JPH0226112B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電磁操作弁、例えば内燃機関の燃料噴
射装置のための燃料噴射弁であつて、弁ケーシン
グと鉄心と巻き線と接極子とを有し、この接極子
が、弁座と協働する弁部分に固く結合されてお
り、また外周面においてケーシングに固定的に締
め込まれた案内ダイヤフラムによつて鉄心の端面
に対して平行に案内されており、しかもこの案内
ダイヤフラムが接極子の、弁座に面した側の同心
的な案内縁部にばね張力のもとで当接せしめられ
ている形式のものに関する。

接触子が、外周面を以つてケーシングに固定的
に締め込まれた案内ダイヤフラムによつて平行に
案内されている電磁操作弁は既に公知である。こ
の場合案内ダイヤフラムの中央の案内開口が、接
極子に固定結合された弁部材をその周囲において
係合しておりかつ該弁部材を半径方向でセンタリ
ングせしめている。必要な公差に基づいて、前記
の案内ダイヤフラムの中央案内開口による弁部材
のセンタリングは、弁部材が軸線方向に延びる短
いものである場合にのみ可能であり、何故なら弁
部材が軸線方向への延長部を有すると該弁部材
の、弁座に対する半径方向の打撃が不都合に大き
くなつてしまうからである。この公知の弁におい
て必要とされている短い弁部材の構造のもたらす
欠点は、噴射個所が弁ケーシングにかなり密に位
置することになるので、弁がその配置のために半
径方向で極めて多くのスペースを必要とし、従つ
てこの弁を内燃機関の吸気管、特に内燃機関の
個々のシリンダの入口弁の近傍に配置したような
場合にその取り付けが困難になることである。

本発明の出発点となつた上記の先行技術に対し
て、弁座に対する弁部分の同軸的な案内が、案内
リングの案内開口によつて行なわれ、この案内リ
ング内に弁部分が突入していることを特徴とする
本発明による弁の有する利点は、接極子が摩擦少
なくかつ平面平行的に案内され、弁部分が有利に
センタリングされ、それによつて該弁部分を軸線
方向で必要なだけ延長することができ、従つて弁
端部が弁座と弁部分との範囲内で細長く形成され
得、延いては半径方向での取り付けに必要なスペ
ースが小さくなり、また当該の弁を燃料噴射弁と
して用いた場合は燃料を吸気管内の所望の個所で
噴射することが可能となつている点である。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図に示された燃料噴射装置用の燃料噴射弁
は、例えば特に低圧で混合圧縮型火花点火式内燃
機関の吸気管内に燃料を噴射するために用いられ
る。図面に符号１で示された弁ケーシングは、例
えば深紋り、圧延及び類似の非切削加工による成
形法で製造され、底部２を有するはち形状であ
り、またこの底部２から出発して管状の案内管片
３が形成されている。弁ケーシング１の内室５内
には強磁性材料から成る外鉄形鉄心７がはめこま
れており、この外鉄形鉄心７は内室５より小さな
直径を有しかつつば８を以つて弁ケーシング１の
内側付加部９に当接している。つば８の、前記内
側付加部９と反対側の面にはスペーサリング１０
が係合しており、このスペーサリング１０には案
内ダイヤフラム１１とノズル保持体１２とが接続
しており、更に丸曲げ縁部１３がノズル保持体１
２の端面を部分的にとり囲んでこのノズル保持体
１２上に軸線方向の締付け力を作用せしめてお
り、この締付け力によつて外鉄形鉄心７とスペー
サリング１０と案内ダイヤフラム１１とノズル保
持体１２との位置固定が保証されている。外鉄形
鉄心７としては例えば市販のジーメンス社のT26
型外鉄形鉄心が用いられ、この外鉄形鉄心はリン
グ状の外側鉄心１５と、この外側鉄心に継鉄を介
して結合されたリング状の内側鉄心１７とを有し
ている。巻き線１８は少なくとも部分的に、絶縁
性の保持体１９によつて取り囲まれており、この
保持体１９は巻き線１８と共に外鉄形鉄心７の、
外側鉄心１７との間に形成された環状室内に差し
込まれて該外鉄形鉄心７と形状結合によつて結合
されている。

外鉄形鉄心７の端面２８と案内ダイヤフラム１
１との間には平形接極子２９が配置されている。
この平形接極子２９の中央範囲内で該平形接極子
に、可動な弁部分３０が例えばろう接又は溶接に
よつて結合されている。この弁部分３０は案内ダ
イヤフラム１１の開口３１を接触なしに貫通して
おり、かつ弁座体３３内に形成された固定的な弁
座３２と協働している。この弁座体３３はノズル
保持体１２内で案内されている。案内ダイヤフラ
ム１１は弁部分３０ともまた平形接極子２９とも
固定結合はされていない。平形接極子２９は打ち
抜き成形部又はプレス成形部として形成されて、
例えば案内ダイヤフラム１１側に面した案内環３
４を有しており、この案内環３４によつて１つに
平形接極子２９の剛性がより良好にされ、２つに
平形接極子２９の、外側鉄心１５の端面に対応す
る第１の作業範囲３６が、内側鉄心１７の端面に
対応する第２の作業範囲３７から離され、更に３
つめには案内ダイヤフラム１１に当接する案内縁
部３５が形成されておりそれによつて平形接極子
２９が外鉄形鉄心７の端面２８に対して平面平行
的に案内されるようになつている。弁部分３０は
弁座３２と協働すべき球状区分３８を有してい
る。弁座３２に弁部分３０が当接している場合
は、案内ダイヤフラム１１が張力のもとで曲げら
れて平形接極子２９の案内縁部３５に当接してい
る。弁の閉鎖位置において弁部分３０は圧縮ばね
３９によつてばね負荷されており、この圧縮ばね
３９は他方側で、外鉄形鉄心７の内側孔４０を通
つて突出しているスライド部材４１に支持されて
いる。平形接極子２９及び弁部分３０への圧縮ば
ね３９のばね力はスライド部材４１を軸線方向に
摺動させることによつて制御され得る。

スライド部材４１の、平形接極子２９と反対側
の端部は案内管片３内に押し込められている。弁
部分３０は平形接極子２９に結合された管状区分
４８を有し、この管状区分４８に弁部分３０の球
状区分３８が接続している。弁部分３０は平形接
極子２９への方向で開いた同心的な袋孔４９を有
しており、この袋孔４９が圧縮ばね３９を受容し
ている。スライド部材４１は平形接極子２９の開
口５０を貫通して圧縮ばね３９を支持しており、
この圧縮ばね３９は他方側で球状区分３８に当接
しており、これによつて磁気回路（外鉄形鉄心
７、巻き線１８、平形接極子２９）が励磁されて
いない時は、弁部分３０が案内ダイヤフラム１１
の弾性力に抗して弁座３２に密に接して保持され
るようになつている。管状区分４８の周面から袋
孔４９に向つて横孔５２が延びている。

弁座３２の下流側には集合室５４が形成されて
おり、この集合室５４の容積は可及的に小さくさ
れなければならず、また弁座体３３と球状区分３
８とによつて制限されている。集合室５４から旋
回通路５９が離反方向に延びており、この旋回通
路５９は公知のように弁軸線に対してある角度を
以つて傾斜していてもよい。この場合、旋回通路
５９を例えば接線的に旋回室６０内に接続せし
め、燃料の調量のために働くようにしてもよい。
旋回体６１内に配設された旋回室６０の壁部に形
成される燃料膜は、吸気管に接続した旋回室６０
の鋭角端部の所で剥離されてそして円錐形状にな
つて吸気管の空気流内に入りこみ、それによつて
特に燃料圧が低い場合などの当該の燃料の良好な
精選が保証される。

弁ケーシング１の直径よりも著しく小さな直径
を有する、ノズル保持体１２の延長区分６２は丸
曲げ縁部１３を越えて突出しており、また軸線方
向での流過孔６３を有し、更に丸曲げ縁部１３と
反対側に大きな直径の受容孔６４を有している。
この受容孔６４内には案内リング６５、弁座体３
３、旋回体６１が順次に差し込まれており、そし
て延長区分６２の端部の、旋回体６１を囲む縁曲
げ部６６によつて位置固定されている。可動な弁
部分３０は縮小直径部分を以つて流過孔６３を貫
通しておりそして案内リング６５の、該案内リン
グ６内に形成された案内開口６８の案内面６７に
よつて半径方向で案内されている。第２図に示さ
れているように少なくとも３つの案内面６７が設
けられており、これらの案内面は均一な間隔を互
いに有しており、例えば図示の例では約120゜ずつ
互いにずらされている。個々の案内面６７の間に
は軸線方向で流過切欠き６９が設けられている。
案内リング６５の外径７０は受容孔６４の直径よ
りも小さい。これによつて組み立ての際に、まず
受容孔６４内に案内リング６５と弁座体３３と旋
回体６１とをそう入し、その後で可動な弁部分３
０の球状区分３８を弁座３２に当接せしめてから
案内リング６５を半径方向で球状区分３８の周面
に当接させつつ自動的にセンタリングし、そして
その後に初めて縁曲げ部６６によつて当該の位置
に固定するようにすることができる。

燃料噴射弁への燃料供給は弁ケーシング１の周
面に形成された流入開口７１を介して行なわれ、
この流入開口７１から該燃料は内側孔４０内へ、
そして平形接極子２９内の開口５０と、可動な弁
部分３０内の袋孔４９と、横孔５２とを介して流
過孔６３内に達するようになつている。燃料は流
過孔６３から一方では、案内リング６５内の流過
切欠き６９を介して弁座３２に、そして弁が開い
ている時は更に集合室５４と旋回通路５９と旋回
室６０とを介して噴射される。他方では、燃料の
調量されなかつた部分が流過孔６３から出て開口
３１又は案内ダイヤフラム１１の貫流開口７３と
平形接極子２９内の貫流開口７４とを介して、外
鉄形鉄心７のつば８内の開口７５まで流れ、この
開口７５は環状の流過通路７６まで案内されてい
る。流過通路７６は一方で外鉄形鉄心７の外周面
によつて、他方で弁ケーシング１の内径によつて
制限されている。流過通路７６からは、弁ケーシ
ング１の壁部内に設けられた流出開口７７が図示
されていない燃料戻し導管まで延びている。

流入開口７１を介する代りに延長区分６２内の
鎖線で示された流入開口７１′を介しても燃料の
流入は可能である。

可動な弁部分３０が案内リング６５によつて半
径方向案内されていることによつて、該弁部分３
０を細長く延びた形に形成することが可能とな
り、それによつて燃料噴射が吸気管のあらゆる所
望の個所で行なわれ得、またやはり延長区分６２
の細長い形状によつて吸気管への必要組み込みス
ペースが小さくて済む。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図は本発明による電磁操作式燃料噴射弁の長
手方向断面図、第２図は第１図の―線に沿つ
た断面図である。 １……弁ケーシング、２……底部、３……案内
管片、５……内室、７……外鉄形鉄心、８……つ
ば、９……内側付加部、１０……スペーサリン
グ、１１……案内ダイヤフラム、１２……ノズル
保持体、１３……丸曲げ縁部、１５……外側鉄
心、１７……内側鉄心、１８……巻き線、１９…
…保持体、２８……端面、２９……平形接極子、
３０……弁部分、３１，５０，７５……開口、３
２……弁座、３３……弁座体、３４……案内環、
３５……案内縁部、３６，３７……作業範囲、３
８……球状区分、３９……圧縮ばね、４０……内
側孔、４１……スライド部材、４８……管状区
分、４９……袋孔、５２……横孔、５４……集合
室、５９……旋回通路、６０……旋回室、６１…
…旋回体、６２……延長区分、６３……流過孔、
６４……受容孔、６５……案内リング、６６……
縁曲げ部、６７……案内面、６８……案内開口、
６９……流過切欠き、７０……外径、７１，７
１′……流入開口、７３，７４……貫流開口、７
６……流過通路、７７……流出開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弁ケーシングと鉄心と巻き線と接極子とを有
   する電磁操作弁であつて、接極子が、弁座と協働
   する弁部分に固く結合されており、また外周面に
   おいてケーシングに固定的に締め込まれた案内ダ
   イヤフラムによつて鉄心の端面に対して平行に案
   内されており、しかもこの案内ダイヤフラムが接
   極子の、弁座に面した側の同心的な案内縁部にば
   ね張力のもとで当接せしめられている形式のもの
   において、弁座３２に対する弁部分３０の同軸的
   な案内が、案内リング６５の案内開口６７，６８
   によつて行われ、この案内リング６５内に弁部分
   ３０が突入していることを特徴とする電磁操作
   弁。 ２ 弁部材３０，３８の案内が案内リング６５内
   で、案内開口６８の案内面６７によつて行われて
   いる、特許請求の範囲第１項記載の電磁操作弁。 ３ 少なくとも３つの案内面６７が設けられてお
   り、この各案内面が互いにほぼ均一な間隔を有し
   ている、特許請求の範囲第２項記載の電磁操作
   弁。 ４ 各案内面６７の間に、軸線方向に延びる流過
   切欠き６９が設けられている、特許請求の範囲第
   ３項記載の電磁操作弁。 ５ 弁部材３０が、接極子２９に結合された管状
   区分４８を有しており、この管状区分４８に、弁
   座３２と協働する球状区分３８が接続している、
   特許請求の範囲第１項記載の電磁操作弁。 ６ 案内リング６５の外径７０が、該案内リング
   ６５を受容する受容孔６４よりも小さくなつてい
   る、特許請求の範囲第１項記載の電磁操作弁。