JPH022644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 本発明は中空軸と、穿孔工具を挿入するため前
記中空軸に設けたチヤツクと、前記チヤツクを介
して前記穿孔工具に作用する打撃駆動機構と、前
記中空軸を介して穿孔工具を回転させるための回
転駆動機構と、前記双方の駆動機構を動作させる
駆動源とを具える打撃穿孔装置に関するものであ
る。

従来技術 既知の打撃穿孔装置においては、一定の動力を
伝達する伝動装置として回転する電機子即ち回転
子を有する電動モータにより中空軸を駆動してい
る。また打撃駆動機構としては、つり上げ磁石を
利用している。

更に他の既知の打撃穿孔装置では中空軸のため
の回転駆動機構および打撃駆動機構の双方に対し
て１個の共通の電動モータを設け、回転数に対す
る打撃数を一定としている。しかしこの構成は異
なる直径の穴をあける場合に最適な効率を得られ
ないという点で不便である。従つて平均的な直径
の穴に関する回転数当りの打撃数を設定してい
る。しかし平均的な直径から大きく外れた直径の
穴をあける場合効率は低下する。

更にまた穴の直径および加工する材質に回転数
当りの打撃数を適合させる打撃穿孔装置の開発が
なされた。このにうな穿孔装置としては穿孔スピ
ンドルの回転を一定にし、またこのスピンドルに
歯車を移動しないよう連結し、ハウジングに設け
た第２の歯車に噛合さ、更に第３の歯車を設けて
いるものがある。この場合２個の歯車を同軸状に
配列する。双方の歯車の歯車比を異ならせ、これ
ら歯車のどちらか一方を第３の歯車に噛合させる
か、または全体の噛合を切離したりする。しかし
このような極めて高価につく機械的構造でも２種
類の打撃回数しか得られない。

発明の目的・構成及び効果 従つて本発明の目的は加工軸の回転数と打撃回
数との関係を広い範囲内にしかも無段に選択する
ことができ、これによつて穿孔効率を最適にする
ことができる打撃穿孔装置を得るにある。

この目的を達成するため本発明打撃穿孔装置は
前記駆動源は、共通の界磁巻線を有する共通固定
子と、この固定子に関連させた２個の回転子と、
回転子の電気回路を互いに独立的に調整する回転
子制御回路とを設け、前記２個の回転子の一方を
回転駆動機構に駆動連結するとともに、他方を打
撃駆動機構に駆動連結したことを特徴とする。

本発明によればこの構成により各々の駆動機構
が独立的に調整可能になり、小型で操作性のよい
構造となる。この場合前記回転子の軸の双方を同
軸に配列し、前記回転子の一方の軸を中空軸とし
て構成し、また前記固定子の軸線上に前記双方の
回転子の軸を一列に配列し、前記回転子の他方の
軸を前記一方の中空軸に貫通させることができ
る。

本発明の他の実施例においては前記回転子の双
方の軸を互いに平行に配列し、前記固定子をＨ字
状に形成し、前記固定子の２個の軸線上にそれぞ
れ前記回転子を並置する。

２個の回転子に対して１個の界磁巻線を有する
１個の固定子を設ける場合回転子の電機子回路の
制御調整をするとよい。

このような回転子回路としては調整可能であれ
ば種々の構成のものを使用することができ、例え
ば分巻または直巻電動機若しくは中間周波電動機
を使用することができる。このような調整は並通
の構成要素である抵抗器により行うことができ
る。このような調整を電気的構成部分に加えるこ
とはできるだけ損失なく調整するという点で有利
である。例えば位相制御装置またはパルス制御装
置を使用することができる。回転子および調整装
置は種々のものを使用することができ上述したと
ころは例として示したに過ぎない。

実施例 次に図面につき本発明の実施例を説明する。

装置のハウジング２に中空軸１を回転自在に取
付ける。中空軸１にチヤツク３を軸線方向に移動
可能に取付ける。中空軸１は玉軸受２０およびこ
ろ軸受２１によりハウジング２に取付ける。中空
軸１内に遊動ピストン４を配置し、この遊動ピス
トン４を打撃ピストン５に共同作動させる。中空
軸１の内端領域にかさ歯車６を設ける。

中空軸１および打撃ピストン５のための駆動源
として、それぞれ回転子８，９を具える２個の電
動モータを使用し、これら回転子を共通の固定子
７に配置し、固定子に界磁巻線１６を設ける。回
転子８，９は固定子７の軸線に平行に配置する。
回転子の軸１０の一端をクランク駆動機構１１に
固着し、このクランク駆動機構１１を打撃ピスト
ン５に作動連結する。回転子８の中空軸１２内に
回転子９の軸１０を貫通させる。中空軸１２の前
端にかさ歯車１３を設け、中空軸１のかさ歯車に
噛合させる。回転子８，９にはそれぞれ整流子１
４，１５を配置する。これら整流子のブラシは周
知のため図示しない。駆動源は例えば直巻電動機
とすることができ、これにより電機子回路を調整
可能にすることができる。２個のモータの電機子
回路は互いに独立的に調整することができ、工具
の回転数と打撃回数との関係を広い範囲に調整す
ることができる。

ハウジング２に保持ハンドル１７を配置する。
この保持ハンドルにスイツチ１８を設け、装置の
回路を閉じることができるようにする。打撃回数
および回転数の調整はハウジングの側面に設けた
トグルまたはハンドル（図示せず）により行うこ
とができる。

第２図に示す実施例は第１図のものとほぼ同一
であるため、同一部分には同一符号を付して説明
する。第２図の実施例の相違点は回転子８′，
９′の軸１０′，１２′が互いに平行であり、固定
子の形状がＨ字状または「８」の字状（第３図参
照）をしている点である。打撃ピストン５の駆動
機構としてクランク駆動機構１１の代りにリンク
機構を使用することもできる。

モータの制御は完全に独立的に行うことがで
き、あるいは双方のモータ間の回転数の関係を一
定にすることができる。一方または双方のモータ
の回転数は一般的に知られている方法でそれぞれ
独立した一定のものに調整することもできる。

毎分回転数と毎分打撃回数との関係は最適にす
る。この関係は穴の大きさによつてのみならず加
工すべき構造体の性質によつても変化する。例え
ばもろい構造体に穴をあける場合、先ず注意深く
穴をあけることが必要であり、このとき打撃のエ
ネルギーを徐々に上昇させる。

調整範囲を広くするために、回転中空軸と移動
打撃ピストンとの間または回転子８，８′および
９，９′間に遊星歯車装置を介在させると好適で
あり、このとき適切な出力および制御を得ること
ができるようモータの寸法を決める。しかしこの
ような駆動装置は回転数と打撃回数の互いに独立
的な調整の限られた範囲しか得られない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明打撃穿孔装置の第１の実施例の
縦断面図、第２図は本発明打撃穿孔装置の第２の
実施例の縦断面図、第３図は第２図の−線上
の断面図である。 １…中空軸、２…ハウジング、３…チヤツク、
４…遊動ピストン、５…打撃ピストン、６，１３
…かさ歯車、７，７０，７０′…固定子、８，９
…回転子、１０…回転軸、１１…クランク駆動機
構、１２…回転中空軸、１４，１５…整流子、１
６，１６０，１６０′…界磁巻線、１７…保持ハ
ンドル、１８…スイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中空軸と、穿孔工具を挿入するため前記中空
   軸に設けたチヤツクと、前記チヤツクを介して前
   記穿孔工具に作用する打撃駆動機構と、前記中空
   軸を介して穿孔工具を回転させる回転駆動機構
   と、前記双方の駆動機構を動作させる駆動源とを
   具える打撃穿孔装置において、前記駆動源は、共
   通の界磁巻線を有する共通固定子と、この固定子
   に関連させた２個の回転子と、回転子の電気回路
   を互いに独立的に調整する回転子制御回路とを設
   け、前記２個の回転子の一方を前記回転駆動機構
   に駆動連結するとともに、他方を前記打撃駆動機
   構に駆動連結したことを特徴とする打撃穿孔装
   置。 ２ 前記回転子の軸の双方を同軸に配列し、前記
   回転子の一方の軸を中空軸として構成し、また前
   記固定子の軸線上に前記双方の回転子の軸を一列
   に配置し、前記回転子の他方の軸を前記一方の中
   空軸に貫通させたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載の打撃穿孔装置。 ３ 前記回転子の双方の軸を互いに平行に配列
   し、前記固定子をＨ字状に形成し、前記固定子の
   ２個の軸線上にそれぞれ前記回転子を並置したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の打
   撃穿孔装置。