JPH02253815A - エアーフィルター用濾材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ダストの捕集効率が高く、かつ使用寿命の長
い、新規な密度勾配型不織布で、自動車エンジン用空気
清浄器、空調用空気清浄器に用いる濾材に関するもので
ある。

〔従来の技術とその課題〕

従来、この種のエアーフィルターとしては、空気の流れ
方向に粗から密へと密度勾配を与えた２〜３層構造の乾
式不織布があり、３層不織布の作成法は、流入空気の上
流側から下流側に対し、繊維径の太い繊維層、中間の繊
維層、細い繊維層をそれぞれ積層し、繊維密度が異なる
繊維層をニードルパンチ処理し、樹脂接着剤を流入空気
の下流側に多く付着させ、一体化し密度勾配型不織布と
したものである。

この密度勾配型不織布において、濾過精度を支配するの
は空気流出側の密層部であり、濾過効率を上げるため、
シートの密層部の厚みを増したり、樹脂接着剤の量を多
くしたり、使用する繊維径を細くしたりして、シートの
小孔径化を図っている。

一方、自動車エンジン用空気清浄において考えた場合、
道路付近の空気中のダストは、未舗装道路より発生する
砂塵のような大粒径のものから、自動車から排出される
排ガス中のカーボン粒子などの小粒径のものまで、広域
の粒径分布の粒子が存在している。

ところが、上記密度勾配型不織布は、大粒径のダストに
対しては、上流側の粗層及び中層がプレフィルタ−とし
て良くはたらき、十分な濾過寿命が得られるものの、小
粒径のダストに対しては、粗層及び中層がプレフィルタ
−としてはたらかず、また、下流側の密層部は樹脂接着
剤の付着量を多くしてシートの小孔径化を図っているた
め、密層部の空隙率はきわめて小のため、密層部の早期
目詰りにより、短かい濾過寿命となる欠点があった。

本発明は、ダストの濾過効果が高く、しかも大粒径と小
粒径いずれのダストに対しても十分な濾過寿命が得られ
るエアーフィルターを提供し、もって従来の問題点を解
決することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、空気流入側の粗層部から空気流出側の密層部
へと密度勾配を有した、少なくとも２層以上の繊維層か
らなり、各層の繊維重量に対して５〜５０％の熱融着繊
維を各層に配合した不織布を湿式により抄造し、該不織
布に有機溶剤中に分散または溶解した樹脂接着剤を不織
布重量に対して２〜４０％含浸し、付着させてなること
を特徴とするエアーフィルター用濾材を要旨とするもの
である。

以下３Ｎ構造の本発明品について説明する。

本発明の湿式不織布は、従来の乾式不織布が、小粒径の
ダストにおける濾過寿命が短かい欠点を改良すべく、目
詰りの主原因と考えられる密層部の低い空隙率を、孔径
を固定化することにより高めている。

その手段として、熱融着繊維を密層部に５〜５０％配合
し、それにより繊維層の孔径を固定化し、樹脂接着剤の
使用量を極力少量とし、樹脂接着剤による空隙率の低下
を防止した。

また、自動車エンジン用空気清浄器においては、小粒子
径であるカーボンダストは、エンジンにキズをつける等
の害はないため、フィルターをスルーしてもよいとされ
ている。したがってフィルターの濾過寿命を長いものに
するには、大粒径のダストは捕集するが、小粒子径のダ
ストはスルーするという構造が好ましいのである。

そのような不織布を得る手段として、密層部シートの孔
径の大きさが、大粒子径のダストを捕集する程度の大き
さで、しかもその孔径が均一なものとし、密層部の厚み
を、従来の不織布に比べ薄くすることにより、カーボン
ダストがスルーしやすく、大粒径ダストは捕集しやすい
ものが得られた。

この密層部の目付は３０〜７０ｇ／ｒｒｆ、平均孔径は
７０〜１１０μが好ましいが、本発明の湿式不織布は、
原料繊維を均一に水に分散した懸濁液を抄紙網上に堆積
させシート化し、乾燥するものであり、乾式不織布に見
られるような、繊維の部分的な積層ムラが、発生するこ
となく、非常に均一な構造となるため、濾過精度、濾過
寿命を上げるのに好適である。

また、空気流入側の粗層部及び中層部は、大粒径ダスト
に対しては濾過寿命を左右する重要な繊維層部であり、
鋭意研究の結果、熱融着繊維により固定化したシートの
みでは、第１図に示すごとく、大粒径ダストを負荷させ
た時シートにしずみが生じてしまい、ダスト保持量（Ｄ
ＨＣ）が低下し、濾過寿命が短かくなってしまう、そこ
で樹脂接着剤を付着させ、各繊維層にある程度の硬さを
持たせることにより、ＤＨＣの低下を抑えることができ
、濾過寿命を長くすることが可能となった。

ここで用いる樹脂接着剤は、有機溶剤中に溶解若しくは
分散した、アクリル酸エステル、アクリル酸エステル−
酢酸ビニル共重合物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂環、熱可塑性。

熱硬化性樹脂などの溶液、エマルジョン及びサスベンジ
目ンが使用できる。

有機溶剤溶解性もしくは分散性樹脂を使用する理由とし
ては、水溶性樹脂では、樹脂含浸後の乾燥時に、水の蒸
発に伴ない、樹脂のマイグレーシランの発生が大となり
、シート表面部に多くの樹脂が付着してしまい、シート
表面部の空隙率が著しく低下し、濾過寿命の低下を招い
てしまうが、蒸発スピードの早い有機溶剤を分散剤また
は溶剤として使用することにより、マイグレーシランの
発生を最小に抑えることができ、したがって、濾過寿命
を長くすることができる。

この樹脂接着剤のシートへの含浸方法としては、浸漬法
、ローラー法、スプレー法等の方法で行なう。

本発明品を抄造するマシーンは円網−円網コンビネーシ
ョン、円網−長網コンビネーション、傾斜組型多層抄紙
マシーン等各種マシーンが用いられるが、目的、用途に
より適宜選んでやればよい。

また、本発明品に用いる繊維としては、繊維長０．３〜
２０ＩＩＩｆｆｉの化合繊たとえばポリエステル、ポリ
プロピレン、レーヨン、ビニロン及び天然バルブなどで
、密層部には捲縮のない０．３〜３ｄの繊維を、中層部
には２〜６ｄの繊維を、粗層部には２〜１０ｄの繊維が
それぞれ用いられる。

以下実施例により本発明を具体的に説明する。

実施例１ 多層抄きが可能な抄紙機を用いて、以下の様な配合の粗
密構造湿式不繊布を作成した。

−粗層部一 ポリ・エステル捲縮繊維（６ｄＸ１０…／＋１１）２０
％ポリエステル熱融着繊維（３Ｘ１０）　　　　１０％
−中層部 ポリエステル捲縮繊維　（３Ｘ５）　　　　１０％ポリ
エステル繊維　　　（２Ｘ１０）　　　　１５％ポリエ
ステル熱融着繊維（２Ｘ１０）　　　　１５％−密層部
− ＮＢＫＰ　（天然バルブ）　　　　　　１０％レーヨン
繊維　　　　　（１，５ｘｌＯ）　　　１０％ポリエス
テル熱融着繊維（２ｘｌＯ）　　　　１０％このシート
は日付２１０　ｇ／ｍ、厚み２．２ｍ／ｍ透気度０．８
　ｓｅｃ／　３００　ｃｃ、バブルポイント法による平
均孔径が９０μであった。

実施例２ 実施例１のシートに、メタノール中に分散したアクリル
酸エステル接着樹脂をローラー法にて含浸させ、乾燥し
、目付２４０　ｇ／イ、厚み２．２Ｉｌ／ＩＩｌ、透気
度０．８　ｓｅｃ／　３００　ｃｃ、平均孔径が９０μ
のシートを作成した。

実施例３ 実施例１のシートに、メタノール中に溶解した熱硬化性
フェノール接着樹脂を実施例２と同様に処理し付着させ
、１５０°Ｃ１１０分間フェノール樹脂の硬化を行ない
、目付２４０ｇ／ｎｆ、厚み２．２ｍ１ｍ　、透気度０
．８ｓｅｃ／３００ｃｃ、平均孔径９０μのシートを作
成した。

比較例１ 実施例１のシートに水溶性アクリル酸エステル接着樹脂
を実施例２と同様に処理し、付着させ、目付２４０　ｇ
　／ｖａ”、厚み２．２ｍ／ｍ、通気度１．０ｓｅｃ／
　３００　ｃｃ、平均孔径が８５μのシートを作成した
。

比較例２ 実施例工と同様の抄紙機により、以下の配合の粗密構造
湿式不織布を作成する工程において、ウェットバートか
ら出た直後のシートに水溶性アクリル酸エステル接着樹
脂をスプレー法にて含浸させ、乾燥し、樹脂３０ｇ／ｍ
”を付着させたシートを作成した。

このシートは、目付２４０ｇ／ｍ”、厚み２．２１Ｉｌ
／ｍ、透気度１．２　ｓｅｃ／　３００　ｃｃ、平均孔
径が９０μであった。

一粗層部 ポリエステル捲縮繊維（６ｄＸ１０情／ｍ）２０％ポリ
エステル繊維　　　（３ｘｔＯ）　　　　１　ｏ％−中
層部− ポリエステル捲縮繊維　（３Ｘ５）　　　　１０％ポリ
エステル繊維　　　（２Ｘ１０）　　　　３０％−密層
部− ＮＢＫＰ　（天然バルブ＞　　　　　　　　１０％レー
ヨン繊維　　　　　（１，５ｘｔＯ）　　　１０％ポリ
エステル繊維　　　（２Ｘ１０）　　　　１０％実施例
１，２．３及び比較例１．２のエアーフィルター５種に
加え、市販の乾式不織布タイプのエアーフィルターにつ
いて、以下の条件でＪＩＳ　８種ダスト及び軽油排ガス
中のカーボンダスト負荷テストを行なった。

−ＪＩＳ　８種ダストテストー テスト法：ＪｒＳ　Ｄ−１６１２に準ず有効濾過面積：
４３０ｃｄの平板 ダスト投入１：１ｇ／ボ 風速：　３０　ｃｍ／ｓｅｃ 増加通気抵抗：３００ｍｎ＋Ａｑ上昇時をフルライフと
する カーボンダストテスト− ダスト：軽油燃焼排ガス中のカーボン （平均粒径０．２μ） 有効濾過面積：４３０ｃ４の平板 ダスト投入量：０．０５ｇ／ｍ 風速：　３０　ｃｍ／ｓｅｃ 増加通気抵抗：３００ｍｍＡｑ上昇時をフルライフとす
る これらのダスト負荷テスト結果を表１に示す。

表１のごとく、ＪＩＳ　８種ダスト負荷テストでは、実
施例１に樹脂接着剤を付着させた実施例２．３は実施例
１に比べて効率は同程度でダスト保持量がそれぞれ大と
なっていることがわかる。また比較例１は実施例２，３
に比べて、濾過効率が若干上がるものの、ダスト保持量
が極めて小となっている。これは比較例１が水溶性樹脂
接着剤を使用しているため、乾燥時に発生するマイグレ
ーションによりシート表面の空隙率が著しく低下したこ
とが原因と考えられる。比較例２は熱融着繊維を使用せ
ず、水溶性樹脂接着剤のみによりシートを固定化したも
のであり、実施例１，２に比べ濾過効率が劣り、ダスト
保持量も比較例１同様に極めて小となっている。

一方、カーボンダスト負荷テストにおいては、樹脂接着
剤を使用していない実施例１が最もダスト投入量が多く
優れているが、有機溶剤溶解性もしくは分散性接着樹脂
を付着させた実施例２．３でもダスト投入量は、さほど
低下していないことがわかる。

以上のように、本発明品は従来の市販品に比べて、ＪＩ
Ｓ　８種ダストにおける濾過効率が同程度で、粒径の大
きいＪＩＳ　８種ダスト及び粒径の小さいカーボンダス
ト双方において極めて優れた濾過寿命を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明品にＪＩＳ　８種ダストを負荷させた時
の濾材断面図で、実施例１に樹脂接着剤を付着させた実
施例２．３は繊維層が硬く固定化されているため、ダス
トを負荷させた時にシートがつぶれず、ダスト保持量が
実施例１よりも大となることを示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 空気流入側の粗層部から空気流出側の密層部へと密度勾
   配を有した、少なくとも２層以上の繊維層からなり、各
   層の繊維重量に対して５〜５０％の熱融着繊維を各層に
   配合した不織布を湿式により抄造し、該不織布に有機溶
   剤中に分散もしくは溶解した樹脂接着剤を不織布重量に
   対して２〜４０％含浸し、付着させてなることを特徴と
   するエアーフィルター用濾材。