場
合には、先行する打玉によつて作動レバー８ａ又
は８ｂを反転させ、後方の打玉は入賞孔１５，１
５に入つて機裏の入賞通路に排出される。このた
め２個の打玉が玉受片上で玉噛みを起し作動不能
になるような不都合が除去される。

なお、この実施例では下部玉受枠５に受け入れ
られる打玉を玉落下口３から遊技盤面へ落下させ
る構成として説明したが、取付基板１に入賞孔を
設けて直接に機裏の入賞通路に導くようにするこ
とも当然考えられる。

以上のように本考案の入賞玉装置は、左右の玉
受片が起立した状態のと、上部玉受枠に入る打玉
によつてこれを同時に外方へ傾動させ、そしてこ
れらの起立動作は各玉受片に受け入れる打玉によ
つて個々に行なわせるものであり、また、一方の
玉受片のみが起立している場合これを上部玉受枠
に入つた打玉によつて傾動させる如く左右の玉受
片を個々に傾動させることもでき、それ故多くの
異なつた入賞態様が顕現できて遊技盤の中央部分
に取付ける入賞玉装置としては非常に面白いもの
となる。また、パチンコ遊戯に変化を与えて興趣
を著しく高めることができ、さらには構造が簡単
で安く提供できる等その実用的価値は誠に多大で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るもので、第１図は外観斜視
図、第２図は正面図、第３図乃至第５図は一部断
面にして作用を説明する正面図である。 １……取付基板、２……玉落下口、４……上部
玉受枠、５……下部玉受枠、６ａ，６ｂ……玉受
片、８ａ，８ｂ……作動レバー、１０ａ，１０ｂ
……一方端、１１ａ，１１ｂ……他方端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遊技盤面に装着する取付基板の表面に上部玉受
   枠と下部玉受枠を設け、上部玉受枠の中央部には
   玉落下口を形成し、下部玉受枠には常時は自重に
   より外方へ傾動して該下部玉受枠内へ玉を受け入
   れる左右の玉受片と、この左右の玉受片の内側に
   夫々位置しかつ一方端が玉落下口の下方に臨み他
   方端は夫々の玉受片の内側に係合して該玉受片を
   起立状態に保持させる作動レバーを軸着し、玉落
   下口から落下した玉によつて作動レバーを回動さ
   せて起立状態の玉受片を傾動するようにした、パ
   チンコ機の入賞玉装置。