JPH0225228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、RFモジユレータに内蔵されるUHF
発振器などの小型の発振器に係り、特に、枠体に
対して可変コンデンサのロータ軸を支持するため
のロータ軸支持機構に関する。

〔技術的背景ならびに従来技術〕

第１図はRFモジユレータの概略構造を分解斜
視図によつて示しているものである。この種の機
器では、シールドケース１内に回路基板２が設置
されており、また、この回路基板２上の回路を外
部へ接続するための入出力接栓３がシールドケー
スの側板に装備されている。そして、回路基板２
の一部には切欠き２ａが形成されており、この切
欠き２ａにUHF発振器４が固定されるようにな
つている。この発振器４は金属製の枠体５とこれ
を覆うカバー６とから成つており、この枠体５内
にトランジスタなどの各種電子部品７とともに可
変コンデンサ８が収納されている。この可変コン
デンサ８のロータ軸８ｂは枠体５の側面に形成さ
れた穴に支持されている。このロータ軸８ｂに複
数のロータ羽根８ａが固設されており、また、ロ
ータ羽根８ａに対向するステータ羽根（図示せ
ず）は枠体５の内部に固設されている。なお、ロ
ータ軸８ｂはシールドケース１に穿設された操作
穴１ａの内側に臨まされ、シールドケース１の外
側から回転させて調節できるようになつている。

〔従来技術の問題点〕

第１図に示すRFモジユレータはVTR製品に組
込まれるものである。ところが最近のVTR製品
は種類が多くなつており、これに対応して、RF
モジユレータも外形寸法や操作形態が多種にわた
つている。よつて、UHF発振器においては、枠
体５に対する可変コンデンサ８の設置形態、すな
わち、ロータ軸８ｂの向きなども各種製品に応じ
て統一されないことになる。

このような現状から、従来は、VTR製品の種
類に合わせてRFモジユレータなどの設計を行な
つており、RFモジユレータならびにこれに内蔵
されるUHF発振器４も各製品ごとに異なる機構
になつている。そのため、UHF発振器４の設計
製作に当たり、標準化が困難になつている。

〔本考案の目的〕

本考案は上記従来の問題点に着目してなされた
ものであり、RFモジユレータなどの機器の種類
に応じて選局用のロータ軸の取付方向を変えるこ
とができるようにし、同じ枠体を使用して部品の
標準化を図つた発振器のロータ軸支持機構を提供
することを目的としている。

〔本考案の構成〕

本考案は、枠体に可変コンデンサのロータ軸が
回転自在に支持される発振器において、前記枠体
には、ロータ軸を交叉する２方向のいずれかの向
きにて支持する２組の支持部が形成されており、
且つロータ軸を上記各支持部へ押圧するばね部材
を取付けるためのばね取付部が、上記各支持部ご
とに設けられていることを特徴としており、１つ
の枠体を用いてロータ軸の取付方向を変えること
ができ、多種の製品への対応を可能にしたもので
ある。

〔本考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第２図以下の図面によ
つて説明する。

第２図は本考案による発振器の一実施例として
RFモジユレータに内蔵されるUHF発振器の枠体
１０を示す斜視図、第３Ａ図以下はこの枠体１０
にロータ軸２１を取付けた状態を示しているもの
である。

第２図に示すように、この枠体１０は金属板を
プレスして成形したものである。この枠体１０
は、右側板１１と左側板１２ならびに後側板１３
と前側板１４さらに底板１５とを有している。右
側板１１のやや前方寄りの位置には支持窓１１ａ
が穿設されており、左側板１２の同一位置にも支
持窓１２ａが穿設されている。この両支持窓１１
ａ，１２ａの図示手前部分は、窓の縁部によつて
Ｖ字状に形成されて軸支持部Ａになつている。こ
の支持窓１１ａと１２ａはロータ軸を横向きに支
持するためのものである。また、右側板１１には
下部にばね取付穴１１ｂが穿設され、右側板１１
の上端前部にはばね取付片１１ｃが内側に折曲げ
成形されている。同様に、左側板１２の同一位置
にもばね取付穴１２ｂとばね取付片１２ｃが設け
られている。

さらに、前記前側板１４の上下端は枠体内方へ
折曲げられて支持片１６と１７とが平行に形成さ
れている。この各支持片１６と１７の先部はＶ字
形状に切欠かれており、このＶ字形状部分が軸支
持部Ｂになつている。この軸支持部Ｂはロータ軸
を縦向きに支持するためのものである。そして、
左右側板１１と１２の上縁にはばね取付切欠部１
１ｄと１２ｄが形成され、また左右側板１１と１
２の下縁にはばね取付切欠部１１ｅと１２ｅが形
成されている。

次に、上記枠体１０に対するロータ軸２１の取
付けについて説明する。

第３Ａ図（斜視図）と第３Ｂ図（側面図）はロ
ータ軸を横向きに取付けた場合を示しているもの
である。

図中の符号２１はロータ軸である。このロータ
軸２１の端には頭部２１ａが形成されており、こ
の頭部２１ａに、操作用のスリツト２１ｂが形成
されている。また、このロータ軸２１には複数の
ロータ羽根２２が固設されている。一方、図示省
略するが、枠体１０内にはステータが固設されて
おり、このステータに設けられたステータ羽根が
上記ロータ羽根２２と微小間隔にて対向するよう
になつている。

このロータ軸２１を横向きに取付ける場合に
は、ロータ軸２１の両端部を左右側板１１，１２
の支持窓１１ａと１２ａへ内側から挿入し、この
支持窓１１ａと１２ａに形成されたＶ字状の軸支
持部Ａによつてロータ軸２１を支持するようにな
つている。また、このロータ軸２１を支持するた
めにばね２３が使用される。このばね２３は線状
ばねである。このばね２３の基端２３ａはＬ字状
に折曲げられて左右側板１１と１２に穿設された
ばね取付穴１１ｂと１２ｂに対し内側から係止さ
れる。そして、ばね２３によつてロータ軸２１が
押えられ、ばね２３はやや彎曲された状態にて、
先端２３ｂが左右側板１１，１２のばね支持片１
１ｃ，１２ｃの下面に係止される。これにより、
ロータ軸２１はばね２３に押圧されて、各支持窓
１１ａ，１２ａのＶ字状の軸支持部Ａに押え付け
られる。

次に、第４Ａ図（斜視図）、第４Ｂ図（平面図）
は、ロータ軸２１を縦向きに取付けた状態を示す
ものである。

この場合、ロータ軸２１は上下各支持片１６と
１７にＶ字状に形成された軸支持部Ｂに設置す
る。そして、２本の線状のばね２４をロータ軸２
１の両端部に添え、ばね２４を撓ませて、ばね両
端部を左右両側板１１と１２に形成されたばね取
付切欠部１１ｄ，１２ｄと１１ｅ，１２ｅとに
各々掛ける。このばね２４の弾性力によつてロー
タ軸２１はＶ字状の軸支持部Ｂに押圧されて支持
される。

このように、ロータ軸２１を横向きあるいは縦
向きにてステータ（図示せず）と共に枠体１０に
設置し、また、他の電子部品も枠体１０内に実装
する。そしてこの枠体１０にカバー（第１図の符
号６に相当するもの）を装備してUHF発振器が
完成される。このUHF発振器はRFモジユレータ
などの高周波機器に内蔵される。

〔本考案の効果〕

以上のように本考案によれば以下に列記する効
果を奏するようになる。

(1) 枠体に、ロータ軸を交叉する２方向のいずれ
かの向きにて支持する２組の支持部を形成する
とともに、ロータ軸を上記各支持部へ押圧する
ばね部材を取付けるためのばね取付部を、上記
各支持部ごとに設けたので、ロータ軸が枠体に
対して２つの向きに取付けられるようになり、
１つの枠体によつて多種の機器向けの発振器を
構成できることになる。よつて、枠体を多品種
に併用でき、多種の設計に対応できるようにな
る。

(2) 枠体を多種の機器に使用できるので、枠体を
プレス成形するための金型の標準化も実現でき
る。また治工具も標準化できコストダウンを実
現できることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はRFモジユレータとこれに内蔵される
発振器の従来例を示す分解斜視図、第２図以下は
本考案の実施例を示すものであり、第２図は発振
器の枠体を示す斜視図、第３Ａ図は枠体にロータ
軸を横向きに取付けた状態を示す斜視図、第３Ｂ
図はその側面図、第４Ａ図は枠体にロータ軸を縦
向きに取付けた状態を示す斜視図、第４Ｂ図はそ
の平面図である。 １０……枠体、１１ａ，１２ａ……横向きのロ
ータ軸を支持する支持窓、Ａ……横向きのロータ
軸の軸支持部、１１ｂ，１１ｃ，１２ｂ，１２ｃ
……横向きのロータ軸を押えるばねの取付部、１
６，１７……縦向きのロータ軸を支持する支持
片、Ｂ……縦向きのロータ軸を支持する軸支持
部、１１ｄ，１１ｅ，１２ｄ，１２ｅ……縦向き
のロータ軸を押えるばねの取付部、２１……ロー
タ軸、２２……ロータ羽根、２３，２４……ば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠体に可変コンデンサのロータ軸が回転自在に
   支持される発振器において、前記枠体には、ロー
   タ軸を交叉する２方向のいずれかの向きにて支持
   する２組の支持部が形成されており、且つロータ
   軸を上記各支持部へ押圧するばね部材を取付ける
   ためのばね取付部が、上記各支持部ごとに設けら
   れていることを特徴とする発振器のロータ軸支持
   機構。