JPH0225051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、調理をする際に生ずる油はねや煮
汁のしぶきがガスレンジなどその周辺部が汚れる
のを防ぎ、調理場（台所）の清潔を保つための調
理用の汚れ防止具に関するものである。

従来、主に家庭で用いられている調理用の汚れ
防止具は、ガスレンジ等のバーナ部分に敷くアル
ミ箔で作られた“煮こぼれ受け”のための受け皿
状のものとか、天ぶらやいためものなどの場合の
油はねを付着させて周辺への汚れを防止する衝立
状の囲い板などがあつた。

しかし前者は煮こぼれ汁を受けるだけの効果し
かなく、後者はガスレンジ等の上に衝立のように
立てかけるか、レンジの側面を利用して磁石や粘
着材で取りつけて使用するので、衝立状の囲い板
までの間のレンジの表面の汚れは防ぐことができ
なかつた。つまり両者を併用しても、衝立状の囲
い板までのレンジの露出表面への汚れは防げない
という調理用の汚れ防止具としてはきわめて不完
全なものであつた。そのため、完全に汚れを防ぐ
には、レンジの露出部分に別途アルミ箔を敷きつ
めるなどの手間と資源を費さなければならず、き
わめて無駄なことであつた。

また、実開昭49−107568に開示された天ぶらガ
ードのような組立式のものもあるが、ただ単にア
ルミハクを折り曲げてミゾにはめこんで組み立て
るだけでは、固着されていないので直ぐはずれた
り、強度がない。またはめこみ部分にスキマがで
きて汚れが外ににじみ出すなど、実用的でない。
従つて現在もこのような天ぷらガードは市販にい
たつていない。

この考案は、以上の問題点をいつきよに解決
し、実用に耐える調理用の汚れ防止具を提供しよ
うとするものである。

次にこの考案を図面にもとづいて説明する。第
１図乃至第４図はこの考案にもとづく調理用汚れ
防止具の第１の実施例を示し、第１図は展開図で
あつて、１は四辺形の皿状部材、２は皿状部材の
略中央部に開けられた穴、３はその穴の周縁をわ
ずかに立上らせた場合の周縁部、４，５，６は皿
状部材１の三つの辺に設けられた３枚の遮蔽板と
１点鎖線はその折目を示し、７は残る一辺に設け
られた皿状部材１の張り出し部、８及び１０は遮
蔽板４及び６に設けられた補助遮蔽板、９は遮蔽
板５に設けられた補強板で、その両端部は舌片状
の固定片９′，９′を形成している。補助遮蔽板８
と１０は組立てた時に遮蔽板４と５、同じく４と
６との間のスキマをなくすとともに遮蔽板４，６
の補強も兼ねている。

これらの部材は第３図ａないしｅに示す手順で
組立てることによつて遮蔽板４，５，６を互いに
しつかりと固定する手段を構成する。即ち、第３
図においてまずａでは遮蔽板５を折り曲げて垂直
に立てるとともに、遮蔽板４，６に設けられた補
助遮蔽板８，１０を同じく垂直に折り曲げ、さら
に補強板９も固定片９′，９′を起こすように矢印
のように折り曲げる（ｂ参照）。次にｂにおいて
遮蔽板４，６を垂直に折り曲げて立てる。この
時、補助遮蔽板８，１０は遮蔽板９の後側になる
ように組み立てると遮蔽板４と５、同じく５と６
との合わせ目のスキマを完全にふさぐ効果を奏す
る。さらに補強板９を矢印のように折り曲げると
ｃのような状態になる。次にｃでは固定片９′，
９′を矢印のように折り曲げてｄのような状態に
する。さらにｄでは固定片９′，９′を矢印のよう
に折り曲げると、ｅに示すような形に組み立てあ
がる。こうして遮蔽板等の間にスキマのない堅牢
な調理用汚れ防止具が、道具や接着剤などを用い
ることなく極めて容易に組立てられるものであ
る。遮蔽板４，５，６及び張出し部７には補強と
美観を兼ね備えた同心円状の凹凸模様が設けられ
（図示せず）ている。以上は金属箔板を例えばプ
レス成形のような一体成形工法によつて大量生産
される。

第２図は前記同心円状の凹凸模様の状態を示し
た第１図Ａ−A′部の断面図である。

以上の如く構成するので、前述した固定手段を
構成する補助遮蔽板８，１０と補強板９及び固定
片９′，９′によつて遮蔽板４，５，６は互いに固
着されるとともに、補助遮蔽板８，１０は３枚の
遮蔽板４，５，６を垂直に立てた状態で、遮蔽板
５を両側から囲うように組み立てられるので遮蔽
板４，５，６の間のスキマをなくし汚れのモレを
完全に防止する。以上の如く構成することによ
り、本考案の調理用汚れ防止具は充分実用に耐え
得る堅牢かつ汚れを漏らさない構造とすることが
出来る。

第４図は第３図の要領で組立てた調理用汚れ防
止具の具体的な使用状態を示した使用状態説明図
であり、図に示すような状態で使用する。

以上のべたように、組立式調理用汚れ防止具の
遮蔽板を本考案の図面第１図に示すような固定手
段で固着することによつてはじめて実用に耐え得
る調理用汚れ防止具を実現した。しかも本考案に
係る調理用汚れ防止具は同図面に示すように金属
薄板をプレス加工のような一体成加工によつて容
易に大量生産でき、さらに第３図のような手順で
道具もなしに簡単に組立てられ、しかも前述の如
く３枚の遮蔽板が互いに固着されるので、堅牢な
構造となり、従来よりも素材の厚さを薄く出来て
耐久性も向上するからきわめて経済的でもある。
さらにスキマがなくなるので防汚効果も著しく向
上する。従つて、鍋類から飛散する油、煮汁はも
とより、うつかりこぼすような煮汁や具なども完
全に捕捉できるのでレンジの周辺を汚すことが全
くなくすことができる。加えて前記したとおり放
散する熱を鍋類の周囲に集める副次的効果をも発
揮する。

以上はこの考案にもとづく調理用汚れ防止具に
おいて、組立て式で使い捨ての場合であるが、第
４図に示すような組立てた使用状態に一体成形し
て長期間使用に耐えるに充分な肉厚の金属薄板を
用いて一体成形をなし、その内側に例えば四ふつ
化エチレン樹脂加工の如き油に濡れない材料によ
る表面処理を施せば、使用後の清掃が容易にでき
て、繰返し清潔な状態で長期間使用に耐える調理
用汚れ防止具を実現できる。第５図はこのような
長期間使用に耐える、この考案にもとづく第２の
実施例を示す調理用汚れ防止具の外観図であり、
第１図乃至第４図と同一の符号は同一の意味を示
し、１１は内側に施された前記表面処理である。

以上のべたように、この考案は実用上きわめて
効果の顕著なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、この考案にもとづく調理
用汚れ防止具の第１の実施例を示し、第１図は展
開図、第２図は同心円状の凹凸模様の状態を示し
た第１図Ａ−A′部の断面図、第３図ａ乃至ｅは
組立て順序を示す説明図、第４図は使用状態説明
図である。第５図は、この考案にもとづく調理用
汚れ防止具の第２の実施例の外観図である。 １……四辺形の皿状部材、２……穴、４，５，
６……遮蔽板、７……張出し部、８，９，１０…
…固定手段、１１……油に濡れない材料による表
面処理。また図中の一点鎖線は折目を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 四辺形の皿状部材１の略中央部に所要の大き
   さの穴２を設け、前記四辺形の皿状部材の三辺
   に折目を設け、その折目で折り曲げ直立させて
   組立てられるように構成された３枚の遮蔽板
   ４，５，６を設け、残る一辺には四辺形の皿状
   部材の張出し部７を設けた金属箔板あるいは金
   属薄板でつくられた組立式調理用の汚れ防止具
   において、前記３枚の遮蔽板４，５，６に、互
   いを固定する手段を構成する補助遮蔽板８，１
   ０と、両端部に固定片９′，９′を形成する補強
   板９を設けたことを特徴とする調理用汚れ防止
   具。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の調理用
   汚れ防止具において、これを組立てた状態で金
   属薄板で一体成形し、その内側に四ふつ化エチ
   レン樹脂のような油に濡れない材料で表面処理
   を施したことを特徴とする調理用汚れ防止具。